養豚場の経営サイクル『おすすめ国産豚ブランド4選!!』
参照:https://dokkoisyo.jp/live/500/
養豚場と聞いてどんなイメージを持ってるでしょうか。
単純に豚を飼育しているところ、臭い、汚い、大変そうとあまりちゃんとしたイメージはないのかなと思います。
この記事ではこれから農業や農家に就職したい人の中でも、養豚場に注目して仕事内容と一日のスケジュールを紹介したいと思います!!
ぜひ参考にしてみて下さい!!
そもそも養豚とは!?
養豚とは、豚を育てるところ!!
確かにその認識は間違ってはいません。
豚を飼育し、食肉となる肉豚や繁殖用の種豚(しゅとん)を生産する仕事のことです。
しかし、ただ育てるだけが養豚場では実はありません!!
養豚経営はその内容によって大きく「繁殖豚経営」「種豚経営」「肥育豚経営」の3つに分けられます。
『繁殖豚経営』
繁殖用の雄と雌の豚を飼育をして豚を交配させ、生まれた子豚を市場に出荷します。
子取り経営とも呼ばれます。
『種豚経営』
豚の繁殖や改良などの元になる種豚を生産します。いわゆるブリーダーです。
『肥育豚経営』
市場で子豚を仕入れ、肥育し、食用の肉豚として出荷します。
日本の養豚の主流は繁殖から出荷までを一貫して行う一貫経営が主流になっています。
繁殖豚と肥育豚とでは飼育方法も異なるため、一貫経営の養豚場は「繁殖(分娩)豚舎」「育成豚舎」「肥育豚舎」の3つの豚舎に分けて飼育しています。
また、豚肉の加工から販売まで手掛ける「6次産業化」を行う経営体も少なくありません。また、さまざまな品種の特性を掛け合わせることで、肉質やうまみの向上を図った “三元豚”や、チーズ製造の際に採れるホエーを与えて育てた“ホエー豚”等をはじめ、地域性・独自性を活かした「ブランド豚」の確立に熱意をそそぐ経営体が多いのも養豚業界の特徴です。
白根ポークもお米を食べて育っているため、とても美味しいお肉になっています。
豚の出産サイクル!!
参照:https://agri.mynavi.jp/2020_08_30_129920/
養豚場では、子豚を多く産ませて、早く大きくなるように肥育することを目標としています。
子豚を産む雌豚(育成豚)は発情(妊娠しやすい時期)を示し始める6ヵ月齢・体重約100㎏頃に導入され、2ヵ月後(生後8ヵ月齢)の体重約130㎏で交配を始めます。
妊娠期間は114日間で、「3月3週3日」と覚えましょう!
母豚は一度の分娩で子豚を10頭ほど産みます。 分娩後、母豚は3週間ほど(21〜25日)子豚に授乳し、離乳後は約1週間で再び発情を迎えて、交配、妊娠、分娩を繰り返します。
健康な豚の場合2年間で約5回の分娩をするので、平均すると1頭の母豚から1年に産まれる子豚は、20頭以上にもなります。
生まれたての子豚は体重が1.3㎏ほど。 離乳した子豚は肥育豚として、哺乳期前期・哺乳期中期・哺乳期後期、子豚育成期、肉豚肥育期を経て、だいたい6ヵ月(25週)齢・体重110~115㎏で出荷できるよう飼育されます。
養豚場の仕事サイクル
《一日のスケジュール例》
6:00~ 7:00 起床
8:00~10:30 豚舎内給餌
10:30~11:00 休憩
11:00~12:00 豚移動、水洗、消毒、餌の撹拌
12:00~13:00 昼休み
13:00~16:00 豚移動、豚房水洗、消毒
16:00~16:30 休憩
16:30~17:30 夜の管理
17:30~22:00 夕食・自由時間、その後就寝
肥育、繁殖時期でサイクルタイムがまた違いますのでそれぞれのサイクルタイムも紹介いたします。
『肥育編』
8:00
朝の豚舎見回り
天候や豚舎内の状態を見て、豚にとって快適な温度や湿度になるようにカーテンの開閉を調整します。
その後、豚の体調確認を行い同時に豚舎内に破損箇所がないかもチェックします。
9:00
豚房の除糞作業
11:00
出荷豚の計量、選抜
豚の体重を計量し、出荷できる体重ならマーキングして出荷豚房に移動します。
頭数が多いため、計測するのは5頭から10頭ほどで、大半は目視選抜です。
