ホウレンソウは簡単に育てられる?家庭菜園初心者が収穫して食べてみた!

ホウレンソウは「緑黄色野菜の王様」と呼ばれるほど栄養価の高い人気の野菜です。

甘味が強い野菜なので、胡麻和えや炒めものなどのシンプルな味付けで十分おいしい。

また、乳製品との相性が抜群なのでチーズ焼きやグラタンにしても絶品です。

積極的に摂取したい「ホウレンソウ」ですが、発芽率が高く寒さや病害虫にも強いため、野菜の栽培経験がない方でも簡単に栽培することができますよ。

筆者も、実際に週末農業でホウレンソウを栽培し、その収穫から調理までを体験しました。

ホウレンソウは、週に1回程度のほったらかし農業でも育てることができたので、初心者でも育てやすいおすすめの野菜です。

とはいえ、畑でたくさん収穫してもおいしく消費する方法が分からなかったり、腐らせてしまうのは嫌だなと不安に感じる方もいるはずです。

また、できれば節約に効果があると嬉しいですよね。

この記事では、ホウレンソウ栽培記録の第2弾として、ホウレンソウの手入れと収穫、調理方法や保存方法、節約効果はあったのかなど、実際の経験を通してお伝えします。

「家庭菜園初心者なのでホウレンソウ栽培に挑戦してみたい!」

「収穫後の消費方法や保存方法について知りたい!」

「節約効果があったのか知りたい!」

という方は、ぜひ参考にしてみてください。

ホウレンソウってどんな野菜?

ホウレンソウは、300年前に中国から入ってきた東洋の品種と、明治になって欧米から入ってきた西洋の品種に分かれます。

東洋の品種は葉先がとがって切れ込みがあり、西洋の品種は葉先が丸くなっているのが特徴です。

季節を問わずにいつでもお店で購入できるホウレンソウですが、旬は冬です。

寒い時期を耐えたホウレンソウは、より甘くおいしく食べることができます。

ホウレンソウの栄養価は高い

栄養価が高いことから「緑黄色野菜の王様」や「総合栄養野菜」などと呼ばれることもあるホウレンソウ。

βカロテンをはじめとするビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを多く含んでおり、カルシウムや鉄分も豊富です。

貧血や冷え予防、むくみ解消、美肌や美髪につながるなど、女性に嬉しい効果も期待できるだけでなく、高血圧予防、生活習慣病予防、丈夫な骨をつくる効果もあります。

子どもはもちろん、大人の方にも積極的に食べて欲しい野菜です。

ホウレンソウは栽培が簡単?初心者でも育てられる?

自分で育てるのは難しそうな印象があるかもしれませんが、初心者でも失敗せずに育てることができます。

ホウレンソウは栽培期間が短く強い

ホウレンソウは種まきから収穫まで2か月〜3か月程度と栽培期間が短く、成長が早い上に寒さや病害虫にも強いため、それほど手間もかからずにスクスクと育ってくれますよ。

栽培と発芽に最適な気温は『15~20度』ですが、マイナス5度程度でも枯れることなく育つことができるほど、寒さに強いです。

ただし、25度を超えると生育不良を起こすため、暑い時期での栽培は避けるべきでしょう。

初心者は『秋まき』がおすすめ

春に種をまく『春まき』と秋に種をまく『秋まき』が主な栽培時期ですが、育てやすいのは『秋まき』です。

ちなみに、夏に種をまく『夏まき』も存在しますが、暑さに弱い野菜のため、初心者にはあまりおすすめできません。

『秋まき』は害虫被害が少なく気候が安定しているのでトラブルが起きにくいだけでなく、寒さで甘味が増して味も良くなります。

低温にさらされたホウレンソウは、糖分を増やして自分を守ろうとします。

その結果、糖分だけではなく、うま味を感じるアミノ酸が増加します。

さらに、ホウレンソウのえぐみの元である『シュウ酸』が減るため、結果としておいしくなるということです。

実際に栽培してみて簡単だったか

実際に筆者も『秋まき』でホウレンソウを栽培してみましたが、ほとんど手がかからず、ほぼ放置で育ちました。

栽培していた10月頭から翌年の1月にかけては雨も少なく、天気が良い日が続きましたが、害虫被害もありませんでした。

水やりもしませんでしたが、順調に育ちました。

お世話といったら、間引きと追肥、寒さ対策で不織布をかけたくらいなので、拍子抜けするくらい手がかかりませんでした。

また、ホウレンソウはコマツナと栽培時期も栽培方法もほぼ同じです。

同じ手間で2種類の野菜が収穫できるので、一緒に育てるのもおすすめです。

ちなみに、コマツナを栽培してみた様子はこちらの記事で紹介しています。

ホウレンソウ栽培は節約になった?

