近年、技術の発達により様々な仕事でAIが急速に普及してきています。
農業でも人材不足や作業効率化を求めスマート農業という言葉が徐々に馴染みのある言葉になってきています。
その中で、特に注目を集めているのがドローンを使用した農業です。
本記事では「ドローン」の基礎知識・「ドローン」を駆使した農業の方法について解説しています。
ぜひ本記事を読んで、これからの農業に「ドローン」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
ドローンの基礎知識について解説
ドローンというのは、無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機の総称です。
ドローンは娯楽用と産業用ドローンがあり、元は軍事用として使用されている物でした。
またドローンとラジコンヘリは違います。
ラジコンヘリは、プロポというコントローラーを使用して手動操作で飛行させます。
自分で操縦するのが楽しみで主に娯楽用が一般的です。また操縦者のテクニックが必要になってきます。
それに対してドローンはGPS・加速度センサー・電子コンパスを搭載しているのである程度の「自律性」を備えています。
自分で操縦する事なくデータを基に自動制御が可能で、自動飛行させる事も可能なのです。
農業で使用するドローンとは?
ドローンというのは様々な種類があります。
気軽に飛ばせる安価なものから、仕事として使うドローンがあり値段は使用する用途のドローンによって様々です。
①トイドローン・ホビードローン
トイドローン・ホビードローンは名前の通り娯楽用として使用するドローンです。
機体の重さが200g未満で安価な値段で購入する事ができます。
②ドローン
よくテレビで見かける一般的なドローンです。
みなさんが普段よく目にしている機体で重さ200g以上となるので、航空法を守り飛行場所やルールなどを確認する必要があります。
また、飛行させるには国土交通省への申請が必要になりますので注意しましょう。
③産業・商業用ドローン
農業で使用されているドローンがこちらのドローンです。
このドローンは過酷な環境下での飛行を想定して作られているので、砂や雨などから機体を守る為の構造になっています。
しかし機体は高く高価であり基本的に(数百万円〜)はします。
④その他のドローン
その他のドローンとしては水中でも使用できる「水中ドローン」やドローンサッカーなど様々です。
ドローンが農業でできる事について解説
ドローンは農業の作業に置いてどこまで活躍できるのか?
活躍できる場面が少なければ、高いお金を出して購入するのも勿体無いです。
ドローンが農業でどれくらい活躍できるのか紹介します。
ドローンが主にできる作業としては、
・農薬散布
・精密農業
・害獣対策
・収穫物運搬
・肥料散布
・播種
これらがドローンでできる作業内容です。
まずは1つ目は農薬散布です。(肥料散布や播種同様)
普段であれば実際に作物の中に入り、手作業で農薬を散布しますがドローンであれば空中から農薬を散布する事が可能です。
2つ目に精密農業です。
1つ1つの農作物を見るときに経験や勘を使い農作物の管理を行なってきたと思います。
しかしドローンは情報通信技術を使用することで数値化を行い農作物の収穫や品質の向上を目指す手法が精密農業であり、ドローンはこうした精密な農業において力を発揮してくれます。
3つ目に害獣対策です。
常に農家さんを悩ましている害獣。朝起きて農作物が荒らされていることもあるかと思います。
ドローンでは赤外線を検出するカメラなどを駆使し、害獣が発見されれば音や匂いを出し害獣を追い払う事も可能です。
4つ目は収穫物の運搬です。
高齢者の方などには特に辛いのが力作業です。
ドローンは収穫した農作物を運搬する事も可能です。
しかしまだまだドローンが持てる重さというのは少量である為、これからの技術の進歩により重い物が持てるようになると言われています。
農業でドローンを使用するメリットとデメリット
ここからは実際に農業でドローンを使用するにあたってのメリット・デメリットを紹介します。
メリット
1人でも持ち運べるサイズ
農業用のドローンは高齢者の方でも手軽に持ち運べる事ができる重さ・サイズなのが魅力の1つです。
また小回りが効くので農業での小規模な農家でも使用可能です。
農業用のドローンはバッテリーでの使用になるので、騒音の心配もなく住宅付近で早朝や夜遅くなど走行する事も可能です。
作業効率を上げる事ができる
ドローンの最大の魅力は作業効率を大幅に上げる事が可能です。
