【2022最新版】新規就農者向けの補助金の内容・条件を分かりやすく解説!

農林水産省は、農業が抱える深刻な人材不足の課題解決のため、2022年度から就農支援補助金を1,000万円に拡充することを決定しました。

これから新規就農を検討している人にとって、「資金」の問題が解決すれば、スムーズに事業展開できて安心ですよね。

ただ、実際に補助金を受け取るためには細かい条件があるので、仕組みを理解することが重要です。

ということで、この記事では、新規就農者が受け取れる補助金についての内容や条件を初心者の人にも分かるように解説していきます。

2022年、新規就農者の補助金を大幅UP

農林水産省は、農業における人材不足を深刻に受け止め、2022年度より新規就農者への支援制度を手厚くすることを決めました。

引用元:農林水産省

これから新規就農を検討している人にとって、「土地管理」「ノウハウ取得」「設備・機械の調達」「人件費」など莫大な費用が発生するので支援があれば安心です。

しかし、従来の補助金制度との変更点として、営農を継続することが条件となっています。

営農を途中で断念した場合、多額の負債を負うリスクがあるという点において、受け取る前の覚悟と計画は重要です。

新規就農の補助金は「準備型」「経営開始型」の2種類

これから新規就農をする人に向けて、農林水産省は「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」と呼ばれる補助金を提供しています。

農業次世代人材投資資金は、「就農準備資金」と「経営開始資金」の2種類に分類できるので、自分はどちらが適しているかを判断して申請しましょう。

「就農準備資金」:学んでから就農したい人向け

現在は、就農準備期間であり、農業学校に通ったり、技術研修をしたりするために、無収入の期間が続く人に向けて、生活支援をしてくれるのが準備型の補助金です。

補助金の金額年間最大150万円(月額12.5万円)
期間2年間
主な条件(全て満たす必要あり)就農予定者が原則49歳以下独立・自営就農・雇用就農を検討している都道府県が認可した研修に1年間(1,200時間)参加にする常勤の雇用契約を締結していない生活保護・求職者支援制度などの国が提供する他の事業と重複受給不可前年度の世帯所得が600万円以下研修中の怪我等に備えて損害保険に加入する
返還対象研修に参加していない場合1年以内に独立・自営就農・雇用就農しなかった場合交付期間の1.5倍の期間で独立・自営就農・雇用就農しなかった場合親元就農者で5年以内に経営継承しなかった場合
交付主体都道府県市町村青年農業者等育成センター全国農業委員会ネットワーク機構
申請様式別紙様式第1号(研修計画)(WORD)別紙様式第1号(研修計画)(PDF)

※次世代の就農者育成が目的の補助金のため、50歳以上の就農者は対象外となっています

「経営開始資金」:今すぐ新規就農する人向け(2022年版)

現在、新規就農を始めていて、まだまだ収入が安定しない人たちに向けて、生活支援をしてくれるのが経営開始型の補助金です。

新規就農をしても1年目から収入が得られる可能性は、非常に低いです。

最低でも1〜2年、ノウハウなどをしっかりと身につけて十分な生活ができるようになるまでには数年かかる場合もあります。

そういった問題を踏まえた上で、新規就農で発生する初期費用を支援しようと発案されたのが経営開始資金です。

補助金の金額最大1,000万円+最大月額13万円
期間5年間(月額13万円の給付は3年間)
主な条件(全て満たす必要あり)新規就農者が原則49歳以下独立・自営就農者である計画内容の基準を満たしている生活保護・求職者支援制度などの国が提供する他の事業と重複受給不可前年度の世帯所得が600万円以下
返還対象交付期間終了後、交付期間と同期間以上、営農を継続しなかった場合
交付主体市町村
申請様式青年等就農計画別紙様式第2号(経営開始資金申請追加資料)(WORD)別紙様式第2号(経営開始資金申請追加資料)(PDF)

※次世代の就農者育成が目的の補助金のため、50歳以上の就農者は対象外となっています

経営開始資金の1,000万円は、日本政策金融公庫から無利子で融資を受けられるというものですが、国や自治体が代わりに返済してくれるので新規就農者には返済義務はありません。

