みなさんは農業にも色々な資格があるのをご存じでしょうか?
農業では資格をとっておくことで有利に働く場面やできる作業も増えるほか、収入アップも見込めるためぜひともとっておくべきです。
そこで本記事では、農家は給料が安いという印象がある方に「農業の収入をアップさせる資格」についてご紹介します。
簡単なものから難しいものまで紹介していますので、現役農家の方や農業に就職を考えている方も参考にしてみてください。
農業をするのに必ず資格は必要?
勘違いされる方もいるので前提として農家になるには資格が必要なのか?について解説します。
結論から言うと資格を持っていなくても農家をすることはできます。
しかし農業に関する資格を持っておくと農業の仕事をする際に様々な場面で有利になります。
・収入が上がる
・仕事の幅が広がる
・信頼が上がる
など様々です。
資格を持っていても不利になることはないので、できるだけ取っておく事をオススメします。
また、農家を経営する際には市町村の農地基本台帳に登録・記載がなければいけません。
これらを手続きする際の「農家資格」がありますので、地方自治体によって手続きは違う為、必ず確認は必要です。
農家の定義というのは農林水産省が発表しており、「経営耕地面積が10アール以上の農業を営む世帯または農産物販売金額が年間15万円以上ある世帯」と言われています。
【一部引用】:農林水産省
登録などを行わず上記に当てはまるような農業を行うと罰金などを課せられる可能性がございますので、不安な方は1度市役所などに相談することをオススメします。
農業に役立つ資格を紹介
農業をする上で持っておくべき資格から持っておくと有利になる資格まで紹介します。
普通自動車免許
「普通自動車免許」を持っている方も多いのではないでしょうか?
どの企業に就職する際も持っておくべき資格であり、農業ではトラックやトラクターなどを運転する際に必要になります。
取得するには指定自動教習所で学び、運転試験会場で受験をするのが一般的です。
また免許で取得する際の日数は学校に通えば2〜3ヶ月、合宿でとる場合は2〜3週間で取る事が可能です。
運転免許試験の合格率は70%ほどと言われています。
就農をする前に取っておく事が良いでしょう。
農業ではオートマの車は少なく、マニュアル車が多いためマニュアル車も運転できる車を持っておく必要があります。
また農地を耕すトラクターや稲刈りに使用するコンバインなどは公道を走る場合は大型特殊自動車免許が必要になります。
農家に就職する際は、「普通自動車免許(マニュアル)」と「大型特殊自動車免許」を取っておくと良いでしょう。
費用
AT車
24万円〜33万円
MT車
25万円〜34万円
日本農業検定
日本農業検定とは、日本農業検定協会が主催している「環境・食」に関する知識や技術を要する資格です。
食に関する基礎的な知識を多角的に学ぶ事が可能で「就農したい、農家を経営したいけど知識が全くない方」に農業の基礎的な資格となる為、取っておきましょう。
令和3年度に行われた試験では、3級の合格率は212人のうち9割、2級の合格率は56人の内3割の方が合格しています。1級の合格率はかなり低いと言われていますが、3級に関しては独学でも合格率は高いと言われています。農業への理解を深める事ができるのでぜひ検討してみてください。
農薬管理指導士
農薬管理指導士とは「農薬管理指導士養成研修」を受講し、試験に通過する事で都道府県知事より認定される農薬取扱者です。令和3年度の合格率は70%を超えており、比較的ハードルが低く合格する事ができる資格です。
農業従事者、農薬販売業者、防除業者、ゴルフ場業者が対象の資格ですが農家で持っている人は少ないと言われています。
農業を経営したい方は取っておきたい資格であり、農薬の知識なども得る事ができるのでアドバイス等を行える為、仕事の幅も広がります。
日本農業技術検定
日本農業技術検定は、日本農業技術検定協会が実施している農業を学ぶ学生や就農を考えている方に向けての資格です。
農業に関する知識や技術を深めることができ、合格すれば農業法人やJA、食品会社などにも就職活動の際の強みになります。
先程紹介した「日本農業検定」との違いは「日本農業検定」は学科試験のみに対して日本農業技術検定は実技試験もあります。
3級であれば独学でも合格する事は可能であり、2019年の合格率は3級が59%、2級が22%、1級が7%となっています。
農業機械士
農業機械士とは、農業で使用する機械の専門知識を持っている人に与えられる都道府県知事の認定資格です。
募集要項としては農業大学の養成研修を受講する事、大型特殊自動免許を持っていることです。
農業機械士を持っていれば、農業機械のメンテナンスや点検整備を行う事が可能で修理などの対応も可能です。
毎年農業機械の事故は発生しており、安全に農業機械を使用するならぜひ視野に入れておきましょう。
農業簿記検定
農業簿記検定は一般財団法人日本ビジネス技能検定協会が実施する試験です。
農業簿記検定を持っておくと「効率よく農業経営ができる」「独立した農家に経営についてアドバイスが可能」など様々な仕事の幅が広がります。
また税理士などの資格も一緒に持っていれば、農業経営コンサルタントとして独立・開業する事もできます。
また農業を経営する上で大切な経営状態の可視化をする事もできます。
農家を経営すると業務管理や確定申告などやらなければいけない事も多いですが、「農業簿記検定を保持していれば知識がある為、スムーズに行う事ができます。
産業用マルチローターオペレーター技能検定
産業用マルチローターオペレーターとは農業で「ドローン」を使用する際に必要になります。
近年では農業の人手不足が深刻化していますが、農作業の効率性をより高める為に「ドローン」を使用する農家さんもいます。
例えば農薬の散布や収穫した作物を運ぶ、害虫や害獣を追い払う場合もドローンを使用します。
農業にドローンがある農家というのは多くはないですが、「スマート農業」の普及もあり持っておくとこの先に役に立つこともあるかもしれません。
ボイラー技師
ボイラーとは?という方も多いのではないでしょうか?