農業で深刻化している問題「人手不足」を補う事ができます。
例えば農薬を撒く際、時速15kmで幅4メートル程の散布が可能で、1反を1分ほどで散布する事が可能です。
またそのまま他の農場に移動でき、人力で散布するより作業時間を5分の1の時間に短縮する事ができます。
薬剤の防除効果
ドローンを使用して1番よかった事が「薬剤の防除効果」と言われています。
・散布予定が春には決められているのに敵期防除ができない
・雨が降っている為、散布ができない
・害虫が発生しているので、すぐに防除したい
そんな状況でもドローンがあればすぐに散布ができます。
ドローンは雨や炎天下でも耐性がある構造になっており、上空から散布できるのですぐに薬剤を撒くことができます。
高齢者でも使用が簡単
高齢者でも使用が簡単なのがドローンです。
ドローンは自動飛行も可能なので1度データを入れてしまえば、毎回操縦に苦労する事もありません。
慣れるまでは少し難しいかもしれませんが慣れると自由自在に農業の効率化を図ることができます。
デメリット
農業でドローンを使用するメリットを紹介しました。
しかしデメリットというのももちろんありますので紹介します。
購入やメンテナンス費用がかかる
農業用ドローンはを導入するには購入しなければなりません。
機体のサイズや機能により値段は変動しますが、安い物でも50万円、機能がよくなれば数百万円というのもあります。
トイドローンなどはかなり安いですが、農業には向いておらず使用できるシーンも限られています。
また購入して使用していくとバッテリーの消耗などありますし雨などに濡れれば錆び付いてしまう可能性もありますので、メンテナンスは必ずしなければなりません。
購入する際は、どの場面でドローンを使用するのかなど考え購入を検討しましょう。
操作技術を覚える必要がある
ドローンを使用した事がない方も多いかと思います。
高齢者の方は特に操作を覚えるのに苦労するかもしれませんが、覚えてしまえば十分な作業効率を上げる事ができますので、覚えるまでの辛抱が必要です。
使用できる農薬が限定されている
農薬を散布する為にドローンを購入したが、農薬を撒けないという事例もあります。
農作物によって農薬数というのがあり、上限を超えてしまうとドローンは散布ができませんので必ず確認して購入するようにしましょう。
農作物別に農薬数を知りたい場合は農林水産省のホームページをご覧ください。
農業用ドローンを使う際の必要な手続きについて
ドローンの飛行には必ず申請が必要になってきます。
ポイントは主に2つであり、
・どんな場所(空域)で飛ばすのか?
・どんな方法で飛ばすのか?
この2つを解説します。
①どんな場所で飛ばすのか?
ドローンを飛ばす場合に申請が必要な場所(空域)というのがあります。
・空港の周辺
・地表・水面から150メートル以上の空域
・人口集中地区の上空
これらが懸念される場合は必ず市役所などで聞いてみましょう。
②どんな方法で飛ばすのか?
以下の場合でも申請は必ず必要になります。
・夜間の飛行
・目視外での飛行
・人または自動車や第三者の建物などと距離(30メートル)を確保できない飛行
・祭礼や縁日などの催し物の上空での飛行
・危険物の輸送を伴う飛行
・物件の投下を伴う飛行
①、②に当てはまる場合は必ず申請しましょう。
また、農業でドローンを使用する際に、農薬や肥料を散布する場合も手続きが必ず必要になります。
国土交通省のドローン情報基盤システムでオンライン申請、郵送、持参などの申請方法があります。
また2022年6月20日からは100g以上のドローンの登録が義務化されていますので必ず行いましょう。
【一部引用】:国土交通省
まとめ
本記事では「農業用ドローン」について詳しく解説しました。
農業用ドローンは近年普及拡大に取り組んでおり、様々な場面で活躍しています。
ドローンを使用する事で、農作業の負担軽減や作業効率化、生産向上などが見込めます。
また、現在農家の問題で深刻化している「人手不足」を補う役割にもなってきます。
ぜひ農業用ドローンを検討してみてはいかがでしょうか?これからの農業を活気づけるキッカケとなるかもしれません。
また「みんなで農家さん」というサイトでは農業に関する情報が掲載されています。
ドローンを使用した農業以外にもいい農業の方法が見つかるかもしれません。
ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/
最後までご覧いただきありがとうございました。
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