【農業×民泊】所得向上、地域活性化も目指せる農家民泊とは?

農業では所得向上や地域活性化に向けて様々な取り組みがあります。
また取り組みによっては農林水産省(政府)も支援しているモノもあります。
今回ご紹介するのは副業としても始める農家が多い「農家民泊」です。

農家民泊は政府も推奨している取り組みであり、タイトルにもあるように様々な効果を得ることができますのでぜひこの記事を読んで検討してみてはいかがでしょうか?

農家民泊とは?

農家民泊とは「農泊」とも言われており、農家や古民家への宿泊を通じて生活をする事で農家の生活を実際に体験してもらう「農山漁村滞在型旅行」と呼ばれる民泊のことです。
農家民泊を営む農家は既に持っている農地や民家などの資源を活用して実際に農家と同じ生活を行い宿泊・体験・食事などを提供します。

また農家民泊を始めるには、
・農林漁家民泊
・農林漁家民宿
の2種類の方法があります。

大きな違いとしては農林漁家民泊は旅館業の許可を取らず、農林漁家民宿は旅館業の許可を得て宿泊業として行う必要があるということです。

また農林漁家民宿では宿泊料を徴収することができ、原則として営業方法の制限はないとされています。
通常の民宿よりも規制が緩和されており、開業が簡単にすることができます。

農家民泊に対する国の支援

農林水産省は農家民泊に対して様々な支援を行っています。
ここでは政府の支援を紹介します。

農家民泊を実施する体制の構築支援

農家民泊をビジネスとして行うために必要な体制の構築などをにかかる費用を支援してもらえる制度です。
旅行者が宿泊するために必要な整備(wifiの完備、サイトの構築、キャッシュレスの導入)です。
また事業実施期間2年間で交付率1年目、2年目ともに上限は年間500万円までとされています。

新たな人材雇用のための支援

農家民泊を始める場合には人手が必要になってくる場合もあります。
農業では人材不足が懸念されており、農家民泊を始めたいが人手が足りず諦めた方も多いのではないでしょうか?そんな農家の方への支援となっています。
人材雇用の支援は1年目、2年目ともに年間上限250万円までとされており、事業実施期間は2年間とされています。

宿泊施設の支援

農家民泊では宿泊も実際に行っていただきますので、宿泊施設も充実させる必要があります。
トイレや洗面台の増設、長期間の宿泊者もいますのでワークスペースの設置など宿泊者への満足度を高めることができます。
交付率は1/2で交付上限は1経営者あたり1000万円、事業実施期間は1年間とされています。

※実際に始める方全員が受けることができるわけではありませんので詳しくは農林水産省HPをご覧ください。
https://www.maff.go.jp/

農家民泊を始める上でのメリット・デメリット

農家民泊を始める上でのメリット・デメリットについて紹介します。

メリット

所得向上が見込める

農家民泊をすると所得の向上が見込めることが1番のメリットとも言えます。
農業だけでの収入だと生活面で苦しいという方も農家民泊を始めることで本業より収入が多くなったという方もいます。
また日本国内の旅行者だけでなく海外からの旅行者で体験する方もいますので、成功すれば多くの体験者を入れることができます。
また中には農家民泊をしていく中で、旅館業も営む方もいますので更なる収入の確保を望むことも可能になるかもしれません。

地域の活性化に繋がる

農家民泊をすることで地域の活性化にも繋がります。
地域によっては海外からも観光客が来ますので農家民泊だけでなくその地域での観光もする方も増え地域の特色を知ってもらい、良い口コミが広がればより地域に観光客が増え活性化に繋がります

人材不足解消に繋がる

農家民泊は観光客だけが対象ではありません。これから就農を考えている方や農業に興味がない方にも農業の生活を実際に体験していただくことで農業の良さを知ってもらう機会になります。
近年ではSNSなどで農家民泊の様子を発信することで集客だけでなく若年層の方にも見てもらえる機会が増えますので、農業従事者の高齢化の解消にも繋がるかもしれません。

