スマート農業を実現するためにドローンの活用がおすすめ!活用事例から補助金まで徹底解説

現在の農業は、人材不足、農家の高齢化など多くの問題を抱えています。

その問題を解決するために注目されているのが、AIやロボットを活用するスマート農業です。

特にスマート農業を実現させるためにドローンの活用がおすすめ。

「農業用ドローンは何ができるの?」

「ドローンを導入するメリットは?」

本記事ではスマート農業を実現させるドローンについて徹底解説しています。

また、農業用ドローンの購入時に活用できる補助金も紹介していますので参考にしてください。

スマート農業を実現させるドローンとは

スマート農業は農業が抱えている問題を解消する目的です。

特に農業が抱えている問題である高齢化や人材不足はAIやロボットが作業を行うスマート農業で解決できると期待されています。

ここでは、ドローンの普及状況を解説していきますので参考にしてください。

ドローンの普及状況

農林水産省の資料によると、農業用ドローンの普及は年々増加傾向です。

2016年のドローン登録数は少なく、ゼロに近い状態でしたが、2018年にはスマート農業が浸透し、1,000台以上が農業用ドローンとして登録されました。

また、ドローンの認定操縦者数も2016年にはドローン登録数と同様にゼロに近い状態でしたが、2018年には約5,000人と爆発的に急増しています。

農業ドローンの普及は拡大していく中、ドローンで使用される農薬も年々増加傾向です。

2019年には646種類の農薬が使用できましたが、2022年には1,000種類を超える農薬をドローンで使用できます。

今後もスマート農業が重要視されるため、農業ドローンメーカーや農業用ドローンで使用できる農薬数は増加していくでしょう。

農林水産省 農業用ドローンの普及拡大に向けた計画・関連資料

日本農業新聞 ドローン農薬1000突破

スマート農業を実現させるドローンの活用事例

農業用ドローンの普及について解説してきました。

ここでは、スマート農業を実現させるためにドローンがどのように活用できるか事例を紹介していきます。

ドローン導入を検討されている方は、参考にしてください。

農薬散布

従来の農薬散布方法は噴射器を背負い農薬を散布していました。

他にも無人ヘリコプターを使用して農薬の散布を行っていましたが、機体が大きく価格も高いです。

農業用ドローンでは、機体にタンクが搭載されており、液体の農薬などを入れて操作するだけで、空中で簡単に農薬の散布ができます。

ドローンメーカーにもよりますが、ドローンは時速15km幅4mで移動ができ、10a(1反)を1分程度で農薬の散布が可能です。

また、無人ヘリコプターよりも操作方法は簡単で、スポット散布も可能なので農薬の使用量を抑えられます。

肥料散布

農業用ドローンは農薬散布と同様で、空中から肥料散布ができます。

液体だけでなく、粒状も搭載ができるため、広範囲に効率よく肥料散布が可能です。

特に北海道などの広い農地では肥料散布を行うため、農業用ドローンが活用されています。

農業用ドローンは無人ヘリコプターや噴射機とは違い、精密に肥料散布ができ、散布漏れや重複などの心配はありません。

また、広い農地だけでなく、中山間地域のように狭くて作業が困難な場所でも、肥料散布ができるため生産者の負担を軽減されます。

平坦な土地や中山間地域のような作業が困難な場所でもスマート農業の実現が可能です

播種(はしゅ)