14:30
消毒
疾病蔓延予防のため、豚舎内の消毒を徹底して行います。
16:00
夕方の豚舎見回り
朝の見回りと同様の作業を行います。それに加えて従業員がいなくなる夜間や早朝の環境に配慮し、気温変化や風向きの予報を参考にして、豚舎内がどういった状況になるかを予測した上で、カーテンの開閉を調整します。
『繁殖編』
8:00
朝の豚舎見回り
朝一番に豚を一頭一頭確認し、その様子から体調を把握します。
特に母豚は暑さに弱いため、舎内温度に注意を払います。
9:00
発情確認
雄豚を用いて、発情をむかえた雌豚がいないかを確認します。
発情を見逃さないように複数人でチェックします。
10:30
人工授精
発情が確認できた母豚に人工授精を行います。
14:00
採精
種雄豚から採精を行います。この時、精液に雑菌や異物が混入しないよう注意を払います。
採取した精液は顕微鏡で異常がないか検査した後、測定器により精子数を確認します。
問題が無ければ人工授精まで保管されます。
15:30
妊娠鑑定
人工授精した母豚は、約30日後に妊娠鑑定器を使って受胎状況を確認します。
養豚場での『再利用』
養豚場では豚の排泄物を再利用しています。
近代的な設備で約2カ月かけて無臭サラサラの良質な完熟有機堆肥に仕上げて、豚舎の敷材にしています。
完熟堆肥には保温性があり豚のお腹を冷やすことがなく、湿気の多い時期もふわふわで、常に清潔な肥育環境を保つことができます。
有名国産『豚肉』おすすめブランド!!
日本で養豚場は一貫経営が主流になっているため各地で有名なブランド豚肉が存在しています。
そこでのこだわりからおすすめの『豚肉』ブランドを3つほど紹介いたします。
「平田牧場金華豚」と「平田牧場三元豚」
平田牧場(山形県)は品種開発や子豚生産、肥育から加工、流通、販売に至るまで自社で行っています。
スローガンとして「いちばん丁寧なブランドになろう」と、健康的な豚を育てています。
特に飼料にはこだわり、国産の米を混ぜて与えています。
さらに、豚がストレスなく生活できるよう、衛生管理や環境整備を徹底しています。
おいしさを最優先に考え、品種開発や肥育を行っています。
たとえば、同社では通気性がよく、豚が自由に歩き回れる広さの開放型豚舎で、ストレスを与えることなくのびのびと育てています。
また、生後120日以降は原則として抗生物質を使用していません。
飼料にもこだわっており、産地が明確な国産米を中心に、遺伝子組み換えでないトウモロコシや大豆粕、さらに大麦を加えた飼料を与えています。
お米を食べて育った豚の脂身には甘味とうま味があり、お米を与えることで脂の酸化が抑制されていると考えられています。
平田牧場のブランド豚は「平田牧場金華豚」と「平田牧場三元豚」の2つです。
「平田牧場金華豚」は、絹のようにきめ細かい肉質が特徴で、中には和牛を超えるような「霜降り豚」が生まれることもあります。
「平田牧場三元豚」は3つの品種の豚をかけ合わせた「三元交配豚」です。
一般的な三元豚は飼育日数が約150日から180日のところ、平田牧場三元豚は約200日から250日と長い期間をかけてじっくり育てています。
柔らかさもありながら、心地よい歯応えがあるのが特徴で、上質な脂肪が風味の良さを生み出しています。
『金華豚』
参照:https://www.hiraboku.info/about/brand/kinkaton/
全体的に小ぶりで赤身がきめ細かく、牛肉にも負けないサシ(霜降り)が入るのが特徴。脂身の融点が低く、口の中でとろけるような食感が味わえ、芳醇なうま味を楽しめます。
『三元豚』
参照:https://www.hiraboku.info/about/brand/sangenton/
金華豚よりも全体的に大ぶりで、赤身と脂肪のバランスが良い肉質です。
口に含むとお肉の食感が程よく味わえ、じわりとうま味が広がっていきます。
オリジナルブランド『遊ぶた』(ASOBUTA)北海道幕別町
遊牧舎のこだわりの広い放牧地でおいしい豚を!