家庭菜園をするにあたって、やはり気になるのが「元が取れるのか」「お得なのか」という節約効果ですよね。

実際に栽培してみた結果、ホウレンソウ栽培は節約になったと感じました。

種代金は300円程度ですが、畝1つで2種類のホウレンソウを合計100本ほど収穫しました。

2023年のホウレンソウの平均価格は3本で179円でした。

よって、1本約60円として、60円×100本=6000円ほどになります。

種代を差し引いても約5700円お得だったという計算になります。

また、無農薬野菜だという点も、価値が高まるためよりお得に感じられるかと思います。

節約効果以上に栽培したホウレンソウを収穫し、おいしく食べることができた満足感や喜びが強く、店舗で売られているもの以上の価値を感じました。

さらに、ホウレンソウは冷凍保存も可能なので、畑で取れすぎてしまっても捨てることなく長い期間楽しむことが可能です。

詳しい保存方法についてはこの後紹介させていただきます。

ホウレンソウの育て方の基本

ここでは、ホウレンソウの栽培方法について紹介します。

ホウレンソウは栽培期間が短いので、植え替えがいらず、簡単に育てることが可能ですよ。

栽培方法について詳しくはこちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。

1.土づくりと畝づくり

種まきの1〜2週間ほど前に、土づくりを進めます。

堆肥を2kg/㎡、深さ20~30cmを目安に土を十分に耕して、土壌とよく混ぜ合わせましょう。

畝幅は70~80cm、畝の高さは10~15cmで作ります。

詳しくはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

2.種まき

畝に15~30㎝ほど間を空けて2条の溝を作りましょう。

溝の深さは1㎝ほどです。

溝に1㎝間隔で種をパラパラっとスジ播きします。

土を被せて軽く押さえて、たっぷり水を与えましょう。

3.間引き

種まきをしてから1~2週間後の芽が出そろったタイミングで3㎝くらい間を空けて間引きします。

その後、本葉3枚くらいのときに5㎝くらいの間を空けて2度目の間引きをしましょう。

ホウレンソウの手入れとは

ホウレンソウは間引き後も手入れが必要になります。

ここでは、ホウレンソウの手入れ方法について紹介します。

水やり

種まき後にたっぷり水やりをやった後は、それほどこまめに水やりをする必要はありません。

晴れの日が続いて、畑が乾燥している時のみ水を与えましょう。

乾燥気味に育てたほうがうまくいく野菜なので、それほど神経質に水やりをする必要はありません。

実際に栽培した時は、水やりをほぼやりませんでしたが、問題なく育ちました。

気がついたときに与える程度で大丈夫です。

除草

大きくなる前には、雑草が目立つこともあります。

全てを取り除く必要はありませんが、ほうれん草の芽を押しのけるような大きな雑草はきちんと抜き取りましょう。

また、抜き取る時も、ほうれん草の芽の周辺にある土や根を持ってかれないように慎重にぬき、必要であれば、土を寄せてください。

追肥

ホウレンソウの追肥は様子を見て与えてください。

畑栽培では20~30g/㎡を条間にまき、土と軽く混ぜてから土を寄せてください。

また、肥料を与えすぎると肥料やけを起こして生育不良につながるため、注意が必要です。

基本的に

①2回目の間引きが終わったとき

②葉の色が黄色っぽくなるなどの生育不良をみつけたとき

に与えるようにしましょう。

寒さ対策

秋まきで栽培するときは冬を越すこともあります。

12月末の霜が降りる前に寒さ対策をしましょう。

不織布を全体にかけてあげれば問題ありません。

できればトンネルにしてあげるとホウレンソウの生長の邪魔をしませんが、2回目の間引きが終了していれば軽くかけてかけてあげるだけでも大丈夫です。

不織布がない場合は、笑や落ち葉など、ほうれん草が直接外気に触れないような工夫をしましょう。

ホウレンソウを収穫してみた

10月頭に種を播いた秋まき栽培のホウレンソウを1月にかけて収穫しました。

ホウレンソウの収穫目安

