新規就農におすすめ!儲かる野菜ランキングと儲かる理由を紹介

「農家になりたい!」と考えたときに決めなければならないのが「栽培する作物」です。

気になるのは「どの作物が儲かるのか」ではないでしょうか。

栽培したい作物があるという方も自分が育てる野菜が「儲かる作物」なのか知りたいという方も多いはずです。

農家になるということはひとつの会社を立ち上げるのと同じことです。新規就農には土地代や農機具など、とにかくお金がかかります。早く効率的に利益を出すためにも、まずは「どの農作物が儲かるのか」を知っておくことで、失敗を防ぐことにもつながります。

農作物といっても野菜や穀物、果樹、園芸品などがありますが、今回は初心者でも始めやすい「野菜」をピックアップしました。

この記事では農林水産省の品目別経営統計を元に時給換算し「儲かる野菜」ベスト10を紹介します。

さらに、なぜ儲かるのかの理由を探るため、上位の3つの野菜の特徴と、儲かる野菜の共通点についても深掘りしました。

新規就農に向けて「儲かる野菜を知りたい」、「どの野菜を育てるのか悩んでいる」という方は参考にしてみてください。

「儲かる野菜」の基準とは

農家の収益は「売上-経費」で出すことができます。

「売上」とは商品が売れたときの収入のことで、「経費」とは商品を生産する際にかかった費用のことです。農業をするには、設備の準備や農機具、種や苗、肥料、人件費などの経費が必要となるため、売上がそのまま収益にはなりません。

つまり、高値で売れたとしても経費がかかってしまっては収益にはつながらないということです。たとえば、500万円の売上に対して300万円の経費がかかった場合と800万円の売上に対して600万円の経費がかかった場合では、どちらも収益は200万円です。よって、収益を得るには収入と経費のバランスが重要であることがいえます。

また、労働時間あたりの収益(時給)も重要です。1日あたりの収益が1万円の場合、12時間かけると時給は833円、6時間かけると時給は1666円と倍になります。

高い収益を得ることができたとしても、労働時間が長ければ結果的に時給は低くなります。

よって、儲かる野菜とは「売上が多く、経費が少なく、労働時間が短い」野菜を指します。

儲かる野菜とは?高時給ランキングトップ10を発表

儲かる野菜とは何なのか、農林水産省の品目別経営統計のデータから労働時間あたりの収益(時給)が高い順に10位まで並べました。なお、屋外の畑で栽培する露地栽培とハウスなどの施設内で栽培する施設栽培の両方の統計値をまとめて時給換算しました。すべて10a(1000㎡)あたりの値となっております。

労働時間あたりの収益(時給)ランキング

順位品目所得(万円)労働時間(h)時給(円)
キャベツ18902000
レタス231331729
ミニトマト(施設)20314881364
サトイモ261921354
メロン292211312
大玉トマト(施設)1239471299
ハクサイ12931290
キュウリ(施設)1199321277
ニンジン151181271
10大玉トマト907091269

参考:農林水産省の品目別経営統計

では、高時給ランキングで上位になった野菜にはどんな特徴があるのか、キャベツ、レタス、ミニトマト(施設栽培)の3つの野菜について紹介します。

【1位】キャベツ

品目売上(万円)経費(万円)収益(万円)労働時間(h)時給(円)
キャベツ392118902000

参考:農林水産省の品目別経営統計

第1位はキャベツで、時給は2000円です。

キャベツは国内の収穫量第2位の野菜で、1人当たり年間購入数量は、この10年間6,000グラム前後で推移し平成30年は5,711グラム。野菜の中で最も購入量が多く、販売価格に関係なく安定しています。近年はカットキャベツ、サラダなどの加工・業務用の需要が増加しており、1人当たりの年間の購入金額は上昇しています(平成30年1,074円)。

キャベツは真夏以外の通年にわたって栽培が可能です。キャベツを種まきから育てて収穫までにかかる栽培期間は70日から140日ほどと比較的短く、年間の労働時間は90時間と手がかからない野菜であることが分かります。また、経費は露地栽培のため年間で21万円と、安く抑えることが可能です。