ボイラーとは燃料を燃やして水を温め、温水や蒸気を作る機械です。
電気機器が高性能になってきており、ボイラーの必要性が薄れてきていますがボイラーを使用する農家さんはいます。
ビニールハウス栽培で温度を調節する際などに使用する為、いちご農家などビニールハウス栽培をメインとしている農家さんは持っておくと便利です。
野菜栽培士
野菜栽培士は日本インストラクター技術協会が認定する野菜栽培に関する資格です。
旬の野菜の育て方や野菜に含まれる成分(栄養)などに関する知識を習得します。
個人で農家を考えている方は野菜の育て方の知識がつく上、講師として農業学校に出向いたり仕事の幅が広がります。
家での受験が可能なので取れるのであれば取っておきたい資格です
紹介した9つの資格が主にとっておきたい資格となります。農業には他にも様々な資格が有りますが必要だと思った際に取る事をオススメします。
資格を取る事で収入は上がるの?
資格を取る事で収入が上がるのか?について説明します。
農業を仕事とする上で資格を取ると収入が上がる資格というのは基本的にありません。
しかし、就農した法人によっては資格を取ることで「手当て」を出す法人もいるかと思います。
また法人によっては資格を取るためのお金などを負担してくれる会社もいる為、取っておいた方が良いでしょう。
また、個人の農家であれば資格を取る事で仕事の幅が広がり収入が増えることはあります。
例えば先程紹介した「野菜栽培士」という資格では講師として呼ばれることもあります。
そうすれば呼んで頂いた学校などからお金がでます。
資格を持っていることで収入をあげるチャンスが増えることは確かです。
自分でどんな資格があれば収入が上がるのか?を考えて資格の受験を検討してみてください。
これからの農家は収入が下がる?
最後にこれからの農家の収入について解説していきます。
2020年の新型コロナウイルス以降、農家の収入は激減しました。
コロナウイルスが落ち着き徐々にコロナウイルス流行前の農家へと戻ってきていますが、完全に回復したとは言えないでしょう。
しかし、収入が激減し廃業した農家も多くいる中で競合が減ったため大きなチャンスと言えるかもしれません。
そこで資格以外に収入を上げるための農業の特徴について解説していきます。
儲かる農業の特徴とは?
資格を持っていなくても農業で儲かることは可能です。
そこでどんな人が儲かっているのか特徴を3つ紹介します。
高単価の農作物を選んでいる
やはり農作物はある程度需要があるものであれば、高単価のものを選ぶことをおすすめします。
農業所得の高い経営体の中には、高単価の作物を選んで作っているところが多く含まれています。
薄利多売になってしまうと労力の割に収入が上がらないと言ったケースも多くあります。
農林水産省の「品目別経営統計」では、10a当たりの農業所得は、ししとうが142万8,000円と最も高く、次いでなすが122万6,000円、きゅうりが118万5,000円となっています。
こういった情報をもとに高単価の農作物を選びましょう。
6次産業化で付加価値をつける
近年では、農作物の生産に特化した1次産業から、加工や販売、サービスまでを一貫して行う「6次産業」へシフトする農業経営体も増えてきています。
加工や販売を他業者に任せてしまうとお金が発生してしまいますが、全てを自身で行えば経費削減にもなるため収入がアップします。
経費がかからない育て方をしている
生産にかかる経費を削減することができれば、売上に対する利益を増やすことができます。
経費を削減するあまり生産効率が落ちてしまうことは避けた方がいいですが、経費を削減できる部分を見直して削減へ取り組みましょう。
また、近年では「スマート農業」でITを使用した農業への取り組みを広がっています。
ITを導入して農業をすることで人件費削減にもつながるため、導入は前向きに検討してもいいでしょう。
まとめ
本記事では農業の資格に関する基礎知識や取得する資格などを紹介しました。
農業だけでなく資格をもつということは、他の人との差別化を図る事ができます。
もちろん資格を持たなくても経費を削減することは可能です。
また、資格に合格できなくても勉強をしたことで農業に関する知識というのは身に付きますのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
また「みんなで農家さん」では農業に関する情報を掲載しています。
農業の資格を勉強する上で役立つ情報も掲載していますので、参考にしてみてはいかがでしょうか?
https://minnadenoukasan.life/
最後まで閲覧頂きありがとうございました。
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