未来に危惧されている食糧難。解決策のひとつとして、「昆虫食」があります。
そんな中、「コオロギ食」が物議をかもして敷島製パンをはじめとした食品メーカーなどが、大炎上しているのです。
今回は、食糧難の背景と、コオロギ食の不都合な話?を解説します。
1.食べたくない?コオロギ食
1-1.炎上の原因はあの大臣?
杉咲花さんや、深津絵里さんのCMで知られている「パスコ」ブランド。
スーパーでもよく見かけるパンのブランドで有名な敷島製パン。
なんと「コオロギ食」で大炎上を起こしてしまったのです。
事の発端は、デジタル大臣(2023年3月現在)河野太郎氏の「ゴリ推し」とも言える行動。
河野氏が2022年、2月19日に徳島県訪問時に「コオロギのミックスナッツ和え」を美味しそうに食ベるニュース映像、記事などが発表されました。
その記事が…一年経過した2023年に拡散。
公式サイトで食用コオロギの粉末を入れたクロワッサンやフィナンシェ、バウムクーヘンのネット販売を扱う敷島製パンにまで影響が及んだのでした。
以降ネットでは、議論が加熱したのです。
テレビ番組「スッキリ」においても、議論の場面も。
MC「極楽とんぼ」加藤浩次さんは「全員に強制したんだったら苦情言うのは分かる」と過剰反応ではとの見解を示しました。
その一方で、経営評論家の坂口孝則さんは「昆虫食やコオロギ食は意味が無い」発言。
Twitterでは坂口さんの意見に「真っ当な意見」「坂口さんの一石投じる発言が素晴らしかった」「坂口さん唯一の良心やん」などの声が目立ちました。
やはり拒否反応の方が多いように思えます。
1-2.イメージ的にも「食べたくない」
コオロギを食べると言われて、「食べたくない」と思う人が多いでしょう。
見た目からして台所などに潜んでいる人類の天敵「G」を連想する人も多いでしょう。
食品に「Gを連想させる虫」が付着している…私も食欲が失せてきます。
もっとも、コオロギパンなどとして商品化する際には「粉末にしている」とも言われていますが、それでも抵抗がある人がほとんどではないでしょうか…?
もっとも、日本ではイナゴなどが食されていたという文化も存在はします。
ですがコオロギ自体に「人類にとっては毒性がある」とも言われています。
もちろん毒性がないように調理してあると言われても「食用として適しているか?」と言われれば疑問の残る食材とも言えます。
なぜそうまでして「コオロギ食」を推進しなければならないのでしょうか…。
コオロギを食べるように押し付けられているようにも感じます。
何かの意図を感じざるおえません。
2022年11月には日本の給食で実験的にコオロギが提供までされました…。
食用コオロギの粉末を学校給食に 全国初、まず徳島で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC24BFE0U2A121C2000000/
この試みにも数多くの批判が殺到しました。
1-3.コオロギの危険性
コオロギは高濃度に農薬汚染されていたという話もあります。
日本ではイナゴを食べてきました。しかし、コオロギは食べてきませんでした。
人間にはコオロギを食べた場合の分解酵素もありません。
安全性については、検証が足りないと言えるでしょう。
漢方ではコオロギには微毒があり、不妊薬でもあります。妊婦は食べてはいけないとされているのです。コオロギを食べた影響で不妊に陥る可能性もあります。
エビ、カニのアレルギーの人にもコオロギは危険です。エビやカニは重症なアナフィラキシーを引き起こす可能性があります。平成20年6月に食品衛生法によってアレルギー物質(特定原材料)としての表示が義務づけられています。
コオロギにはエビやカニなど甲殻類と類似成分を含むため、エビやカニのアレルギーを持つ方が摂取するとアレルギー症状を起こす可能性があるのです。
給食のアレルギー事故は死亡事故を含め多発しています。
…粉末にして練り込まれていると取り除くことすらできません。
危険性もある「コオロギ食」導入する必要があるのでしょうか?
2.背景にある食糧難
2-1.食糧難が原因?
コオロギをはじめとした「昆虫食」が推進され始めた背景には、「食糧難」の問題があります。
現代のテクノロジーの進歩はすごいものがあります。
しかし、それでも世界には飢餓で苦しみ、若くして命を落とす人は数多くいます。
2022年の国連の報告によれば、8億2800万人が飢餓に陥っているのです。
さらに、コロナ禍の影響や戦争の影響もあり増加する可能性まであるのです。
そんな中で、世界人口は、2050年には20億人増え、さらには97億人まで増加するとも予想されています。特に、飢餓が深刻な地域であるサハラ以南のアフリカ。2050年までに倍の人口になると報告されているのです。
貧困地域では、生活を助ける働き手として多くの子どもを産む傾向にあります。
しかし、食料問題が解決されないまま人口の増加が続けば、今までよりも食料を確保は困難になるでしょう。
国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年、食糧問題の解決策のひとつとして、昆虫を食用としたり、家畜の飼料にしたりすることを推奨する報告書を公表。
このことがきっかけとなり、昆虫食の導入が推進され始めたのです。
世界中の食の識者の投票によって決まるレストランランキング「世界のベストレストラン50」で2010年から4年連続で第1位に選出されたデンマークのレストランnoma(ノーマ)が、食材としてアリを用いていることもニュースになりました。
3.食糧難の起きる理由
3-1.食糧難の真実
さて、世界中で飢餓の問題が深刻化しているとお伝えしました。
しかし、それは本当なのでしょうか…。
実は世界の人々が食べられる量の食べ物は「十分に足りている」のです。
「???何言ってるの?」と思われた方も多いでしょう。
主食として食べられる穀物の生産量を見ても、世界では2019年度のデータで約26.6億トンが生産されています。
これは、世界中の77億人が1年で必要とする量に値するのです。
そして、実はこの数値は穀物のみを換算しています。
つまり、肉魚類、野菜や果物を合わせれば、「十分に足りる」のです。
それでは、食料は世界で必要な量以上に生産されているのに、なぜ世界では飢餓で苦しむ人々が後を絶たないのでしょうか?
