農業大学校とは?入試難易度や学費、卒業後の進路まで徹底解説!

「就農したい」と思っていても経験や知識が浅い場合は難しいものです。

実家が農家ではない場合、学校などに通って必要な知識や技術を身につけることも選択肢に入れておきましょう。「農業大学校」は実践的に農業を学べる農家を目指す方のための専門学校です。

この記事では農業大学校の基本的な情報から入試について、お金のこと、学校生活について、卒業後の進路についてなど、徹底的に解説します。

「農家になりたい」、「就農に必要な知識や技術を身につけたい」、「農業大学校について詳しく知りたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

就農希望者のための専門学校「農業大学校」とは

農業大学校は専門学校(専修学校専門課程)です。

対象者は主に就農などの農業関係の就職を目指す方や、経営発展のためにスキルアップを目指す農業者の方です。

「農業大学校」と「農業大学」は異なる

「農業大学校」と「農業大学」はその名称が似ていることから混同してみられがちですが、その中身は別ものです。

「専門学校」である農業大学校と異なり、農業大学は文部科学省管轄の「大学」に分類されます。

農業大学などの大学の農業部では、農業の基本から専門的な内容まで幅広く学ぶことができます。大学では基本的に研究を目的とした学習内容であり、農業大学校のような農業の現場に直接活かせる「就農のための学習内容」ではありません。

また、大学や社会人向けスクールなどの農業について学べる学校についてはこちらの記事でより詳しく紹介しています。

農業大学校は全国42道府県に設置されている

農業大学校は全国42道府県に設置されています。

公立および民間の農業学校と農業研修機関を合わせると67校もの学校が存在しています。

そのため、現在住んでいる地域からでも通いやすいことが特徴です。

その名称もさまざまで、栃木県下野市の「トマトパークアカデミー」、岐阜県可児市の「岐阜県立国際園芸アカデミー」のように学校名称に「農業大学校」がつかない学校もあります。

学習課程は3種類ある

農業大学校には基本的に3つのコースが存在します。

①基本的なコースである2年制の「養成課程」

②より専門的に学べる農業大学校卒業生や短大卒業者を対象とした1~2年制の「研究課程」

③技術・知識の向上を目指す農業者の方や就農を希望する方を対象とした1日~数週間程度「研修課程」

農業大学校は基本的に2年制ですが、社会人向けの土曜日に実施しているコースもあり自分のレベルや状況に合った内容のものを選ぶことが可能です。

たとえば、宮城県農業大学校では初心者、中級者向けの農業チャレンジクラス、上級者向けの農業マスタークラスの研修が実施されています。

初級コースは4月から11月の土曜日に月1回から2回実施し、上級者向けの農業マスタークラスは4月から2月に就農希望者に向けたより実践的な研修内容で行っています。

そのほか、販売や農業機械操作、農業経営全般について学習できる研修も行っています。

学科は学校によって異なる

学科は学校によって違いはあるものの、稲、畑作 、野菜、果樹、花き、 畜産、農業経営などが基本です。

学科の種類や内容、名称は学校によって様々で、「栃木県農業大学校」のいちご学科のようにその地域の特徴に合った学科を設けている学校もあります。

また、「北海道農業専門学校」では「野菜科」「花き科」「果樹科」の園芸グループ、「乳牛科」「日高畜産科」「耕作機械科」の畜産グループに分かれており、園芸と畜産に力を入れているという特徴があります。

公立のため学費は低め

学費は年間約80万円ほどかかる場合が多いです。約12万円の授業費に、初年度は入学費、教材費、入寮費・食費などがかかります。

ただし、寮生活や海外研修の有無によってその金額には差があります。

日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査」によれば、4年制大学(昼間部)の年間学生生活費(学費・食費・住居光熱費)は約180万円ですので、その半額ほどで学べることになります。

さらに、農業大学校は専門学校であるため、職業訓練給付金などの制度を活用することも可能です。

農業大学校に入学する際の難易度について

農業大学校への入学は難しいのでしょうか。

入学方法や条件について紹介します。

年齢制限や学歴による制限はほぼなし

受験条件には「高校卒業程度の学力を有する方」と定められています。そのため、高校卒業を条件とするわけでもなく、年齢制限もありません。

実際に高校卒業後の生徒だけではなく、社会人経験のある30代や40代の学生もいます。

このように、幅広い年齢の人と関われることも農業大学校の魅力ともいえます。

推薦入試と一般入試が存在する

入試方法は学校ごとに異なりますが、多くの学校は推薦入試、一般入試(前期・後期)があります。推薦入試は10月頃、一般入試は1月、2月にそれぞれ試験を行うことが多いです。

偏差値の基準はない

農業大学校には偏差値という基準はなく、基本的に書類と面接で入試が行われます。

入試方法も学校によって異なり、書類のみの学校や小論文や基礎的な学科試験を実施しているところもあります。

推薦入試の場合は受験資格の基準である「評定平均」が存在しますが、長野県農業大学校の推薦入試の評定平均は3.0のため、平均的な成績であれば受験が可能であることが分かります。