ホウレンソウは草丈が程度20㎝、本葉10枚程度の大きさになったものから収穫していきます。

放置するともっと大きくなりますが、大味になったり硬くなっていくので、放置せずに適度なサイズになったら収穫しましょう。

トウ立ちに注意

春まきや夏まきでは、『トウ立ち』といって花が咲くことで栄養分が花の方へ行ってしまい、葉の生長不良につながることが起きやすいです。

暖かく日に長く当たることでトウ立ちが起きやすくなるため、少し小さくても早めの収穫をおすすめします。

また、外灯に当たることでホウレンソウがトウ立ちすることもあるため、栽培環境にも注意が必要です。

根本から収穫する

ホウレンソウは根本に甘味がつまっているため、根本も一緒に収穫します。

基本的には根本をハサミか包丁で切るようにして収穫しましょう。

抜き取っても構いませんが引っ張る際に葉が傷ついてしまったり、根と一緒に土も取れて他のホウレンソウの根を傷つけてしまったりというトラブルが起きやすいため、抜き取る場合はゆっくりと注意しながら行ないましょう。

ホウレンソウのおすすめレシピを紹介

ホウレンソウは収穫後から甘味が減っていきます。

収穫したらなるべく早く食べるようにしましょう。

ここでは、おすすめのホウレンソウレシピを紹介します。

ホウレンソウのコーンバター炒め

材料

  • ホウレンソウ:1束
  • コーン缶詰め:½缶
  • バター:大さじ1~2
  • 塩コショウ:少々
  • しょうゆ:小さじ1~お好みで

手順

  1. ホウレンソウを5㎝程度に切る。
  2. 中火のフライパンでバターを溶かし、ホウレンソウを加える。
  3. 塩コショウを加えてしんなりするまで炒めて、コーンを加える
  4. しょうゆを回しかけ、軽く炒めて完成

ホウレンソウとチキンのクリーム煮込み

材料

  • ホウレンソウ:約300g(洗って刻んでおく)
  • 鶏むね肉:約300g(一口大に切る)
  • オリーブオイル:大さじ2
  • にんにく:3片(みじん切り)
  • 生クリーム(牛乳):100ml
  • コンソメ:小さじ1
  • 水:100ml
  • 塩とこしょう:お好みで調整

手順

  1. 中火でオリーブオイルを熱し、にんにくを香りが立つまで炒めます。
  2. 鶏むね肉を加え、全体が白くなるまで炒めます。
  3. ホウレンソウを加え、しんなりするまで炒め続けます。
  4. コンソメと水を加え、煮詰まるまで中火で煮ます。
  5. 最後に生クリームか牛乳を加え、全体が温かくなり、とろみがつくまで煮詰めます。塩とこしょうで味を調整します。

ホウレンソウの胡麻和え

材料

  • ホウレンソウ:1束
  • すりごま:大さじ1
  • しょうゆ:大さじ½
  • さとう:小さじ½

手順

  1. ホウレンソウを1分程度茹でて、冷水で締める
  2. 水気を絞り、4~5㎝程度に切る
  3. すりごま、しょうゆ、さとうを混ぜ合わせ、ホウレンソウを足して混ぜて完成

ホウレンソウとベーコンのキッシュ

材料

  • パイ生地:1枚
  • ホウレンソウ:約200g(洗って刻んでおく)
  • ベーコン:約100g(細かく切る)
  • 卵:4個
  • 牛乳:1カップ
  • 塩とこしょう:お好みで調整
  • ナツメグ(あれば):少々

手順

  1. オーブンを180℃に予熱します。
  2. パイ生地を型に敷き詰め、ほうれん草とベーコンを均等に広げます。
  3. ボウルで卵、ミルク、塩、こしょう、ナツメグを混ぜ、パイ生地の上に流し込みます。
  4. オーブンで約30分、中央がしっかりと固まるまで焼きます。

ホウレンソウを食べてみた

実際に収穫したホウレンソウをウインナーとコーンバター炒めでいただきました。

ホウレンソウは茹でるよりも油と一緒に炒めるほうが、栄養が逃げないのでおすすめですよ。

収穫してすぐに調理したからか、ホウレンソウ本来の甘味やうま味が強く、驚くほど味が濃いと感じました。

野菜が苦手な子ども達も喜んで食べ、完食していたのが嬉しいですね。

自分で育てたものを食べると、いつも食べなれているメニューでも特別感が出ます。

これも、家庭菜園の良さだと感じました。

ホウレンソウは長期保存できる!

