「サブスク」という言葉を一度は耳にしたことがある方も多いかと思います。
サブスクとは、「サブスクリプション」の略で定期的な料金を支払うことで特定のサービスやコンテンツを使用できるものです。
これは、テレビチャンネル、音楽、映画、雑誌、ソフトウェア、クラウドサービス、オンラインコースなど、さまざまな分野で流行しています。
動画コンテンツなどがサブスクとして印象があるかと思いますが、農業でもサブスクのサービスは流行しつつあります。
そこで本記事では、サブスクの流行について基礎知識やサブスクのジャンルについて解説していきます。
なぜ農業のサブスクが流行しているのか?
なぜ農業のサブスクが流行しているのでしょうか?
それは、農業が「サブスク」との相性が良いからです。
農業で使用するモノというのは基本的に大きいモノ・高価なモノが多いです。
例えば農機具は草刈機などを置くペースはあるかもしれませんが、農耕機やトラクターなどはサイズも大きく値段も高価です。
資金がなく買えないという方もいます。
また「農地」に関しても同様です。農地の場合は買うと高く、自分が住んでいる場所に余っている土地がない場合もあります。
そういった「探す」「買う」などのコストや手間を抑えてくれるのがサブスクの魅力です。
逆のケースもあります。自分が貸す側ということです。
ただし動画配信サービスや音楽配信とは違って、持ち運びができていつでも使える訳でもありません。
また農耕機やトラクターなどは運送も難しく農地は移動もできないので近くで探している方に絞られます。
そういった点を考慮すると、貸す側のサービスはあまり相性が良いとは言えないでしょう。
では次にサブスクのメリット・デメリットを解説します。
サブスクのメリット・デメリット
次にサブスクのメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
登録・解約が自由にできる
サブスクはネットで申し込みを行い、契約・解約が自由にできるサービスです。
気軽に始めることができて、使用しなければすぐに解約ができます。(解約の条件はサービスによって異なります)
また購入ではないので自分の使用する期間だけ契約しておけば初期費用を抑えることができます。
しかし、農業ではあまり当てはまるとは言えません。契約・解約がすぐにできるかもしれませんが契約してからその日にすぐ使えるようになるケースはあまりありません。
利用頻度が高いほどお得になる
定額で利用し放題のため、利用頻度が高いほどコスパがよくなります。
お試し期間があれば利用し放題を活かせるかなど見極めます。
また、自分にとってコスパがいいかどうか選ぶことができます。
農機具であれば1年を通して農機具を使うのであれば買った方がお得な場合がありますが、1ヶ月だけの使用などであれば「サブスク」を利用した方がお得なケースは多いです。
新たなコンテンツを発見できる
定額制のサブスクはこれまで手を出したことのないコンテンツを試してみやすい点もサブスクの魅力の1つです。
サブスクというのはユーザーが常に飽きにくい様に努力をしています。例えば音楽配信であれば次々に新曲が出てきます。
これは農機具でも同じで常に生産効率・作業効率がいい農機具というのは開発されています。
1度農機具を買ってしまえば何年も使用するのが普通ですがサブスクを利用すれば新しい農機具を使用することもできます。
また自分が使ったことのない農機具などを試すこともできます。
買うか迷っているけど実際に使ってみたらあまり必要ではなかったという経験はないでしょうか?