時期によって名称は変化し、春にまいて梅雨や夏に収穫する「夏秋キャベツ」、夏にまいて冬に収穫する「冬キャベツ」と、秋にまいて春に収穫する「春キャベツ」があります。

キャベツは野菜市場の中でも需要が高く、安定した栽培が可能で、経費がかからず、労働時間が短い野菜のため、時給として計算したときに高い値が出たことが分かります。

【2位】レタス

品目売上(万円)経費(万円)収益(万円)労働時間(h)時給(円)
レタス4824231331729

参考:農林水産省の品目別経営統計

第2位はレタスで、時給1729円です。

レタスの平成30年の1人当たり年間購入数量は2,108グラムで、増加傾向にあります。販売価格に関係なく購入量が増加しています。キャベツと同様にカット野菜やサラダなどの加工・業務用の需要が増加しており、家庭でもサラダの食材として利用する人が増えているためと考えられます。

レタスは栽培できる時期や栽培できる地域が限定されるものの、露地栽培のため年間の経費が24万円と安く抑えることが可能です。栽培期間も種まきから2か月間程度と非常に短いため、労働時間は年間で133時間となりました。

レタスは高原野菜の代表であり、栽培できる地域が限られているため比較的収益が高いと言われております。レタスは主に3月から5月の春に植える野菜ですが、8月から9月の夏に植えることも可能です。生育適温は15から20℃で、涼しい気温を好みます。

そのため、夏から秋にかけては、長野県や群馬県などの涼しい高原地帯で栽培され、冬は九州や香川県など比較的温暖な地域でビニールシートをかぶせて加温して栽培しています。

 

長野県南佐久郡や群馬県赤城高原などは、レタス栽培にもっとも向いている冷涼な高原の気候を生かして、レタスの大産地となっており、年収2000万超えの農家も多く存在します。

よって、レタスは野菜市場の中でも需要が高く、労働時間が短く、レタスの栽培に向いている地域では収益性が高い野菜であることが分かります。

【3位】ミニトマト(施設栽培)

品目売上(万円)経費(万円)収益(万円)労働時間(h)時給(円)
ミニトマト(施設)40720420314881364

参考:農林水産省の品目別経営統計

第3位はミニトマト(施設栽培)で、時給は1364円です。

ミニトマトはここ数年で需要が高まっている野菜です。トマト全体では、この20年間で作付面積、収穫量、出荷量とすべて減少傾向が続いています。これに対しミニトマトは、一貫して増加傾向にあります。この20年で作付面積(1,200ha増)、収穫量(7万3,100t増)、出荷量(7万t増)とほぼ倍増しています。

また、ミニトマトは、施設栽培にすることで儲けることが可能です。

ミニトマトに適した環境は日当たりが良く昼夜の温度差の大きい環境です。また、土の中が多湿になると病気になりやすいため、比較的雨の少ない地域であることが望ましいです。

そのため、天候の影響を受けず温度や湿度の管理ができるハウスなどの施設内で育てることで安定して収穫することが可能です。

また、施設栽培であれば高単価の時期の出荷が可能となります。露地栽培では7月から8月のみの収穫になりますが、施設栽培ではより長い期間に渡ってミニトマトの収穫が可能なため、市場価値が高い時期に出荷することができます。

施設栽培は管理に経費が必要になるため、経費は年間204万円と高いですが、売上も407万と高く、結果的に収益は203万円と年間収益の金額はランキングに入っている野菜の中で1番高いです。

また、今回参考にした農林水産省の品目別経営統計は10aに対しての金額であることから、ミニトマトはキャベツやレタスよりも狭い土地で稼ぐことが可能な野菜であることが分かります。

よって、ミニトマトは需要が高まっており、面積当たりの売上が高く、施設栽培によって安定して儲けることができる野菜であることがわかります。

参考:作物統計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

ランキング上位の野菜の3つの共通点とは

「儲かる野菜ランキング」として上位3つの野菜を紹介しましたが、それ以外にもランキング上位になった野菜には3つの共通点があります。

  1. 需要が高い「指定野菜」である
  2. 野菜の特徴に合った栽培方法である
  3. 栽培期間が短い

それぞれデータを元にくわしく紹介します。

需要の高い「指定野菜」である

野菜市場で需要の高いものの代表として「指定野菜」というものがあります。

「指定野菜」とは、全国的に流通し特に消費が多く重要な野菜で、以下の14品目が 指定されています。 

指定野菜:

