未来に起こり得る危機のひとつとして「食糧難」があります。その食糧難の解決策としてコオロギなどの昆虫食が物議を醸しています。
…私個人の意見としても「食べたくない」ですし、他の解決策は見つからないのでしょうか?
今回の記事は、「食糧難」の原因と疑問。そして個人で出来る解決策を解説していきます。
1.迫り来る食糧難?
1-1.食糧難とは?
未来の危機として「食糧難」の可能性が危惧されています。
現代社会はテクノロジーはめざましく進化しました。
それでも世界には飢餓で苦しみ、若くして命を落とす人も数多くいるのが現状なのです。
2022年、8億2800万人が飢餓に陥っているとの国連からの報告がありました。
さらに、コロナ禍の影響や戦争の影響も大きくなっています。
これからますます増加する可能性まであるのです。
そんな中で、世界人口は、2050年には20億人増加、さらには97億人まで増加する…という予想もされています。
特に、飢餓が深刻な地域であるサハラ以南のアフリカ。2050年までに倍の人口になると報告されているのです。
貧困地域では、生活を助ける働き手として多くの子どもを産む傾向にあります。
しかし、食料問題が解決されないまま人口の増加が続けば、今までよりも食料を確保することが難しくなるでしょう。
2.大炎上!コオロギ食!
2-1.昆虫食推進のきっかけ
食糧難の解決策として、国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年、昆虫を食用としたり、家畜の飼料にしたりすることを推奨する報告書を公表しました。
このことがきっかけとなり、昆虫食の推進がスタートしたのです。
世界中の食の識者の投票によって決まるレストランランキング「世界のベストレストラン50」で2010年から4年連続で第1位に選出されたデンマークのレストランnoma(ノーマ)が、食材としてアリを用いていることもニュースになりました。
日本でも「イナゴ」を食料としてきた文化や、高級珍味として「蜂の子」が食べられてきたこともあります。
もちろん、昆虫を食べること自体には抵抗があるものの、そこまで大きな拒否反応などは起きていなかったように思いますが…ある虫を食べる事を推され始め、大炎上が起きてしまいます。
2-2.食べたくない!「コオロギ」
杉咲花さんや、深津絵里さんのCMで知られている「パスコ」ブランド。
スーパーでもよく見かけるパンのブランドで有名な敷島製パン。
なんと「コオロギ食」で大炎上が発生してしまいました…。
事の発端は、デジタル大臣(2023年3月現在)河野太郎氏の「ゴリ推し」とも言える行動。
河野氏が2022年、2月19日に徳島県訪問時に「コオロギのミックスナッツ和え」を美味しそうに食ベるニュース映像、記事などが発表されました。
その記事が…一年経過した2023年に拡散されてしまったのです。…コオロギ…見た目からして食べるのに抵抗が生まれるのは無理もありません。なにせ、人類の天敵「G」にも外見が似ていますし…。
その拡散から、公式サイトで食用コオロギの粉末を入れたクロワッサンやフィナンシェ、バウムクーヘンのネット販売を扱う敷島製パンにまで影響が及んだのでした。
もっとも、パスコでは他のパンとコオロギパンは生産ラインが別なので、従来のパンに混入などはないとのことですが…パスコのパンが売れ残ってしまい、見切り品も急増。
他にも無印良品などでも「コオロギ食」を推すような商品を開発していたため、飛び火をしてしまい批判的な意見が見られるようになりました。
以降ネットでは、賛否両論の凄まじい議論が加熱したのです。「コオロギなんて食べてたまるか!」という強い抵抗が感じられます。
河野大臣の謎のコオロギ食、ゴリ押しに対しても利権があるんじゃないのか?などとも疑われています。
こんな状態では、昆虫食は定着することは難しいと思います。
果たして、食糧難の解決策として「コオロギ食」は適切な選択と言えるのでしょうか?
実は、コオロギには人体への悪影響も懸念されています。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
【大炎上】コオロギ食の不都合な話【SDGs】
2-3.食糧難の真の原因
世界中で飢餓の問題は確かに深刻と言えます。しかし、ここで意外な真実をお伝えしましょう。
…実は世界の人々が食べられる量の食べ物は「十分に足りている」のです。
「じゃあなんで飢餓に苦しむ人がいるの?」と思われた人も多いでしょうが…。
データで解説をしていきましょう。
主食として食べられる穀物の生産量を見ても、世界では2019年度のデータで約26.6億トンが生産されています。
これは、世界中の77億人が1年で必要とする量に値します。そして、実はこの数値は穀物のみを換算しています。
つまり、肉魚類、野菜や果物を合わせれば、「十分に足りる」のです。
飢餓に苦しむ人が多くいる原因とは「食料が足りない」のではないのです。
真の原因としては以下の様な理由が考えられるのです。
〈飢餓が生まれる理由〉
- 慢性的な貧困の連鎖
- 紛争により避難せざるを得ない
- 気候変動による予測不可能な自然災害
そう、政治や異常気象などが関係している可能性が極めて高いのです。
2-4.フードロスも大きな要因
それに加えて、「フードロス」の問題もあります。
食べられる状態の食べ物を捨ててしまうことです。
途上国に対して、先進国では、ほとんどの人が毎日食べ物を食べています。
空腹を満たすばかりではなく、食が道楽にすらなっています。
しかし、食べ物があることが当たり前になっているために
- 賞味期限切れのものを廃棄
- 食材が正しく保存できておらず腐らせる
- 飲食店で食べきれない量の料理を注文して残す
これらの理由で食品が廃棄されていきます。
世界中で食品ロスされている量は、1年で食料生産量の1/3にものぼります。
日本でも1年でおよそ612万トンの食べ物を捨てているのです。
これは国民1人が毎日お茶碗1杯分の食料を捨てている計算になります。
食糧難を解決するのであれば、食べたくもないコオロギを食べるより「フードロス」を解決することを考えた方が良いのではないでしょうか?