ホウレンソウを栽培すると「食べきれないほど収穫できちゃった!」ということはよくあります。

実は、ホウレンソウは簡単な一手間で長期保存が可能。

長くて1か月は持ちますので、沢山収穫しても無駄になることなく消費できるので安心ですよ。

冷蔵庫での保存方法

保存期間:4~5日間

切ったり洗った後のホウレンソウは、キッチンペーパーや乾燥した布で水分を取り除き、ラップやジップロックに包んで密閉し、冷蔵庫の野菜室に保管します。

冷凍保存の方法

ホウレンソウは冷凍することで、より長い期間の保存が可能になります。

茹でてから冷凍

保存期間:1か月

ホウレンソウを硬めに茹でたり湯通しした後、水気をしっかり絞って冷凍容器に入れ、冷凍保存します。

冷凍したホウレンソウ同士はくっついてしまうため、一回に使う分ごとをラップやジップロックで小分けに保存するのがおすすめです。

生のまま刻んで保存

保存期間:1ヵ月

ホウレンソウの水分を取り除き、4㎝程度に刻んだあと、ジップロックなどの保存容器に空気を抜いて保存します。

解凍するとしなっとするのでそのまま食べることも可能ですが、えぐみが気になる場合は、軽く茹でましょう。

ホウレンソウはリボベジも可能

ホウレンソウはリボベジ(再生栽培)もできます。

再生栽培は、食材の一部(通常は根や茎の部分)を使って新しい植物を育てる方法です。

以下にホウレンソウの再生栽培の手順を紹介します。

ホウレンソウの再生栽培のやりかた

準備:

ホウレンソウを収穫する際に、根元をしっかり残して切り取ります。

食べる際に切り取った根本を残しておきます。

水に挿す:

切り取った株元を、水に浸けたり、水に挿しておきます。

水に挿しておくことで、新しい根が生えやすくなります。

新しい葉が出るまで待つ:

株元を水に挿しておくと、しばらくすると新しい葉が出てきます。

水のみで育てる場合は、このまま切り取って食べましょう。

土に植え替える:

新しい葉が出てきたら、湿った土に株元を植えます。

土に植えることで再び根を育て、成長を促進させます。

管理して収穫:

再生させたホウレンソウは、通常の植物と同じように管理して20㎝ほどの高さまで育ったら収穫します。

冬場は生長が遅いため、植え付けるのは暖かい時期がおすすめです。

一度収穫したホウレンソウを2度楽しめる『リボベジ』。

多少手間はかかりますが、長く楽しみたいという方にはおすすめです!

まとめ

育てやすく栄養価も高い野菜である『ホウレンソウ』の栽培記録の第2弾として、手入れや収穫、おすすめのレシピや保存方法、節約効果はあったのかなど、実際の経験を通して紹介させていただきました。

間引きをしっかりと行い、ちょっとの手入れのみでしっかりと育つので手間もかからず、忙しい人にも週末農業にもぴったりのホウレンソウ。

ホウレンソウは茹でてあえるだけで副菜に、ベーコンなどの加工肉やお肉と一緒に調理することでメインディッシュにもなり、楽しみかたも豊富。

長期保存も可能なので、腐らせたり無駄になることなく楽しむことが可能です。

さらに、少しではありますが食費の節約にもつながります。

ぜひ、家庭菜園に興味のある方は、今回の記事を参考にホウレンソウ栽培に挑戦してみてくださいね。

また、「みんなで農家さん」では、農業に関する情報だけではなく、初心者に向けた家庭菜園に関する記事も多く紹介しています。

今後も実際に野菜を栽培していく様子を紹介していくので、興味のある方は、ぜひこちらからチェックしてみてください。

報告する

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。