大手企業が続々と農業に参入!?個人経営の戦略について

農業という職業は人間が生きていく上で欠かせない職業の1つです。
近年、農業では「人手不足」や「高齢化」にともない農業界は衰退していると言われることもあります。
一方で「大手の企業や法人」が農業に新規参入しているのも事実です。
大手企業や法人が参入すると危惧しなければいけないのは、「個人農家」になります。
この記事では大手企業や法人が参加する理由を紐解きながら、個人農家がこれからどう戦っていくのか?について解説していきます。

大手企業や法人が農業に参入する理由とは?

①農地法の改正

農業が衰退していると言われているのにも関わらず、大手企業や法人が農業界に新規参入してくるのか?
大きな理由として「法律の改正」が挙げられます。

2009年、農地法が大幅に改正されました。
この改正では企業や法人による農地の借り入れに関する規制が緩和され、農地を購入するのではなく農地を借りる「リース方式」であれば、全国の農地を対象に「法人形態」や「事業案件」などの制限なしで参入が可能となったことがキッカケです。

また農地の権利取得に関する改定もあり取得する農地の下限面積要件は、地域を管轄する農業委員会が地域の実情に合わせて特例を定めるとし、実質は自由化になっています。

これらの改正は農業への新規参入のハードルがかなり低くなったとされ、リース法人は毎年65法人ほどでしたが、農地法改定後は毎年379法人ほどの参入により2019年末までは3669法人が参入しています。

②事業拡大・経営の多角化ができる

企業や法人が農業に参入してくる理由は法律の改正だけではありません。
たしかに法律の改正は新規参入の引き金となったことは間違いありません。
しかし新規参入する理由として「従来の事業を農業分野に活かし事業拡大ができる」と希望を見出した企業が多いからです。

例えば、多くの重機を所有している企業が本来行っている事業の閑散期にその重機や操縦できることを活かして農業に活用することや、IT関連企業がシステムの開発などのノウハウを活かすこと事例などがあります。

また農業に参入することで本来の事業の相乗効果をもたらすこともできます。
例えば食品メーカーや飲食店などが農業に参入するとします。
農業を自社で行い、収穫した作物を使用した「新商品の開発」や「作物を使用した新メニューの開発」などができるようになります。

また中には農業を事業として行うわけでなく新入社員の育成などの研修に取り入れる企業もいます。

こうした理由により農業に新規参入する企業が増えているのです。
農業だけで収益化を図るのでなく農業を通して本例の事業も多様なメリットをもたらすことが参入の理由とされています。

③企業のイメージアップ・PRに繋がる

農業に参入することで企業・法人のイメージアップを図ることができるのも参入理由の1つとして挙げられます。農業は農作物を育てるだけではありません。
地域の環境を維持し地域の活性化にも重要な役割を果たしています。
また収穫した作物を「道の駅」や「スーパー」で法人名を記載して作物を売り出すことでより多くの人の目に会社を知ってもらうことができます。
また障害者などを雇用する「農福連携」や耕作放棄地の解消などをすることで地域への貢献にも繋がります。


現在紹介した新規参入の理由以外にも様々なメリットはあります。ですがこうした理由により多くの法人や企業が参入してきています。
多くの企業や法人が参入してきており、農業界での競争はより激しくなります。
では「個人農家」は農業界で生き残るためにどうやって戦っていくのか?
ここからは個人農家が生き残るための戦略について解説していきます。

これからの個人農家の戦略について解説

農業界で生き残っていくための戦略について解説します。
まず「個人農家」が企業や法人に資本生産量で戦っていくのは難しいと言えます。
しかし個人農家でも十分に戦っていくことができます。

作物のブランド化を図る

1つ目の戦略として作物のブランド化が挙げられます。
作物のブランド化とは栽培している作物に対して何らかの付加価値をつけて自社でしかできない作物を作り出すことです。
例えば「藪本畑下農園」では世界一甘い「桃」を売り出しており、世界ギネス記録にも認定されている桃です。