合格倍率は高くはない

農業大学校は基本的に少人数制のため、募集人数は各学科40~50人と多くはありません。

しかし、農業大学校は42都道府県に存在している上に専門学校のため受験人数もそれほど多くはなく、結果的に合格倍率は高くはないことが多いです。

たとえば、令和4年度の長野県農業大学校の倍率は1〜1.2とあまり高くない数値であることがわかります。

農業大学校での学校生活について

実際に農業大学校の生徒はどのように学んでどのような生活をしているのかを紹介します。

実習が多く実践的に学べる

農業大学校のカリキュラムの特徴は「実践的」であることです。そのため、教科書をつかった座学や研究よりも、実習時間を多くとっています。

農業大学校では授業時間の半分を実習にあてており、現場で活かせる実践的な教育に力を入れていることが分かります。

農業大学校の授業は2年間 2400時間以上のため、単純計算で1200時間もの時間が実習にあてられていることになります。

さらに、1学科が数十人程度と少人数制での授業を実施しています。そのため、実際に自ら参加しながら経験を積むことが可能です。

寮生活をする人が多い

農業大学校の生徒は基本的に寮生活となります。

これは、野菜や家畜の世話など、早朝や夜遅くの作業に対応できるためです。

たとえば、早朝の牛の世話で朝4時に起床したり、夜中の出産に対応することもあります。そういったときに学校の敷地内の寮であれば、すぐに対応することが可能です。

学校によって寮生活の期間は1年間から2年間とさまざまです。また、全寮制や希望入寮制などの違いもあります。

男子寮と女子寮に分かれ、かつては2人部屋が多く存在しましたが、現在では1人部屋も増えてきています。

就農に役立つ資格の取得が可能

在学中には、以下の資格の取得が可能です。

① 大型特殊自動車免許(農耕車限定)

② けん引運転免許(農耕車限定)

③ ドローン操縦士認定講習

④ フォークリフト運転技能講習

⑤ 小型車両系建設機械運転業務特別教育講習

⑥ 危険物取扱者(乙種第4類)

⑦ 毒物劇物取扱責任者(農業用品目)

⑧ 家畜人工授精師免許(畜産専攻のみ)

⑨ 日本農業技術検定(1級・2級・3級)

⑩ 農業簿記検定3級

なお、こちらは福岡県農業大学校で取得可能な資格であり、取得できる資格の内容は学校により多少異なります。

学校に通う大きなメリットは人脈を広げることができること

農業の知識や技術を身に付けられる点や、疑問点をその場で講師に相談できることも学校のメリットです。

しかし、それ以上に農業大学校で生活する中で、同じように就農を目指す仲間や農業に関する職業につく仲間を作り、人脈を広げることができる点は大きなメリットといえます。

前述したように農業大学校は学歴や年齢もさまざまなため、年齢差のある仲間と他の学校では得られない貴重な学生生活を送ることができます。

農業大学校生の卒業後の進路について

農業大学校の生徒は卒業後どのような進路に進んでいるのかを紹介します。

ほとんどの生徒が農業に関する進路を選ぶ

出典:高知農業ネット:農業大学校の卒業後の進路状況

農業大学の卒業生の多くは農業に関する仕事を選択しています。

たとえば、高知県農業大学校の卒業生の進路をみてみると、9割近くが農業関係の仕事に進んでいます。

その内訳は、21%が自営にて就農、20%が農業会社にて就農、11%がJAなどの農業団体、34%が種苗会社や農業機械会社などの農業関連企業です。

他の場所でさらに経験を積む就農希望者も多い

上のグラフからも分かるように、農業大学校を卒業してすぐに自営として独立して就農する人は2割程度とあまり多くはありません。

実は、就農には多くのハードルがあり、親や親戚が農家でない場合は卒業後にすぐに就農することは難しいことが多いです。

たとえば、就農する土地の確保や就農に必要な農機具やハウスなどの施設の準備、それらを揃えるための資金も必要となります。

よって、多くの就農希望者は就農前に他の場所でより専門的に経験や知識を得ながら、具体的な就農の準備を進めます。

その方法としては、農業法人で就農したり、農業大学校や一般の農家で研修を受けたりする場合が多いです。

令和3年に行われた新規就農者の就農実態に関する調査結果によると、就農希望者の研修先は一般農家が最も高く60.6%、他に農業法人(10.0%)、農業大学校(9.4%)となっていました。

まとめ

就農希望者におすすめの学びの場である「農業大学校」について紹介しました。

農業大学校は就農希望者を対象に、農業を学ぶことに特化した専門学校です。

大学とは異なり、実践的に学べることで農家に必要な知識と技術を身につけることが可能です。

2年間通学するコースだけではなく、社会人向けの短期間の研修も存在するため、働きながらでも無理せず通うことが可能です。42都道府県に存在するため、気になる方は近くの農業大学校があるのかこちらから調べてみてください。

また、卒業してすぐに独立して就農する人は一部の人のみで、他の人は就農前に他の機関や農家にて研修や就職をしていることを紹介しました。

「新規就農」は土地や栽培する作物、農機具などを一からそろえる必要があり、就農のハードルがとても高いためです。

みんなで農家さん」では、新規就農者のサポートを行っております。

みんなで農家さんはシェア農場の運営をしているため、新規就農の際に必要な農地探しや施設建設費、農機具などを用意する必要がありません。そのため、新規就農のハードルは非常に低くなっております。また、就農に必要な助成金などのサポートや栽培に関するサポートも行っております。

新規就農にはどうしても膨大な時間とお金が必要になってしまいますが、みんなで農家さんではそういった必要なことを最小限にしながら就農することが可能です。

気になる方はぜひこちらから確認してみてください。

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