ピーマンとパプリカどう違う?

よく知られる野菜の1つとして、ピーマンが挙げられると思いますが、ピーマンとよく似ている野菜、パプリカもご存知かと思います。

皆さんはピーマンとパプリカ、どう違うかご存知ですか?

今回はピーマンとパプリカについて、詳しく掘り下げていきたいと思いますので、最後までお付き合いください。

ピーマンとパプリカ

どちらもナス科トウガラシ属ですが、実は品種が違います。

パプリカとピーマンは、同じナス科トウガラシ属に属し、どちらもトウガラシの一栽培品種ですが、違う品種です。

中型種のピーマンに対し、パプリカは肉厚の大型種で、辛味が無く甘い品種です。

赤く完熟した実を収穫して干しながら熟成させてから乾燥させ、その果皮だけを粉末状にします。甘酸っぱい香りとほろ苦みがあります。

ピーマン

ピーマンという名前は、フランス語で唐辛子を意味する「ピマン」が語源です。

独特の苦みがあるので苦手な人にはいささか不人気のピーマンですが、ビタミンCを多く含み動脈硬化や高血圧にも効果を発揮する野菜です。

レモンと変わらないくらいのビタミンC、赤ピーマンはレモンの約1.5倍のビタミンが含まれています。

また一般的なビタミンCは加熱するとかなり減ってしまいますが、ピーマンのビタミンCは加熱しても減りにくいため、ピーマンを加熱してもあまり損失なくビタミンCを摂取することが出来ます。

また、ピーマンに含まれるカロテンは油との相性が抜群に良いです。ピーマンを油で炒めると体内吸収力が高まります。

!ワンポイント!

●青(緑)ピーマン

未熟な状態で、苦味のもととなる「ピラジン」を含みます。

「ピラジン」は血液をサラサラにする効果があり、心筋梗塞や脳梗塞の予防に期待できます。シャキシャキとした食感があるのが赤ピーマンとの違いです。

ピーマンの細胞は縦に並んでいるので、横に切るとピーマンの細胞を壊し、そこから苦味成分(クエルシトリン、ピラジン)が出てきてしまうので、苦く感じます。

しかもこの苦み成分に栄養があるので、栄養が流れ出ない縦切りがおススメです。

●赤ピーマン

完熟の状態で、全体的に豊富な栄養素を含みます。

ビタミンEは「緑ピーマン」の約5倍、ビタミンCは約2倍、カロテンは約2倍もあります。

また、新陳代謝を活性化する「カプサイシン」という栄養素も含まれています。

青(緑)ピーマンにある「ピラジン」は、熟していくと無くなるので、ピーマン特有の苦みが少なく、甘みがあります。

パプリカ

色は、赤や黄、オレンジなどカラフルです。紫や黒、茶、白といっためずらしい色もあります。

ピーマンのような青臭さや苦みがなく、甘くて、食感がジューシーなので、煮込み料理の他、サラダなどの生食にも向いています。

オーブントースターなどで皮がまっ黒になるまで加熱し、皮をむいて食べると、一層、甘みが増します。

ピーマンと比べると、ビタミンCは約2倍、カロテンは約7倍あるとされています。

カロテンは、ガン予防に効果があるといわれており、マリネや油炒めなど、油を使った調理をすると、吸収率が高まります。色鮮やかなので、彩りにもなります。

!ワンポイント!

●赤色パプリカ

カプサイシンと呼ばれる赤い色素を豊富に含んでおります。

高い抗酸化作用があると言われ、身体の中の不要なコレステロールを取り除く働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞等の生活習慣病の予防効果が期待されると言われています。

●黄色パプリカ

シミやソバカスを防ぎ、美白へと導く役割を果たす「ビタミンC」と肌の老化を防ぐ「ルテイン」が豊富に含まれています。

●オレンジパプリカ

β-カロテン(抗酸化作用により、老化を防ぎ、生活習慣病の予防に役立つ)や、ビタミンC(美白効果や免疫力の向上が期待)やビタミンE (「若返りのビタミン」と呼ばれエイジングケア効果がある)等を含んでいると言われています。

