埼玉県は”農業県”だった!農家さんの1日とは?

人が生きるうえで必要となる大切な食生活を支えている仕事が農業です。求められるものや置かれている環境に変化はありますが、昔も今も農業という仕事は常に存在し続けています。

しかし、実際には農家さんが「どのような年間スケジュールをこなし、一日を過ごしているのか」「どのような仕事があるのか」についてご存じでしょうか。

この記事を作るにあたって農家の1日を調べていたら「全国20位産出量と、意外に”農業県”の埼玉県」を発見!!

農林水産省「令和元年農業産出額及び生産農業所得(都道府県別)」によると埼玉県の農業産出額は1,678億円(2019年産)であり、野菜は埼玉県の農業産出額の50.9%を占めているそうです。

そこで今回は、埼玉県の農家さんがどのような一日を過ごしているのか、繫忙期と閑散期の過ごし方をご紹介します。

【目次】

【埼玉県の農業は”日本農業の縮図”】

埼玉県の農業は”日本農業の縮図”と言われます。それくらいいろんな野菜や果樹が栽培されています。近年では冬が暖かくなってきた事を活用し温州みかんも栽培しています。

戦前には、さとうきびをつくっていた記録もあったとか!!地質や気候に恵まれている埼玉は、本当に多様な作物が栽培されています

【埼玉県の特産】

〇熊谷市〇

中央部:水稲・小麦の二毛作(1年のうちに2回、同じ耕地で作物を栽培すること。夏期には米を、冬期には麦を作るなど。)

 北部:ねぎ、にんじん、やまといも、かぶ、きゅうり

 南部:水稲・小麦・大豆栽培に野菜を組み合わせた複合経営

    ブロッコリーなどの露地野菜、ブルーベリー、くり栽培なども盛ん

〇深谷市〇

 北部:ねぎ、きゅうり、トマト、ほうれんそう

南西部:ブロッコリー、スイートコーン、ねぎ

南東部:水稲・小麦の二毛作と野菜を組み合わせた複合経営

〇寄居町〇

東部の平坦地:主穀・野菜等の複合経営

西部の中山間地域:みかん、うめ、くり

【農作物別・種まき収穫時期】

〇えだまめ〇

熊谷市・深谷市

全国:3位

2月に種まき5月に収穫

5月下旬(ビニールをかけて育てるトンネル栽培やビニールを敷くマルチ栽培)

6月下旬(露地栽培)夏の出荷ピーク

〇かぶ〇

熊谷市

全国4:2位

11月に種まき2月下旬~6月に収穫、7月に種を蒔いたときは9月~12月に収穫

〇きゅうり〇

深谷市・熊谷市

全国:4位

9月に種をまき10月下旬~2月上旬まで収穫(越冬栽培)

※夏の作物であるきゅうりを収穫するのは難しく埼玉県は技術の高い産地として知られており様々な栽培方法と組み合わせて長期間出荷している。

〇スイートコーン〇

深谷市

全国:8位

3月下旬に種まき6月中旬~7月下旬まで収穫

〇丸系八つ頭〇

(埼玉県オリジナルのさといも)

深谷市

全国:1位

2月下旬~3月下旬育苗開始、5月上旬に定植、11月~12月下旬まで収穫

〇トマト〇

深谷市

全国:13位

昨年10月に定植、1月~7月まで収穫

〇にんじん〇

熊谷市・深谷市

全国:10位

冬に種まき4月末~6月下旬まで収穫、夏に種まき11月中旬~3月中旬まで収穫

〇ねぎ〇

深谷市・熊谷市

全国:1位

1月中旬~2月上旬に定植、5月中旬~6月上旬まで収穫

3月上旬~4月上旬に定植、7月中旬~8月下旬まで収穫

〇ブロッコリー〇

深谷市

全国:2位

秋物は11月~3月上旬まで収穫、春物は4月中旬~6月中旬まで収穫

〇やまといも〇

熊谷市

全国:6位

4~5月に種芋を植え付け、10月下旬からの収穫

〇ブルーベリー〇

熊谷市

全国:5位

7月下旬~9月上中旬まで収穫(ラビットアイブルーベリー)

6月~9月まで収穫(ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリー)

【農家の一日は日の出から始まる】

一般的な農家の一日は朝の5時前後の起床から始まります。

起床から2時間は「集中力・体力が高まる時間帯」と言われ、仕事が一番がはかどりやすい貴重な時間となります。

起床後1時間半から2時間ほど農作業を行い、8時頃から朝食をとり9時頃まで休憩をし作業の再開です。

主に午前中は収穫、午後からは出荷の準備作業を中心に行うというケースが多く見られます。その後、15時半頃から30分ほどの小休憩後から18時頃までで仕事は終了です。

農家を仕事としている人はサラリーマンのようにきっちりと就業時間が決まっているわけではありません。

取り扱っている作物の種類や成長段階、季節によっては太陽が出ていない夜間に農作物の様子を見なければいけないこともあります。

【時期によって農家の仕事は変わる】

農家の1年のスケジュールは、育てる農作物の種類によって栽培の方法や収穫の時期は異なります。

そのため「繁忙期」と「閑散期」と表現されていますが、細かく分けると「土づくり」「種まき・苗植え」「栽培」「収穫」「出荷」の作業があり、これを1年通して繰り返しているため”閑散期は全く仕事をしない”と言うわけではありません。