デメリット

農家民泊を営むための知識が必要

農家民泊を営むには住宅宿泊事業法に定める届出が必要になってきます。
届出を出さずに農家民泊を行うと罰せられる可能性もあります。また「農家民宿」と勘違いする方もいますので注意が必要です。

接客の配慮も必要になってくる

普段農作業を行う場合はあまりお客様と接する機会が少ないかと思いますが、農家民泊を営む際は接客も行わなければいけません。
もちろん相手はお客様ですから優しくわかりやすく農業を教える必要があります。
一般のホテルや旅館ほどの接客のスキル必要ではありませんが、宿泊者とのコミュニケーションは大切になってきます。

農家民泊を始めるための手順

農家民泊を始めるには以下の手順で行う必要があります。

  1. 農家民泊を開業する地域の協議会や自治体にお問い合わせ
  2. 体験プログラムの準備
  3. 営業する前のお試し受け入れを行う
  4. 実際に農家民泊をスタート

この4つの手順を踏んでスタートとなります。実際に解説していきます。

1・農家民泊を開業する地域の協議会や自治体にお問い合わせ

初めに行うことは必ず協議会や自治体にお問い合わせをしなければなりません。
地域によって手続きや運営方法は変わりますので、確認する必要があります。またお問い合わせをした際には農家民泊に関する規定も聞いておきましょう。
規定に違反しないためにも聞いておくことをお勧めします。

また農林水産省の「農泊ポータルサイト」には協議会や自治体名が掲載されていますので確認してみましょう。
https://nohaku.net/

2・体験プログラムの準備

問い合わせを行ったら実際にどのような体験を宿泊者にしてもらうかを準備します。
地域の特色を生かして普段その地域でしかできない体験などを行うと他の農家民泊との差別化を図ることもできます。
また農業に関する知識などはもちろん必要ですが、より満足してもらうために農業をただ体験してもらう以外にも色々なプログラムを用意しておくのも良いでしょう。

3・営業する前のお試し受け入れを行う

実際に営業をする前に友人や家族などを招いて実際に体験してもらうことで改善点など見えてくるかもしれません。実際に体験してもらって満足できない場面などを知ることで実際に営業した後のトラブルを避けることができるようになります。

また実際に3つのステップが終了すれば開業となります。
また来たいと思ってもらえるような接客を心掛けましょう。

農家民泊の事例を紹介

【秋田県】農家民泊西の家

農家民泊西の家

秋田県にある農家民泊西の家は樹齢200年に木々に囲まれた築135年の古民家をリフォームし農家民宿にしています。家の近くには桜並木など自然を感じられる場所があり、都会とは違う雰囲気を味わうことができます。
予約が必要になってきますが、秋田県の郷土料理や家庭菜園での農作業を体験することもできます。

【兵庫県】NPO法人集落丸山

NPO法人集落丸山

兵庫県篠山市の「NPO法人集落丸山」は12軒のうちの7軒が空き家となってしまった集落の再生を目指したことが活動のきっかけとなっています。
宿泊施設開業とともに、田植えや黒豆煮などのワークショップを開設し平成28年には669人もの宿泊者が訪れた農家民泊です。
また耕作放棄地を使用した農業体験も行っています。

まとめ

今回は農家民泊の概要について解説しました。
農家民泊は今回紹介した内容以外でも、様々な旅行者とコミュニケーションが取れるため、農作物に対しての意見など消費者の声を直接聞くことで本業に活かすこともできるかもしれません。
ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

また「みんなで農家さん」では農家民泊以外にも「地域の活性化」「所得向上」など様々な農業に関する情報を掲載しています。日々農業に関する情報も更新されていますのでブックマーク等お願い致します。
https://minnadenoukasan.life/

最後まで閲覧いただきありがとうございました。

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