(参照:全国郷土紙連合

農業用ドローンは播種としても利用できます。

ドローンのタンクに種子などを入れて操縦するだけで、従来よりも簡単に種まきが可能です。

また、平坦な場所だけでなく、作業が困難と予想される中山間地域でも播種ができます。

農業用ドローンの利用は人が圃場に踏み入ることなく、育苗や苗などもドローンで運搬できるため、労力や運搬のコスト削減に繋がります。

農作物等の運搬

農業用ドローンは農薬や肥料の散布だけでなく、農作物等の運搬ができます。

農業には多くの資材や収穫物を運搬する機会が多いため重労働です。

従来では農地を何回か往復したり、軽トラに載せて運搬したりしていました。

農業の高齢化が進み、資材や収穫物を運搬するのも困難です。

農業用ドローンを活用すれば、資材や収穫物を運搬でき、生産者の労力を大幅に削減できます。

まだ、農業用ドローンでは重量物を運べませんが、現在民間業者で運搬実証が行われているため、今後の発展に期待できるでしょう。

ほ場センシング

                      (参照:ヤンマーリモートセンシング

農業用ドローンは散布機能だけでなく、カメラやセンサーなども搭載されているため、計測も可能です。

ドローンに搭載されているカメラで上空から撮影し、圃場の状況を確認ができます。

撮影した画像から作物の育成状況や病害虫などが発生していないかの可視化もできるため、育成不良など迅速に対応ができます。

例えば、撮影した画像から育成不良を発見して、追肥か防除かの判断、全体の育成状況も比較ができるため、収穫の予測も立てやすいです。

育成状況のデータは収穫予測だけでなく、今後の土づくりや栽培計画にも活用できます。

スマート農業のシステムを活用することで作物の品質向上にも繋がるでしょう。

鳥獣被害対策

農業用ドローンで新たに研究開発が進んでいるのが、シカやイノシシなどの鳥獣被害対策です。

農家は天候や害虫だけでなく、シカ、イノシシ、キツネ、カラスが作物を食べてしまい、収穫ができない問題もあります。

ドローンに搭載されているカメラで農地の周辺を撮影し、画像分析で農地周辺に生息している動物の実態を把握することが可能です。

また、ドローンが自動で農地周辺を見回りしてくれる研究も進められており、鳥獣被害問題を解消できると期待されています。

スマート農業の実現へ!ドローンを導入するメリット

農業用ドローンの機能と活用事例について解説してきました。

ドローンを導入することでスマート農業が実現し、従来よりも労力や時間が大幅に削減できます。

ここでは、ドローンを導入するメリットを紹介していきますので、導入を検討されている方は参考にしてください。

軽くて運ぶのも簡単

従来から使用されている無人ヘリコプターの重量は約70kgです。

農業用ドローンは小型なものであれば約10kgで、大型になると25kg以上になります。

農業用ドローンは無人ヘリコプターよりも軽いため、持ち運びが簡単です。

また、無人ヘリコプターよりもサイズはコンパクトなため、狭い場所でも安心して使用ができます。

ドローンはバッテリーで飛行するため騒音は少なく、農地周辺が住宅地であっても時間帯を気にする必要ありません。

農作業の効率化ができる

従来の農作業は人の手で肥料を撒いたり、種を植えたりしていました。

人が作業を行うと、どうしても植え忘れや肥料が足りないなどの問題が起きます。

農業用ドローンを活用すれば、空中から肥料や農薬を広範囲に散布することが可能です。

また、精密に散布できるため、肥料散布忘れや重複の心配はありません。

スマート農業を実現させるためにドローンを導入することで、農作業の省力・軽労化が可能になります。