3.フードロス解決策5選
3-1.「フードバンク」活動への参加
農林水産省では、食品の製造工程で規格外品として捨てられる商品を引き取り、福祉施設などへ無償で提供する「フードバンク」と呼ばれる活動を実施しています。
規格外品を提供した企業に対しては税制の優遇措置を適用し、積極的な利用を促す制度です。
これにより、流通過程で発生するフードロスの削減することを目指しています。
規格外だからと言っても美味しく食べれるのであれば問題はない、ということです。
3-2.小売業とメーカー側の販売期限、賞味期限の取り組み
自治体レベルでは、京都市が食品スーパーの協力を得て、食品ロス削減に向けた社会実験を実施しています。
販売期限の延長や見切り品の購入を促す施策などが、一定の成果を得ることができるとわかったためです。
カルビー株式会社は、2019年6月からポテトチップスの賞味期限を6カ月に延長。
表記も年月までに変更すると発表し、話題になりました。
もちろん、油やパッケージの改善により、期限そのものも改善したのです。
賞味期限とは「美味しく食べれる期限」であり、期限が切れれば食べることができないわけでもありません。
廃棄減につながると嬉しいですよね。
3-3.スマホアプリでシェアリング
スマホのアプリの進化はすごいものがあります。
アプリを活用した、食品を廃棄せざるをえない人と、食品を必要としている人をマッチングする、いわゆるシェアリングエコノミーの取り組みも、食品ロスの解決に向けて加速しています。
2019年4月にスタートした「TABETE」がそのひとつです。
登録店舗が廃棄しそうな食品を登録し、ユーザーはそこに申し込むことで、定価よりも安く食品を手にすることができるフードシェアリングサービスです。
廃棄される運命の食べ物を「レスキューする」という考え方で作られています。
面白いアイデアですね!
3-4.大手コンビニが実質的な売れ残り食品の値引き
コンビニのチェーンでは、賞味期限切れの売れ残り商品の値引き販売などを推奨してきませんでした。しかし、世論の流れを受けて食品ロス対策としての値引き容認が広がってきました。
ローソンは、店内で調理する揚げ物類の値引きを認めています。
他にも、消費期限が近い弁当の購入者に「Ponta」ポイントを付与するというサービスも行なっています。
3-5.「てまえどり」や「おいしい食べ切り」など
賞味期限の表示は食品を安全・安心に食べるために必要です。
しかし、実際には味も安全性も問題ないのに、積極的に手に取ることを躊躇させるということにもつながっていました。
そういったいわゆる消費者心理を逆手にとったキャンペーンが、消費者庁を中心に行われました。
例を挙げると、賞味期限が短いものを前に置く小売店の考えを、むしろ食品ロスを減らす行動として積極的にサポートする「てまえどり」。
これらはコンビニでもよく見かけますよね。
新型コロナウイルスの拡大により、一度手に取ったものを戻すことや他のものに触れることを抑制する意味でも、多くの小売店でPOPなどが見られるようになったのです。
4.できることから始めよう
ご紹介したように、自治体・事業者サイドでは食品ロスに向けた取り組みも進んでいるのです。
ですが、食品ロスの半分を占めるといわれている一般家庭、つまり我々消費者側の考えが変わらない限り、食糧難解決にもつながらないでしょう。
家庭で食材を購入する際は適切な量を購入することや、店頭ではできる限り賞味期限が近づいている商品や見切り品などを選ぶ、廃棄しないようにアプリなどを活用することも大切です。
さらに、地元の農家が生産した食品を消費者が予約し、いわゆる地産地消を推進する「CSA(地域支援型農業)」の利用なども有効でしょう。
CSAとは、地域支援型農業のことを言います。
英語は「Community Supported Agriculture」。
特定の消費者が、生産者と農産物の種類、生産量、価格、分配方法等について、代金前払い契約を結ぶ農業。 地域が支える新たな農業の一形態とも言えるでしょう。
消費者と生産者間での直接的な契約により成り立つため、需給ロス、食品ロスを抑制する対策にもなり得るというわけなのです。
食糧難解決においても農業の役割はやはり大きいのです。
5.まとめ
今回は、「フードロス解決法5選」でした。
食糧難を解決する方法は、昆虫食だけではありません。
食べること自体にも抵抗がある人は多いでしょうし、健康を害す危険性も心配されています。
廃棄される食糧を減らすことも立派な解決策です。
そして、農業のアップデートも重要な解決策になります。
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