今年は暑い日が長く続き、山に餌がないクマの目撃情報が多く報告されています。
クマが山から降りてくると1番被害に会うのは作物が豊富にある農地となります。
そんなクマの被害を防ぐためにも様々な対策を行い、もしくまに出会してしまった場合の対策も必要です。
本記事ではクマから農作物を守るための対策など詳しく解説していきます。
クマによる農作物被害の現状
クマによる農作物被害は、今年に限ってではなく近年ますます深刻な問題となっています。
特に、リンゴやブドウなど果実の樹木が豊富にある地域では大きな被害が出ておりこれは、クマの生息数が増加し、さらに人里に出現する機会が増えているためです。
被害の具体例として、青果物の収穫期にリンゴやブドウが全滅したり、苗木が根こそぎ食べられてしまうことがあります。また、クマが蜂の巣を狙って果樹園を荒らすことも、農家には大きな懸念材料です。さらに、クマによる被害は年々拡大傾向にあり、今後もその範囲が広がる恐れがあります。
各地の自治体や農業関係者は、クマ対策として様々な方法に取り組んでいるが、完全に防ぐことは難しい状況です。今後の対策がその被害を抑える鍵となります。
クマが農作物を狙う理由
クマが農作物を狙う理由は、食物の豊富さと手軽さにあります。クマは雑食性で、果実や木の実、昆虫など多様な食材を摂取するが、人間の栽培している果樹園や野菜畑は、手間がかからずに大量の食物を確保できる魅力的な場所なのです。
特に収穫期には、多くの果実が一箇所に集まっているため、食べ物の調達が容易で自然界では食物が手に入らない時期でも農作物が利用できることも、クマにとって魅力的な要因の一つと言えます。
なぜクマの被害が増えているのか?
日本各地でクマ被害が増加しており、北海道から九州まで幅広い地域に影響が見られます。特に、リンゴやブドウの産地である東北や信州地方、米どころである西日本地方で被害が多く報告されていますが、これには原因があります。
その原因として、森林破壊や食物資源の減少、さらには地球温暖化によりクマの生息範囲が変化していることが考えられます。これにより、クマが人里に出る機会が増え、農作物被害が拡大することにつながっていると言われています。
今後のクマ被害対策や、人とクマが共存できる環境づくりが求められています。
農業生産への影響
クマによる農作物被害は、農業生産にも大きな影響を与えています。クマ被害により、収穫量が減少し、農家の経済的損失が生じることもあり、被害が続くと栽培する意欲が失われる農家が増え、地域の農業が衰退する恐れもあります。
さらに、クマ被害は安心に農作業ができない環境を生み出しており、農業従事者の精神的負担も大きいのです。これが、農業を取り巻く雰囲気の悪化や新規就農者の減少につながる可能性があります。
農業生産にとって深刻な問題となっているクマ被害を防ぐため、効果的な対策の実施が急務だと言えます。
クマ対策の基本
クマ対策の基本は、予防と遭遇時の対処法の2つの側面から考えることが重要です。
農作物へのクマの侵入防止
農作物へのクマの侵入防止策には、物理的障壁や臭いでクマを遠ざける方法などが存在します。物理的障壁としては、フェンスの設置が一般的で、特に電気フェンスは高い効果を発揮することが多いです。ただし、電気フェンスの設置にはコスト面の問題もあるため、より手軽な柵や藪を活用することも検討する価値があります。
臭いによるクマ対策としては、クマが嫌う匂いを放つものを利用する方法が挙げられます。例えば、ニオイハッカのような天然成分を使用したクマよけ剤を散布することで、クマを追い払うことができることが報告されています。他にも、ヒトの臭いがついた衣類を張ることでクマを遠ざけることができる場合もあります。
クマと遭遇した時の対処法
クマと遭遇した時の対処法はクマの種類や状況によって異なります。基本的な対処法としては、クマに気づかれないようにゆっくりと後退することが重要です。その際、視線を外さずに構えを保ち、クマが襲撃しないように注意します。もしクマが近づいてきたら、大声で話しかけたり、大きな音を立てることでクマを威嚇し退かせることが期待できます。
ただし、ツキノワグマとエゾヒグマでは対処法が異なり、ツキノワグマに対しては身を屈めて攻撃される部位を最小限に抑えること、エゾヒグマに対しては果敢に戦って怯ませることが効果的です。いずれの場合も、自己防衛のためにクマ撃退スプレーや熊鈴を携行することが推奨されます。
農作物へのクマ被害対策の事例
農作物へのクマ被害対策の事例としては、地域全体で取り組む集落防災が注目されています。例えば、秋田県のある集落では、クマ対策としてクマ情報の共有や電気フェンスの設置、クマよけ剤の使用などが行われています。これにより、クマ被害が大幅に減少したケースが報告されています。
