のどかな北海道!農家の一日の流れ

北海道は国内耕地面積の4分の1を有する大規模な農業地帯。

農業の産出額も全国1位の実績を誇ります。

都会に暮らしている方の中にも

「都会を離れてのどかな北海道で農業をしたい」

そんな想いを抱かれている人も多いのではないでしょうか?

人間の生活で大切な食生活を支えている仕事が農業。

時代が変わるにつれて、環境やライフスタイルには変化があるものの、昔も今も農業という仕事は存在し続けています。

しかし、そんな我々の生活に関わりが深い割には

「農家がどのような一日を送っているのか?」

「農業とはどのような仕事なのか?」

などの農業に関する知識が不足している事も多いのではないでしょうか?

今回は、一般的な農家の一日の過ごし方と、農業の仕事の特徴、北海道の農業の現状と未来についてご紹介しましょう。

「日の出と共にスタートする!農家の一日」

農業の仕事は農地を農業に最適な土地に作り替え、米や野菜、果物といった作物を育成して出荷すること。

栽培の方法は育てる作物により違いはありますが、多くの農家は外での作業が主になります。

このため農家では「太陽が出ている明るい時間帯」が仕事の時間です。

しかし取り扱っている作物の種類や成長段階、季節によっては「太陽が出ていない夜間」に農作物の様子を見なければいけない場合もあります。

一般的な農家の一日は朝の5時前後の起床から開始します。

起床後、身支度を終えると朝食前に農作業をスタートされます。

身支度に取られる時間は約30分から1時間なので、多くの場合5時半から6時頃までには農作業はスタートしています。

早朝は、体力や集中力も高く、仕事の効率が高くなる朝の時間は農家にとって貴重な時間なのです。

特に夏の朝は涼しく、日照時間が延び明るい中で仕事ができるので、より効率良くペースが進んでいきます。

早朝起床後の仕事は1時間半から2時間ほど。

8時頃から朝食をとり9時頃まで休憩。朝の休憩が終われば、農作業の再開です。

午前中の時間を利用して収穫などの畑や田んぼの農作業を行うことが多いのです。

12時から1時間ほどの昼食休憩を取り、今度は午後の作業です。

2時間ほど作業を行うことが多いです。

農家によりけりですが、午後の作業は出荷の準備作業を中心に行うというケースが多いです。

その後は、15時半頃から30分ほど、おやつと水分補給と体を休める小休憩です。

農業は体力勝負の力仕事なので、こまめに休憩を入れて体を休めることは大切なこと。

小休憩後に1日の最後の農作業を終え、日没時間となる18時頃に仕事は終了です。

「時期により変わるサイクル」

農家の一日の流れを解説しました。

しかし、扱っている作物によっては成長に合わせて作業を行うため、時期に合わせて作業内容が異なるケースも多くあります。

例として、ある時期には肥料をまく作業を行い土づくりに精を出します。

ですが、別の時期には苗を土に植え付ける作業を行います。

作物が十分な成長を遂げれば収穫をして出荷をすることが主な仕事となる時期もあるのです。

 一般的には「収穫をし、出荷する時期」が最も忙しい時期。

つまり繁忙期といわれています。

基本的には春から夏にかけての期間が農業の忙しくなる時期となり、収穫を終える秋から冬にかけての時期になると農閑期となって忙しさが落ち着いてきます。

また、季節ものの作物を扱うことで時期によって忙しさの強弱に大きな差が生じる農家もあるのです。

特に母の日のカーネーション、クリスマスのシクラメンやポインセチアなどの限定的な日に求められる出荷が必要な農家は忙しい時期にも差が生まれてきます。

「各農業の一日の流れ」

一般的な農業の一日の流れをご紹介しました。

ですが、育てる生産物により差が生まれてきます。

そこで、米・野菜、畜産農家の主な一日のスケジュールを解説していきましょう。

「米・野菜農家のスケジュール」

4:30 起床、身支度

5:00 田んぼの管理、収穫・出荷調整

7:30 朝食、休憩

8:15 直営店へ出荷、草刈り

13:00 昼食

13:30 土寄せなどの必要な作業

19:00 夕食

22:30 睡眠

早朝5時から活動開始。

田畑での栽培管理以外にも、産直店への出荷や土寄せなど。

一日を通して様々な作業をします。

「畜産農家のスケジュール」

6:00 起床、家事、送迎

8:00 仕事 

12:00 昼食

13:00 仕事

17:00 夕食、送迎

19:00 お肉加工

深夜1:00 睡眠

養豚農家の作業は、豚舎の清掃やワクチン接種、子豚の世話など多岐に渡ります。畜産には、家畜に子どもを生ませて育てる「繁殖」と、購入した子どもを大きく育てる「肥育」の2種類があるのです。