3-2.飢餓が生まれる理由
まずは、「なぜ飢餓に陥るのか」ということから考えていきましょう。
〈飢餓が生まれる理由〉
- 慢性的な貧困の連鎖
- 紛争により避難せざるを得ない
- 気候変動による予測不可能な自然災害
などの理由により、飢餓に陥ってしまうのです。
貧困地域に住む人たちは、食料が供給されていたとしてもお金がないために十分な量を買うことができないのです。
さらには、栄養不足では子どもが学校に行くことも難しくなります。
十分な教育を受けられないことで低賃金の職にしか就けなくなり、十分に賃金を得ることができない…さらに貧困が加速してしまうといった負の連鎖が起きているのです。
貧困地域では、現在でも紛争が起きている場所があります。
例えば、中東・西アジアにあるシリア・アラブ共和国。
シリア紛争が悪化し、多くの人々が避難生活を強いられています。
紛争が起きれば、生計を立てるための大切な農地も置き去りにして避難することになります。
住む拠点や、安定して仕事ができる環境が確保できない…。
こうなれば、収入も不安定になります。
たとえお金があったとしても、食料を得られない環境に晒されてしまいます。
それに加えて異常気象や、それに伴う自然災害によって、農作物が思うように生産できないことも飢餓の原因の一つです。
2010年に発生したパキスタンの大洪水では、およそ1,400万人が被災。
農地や道路、橋なども破壊的な被害を受けました。そして600万人が食料支援を必要と推測されるほどの大規模な災害だと報告されたのです。
いかがでしょうか。飢餓が起きている原因は政治的要因や環境破壊などの方が強いと言えます。
3-3.食品の廃棄問題
さらには、途上国では食料を作っても、
- 道路などの交通インフラの未整備なので、市場に届けるま輸送手段がない
- 電気がないため冷蔵庫などの保管設備もない
などの理由で作物を腐らせてしまうのです。やむおえずに、廃棄している現状があります。
いくら全人口を賄う分の食料があったとしても、公平に行き渡らない環境があるのです。
さらには、「食品ロス」の問題もあります。食べられる状態の食べ物を捨ててしまうことです。
途上国に大して、先進国では、ほとんどの人が毎日食べ物を食べています。
空腹を満たすばかりではなく、食が道楽にすらなっています。
しかし、食べ物があることが当たり前になっているために
- 賞味期限切れのものを廃棄
- 食材が正しく保存できておらず腐らせる
- 飲食店で食べきれない量の料理を注文して残す
これらの理由で食品が捨てられているわけです。
世界中で食品ロスされている量は、1年で食料生産量の1/3にものぼります。
日本でも1年でおよそ612万トンの食べ物を捨てているのです。
これは国民1人が毎日お茶碗1杯分の食料を捨てている計算になります。
4.コオロギ食の不都合な話
コオロギ食の推進に対して、「コオロギ食に6兆円」という情報もSNSにて飛び交いました。
もっとも、この情報については、ソースがなく信憑性は薄いとも言えます。
さまざまな陰謀論や誤情報が拡散しているのも、不安と恐怖を煽っていますよね。
「なぜコオロギなんか食べなきゃいけないの?」と思い、利権や陰謀を疑う人が数多くいます。
危険性も高く、人間の食には合いそうにない「コオロギ食」。
食糧難が起きる理由から考えても、「昆虫食」の導入を考えるより他の対策があるのではないでしょうか?
食品の廃棄問題に関しての対策もあるでしょうし、途上国への支援や、政治的な対立に対しての解決…。すでに「全人口が食べれるだけの食糧は足りている」のです。
それよりも、長年根付いてきた食文化を守り、発展させていく方が遥かに生産的ではないでしょうか?
5.まとめ
今回は「コオロギ食の不都合な話」についてのお話でした。
数々の疑問が残る「コオロギ食」…。
食糧危機への対策は他にもできるような気が私はします。農業人口を増やすことや食料自給率を上げること…。
無理に毒性の疑惑がある「コオロギ食」に頼らなくて良い未来を作りましょうね!
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