【クリーン農業】北海道クリーン農業の概要・現状・課題とは?

近年では、SDGsをはじめ日本ではエコファーマー制度など環境に負荷をかけない取り組みに大きく力を入れている傾向があります、

そして環境に優しい農業というのは昔から長年続いている課題であり、これからもより環境に良い農業を目指すための技術は進化していくものです。
例えば、農薬というのは農業をする上で環境に良くないモノとして代表的なものであり、農薬への使用基準というのは厳しくなっています。
こうして近年では特に環境に優しい農業に注目が集まっています。
その中で特に北海道を中心に環境にやさしい取り組みとして「クリーン農業」の取り組みに力を入れています。
本記事では「クリーン農業」の基礎知識から現状の取り組みや課題など詳しく解説していきます。

クリーン農業とは?

クリーン農業といってもあまり馴染みのない言葉だと思うので、クリーン農業について詳しく解説していきます。

クリーン農業とは、堆肥などの有機物を肥料として使用する事で農業に欠かせない「健康な土作り」を行い、農薬や化学肥料の使用を最小限にとどめることで生態系と地球環境に配慮した、持続可能な「環境穂安全型農業」のことです。
よく似たような取り組みとして冒頭でも紹介した「エコファーマー制度」が挙げられます。

有機物を適切に使用して土作りをおこなった農地では、微生物や土壌動物がより活発になり栄養分を作物が吸収しやすいかたちに分解すると言われています。
そして土のもつ生産力が十分に発揮されます。

クリーン農業とは、
・健康な土づくり
・化学肥料の低減
・化学合成農薬の低減
・自然環境の保全
が目的であり、結果的に環境に配慮した持続的な農業の展開や安心安全で高品質な農産物の提供・生産ができます。

また、クリーン農業は平成3年度に「北海道」で始まった取り組みです。
北海道は冷涼な地域なので都府県に比べると害虫被害などが少ない地域であり、化学農薬や化学肥料などが少ない地域です。
しかし、様々な研究や新しい技術によってこれらの使用を低減し消費者の方に安全・安心をお届けする取り組みとして注目されています。
また。平成3年度から始まったクリーン農業では平成16年度から北海道で有機農業の技術開発もスタートしました。
近年は化学肥料や化学合成農薬のさらなる削減技術開発に加え、クリーン農業技術の道内全域への普及、北海道スタンダード化を目指しています。
そして近年世界での取り組みとして「SDGs」がありますが、クリーン農業はSDGsのうち3つのゴールの達成に貢献しています。

クリーン農業の認証制度

クリーン農業では認証制度があり認証マークなどが表示された農作物を選ぶ方がより安全・安心だとしています。

【クリーン農業の認証制度】

YES!clean
北海道内独自の取り組みであり、北海道内で栽培されていることで認証されます。化学肥料・化学合成農薬の使用を基準以下とすること。

有機JAS
化学肥料や農薬を原則として使用しないことです。
また、播種等の2年以上前から禁止されている化学肥料・農薬を使用していないこと。

特別栽培農産物
化学肥料・化学合成農薬を慣行の5割以下に削減。

エコファーマー
土作り・化学合成農薬の使用低減・化学肥料の使用低減の3つの技術を全て用いること。

これらの認証制度は差別化にも大きく役立つものと言われており、取得できるのであれば取得することを推奨しています。

クリーン農業を支える技術について紹介

北海道のクリーン農業を支える技術を紹介します。
クリーン農業の基本技術は、
・堆肥等の有機物の施用による土づくりの推進
・化学肥料使用量の低減
・化学合成農薬使用量の低減
・生態系の維持・向上や養分流亡に伴う地下水汚染の防止などによる自然環境の保全の4点です。

クリーン農業の取り組みが広がると「農業生産」と「環境保全」の両立・共存が可能になると言われています。
ここから土・肥料・農薬の3点に着目して解説していきます。

①健康な土づくりをするためにおこなっている技術

作物を健全に育てる為には土台となる土づくりは必ず必要になってきます。
おこなっている取り組みとしては、
・堆肥等の有機物などを使用
・土壌改善
・土壌診断を行い肥料を使用
などを行い、健康な土づくりに取り組んでいます。
具体的には緑肥等の計画的な導入、有効土層を拡大する為の深耕や排水対策、家畜ふん尿や圃場副産物の有効活用による堆肥作り等をおこなっています。

②化学肥料を少なくする為の技術

化学肥料による環境への負荷を軽減するため肥料が作物に効率的に吸収される技術を使用したり、堆肥や有機質肥料を使用するなど化学肥料の節減に取り組んでいます。
例としてはパソコンによる堆肥設計システムを活用した土壌診断や肥料を施す位置や堆肥法の改良、堆肥など有機物中の肥料成分の評価などを取り組みとしておこなっています。