農家の1年間のなかでも最も忙しくなるのは「収穫」の時期です。

とくに作っている農作物の旬の時期が短期間に限定されている場合は、集中的に収穫して販売するためとても忙しくなります。

農家の仕事は生きている作物を育てることです。扱っている作物によっては成長に合わせて作業を行うため、時期に合わせて作業内容を変更するケースも多くあります。

季節ものの作物を扱うことで忙しさの強弱に大きな差が生じるのも農家さんの特徴でもあります。

【体力があることは必須!】

どんな仕事も体が資本の仕事です!!ですが農作業は毎日同じことの繰り返しとは違います。

取り扱う作物の種類や作業内容によっても異なりますが、直射日光の下で長時間作業を続けたり、ビニールハウスの中の蒸した環境の中に長時間居続けたりするということは少なくありません。農業は自然を相手に行う仕事であるため、晴れた日だけではなく、風の強い日や、雨や雪が降っている日も作業をします。台風などの際には通常の作業とは別に雨や風対策を行わなければいけない場合もあるのです。さらに毎日の農作業では苗の植え付けや収穫といった作業で腰を曲げた姿勢や立ちっぱなしの状態を強いられることもあります。このように、農家で働くということはある程度の体力と精神力が必要とされますが、先人から受け継がれてきた農法を活かし現代でも 早朝から農作業を始め、小休憩時間を儲け、自然の中で日々体を動かすことで体力が付くばかりではなく、食欲が増え、睡眠も良くなり、健康的な体を持続する週間を大切にしています。

自然と共生し季節を感じながら過ごす事で精神的なストレスを解消してくれることもあるでしょう。さらに、自分の手で気持ちを込めて育てた作物の成長を身近に感じながら見守ることができ、やりがいを感じながら作業を行うことができるという点も農業の特徴といえます。

【繫忙期の過ごし方】

農業には繁忙期にあたる「農繁期(のうはんき)」と閑散期の「農閑期(のうかんき)」があります。

繫忙期のある1日を例にすると、日の出とともに働き始め、日が暮れるころに仕事を終えるというのが大まかなサイクル。忙しくてどうしても仕事が間に合わないときは、夜にライトを点けながら働くこともあります。

【閑散期の過ごし方】

一方、冬は栽培できる農作物が限られてくるため、忙しさが落ち着く農閑期になります。

「閑散期」=「暇な時期」=「長期休み」と思う方も少なくないようですが、そんなことはありません。

しっかり閑散期も仕事やメンテナンス、学びをしています。

今回はマイナビ農業で紹介されていた「農業収入ではない仕事」と「繫忙期に出来ない作業」を紹介します。

〇農業収入ではない仕事〇

  1. 長野県/ブドウ農家「冬は冬の本業、スキー講師をしています。そこで農産物の営    業もしてます!」
  2. 東京都/多品目野菜農家「冬は投資する時期にしています。自分が出している農業    アプリの開発に時間を当てて、自分の農業ももっと自動化できるようにし    たい」
  3. 北海道/コメ農家「地元のライスセンターでアルバイトしています。周りの若手も    みんな働いているので、そこで仲良くなって情報共有できます」
  4. 岡山県/ブドウ農家「この時期でも現金をできるだけ稼ぎたいので、農協のアルバ    イトを頑張っています」

〇農繁期にできない作業〇

  1. 大阪府/野菜農家「片付けや壊れたものの補修、機械整備や堆肥をぶち込んで土づ    くりなど、春夏に向けての準備をしています。あと一年分の事務処理を一    気にやるのは冬の風物詩ですよね」
  2. 北海道/畑作農家「農閑期は農業機械の整備や勉強会への参加です」
  3. 大阪府/兼業農家「営業、経理のほか、出張に出たり、事務作業、機械整備、圃場    整備をしたりなどしています。今年は台風で曲げられたハウスの補強がメ    インです(T.T)」
  4. 山梨県/果樹農家「剪定誘引作業、農薬のまとめ買い、防除暦作成、簿記処理など    ですね」
  5. 大分県/茶農家「カンショ(サツマイモ)をはじめたので、休みらしい休みはなく    なりましたが、カンショの苗床準備、定植、苗の育成、植え付け圃場準     備、 お茶は肥料散布、耕運、茶工場のメンテナンス、仕上げ茶加工などし    ております」

引用:マイナビ農業農閑期の過ごし方ランキング【農家の冬の取り組み】

【まとめ】

埼玉県はいじられキャラの常連と思われる方も少なくはないのでしょうか…「翔んで埼玉」の影響でしょうか…私もその一人でしたが魅力のある県だと知りました。

また農業という仕事は「農地を農業に適した土地に作り替え、米や野菜、果物といった作物を育てて出荷する」ことであり、農家の仕事は朝の涼しい時間帯から日が沈む時間まで働いており、農作物が順調に育っているか注意深く見ていく必要があることがわかりました。

年間通して繁忙期が忙しいのはもちろんですが、閑散期ではゆとりある時間を活用して、農業と何かしらの関係がある別の収入源を生み出すことや勉強会、視察など後学のための知見を深める方が多い印象を受けました。

私も同じですが仕事を複数持つことで本業のモチベーションが上がるような気がします。

一般的なサラリーマンのように長期で休みを取ることは難しいですが、仕事の合間に少し出掛けたり、私用を済ませたりすることは可能で、比較的融通が効くバランスのとれた仕事ではないでしょうか。

報告する

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。