そう言った悩みもサブスクでは解決することができます。
デメリット
利用しない場合もお金は発生する
サブスクというのは契約している間はどれだけ使用してもしなくてもお金が発生します。
手頃な料金で様々なサブスクと契約してしまい月々の費用が高くなってしまうこともあります。
農業でも同じであり、1年を通して農機具を契約しても農閑期は使用しない場合もお金は発生します。
農閑期は解約しておく事もできますが、手間がかかりそういったサービスをしていないところもありますので確認は必ずしましょう。
手元にモノが残らない
手元にモノが残らないのはサブスクの大きなデメリットと言えます。
定額払ったお金も返金はされませんので農機具をレンタルしたとしても解約後は返却しなければいけません。
使用していくうちに何年も使用していくとわかった時点で解約し、購入する方が良いかもしれません。
また一定期間借りていれば購入できる場合もありますので解約する前に確認しておきましょう。
サブスク利用をオススメする農家について
ここまでを読んでみて、自分がサブスクを使用した方が良いのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
なので「こんな方にはサブスクを利用するのがオススメ」という解説になりますのでぜひ参考にしてみてください。
1つ目は規模拡大志向の方です。
自分が経営している農業をもっと拡大していきたいという方はサブスクの利用をオススメします。
なぜなら規模を拡大するには多くの資金が必要になってくるからです。
例えば1つの農地を持っており、1つの農機具で賄っていたとします。
規模を拡大する為にもう1つ農地を増やすとなると農機具ももう1つ増やさなければなりません。
1つの農機具で2つの農地を賄えない事もないでしょうがかなり時間がかかり生産効率も落ちます。でもなるべく資金を抑えたいという方にサブスクを利用するのはオススメです。
2つ目は技術志向の方です。
農機具というのは次から次に性能がいい機械というのは出てきます。
またAIやロボットを使用した「スマート農業」の普及により更に革新的な機械が出てくるかもしれません。
農機具などは購入してしまえば何年も同じものを使い続けますがサブスクを利用すれば新しいものを常に使うことができます。
常に良い技術のモノを利用したい方はサブスクを利用することがオススメです。
3つ目は、物を所持したくないという方です。
サブスクはこういった理由で使用する方も多いです。
例えば、子供のおもちゃのサブスクがありますが物を購入しているといつの間にか大量のおもちゃになり場所をとってしまうこともあります。
サブスクであれば、使わなくなったら返すこともできる点は大きなメリットであり、物を常に持っておきたくないという方にオススメです。
農業サブスクの事例
農業のサブスクをいくつか紹介します。
農機具
農業のサブスクで代表的なもので言えば農機具です。
農機具は高価なものが多く、1つ1つが大きいため保管しておくのも大変になります。
しかし、農機具のサブスクはそういった点を解消してくれます。
また、毎月お支払いの費用も少額で済むためこれから農家を始める方にとってはぜひ利用すべきサービスです。
販売サブスク
農産物の流通や販売に関するサブスクリプションも存在します。
これにより、農産物の市場へのアクセスや販売チャネルの拡大が可能となります。
また、農業知識やトレーニングに特化したオンラインコースや情報提供のサブスクリプションは、農業技術の向上や持続可能な実践の促進に寄与します。
個人農家の方で栽培した作物の販売に自信がない方は利用することをお勧めします。
また、ある程度の知識がついたら解約して自分で流通から販売することもできます。
農地
農地のサブスクも代表的です。
農地は持っているだけで税金がかかる上にメンテナンスなどもしなければいけないため、大きな手間がかかります。
また、害獣などの被害も対処しなければいけないため労力もかなり大きいです。
その点、サブスクであれば上記で紹介した点は心配することもないため作業を集中して行うこともできます。
その他の農業サブスク
①太陽光発電管理システム
株式会社ぶらんこのサービスであり、「太陽光発電式生産管理システム」です。
いちごのハウス栽培のみのサブスクですが太陽光発電で動くシステムです。
温度・湿度・二酸化炭素などを測ることができ、データはクラウドに蓄積されPCやスマートフォンで確認することができます。
設置も簡単で月額5000円で利用することができます。
このサービスの魅力は利用しているのみの月だけお金がかかるという事です。
サブスク本来のサービスは利用していなくても解約しない限りお金がかかりますが、利用している月だけお金を取られるサービスは利用者にも利用しやすいサービスです。
②自動車部品や電動工具でお馴染み企業
2つ目に紹介するのは自動車部品の開発・製造や電動工具等の輸入・販売を行なっている「ボッシュ・ジャパン」も農業のサブスクサービスを提供しています。
サブスクの内容はハウス栽培向けの作物の病害や害虫を予測・監視するシステムです。
ハウス栽培の農作物が病気にかかる原因は温度・湿度・CO2濃度・天候などが挙げられます。「ボッシュ・ジャパン」が提供する「Plantect」は3種類のセンサーによって要因となる情報を収集しクラウドに集めます。また天候などあらゆる情報を使用して作物が病気になる確率等を算出してくれますので管理などの手間が減ります。
このようなサブスクの事例もあり今後農業におけるサブスクは拡大していくでしょう。
まとめ
本記事では農業サブスクについて解説しました。
どの業界もサブスクの需要が高まっており、これからはモノを買う時代でなく借りる時代になってくるかもしれません。
農業は特に高価なモノが多いため、資金に余裕がない方は「サブスク」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?
また「みんなで農家さん」というサイトでは農業に関する様々な情報を更新しています。
現役農家さんからこれから農家を目指す方まで参考になる記事がたくさん掲載されていますのでぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/
最後まで閲覧いただきありがとうございました!
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