両方行っている養豚家もあり、なかなか農場を留守にできないなど多忙ですが、規模拡大によりスタッフ増加すれば働き方も変化します。

「いちご農家のスケジュール」

4:30 起床、朝食準備

5:00 収穫開始

6:30 子供起床、朝食、送迎

8:30 出荷準備

12:00 昼食

13:00 いちごの管理など

16:30 出荷準備、買い物

18:00 夕食

21:00 SNS更新

22:00 睡眠

人気の作目・イチゴ。朝摘みを出荷するため、朝早くからスタートします。

農園のSNSの更新も大切な作業としておこなっている農家も増えています。

農業はやはり早起きが得意な人の方が農家に向いていると言えそうです。

「北海道の農業、 地域の特徴」

北海道は言わずと知れた日本一の農業地帯。

数々の作物で生産量1位を記録している地域です。

今回は、北海道の農業の特徴や課題、そして、その課題を解決する動きについて解説しましょう。

「農業産出額は日本一! シェアNo.1を誇る北海道」

北海道は国内耕地面積の4分の1を有する大規模な農業地帯。

農業の産出額も全国1位の実績があります。

農業産出額上位の品目について生産量でも、主要な農産物である生乳や牛肉、小麦やジャガイモ(馬鈴薯)、玉ねぎ、てん菜はもちろん、かぼちゃやニンジンなど、多くの品目で全国1位。