農家の高齢化対策ができる

農作業は年中重労働で、高齢者の方には身体の負担は大きいです。

例えば、夏の農作業は熱中症などの危険性があります。

農業用ドローンを活用すれば、肥料や農薬の散布ができ、小物であれば運搬が可能です。

ドローンの操縦も難しくないので講習を受ければ、簡単に操縦ができるでしょう。

農業用ドローンを活用すれば、高齢の農家でも負担の軽減ができます。

また、若い世代にスマート農業のシステムを引き継ぐときもスムーズに取り組めるでしょう。

データ管理ができ、活用できる

農業用ドローンは肥料散布や運搬だけではありません。

ドローンにはカメラやセンサーが搭載されており、上空から撮影した写真はデータとして活用ができます。

上空から撮影した写真から作物の育成状況や害虫などの問題がないか把握が可能です。

例えば、「なぜこの場所だけ苗が枯れたのか」や「この場所だけ育ちが悪い」などの問題がデータを管理して分析をすることで、解決できる可能性があります。

データを活用することはスマート農業の目的としても挙げられます。

ドローンで収集したデータを管理することで、育成状況比較や今後の栽培計画にも活用が可能です。

コスト削減につながる

農業用ドローンを活用することでコスト削減にも繋がります。

無人ヘリコプターを購入するには費用が新品で1,000万円必要です。

中古でも500万円は掛かります。

農業用ドローンの場合は、メーカーにもよりますが100万円〜300万円以内で購入が可能です。

機体を購入するなら農業用ドローンがおすすめ。

また、ドローンはスポット散布もできるため、肥料や農薬の使用を抑えられます。

薬剤の防除効果

薬剤の防除を委託した場合、業者のスケジュールに合わせる必要があります。

雨が降ると長期的に延期になったり、すぐに防除できなかったりして好きなタイミングで薬剤を散布できません。

そのため、作物の品質が上手く保てない可能性もあります。

農業用ドローンを活用すれば、いつでも薬剤の散布ができるため作物の品質を保ちます。

また、農業用ドローンは夏の猛暑の時でも噴射器を背負う必要はなく、操縦して薬剤を散布するだけなので労働の負担は軽減されるでしょう。

ドローンを導入するデメリット

ドローンを導入するメリットについて解説してきました。

ここでは、導入するデメリットを紹介していきますので参考にしてください。

コストが高い場合もある

農業用ドローンは農作業の効率化でき、コスト削減ができますが、状況によってはコストが高いケースもあります。

スマート農業が普及しない理由も機械や設備等が高いからです

例えば、農地の面積が小さい場合はドローンを使用する必要はありません。

ドローンを購入するには最低でも100万円は掛かり、維持費も年間数万円から10万円は必要です。

ドローンの導入は所有農地の広さと費用を慎重に考慮して購入を検討するのがおすすめ。

また、ドローンは性能によっても値段は大きく異なります。

安いだけのドローンを購入しても性能が不十分の可能性もあり、価格の高いドローンを購入しても不要な性能を搭載しているかもしれません。

ドローンの購入は必要な性能と自身の予算を考慮することも大事です。

ドローンを使用するのに許可が必要

ドローンを使用するには国土交通大臣の承認が必要です。

事前に承認を得ないと航空法の違反になりますので注意してください。

飛行の承認申請方法は下記の通りです。

  • 申請先:飛行予定場所を管轄する空港事務所か地方航空事務所
  • 申請期限:飛行開始予定日の10開庁日まで
  • 申請方法:オンライン、郵送、持参
  • 提出物:申請書、機体・飛行させつ者・体制についての書類や資料