③化学合成農薬を少なくする為の技術

化学合成農薬による環境への負荷を軽減することと、より安心な農産物を生産するため、化学合成農薬に依存しない防除法の導入や、複数技術の活用によって病中害の密度を低く抑えるための防除など化学合成農薬の削減に取り組んでいます。
例えば、きめ細かい圃場観察と防除の要否判定による防除の実証や実践技術の取り組み・天敵、対抗植物の利用など化学合成に依存しない防除法・機械除草作業の組み合わせによる除草剤の低減・畑作における株間除草機など様々な化学肥料使用の低減対策をおこなっています。

また平成22年度から300件以上のクリーン農業を推進する為の技術開発を行なってきました。その中には
・病気や害虫に強いなどの新品種の開発
・有機物の利用法や緑肥の導入を進める技術
・肥料の効果的施用法や土壌中の養分量に応じての減肥対応などの化学肥料低減技術
などがあります。

また、北海道では化学肥料だけでなく、有機物の施用量の上限も設定しており、養分供給からは有機農業よりも難しい場合もあります。また天敵などの生物農薬の利用や病気・害虫の発生状況を指標とした殺虫・殺菌剤の施用技術・機械除草などの化学合成農薬低減技術や総合的な経済性の評価なども行なっています。

クリーン農業の現状と課題について

ここからはクリーン農業の現状と課題について解説していきます。

クリーン農業の取り組み状況

2000年での農家数は62,611に対して取り組み農家数は20,760であり、割合として33%となっていました。しかし2005年には農家数51,990のうち、取り組み農家数は32,865と割合は63%まで登っています。農家数が減少しているとはいえ取り組みのは徐々に浸透していると言えます。

また、2015年に調査された農家数は38,086に対して取り組み農家数は19,292となっており割合は51%となっています。
取り組み割合は半数を占めているとはいえ2000年・2005年と比較すると減少しており、取り組みを促す対策が課題となっています。

クリーン農業への理解の促進

【現状】
クリーン農業に取り組んだ水稲栽培は北海道総合研究機構が開発した客観的に評価する手法により調査すると慣行に比べて温室効果ガスが5%減少することが明らかになっており、結果を含めてクリーン農業による温室効果ガスの発生抑制や生物多様性保全の効果を出前講座やセミナー等を通じて消費者にPRしています。

【課題】
消費者に対してクリーン農業で生産された農産物の表示制度や生産段階の取り組みを継続的に認知することにより消費者の理解を深めていくこと。
また、農業者に対しても持続的な社会づくりに貢献するクリーン農業の実践をこれまで以上に普及していくことが課題とされています。

クリーン農業技術の開発と普及

【現状】
クリーン農業の推進に不可欠な技術は北海道総合研究機構において435の技術が開発され、農業改良普及センターなどによる情報提供や技術指導を通じて普及を図っています。
また、上記技術のうち化学肥料や化学合成農薬の使用を削減する高度なクリーン農業の技術はこれまでに28技術、また有機農業の技術ではこれまでに29技術が開発され農業者向け研修会等を通じて普及を図っています。

【課題】
本道ではこれまで発生が見られなかった新しい病害虫への対応や土壌診断や栄養診断の高度化による施肥対応などクリーン農業を支える栽培技術の一層の開発が必要となっています。
また、高度クリーン農業や有機農業技術は慣行栽培に比べて生産費の上昇や収量低下などの課題を抱えており、安定した生産技術の開発が求められています。
道内では経営規模の拡大が進む中で労働力の確保が厳しい状況にあることから省力化などICT・AI等の先端技術を活用した技術の開発も求められています。
近年では、異常気象に伴う冷湿害や高温障害などの気象災害が多く発生しておりクリーン農業を進めて行くためには農地の排水性などを改善する生産基盤の整備などを引き続き進めて行く必要があると言われています。

ここまで紹介した課題は一部ですがこれからクリーン農業を推進・取り組んでいく上で課題はまだまだ多くあるというのが現状でもあります。

【引用】:​​北海道のクリーン農業

まとめ

本記事ではクリーン農業の概要について解説しました。
農業では環境保全や安心・安全な作物を提供するために、様々な取り組みが行われてきました。
クリーン農業もその一部でありかなり長い年月をかけて今の政策となっています。
しかし、クリーン農業の取り組みが始まったのは30年以上も前になりますが、まだまだ取り組みが浸透しているとはいえません。
1つ1つの農家や1人1人の意識を変えていくことでクリーン農業の達成に繋がると考えています。

また「みんなで農家さん」ではクリーン農業以外の環境を考えた農業の取り組みなどの情報を掲載しています。
農業に関する情報は日々掲載されていますのでブックマーク等お願い致します。
https://minnadenoukasan.life/

最後まで閲覧いただきありがとうございました!

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