さらに、食料自給率も、国内で5道県しかない「100%超え」。その上、カロリーベースは196%で全国1位を記録。生産額ベースで見ても214%で全国第4位です。

地形的に大きな広がりを持つ北海道。

気象や立地条件などの変化により、地域別に農業の特色があります。

地域は大きく「道央地帯」「道東(畑作)地帯」「道東(酪農)地帯」「道南地帯」に分かれてます。各地域の農業の違いは以下の様になります。

・道央地帯

比較的温暖な気候を利用して稲作を中心とした農業が展開されています。

これは道央・道南の沿岸に流れる暖流の恩恵のおかげです。

 特に道内で最も温暖な道南では水稲の他にも、野菜・果樹などの多様な農作物を栽培しています。

・道東(畑作)地帯

この地帯では、麦類、豆類、 てん菜、馬鈴しょを中心とした 大規模で機械化された畑作や 酪農畜産が展開されています。

・道東(酪農)地帯

気候が冷涼で、泥炭地などの特殊土壌が多い ため牧草地が中心。

これを活かした EU諸国に負けず劣らない大規模な草地型酪農が展開されています。

・道南地帯

この地帯では、稲作や施設園芸、畑作、果樹などの集約的な農業が展開荒れています。

「大規模化・法人化が進む北海道の農業」

北海道の1経営体当たりの経営耕地面積は、他の都府県の平均が2.2haであるのに対し、北海道では平均が30.2ha。

10倍以上の耕地を運用しています。

つまり、北海道の農業は、日本の中でも特に大規模な経営ということが読み取れます。

農家数(農業経営体数)は、2005年には約5万5,000経営体だったのに対し、2020年の調査では3万5,000経営体。

13年間で約2万も減っていますが、全体の耕地面積は微減傾向に留まっています。

そのかわり、1経営体当たりの経営耕地面積が増えているのです。

また、農地所有適格法人数と法人当たり経営耕地面積はともに増加の傾向にあり、法人化による大規模化が進んでいることがわかります。

「担い手の不足問題をスマート農業か解決」

ですがそんな北海道も課題はあります。

農林業センサス・農業構造動態調査によれば、2005年に11.5万人だった基幹的農業従事者数は、2019年には8.2万人まで減少しています。

年齢別にみると、最も多いのは65歳以上で全体の約41%。

2010年の65歳以上割合は32.6%だったため、9年間で10%弱増加しているのです。

北海道以外の都府県の65歳以上割合71.2%と比較すると低いものの、農業の担い手の高齢化は間違いなく進行しています。

新規の就農者数の推移を見ても減少傾向にあり、Uターンや新規学卒以外の新規参入者は120人程度で推移しているのが現状なのです。

2019年は、最近10年で最も少なく合計454人でした。

「スマート農業が解決の鍵?」

農業の担い手不足と農家の高齢化に関する課題に対して「スマート農業」が期待されています。

体力勝負の力仕事である農業の心強いサポートとして、ICT(情報通信技術)やロボット技術を導入する、農業の新しい形です。

1経営体当たりの農地が広くまとまっている北海道。

実はスマート農業との相性が良く、各種の実証実験が行われています。

ICTやロボット技術を農業に導入する最も大きなメリットとして、作業の無人化や省力化などが挙げられます。

例えば、ドローンによる農薬散布や自動操舵コンバインなどロボット農機の導入が実現すれば、少人数と短時間で作業が完了できます。

時間短縮によって生まれた時間を生産管理などのマネジメントなどにあてることができ、大規模化がしやすくなります。

農林水産省が中心となり、自治体やメーカーと連携してスマート農業の推進を図っています。

ですが、北海道以外の地域では、ほ場の分散や入り組んだ形状がロボット農機の導入ハードルになりかねないのです。

その点、北海道は、1経営体当たりの規模がほかの都府県より大きいために、ほ場もまとまっており、スマート農業の導入ハードルは低くなります。

得られる省力化メリットも他の地域より大きいのです。

それではいくつか導入された事例を見ていきましょう。

★GPSガイダンスシステムの導入により、防除作業等の省力化

北海道恵庭市では、生産コスト削減や省力化の課題解決に向け、GPSガイダンスシステムを水稲・畑作複合経営農家に対して実験的に導入しました。

GPSガイダンスシステムとは、GPSによりトラクターの正確な位置を測位してリアルタイムに表示し、農作業を行う際の走行経路をガイドするシステム。

いわば「農作業用カーナビシステム」です。

効率的な運行や夜間の運転に効果を発揮するのです。

オプションを装着すれば、ハンドルの自動操舵や作業を行う範囲のマッピングなども可能なのです。

導入した農家の主な作物は水稲・秋播き小麦・てん菜・大豆など。

その他の作物も併せて約2,400haの面積があります。

ほ場に傾斜はなく四角い形状がほとんどで、家族構成は経営主とその妻、そしてシステムの操作を行った本人の3人。

GPSガイダンスは、各作物の防除、土壌改良資材などの散布、秋播き小麦への追肥に活用。システムの導入により、以下のような効果が得られました。

・作物の防除用マーカーの設置作業が20haで7時間削減

・土壌を改良する資材の散布および防除作業の省力化

・夜間作業を安全かつ効率的に実施可能

・夜間作業が可能となったことで適期の作業時間を確保

★ドローン散布機の導入により、ミネラル資材の葉面散布や防除作業を省力化

北海道網走郡ではJT農場が良食味米(うるち)生産を目的とし、ミネラル資材の葉面散布を動力噴霧器で行っていました。作業の省力化や時間短縮を図るため、2017年にドローン散布機を導入。

栽培作物は水稲で作付面積は10.9haであり、当時の従業員数は経営者の1名だけ。

ドローンを採用し、稲作の育成期間中における葉面散布に活用。

導入以前は動力噴霧に1ha当たり約1.5時間かかっていました。導入後は1ha当たり約0.5時間と3分の1の時間まで短縮に成功。

病害虫や雑草の防除作業にもドローンを活用で、葉面散布と同様に作業の省力化と時間短縮に成功しました。

★大学と民間企業・地方自治体が連携しスマート農業を推進

今回紹介した事例の他にも、北海道大学の農学研究院ビークルロボティクス研究室がロボット農機の研究開発をしています。

民間企業や地方自治体と連携して実用化に取り組んでいます。

担い手不足や農家の高齢化といった農業が抱える課題については、北海道も同じなのです。

しかし、大規模化・法人化が進んでいる北海道はスマート農業との相性がよく、スマート農業による課題解決に一歩進んでいるといえるっでしょう。

各自治体・大学・農機メーカーなどと生産者が連携して、スマート農業の実用化に取り組んでいます。

その実証結果は都府県の農家にとっても参考になるのではないでしょうか。

「農業の一日と未来」

農業の一日の流れと北海道農業の現状と未来と解説しました。

農業は体力が勝負の力仕事です。

適度な休憩なは取るものの、基本的には早朝よりスタートします。

季節によっては、寒い日もあれば暑い日もあります。

また、取り扱う作物の種類や作業内容によっても異なります。

直射日光の下で長時間の作業を続けたり、ビニールハウスの中の蒸した環境の中に長時間居続けたりなどということもよくあるお話です。

農業は自然を相手に行う仕事。

天候も重要な要素です。

晴れた日のみならず、風の強い日や、雨や雪が降っている日にも作業が必要な時もあります。

台風などの際には通常の作業とは別に、雨や風対策が必要な時もあります。

さらに普段の農作業では苗の植え付けや収穫といった作業で腰を曲げた姿勢や立ちっぱなしの状態を強いられることもあります。

つまり、農家で働くには、ある程度の体力と精神力が必要です。

しかし、このような作業はある程度の経験で慣れてしまうという人も。

仕事とはいえ自然の中で日々体を動かすことで体力が強くなり、食欲が増し、睡眠も改善され、健康的な体となる事も多いです。

雄大な自然の中で季節を感じながら過ごす時間により、精神的なストレスを解消してくれることも多いでしょうね。

さらに、自分の手で愛情を込めて育てた作物の成長を身近に感じながら見守ることができます。

そのことにやりがいを感じながら作業を行うことができるという点も農業の醍醐味と言えるかもしれません。

北海道は土地の条件からも農業には最高の地域。

そして苦労の多い、力仕事への大きなサポートとしてのスマート農業とも非常に相性の良い所と言えます。

最先端の技術と協力すれば人間の労力も軽減されて日本の食文化もより豊かで恵みの多い未来となるでしょう。

忙しい都会生活に疲れている方も新しい人生として雄大な自然と暮らす北海道での農業はいかがでしょうか?

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