さらに、設備資金の1,000万円だけしか出さないとなれば生活が安定しない農家さんも出てきてしまうでしょう。

そういった不安を解消するために、前年度の世帯年収が600万以下の条件などを満たせば、毎月最大13万円までの補助金を3年間受け取ることが可能です。

「初期費用分+生活費」の補助を受けられれば、新規就農しようと決断できる人も増えるのではないでしょうか。

従来の新規就農者向け補助金の変更点

従来の新規就農者向け補助金では2つ変更点があります。

要件内容が厳しくなった

「農業次世代人材投資資金」の前は「青年就農給付金」という名前で新規就農者に向けての補助金が提供されていました。

以前から新規就農者向けの補助金について知っている人であれば、「青年就農給付金」という名前が記憶に新しいかもしれません。

青年就農給付金の時には、国からの補助金を受給した直後に、営農をやめてもペナルティなどは一切発生しませんでした。

しかし、農業次世代人材投資資金に名前が変更されたと同時に、給付金を受給した期間と同期間以上の営農を行わなければ、受給分の変換が求められるよう改定されました。

制度が改められた理由としては、青年就農給付金を新規就農のためではなく生活費に充てている農家が多すぎるという声が集まったためです。

補助金目当てで新規就農をすると申請しても、実際は補助金の受給期間を終えて継続的な営農がされなければ、青年就農給付金の目的は達成されるどころか本末転倒です。

そこで、補助金制度の条件を見直し、本当に継続的な営農を検討している農家にだけ補助金が渡るような制度「農業次世代人材投資資金」に変更しました。

条件が厳しくなったことにより、リスクが高くなったと考える人もいるかもしれません。

ただし、計画書を提出した上で、それ通りに新規就農をすれば、収入はしっかりと得られる見込みがあるので安心してください。

経営開始資金の受給額が大幅にUP

2021年までの経営開始資金は、就農準備資金と同様に、年間最大150万円(月額12.5万円)の補助金が提供されていました。

しかし、新規就農は初期費用が高いという点を再度見直し、日本政策金融公庫が最大1,000万円を無利子で融資することになりました。

基本的には、土地・設備・機械などに使うことが求められていますが、日本政策金融公庫から借りたお金を国と地方が毎年肩代わりしてくれる仕組みです。

具体的には、5年間で営農が安定するという想定で以下のように補助金が受給されます。

  • 1〜3年:年間150万円
  • 4〜5年:年間120万円

資金が足りないからという理由で、設備や機械などを安いもので揃えてしまうと後々ガタがきてしまう可能性もあるので、新規就農の最初の準備は慎重に行いたいところ。

初期投資ができれば、新規就農者も安心して「がんばろう!」というモチベーションで営農に励むことができますよね。

補助金を受け取るためにやっておくべきこと

新規就農者に対して手厚いサポートがあることは分かったと思いますが、青年就農給付金の件もあり、審査がある程度厳しくなっているのが現状です。

ということで、ここでは実際に新規就農者向けの補助金を受け取るためにやっておいたほうがいいこと、気をつけたほうがいいことについて解説するので参考にしてみてください。

「認定新規就農者」になる

認定新規就農者とは、農林水産業や地方自治が提供する認定新規就農者制度のことで、営農開始から5年間の目標設定をして、計画書の作成をします。

新規就農者向けの補助金には、多くの申し込みがあるのですが、認定新規就農者制度を儲けることで、計画的に営農をする見込みのある若者をふるいにかけることができます。

つまり、認定新規就農者になっておくだけで、新規就農をする上で必要な補助金などの審査が一気に通りやすくなるので、補助金の受給を検討している人は必見です。

新規就農の補助金を受給しやすくなる審査ということで難易度が高そうに見えますが、令和2年度の認定状況は、11,397人(法人込み)中9,225人と認可率80%を超えています。

条件を満たして、丁寧に計画書を作成すれば認可されるので、認定新規就農者制度を利用してみてください。

条件原則18歳〜45歳未満一定の知識・技能を持つ中高年齢者(65歳未満)上記2つの条件を満たす役員が過半数の法人
計画書の内容就農地営農ジャンル目標所得に対する内訳 など