こういった作物に対して「世界一甘い〇〇」「〇〇賞を受賞したお米」など作物に付加価値をつけることで戦うことができる手段の1つと言えます。

差別化を図る

先程説明した作物のブランド化と似ているところはありますが、差別化を図るのも戦略の1つと言えます。
先程は作物のブランド化(差別化)でしたが、差別化を図るには様々な方法があります。
例えば、「お米を作る水にこだわる」「特殊な技術で栽培した作物」「何年も熟成させてできた作物」など差別化の方法は様々です。

消費者の目を引くような差別化というのは簡単ではありませんが、法人や企業と戦っていくための手段としての1つです。

流通ルートを拡大させる

3つ目に紹介するのは流通ルートの拡大を目指すことです。
これまでは農家が直接、卸売市場に出荷し市場から小売店に卸されるルートが基本的ではないでしょうか?
しかし販路が少ないほど売れなくなった場合、収入の確保が難しくなります。
市場への出荷に加え農家から直接消費者に販売するルートを作ることも1つの戦略と言えます。
例えばインターネットでの販売や直売所に出荷する、飲食店に直接納品するなどがあります。
流通ルート拡大は戦う場所を増やすと考えていただければわかりやすいかと思います。

簡単ではありませんが、販路拡大は自社の農作物を知ってもらう機会にもなります。

こうした流通ルートの拡大は企業や法人と戦っていくことの1つの戦略と言えます。

そもそも個人農家が戦略を練ることは大事なのか??

ここまで個人農家が新規参入してきた企業や法人に対して戦略を練る必要があるのか?
農業経営における戦略の必要性についてお話しします。

農業経営のみならず商売をする限り、常に誰かと競争を行っている状態です。
そして競争においても誰でも資源というのは有限です。(お金・人・時間)
何かしらの制約の中で競争をしなければいけないのです。

個人農家の場合であれば、お金(資本)や人という資源で企業や法人に勝つことは厳しいと言えます。
資源が限られている中で最も大事な戦いを見極め、競争相手に効率よく勝たなくてはなりません。そうした場合、個別作戦を束ねる全体指針が必要になってきます。

これが戦略と言われるものであり、競争に勝つためには「戦略」が必要と言われる理由となっています。

戦略がないと起こる不都合について

ここまで戦略の必要性について解説しました。
では戦略がないと起こることについてお話しします。

まず自らの資源に限りがあることを無視したパターンです。
先ほど資源は限られているとお話ししました。「人手」「お金」「時間」「土地」など重要な資源です。
特に農業では「人手不足」が問題になっており、「お金」に関しては個人農家が法人や企業と勝負するのはかなり難しいと言えます。

例えば、使えるお金が法人や企業に負けないくらいあると仮定します。
資金を投資て法人や企業に負けない「土地や設備」を増やし生産量での対抗をしたとします。ですが人手の数で負けていた場合、生産する作物の量を増やすほど作業効率は落ちてしまいます。
結果的に手が行き届かず品質確保や土地や設備の活用に手が回らなかったということは十分にある話です。

次に競争を無視したパターンです。
法人や企業が栽培している作物と同様の作物を作っていると需要に対して供給が上回り供給過多になってしまうパターンです。
農業において農協という確実な販売先が存在することが特徴です。
先ほどお話ししましたが、販路先を農協のみでは大きな利益は見込めません。

また作物の種類によりますが作物の品質向上が必ず利益に直結するとは言えません。
こうした競争を無視したパターンに関しては法人や企業に対して大きな確率で負けると言えます。

戦略というのは何もないところからアイデアを捻り出すだけではありません。
基本に忠実に見ていくことで戦略を導くこともできます。
戦略を考えることで大切なのは農業をしていく中で常に「競争相手がいる」ということを意識しアンテナを張ることが大切です。

まとめ

個人農家が法人や企業の新規参入の中で生き残るための戦略の立て方・重要性について解説しました。
戦後まもない頃、農業は家族で行うものであり食料を生産する手段の1つでした。
しかし近年で農業に関する価値というのはビジネスとして考えられてきています。

そうした場合、更に企業や法人の新規参入は増えてくるかもしれません。
個人農家は農業での立ち位置の確立をすることがより早く求められています。

また「みんなで農家さん」というサイトでは農業に関する情報がたくさん掲載されています。今回お話しした「戦略」についてもヒントが見つかるかもしれません。
ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/

最後まで閲覧いただきありがとうございました!

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