ドローンで農薬散布を行う申請方法

ドローンを使用するために書類作成や提出物の準備をする必要があり、申請期限も厳しいため余裕を持って準備することがおすすめ。

ドローン導入には補助金が活用できる

ドローン導入のデメリットについて解説してきました。

ここでは、農業用ドローンを導入するときに利用できる補助金について紹介していきます。スマート農業に国の制度も力を入れているため、補助金など活用しましょう。

農業用ドローンの導入を検討されている方は、補助金を活用することで負担を掛けずに導入できるため参考にしてください。

小規模事業者持続化補助金

全国商工会連合会が実施している小規模事業者持続化補助金は、従業員20人以下の小規模事業者に向けての補助金です。

小規模事業者持続化補助金は補助対象となる経費科目が多く、WebサイトやECサイトの構築に係る費用や新サービスを紹介するチラシなどにも利用できます。

補助金を使用する場合は最大3/4が補助され、上限200万円まで受けられます。

農業用ドローンの購入を検討されている方は小規模事業者持続化補助金を活用してみて下さい。

全国商工会連合会 小規模事業者持続化補助金

強い農業・担い手づくり総合支援交付金

農林水産省が実施している補助金制度の1つです。

強い農業・担い手づくり総合支援交付金は以下の通り3つの支援タイプがあります。

  • 産地基幹施設等支援タイプ
  • 先進的農業経営確立支援タイプ
  • 地域担い手育成支援タイプ

農業用ドローンに活用できるのは「先進的農業経営確立支援タイプ」か「地域担い手育成支援タイプ」のどちらかです。

先進的農業経営確立支援タイプは助成対象が農業用機械・施設(耐用年数が5年〜20年)で上限が個人であれば1,000万円、法人の場合は1,500万円になります。

地域担い手育成支援タイプは先進的農業経営確立支援タイプと同様の助成対象で上限金額は300万円です。

農業用ドローンを購入するときに活用できる補助金制度なので、該当する場合は窓口に相談してみましょう。

農林水産省 強い農業・担い手づくり総合支援交付金

産地生産基盤パワーアップ事業

強い農業・担い手づくり総合支援交付金と同様で農林水産省が実施している補助金制度です。

農業者等が行う高性能な機械や施設の導入や栽培に関して総合的に支援を行います。

新市場獲得対策、収益性向上対策、生産基盤強化対策などがあり、それぞれ対象や要件が異なります。

採択者におりる補助金は1/2です。

要件が満たす場合は活用できる補助金なので公式ページを確認してください

農林水産省 産地生産基盤パワーアップ事業関係情報

事業再構築補助金

中小企業庁が個人事業主や中小企業向けに実施している補助金です。

ポストコロナやウィズコロナ時代の経済変化に対応するため、企業が新たな事業を展開するなど思い切った施策に対して補助金がでます。

補助金の条件が3ヶ月の合計売り上げが10%減少しているなど細かい部分があるため、確認してください。

農業用のドローンに関しても補助金がおりますので、活用しましょう。

中小企業 事業再構築補助金

ドローン導入についてのQ&A

ドローン導入時に活用できる補助金について解説してきました。

ここでは、ドローン導入時のよくある質問について紹介していきますので参考にしてください。

ドローン操作に免許は必要ですか?

ドローンを操縦するには免許や資格は必要ありません。

ただ、農業用ドローンを操縦するには農林水産航空協会が指定する教習施設で講習を受け「産業用マルチローターオペレーター技能認定証」に合格してオペレーターになることが必要です。

技能検定は実技と学科講習があります。

オペレーターになるまでに掛かる日数は未経験者であれば最短5日間、無人ヘリコプターなど操縦経験がある人は2、3日で取得可能です。

資格取得に掛かる費用はスクールにもよりますが、20万〜30万円が必要になります。

また、産業用マルチローター技能検定は操縦するドローンの機体によって実技や学科が異なるため注意して下さい。

一般社団法人 農林水産航空協会

農業用ドローンは初心者でも操縦できますか?

農業用ドローンは初心者でも操縦は可能です。

ただし、一般的なドローンとは異なり、産業用マルチローター技能検定に合格が必要になります。

農業用ドローンの操縦は難しくないので、初心者でも安心して操作が可能です。

近年、スマート農業に力を入れている農家が多く、農業用ドローンを未経験から取得したい人は増えています。

年齢制限もありませんので、農業用ドローンの操縦を検討している方は講習を受けてみてはいかがでしょうか。

スマート農業を実現するためにドローンを活用しよう!

今回はスマート農業を実現するためにドローンを活用することについて解説してきました。

農業用ドローンの活用で農業が抱えている人材不足、農家の高齢化問題を解消できます。

また、導入することでデータ管理や分析など、従来とは異なる栽培計画が立てられ、高品質な作物が生産できます。

ここ数年で政府もスマート農業に力を入れているため、ドローン購入の補助金制度も多いです。

オペレーター技能検定や申請書の提出など少し手間が掛かりますが、農業用ドローンの導入は生産者の労力や時間を大幅に削減できます。

農作業を効率化したい方や農業環境を変えたいと考えている方は農業用ドローンの導入を検討してはいかがでしょうか。

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