他の色よりも甘みが強いです。

ピーマンの種類

ピーマンの種類は、カラーピーマンや子どもピーマン、バナナピーマンなど多種多様ですが、大きく「シシ型・ホルン型・長円筒型・ベル型」の4つに分類できます。

■シシ型

シシ型は、スーパーや八百屋の店頭でよく見かける、一般的なピーマンです。

7cm前後の大きさと、やや薄めの果肉が特徴です。

もっとも多く出回っているのは青ピーマンですが、赤ピーマンや黄ピーマンといったカラーピーマンもシシ型に該当します。

少し苦みがあり、青臭さが残っているため、炒め物や揚げ物、肉詰めなどに向いています。

□品種

さらら、京波、京ゆたか、カリフォルニアワンダーなど

■ホルン型

ホルン型は、細長い形をしているピーマンです。

大きさは、小ぶりなものから大きなものまで、品種によって様々です。

ピーマン特有の苦みや青臭さが少なく、甘みを感じるのが特徴です。

甘みのあるホルン型のピーマンは、生で食べるのに向いています。

そのため、サラダやマリネ、素焼きなど素材の味が楽しめる料理に向いています。

□品種

こどもピーマン(ピー太郎)、バナナピーマン、ライムホルンなど

■長円筒型

長円筒型は、一般的なピーマンより大きく、縦に長い形をしたピーマンです。

ホルン型と同じように、苦みや青臭さが少ないため、子どもでも食べやすいのが特徴です。

長円筒型のピーマンは、炒め物や肉詰めがオススメです。

また、照り焼き風にしたりケチャップソース風にしたりと、濃い味付けの料理とも相性がよいです。

□品種

ジャンピー(ジャンボピーマン)、とんがりパワーなど

■ベル型

ベル型は、別名「肉厚ピーマン」とも呼ばれている、果肉に厚みがあるピーマンです。

一般的なピーマンよりやや大ぶりなサイズで、苦みや青臭さがなく甘みが強いです。

食感と味、見た目ともに、パプリカに近いのが特徴です。

甘みが強いことから、生のままサラダやマリネ、サンドイッチの具にするのに向いています。

□品種

サラダピーマン、ちぐさなど

パプリカの種類

色で分類したときの代表的な主なパプリカの種類は、赤パプリカ、黄パプリカ、オレンジパプリカの3つになります。

赤・黄・オレンジは、店頭でよく見かける馴染み深いパプリカです。

パプリカは、完熟するにつれて黄→オレンジ→赤と色が変化します。

味に大きな違いはないですが、含まれている栄養に差があるのが特徴です。

また色によって違う品種が栽培されていて、バリエーションが豊富です。

今回は色ごとに分類しましたが、パプリカには他にもさまざまな種類が存在します。

種類ごとに外見や味が違い、個性豊かなパプリカを楽しめます。

■赤パプリカ

赤パプリカは、3種類のなかでもっとも完熟した状態になります。

太陽の光をいっぱい浴びているぶん、ビタミンA・C・Eが豊富に含まれています。

□主な品種例

マラネロ、マベラ、マランド、アルテガ、マルドナード、スペシャル、クプラなど

■黄パプリカ

3つのパプリカのなかで、一番早い段階で収穫されたのが黄パプリカです。

黄パプリカは、抗酸化作用のあるビタミンCやα-カロテンを含んでいます。

またカロテノイドの一種である、ルテインとゼアキサンチンの含有量が多いのも特徴です。

□主な品種例

ジアルテ、ボリダーノ、カイテ、ボランテ、コレッティ、ボルテンソ、ブロガントなど

■オレンジパプリカ

赤パプリカと黄パプリカの、中間に位置するパプリカが、オレンジパプリカになります。

両方の栄養素をバランスよく含んでいて、ビタミンA・C・Eが豊富です。

なかでも、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEの含有量が多めです。

□主な品種例

オランディーノ、オーバレイなど

旬の時期

農家さんのおかげで毎日スーパーなどで購入できるピーマンやパプリカですが、野菜なのでもちろん旬の時期が存在します。

ピーマンは7〜9月、パプリカは6〜9月になります。

もちろんどの時期のピーマンやパプリカも美味しいですが、やはり旬の時期が一番美味しく食べることができます。

種類は違ってもピーマンとパプリカは、旬の時期が同じですので、ぜひ味の違いなどを知るためにも両方手に取ってみてください。

また、ピーマンは実がなるタイプの野菜としては比較的栽培が簡単なため、お子様と一緒に育てるのにもぴったりです。

苗づくりは少々難しいため、ご家庭で栽培する場合は苗を購入して育てることをおすすめします。

ピーマンはひとつの株から数十個、多ければ100個以上の実を収穫することもできます。

しかしパプリカは、ピーマンに比べると難しいといわれています。

それは、植えつけから収穫までに時間がかかるためです。

栽培方法自体はピーマンとほとんど変わらず、栽培スケジュールを守って管理すればご家庭でも収穫することは可能です。

初めて家庭菜園をする方にとってはおすすめの野菜とはいえないかもしれませんが、過去にピーマンを育てたことがある方や、植物の栽培に慣れている方にはおすすめです。

まとめ

ピーマンとパプリカの違いはわかりましたでしょうか?

同じ野菜に見えても、実は違うなんて、少し不思議ですよね。

また、ピーマンやパプリカの中でも、色の違いによって、栄養価や味の違いがあるのは知らない人も多かったのではないかなと思います。

ピーマンとパプリカは栄養価も違えば、栽培の難易度も違ってきます。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひ食べ比べや、ご家庭での栽培に挑戦してみてください。

彩り豊かなピーマンやパプリカを育てることで食卓も綺麗に彩られ、自分自身で育てた野菜なので、格別に美味しく感じられるかと思います。

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