申請前の農業系アルバイトは避ける

これから新規就農を検討していて、資金調達のため補助金の受給を検討している場合は、極力、農業系のアルバイト経験を持たないことを推奨します。

新規就農者向けの補助金を受給するためには、日本政策金融金庫からの審査を受けることになります。

農業系のアルバイト経験があると分かると、場合によっては「農業経験者」とみなされてしまい、補助金・無利子で融資を受けるためのハードルが上がる可能性があるからです。

ただ、農業系のアルバイトといっても「道の駅の野菜販売」「事務作業」「トラック運搬」程度であれば経験者扱いになることはないでしょう。

しかし、審査の基準は不透明なところもあるため、作物の栽培・収穫などのアルバイトをするのは注意が必要です。

不安であれば、事前に自治体等で確認しておくと安心です。

一緒にチェックしておきたい就農者向けの補助金

就農者向けに提供される補助金は、「就農準備資金」と「経営開始資金」以外にもあるので、上限金額や期間、内容と一緒に見ていきましょう。

強い農業・担い手づくり総合支援交付金

強い農業・担い手づくり総合支援交付金は、各地域が農業を強化するために、就農者を支援する制度で、市町村に相談して申請手続きを行うことができます。

融資主体型補助事業(地域担い手育成支援タイプ)融資主体型補助事業(先進的農業経営確立支援タイプ)条件不利地域型補助事業
補助される金額最大300万円個人:最大1,000万円法人:最大1,500万円事業費用の2/1
条件農業の担い手として地域の発展に貢献すること高い目標を掲げて、営農の利益を伸ばしながら相対的に地域の発展に貢献すること経営規模の小さい地域で農業を発展させること

荒廃農地等利用活用促進交付金

荒廃農地等利用活用促進交付金は、再生事業を検討している新規就農者や、荒地で農業を始めようと検討する新規就農者に向けて支援をしています。

数ある就農者向け補助金制度の中でも、荒廃農地等利用活用促進交付金は、新規就農者にも積極的な支援を行なっているのがポイントです。

農業を始めるにあたって「過疎地域」や「荒廃農地」へのこだわりを持っている人は、この支援制度も一緒にチェックしてみてください。

補助金の金額事業によって異なる(面積別・定額・割合など)
条件遊休農地に該当する土地事業費の総額が200万円未満であること農業者・組織が人・農地プランの中心経営体であること

産地生産基盤パワーアップ事業

産地生産基盤パワーアップ事業は、従来の農業よりも高性能な機会・施設などを導入して新たな試みで栽培を検討している農家を支援します。

「収益性向上対策」「生産基盤強化対策」「新市場獲得対策」の3つに分類できて、それぞれ事業内容が大きく異なるので、都道府県に設置された担当窓口に確認してみてください。

収益性向上対策生産基盤強化対策新市場獲得対策
補助される金額原則事業費用の1/2整備事業:事業費用の1/2基金事業:定額補助推進事業:定額もしくは1/2(上限5,000万円)整備事業:事業費用の1/2(上限20億円)
条件一定の基準以上の成果目標を定める面積要件一定の基準以上の成果目標を定める要件を満たす計画の内訳を開示一定の基準以上の成果目標を定める費用対効果分析事業実施主体者が協働事業計画に携わっていること

農産物等輸出拡大施設整備事業

農業物等輸出拡大施設整備事業は、国内で栽培した産物を輸出するための施設・環境整備を支援してくれます。

海外輸出を念頭に新規就農を検討している場合は、都道府県・市町村・農業者が所属する組織などに相談してみてください。

補助される金額都道府県向けの交付率は定額事業実施主体へは事業費1/2
条件農業従事者が4名以上いる組織一定の基準以上の成果目標を設定面積要件を満たす総事業費要件を満たす費用対効果分析輸出事業計画の策定GFP会員

まとめ

この記事では、新規就農者に向けた補助金制度の最新版(2022年バージョン)について解説しました。

新規就農をするには、莫大な費用がかかるため人生を賭けた決断になりますが、国や地域からの支援があれば、より理想的な準備ができます。

今まで「資金面」でリスクを感じていた人でも、自分の生活水準を維持しながら新規就農という新しい挑戦に踏み出しやすくなっているので安心です。

「みんなで農家さん」では、新規就農を検討している人に向けて、有益な情報を継続的に配信しています。

今回ご紹介した補助金をさらに深掘りして、年代別・都道府県別に細分化したり、法人化する方法、広告マーケティングなどについても解説しています。

ぜひ、こちらからご覧ください。

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