また、イノシシやシカなどの野生動物と共有するクマの通り道を特定し、農地の配置を工夫することでも被害を軽減することができます。こうした取り組みは、総務省の「地域力創出プロジェクト」等によって支援されています。
さらに、北海道では、エゾヒグマと共存するための取り組みが始まっており、地域の人々が連携して情報収集や啓発活動を行うことでエゾヒグマの生態を理解し、被害軽減につなげる努力が注力されています。これらの事例からも、農作物へのクマ被害対策は地道な取り組みが重要であると言えます。
総合的なクマ対策プログラム
総合的なクマ対策プログラムでは、さまざまな手法を組み合わせてクマとの共生を目指します。その理由は、クマの生息地が減少し、食料不足から農耕地に出没する事例が増えているためです。具体的な対策として、ネットや柵の設置、クマ鈴の使用、ゴミの管理、啓発活動などが挙げられます。これらの対策は、地域住民や行政機関との連携が重要です。まとめると、総合的なクマ対策プログラムは地域社会全体で取り組むべき課題であり、さまざまな手法を組み合わせて実施することが効果的です。
ネットや柵で農作物を保護する
ネットや柵を用いて農作物を保護することは、クマの食料を奪わずに被害を防ぐ方法として効果的です。理由として、クマは食糧を求めて農地に侵入しますが、ネットや柵によって進入が阻止されるためです。具体例として、電気柵が挙げられます。電気柵はクマに感電させて撃退する仕組みで、他の動物にも効果があります。また、ネットは農作物の周りに張り巡らせることで、クマの侵入を防ぐことができます。最後に、地域住民の協力を得て設置や管理を行うことが、効果的な運用の鍵です。
持続可能なクマ対策の取り組み
持続可能なクマ対策の取り組みは、クマと人間が共存できる環境を作り、今後も続く対策の実施を目指すことです。
その理由は、クマの生息地が縮小し、農作物や家畜への被害が増加しているためです。理由の根拠として、森林開発や農地の拡大によるクマの生息地の減少があります。したがって、具体的な取り組みとしては以下が挙げられます。
・森林の保全
・食源の確保
・地域住民や行政との連携
・総合的なクマ対策プログラムの実施
これらの取り組みにより、クマと人間が共存できる状況をつくることが求められます。
地域住民や行政の連携が重要
クマ対策において、地域住民や行政の連携が重要である理由は、それぞれの役割と協力体制が対策の効果を高めるからです。
地域住民は、自らの安全と生活を守るために積極的に参加が求められます。
一方で、行政は予算や人員を確保し、指導やサポートを行うことが重要です。具体例として、地域住民の意識向上のための啓発活動や、総合的なクマ対策プログラムの策定と実施が挙げられます。まとめると、地域住民や行政の連携は、クマ対策の効果向上に不可欠です。
クマと農業の共存を目指して
近年、クマと農業の共存が喫緊の課題となっています。クマによる農作物被害は年々増加傾向にあり、農家にとって大きな経済的損失となっています。しかし、クマを駆除することによる生態系への影響も無視できないので、共存を目指す必要があります。
クマと農業の共存を実現するためには、いくつかの対策が考えられます。まず、クマの生息地と農地を明確に分けることが重要です。これによってクマが農作物を食べにくる機会を減らすことができます。また、クマが農地に侵入しにくいような物理的障壁を設ける方法も有効です。例えば、高いフェンスや電気柵を設置することが挙げられます。
さらに、クマが農作物に魅力を感じないようにする対策も重要です。たとえば、クマが好む果実や木の実を敢えて生息地に植えることで、クマが農作物に手を出さずに済むかもしれません。また、農作物の味や臭いがクマに魅力的でないような品種改良も検討されています。
最後に、クマと人間が衝突しないような環境づくりが求められます。例えば、農地周辺の環境を整備し、クマが近づくことを防止することが考えられます。また、地域住民がクマとの遭遇時の対処法を学ぶことで、クマとの共存が可能になるでしょう。
まとめ
本記事ではクマによる農業被害について解説しました。
寒くなるにつれてクマの出現は減少しますが、まだまだ安心はできません。
もともと木の実などを食べるクマですがお腹を空かせているため人間などを襲うことも多くあります。
クマに出会った際は焦らず適切な対処をしましょう。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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