広い牧草地で、太陽をいっぱいに浴びながら草や土を食べたり、土を掘り返して遊んだり、昼寝もして過ごす豚達。
通常の豚は生後6カ月で出荷されますが、「遊ぶた」は12カ月以上かけてじっくり育てているので、成熟した豚本来の味わいの肉になります。
また、人間が利用できない資源をエサにして肉を生産することは、豚が本来もつ能力だと考え、その能力が発揮できる飼育環境を大切にして十分に運動ができる十勝の広い放牧地で、時間をかけてじっくり育てています。
使っている飼料は、十勝産のながいも、小麦、大豆、ユリ根、じゃがいも、ホエー(乳清)などの中で、本来廃棄されてしまう副産物から作られたものです。
その結果あっさりとした味わいの脂肪をもつ、オリジナルブランド「遊ぶた」(ASOBUTA)が誕生しました。
臼井農産「あつぎ豚」神奈川県厚木市
オリジナル飼料がおいしさのヒミツ!
柔らかな肉質で霜降りがあり、芳醇なコクと甘さを持つ「あつぎ豚」は、エコフィード(食品残さなどを活用した飼料)を与えることによって育てられています。
たとえば、パン粉やラーメン、菓子粉など、食品工場における規格外製品や、無洗米粕といった製造工程で発生する副産物などを独自に配合し、飼料としています。
エサだけでなく、丹沢山系に位置する自然豊かな環境で、湧き出す天然水を与えながら、衛生的な環境でストレスなく健康に育てていることも「あつぎ豚」のおいしさにつながっています。
臼井農産のこだわり
「あつぎ豚」は雄の大ヨークシャー種と雌のランドレース種を交配させた母豚に、デュロック種を交配させた三元交配の独自血統であり、自社繁殖することで高い品質を維持しています。
養豚の仕事のやりがい・働く魅力
やはり生き物を相手に行う仕事になるので豚の成長速度に合わせた経験を積むことができます。
豚が生まれてから出荷までにかかる期間は180日と短いため、
どれだけきめ細かく豚の世話をしてあげられるかで、成長や肉質に顕著に違いが出ます。
出産に立ち会い、育て上げては出荷し、また次の出産に立会と、忙しい日々が続くかもしれませんが、毎日同じ作業とはないためそれだけでも大きなやりがいを感じることができるはずです。
まとめ
ここまで養豚場の仕事と仕事のサイクルについて紹介していきました。
最初のイメージよりも具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。
養豚場に限らず農業や農家は生き物を相手に行う仕事です。
そのため仕事としては確かに忙しい面があるのは間違いありませんが、それ以上にやりがいを感じやすい職業だと思います。
これから農業、農家を目指す人はやりがいを求める人が多いと思います。
また、生き物を相手にする以上はきちんとした知識を知っておく必要もあります。
そんな人にはぜひ就農する前に農業体験できるイベントやスクールが存在しますので、ぜひ有効活用してみてはいかがでしょうか。
農業のおすすめとして『みんなで農家さん』『農業大学』があります。
『みんなで農家さん』は充実した研修制度があり農業が未経験の方でも安心して始められるよう、農業にまつわるオンラインでの一般研修や、農園での実演研修などを実施しています。
また『研修農園』として機能する農園を所有しているので、数年の実績を積むことで『認定農業者』や『認定新規就農者』の資格を取得することも可能です。
農業大学校は就農希望者を対象に、農業を学ぶことに特化した専門学校です。
大学とは異なり、実践的に学べることで農家に必要な知識と技術を身につけることが可能です。
2年間通学するコースだけではなく、社会人向けの短期間の研修も存在するため、働きながらでも無理せず通うことが可能です。42都道府県に存在するため、気になる方は近くの農業大学校があるのかこちらから調べてみてください。
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