  • 葉茎菜類:キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ネギ、タマネギ、ハクサイ
  • 果菜類:キュウリ、ナス、トマト、ピーマン
  • 根菜類:ダイコン、ニンジン、サトイモ、ジャガイモ

指定野菜は、国内の野菜全体の作付面積の約7割、出荷量の約8割、購入量の約7割を占めており、安定した需要のある野菜です。

実際に今回のランキングの上位25位以内にすべての指定野菜が入っていたことからも需要の高い「儲かる野菜」であることがわかります。

新規就農するための野菜で迷っているのであれば、まずは野菜市場で需要の高い「指定野菜」に登録されているものを検討することをおすすめします。

野菜に合った栽培方法である

野菜の栽培方法は「儲かるか」を左右するほど重要です。

栽培方法には主に露地栽培と施設栽培がありますが、今回のランキングでは露地栽培が7つ、施設栽培が3つランキングに入っています。

さらにランキングを見ると、ミニトマト、大玉トマト、キュウリなどの野菜は露地栽培よりも施設栽培の方が時給が高いことがいえます。

特に3位のミニトマトは露地栽培(時給610円)と施設栽培(1364円)では金額が倍以上異なります。

また、農林水産省が出した経営収支(令和2年)での農家1戸あたりの収益の平均値でも、施設野菜(386.7万円)と露地野菜(205.9万円)では、施設野菜での収益の方が高いことから、施設栽培の方が稼げるという結果が出ています。

しかし、作物によって露地栽培向けのものと施設栽培向けのものがあるため、「施設栽培であれば稼げる」という訳ではありません。

たとえば、露地栽培ではサトイモやダイコンなどの根菜類やキャベツや白菜などの広い畑が必要な作物が適しています。施設栽培では短期間で収穫できるトマトやキュウリなどが適しています。

また、施設栽培では初期費用にかなりの額が必要となります。そのため、施設栽培を始める農家の多くは赤字からのスタートとなります。

よって、かけたコスト以上の収入が見込めるような高単価の作物を扱うのであれば「施設栽培」、多少の害虫被害や天候被害があっても対応できるような大規模な栽培が可能である作物なら「露地栽培」という風に、特徴によって判断することで「儲かる」ことに繋がることができます。

栽培期間が短い

今回紹介したランキングに入っているすべての野菜は、栽培期間が3ヶ月以内と比較的短いです。

栽培期間が短いことによるメリットは、「早く収穫できること」です。

さらに、早く収穫できることによって多くのメリットが生まれます。

たとえば、栽培期間が長い玉ねぎは、収穫までに3回程度追肥が必要となりますが、栽培期間が短いと追肥は1回だけで済んだり、植え付け時のみで追肥が必要ないということもあります。このように栽培期間が短いと、管理の手間やコストが少なく済みます。

また、栽培期間が長いと厳しい自然環境にさらされる期間が長くなるだけではなく、土の栄養素が偏ることで病気や害虫などの被害にあいやすく、失敗する可能性が高くなります。

栽培期間が短いと寒さや暑さで作物が弱ったり、土の環境が変わって病害虫にかかる、生育不良になるといった可能性が低くなり、初心者でも失敗しにくくなります。

よって、栽培期間が短い野菜は、コストを下げ、失敗のリスクを下げることもできるため、「儲ける」ことが可能です。

まとめ

「儲かる野菜」について時給換算した結果をランキング形式で発表しました。

野菜選びや栽培方法によって得られる収益は変化します。 ぜひ、今回紹介したランキングや儲かる野菜の特徴、儲かる野菜の共通点を参考に栽培する野菜を検討してみてください。

また、新規就農には何かと資金が必要になるため、目先の売上のみではなく、経費や労働時間も考慮した上で慎重に選びましょう。

番外編:サポートを受けて安全に「儲かる農業」をすることも可能

農家同士では「儲かるかどうか」などのお金の話は基本的に避けられています。現場の実状を知ることができないため新規就農したいけれど不安がある方や、なかなか一歩踏み出せないという方も多いのが現状です。

そういった方に向けて「みんなで農家さん」では新規就農のサポートも行っています。初期費用を抑えたり、シェア農園で農地を貸し出したり、資金面でのバックアップもしていますので、「新規就農に興味がある」、「儲かる農業がしたい」という方はぜひ「みんなで農家さん」をチェックしてみてください。

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