JA女性協とは?特徴やメリットを解説

農業は肉体労働に加え、力のいる仕事として男性の職業という印象がついている方もいるのではないでしょうか?
戦後、まもない頃は男性だけでなく女性も積極的に農業を行っていましたがいつしか男性の職業となっていました。

しかし、近年では農業に参入する女性とも増加傾向にあり、様々な形で女性も農業をする時代へとなってきています。
なぜ、女性が農業に参入するようになってきたのでしょうか?
その背景として、「JA全国女性組織協議会(JA女性協)」の活動が大きくあります。

本記事では、JA女性協とは?活動内容や特徴、メリットについて詳しく解説していきます。

JA全国女性組織協議会(JA女性協)とは?

みなさんはJA全国女性組織協議会という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
JA(農業協同組合、農協)をよりどころとして、食や農、くらしに関心のある女性が、集まって活動する組織です。

JA女性協は全国に568組織あり、令和4年の時点でやく42万人のメンバーがいる組織です。都道府県段階にはJA都道府県女性組織、全国にはJA全国女性組織協議会が設置され、JA女性組織の活動のサポートや大規模な活動の運営などをしています。

JA女性協は農家でも農家でない人でも誰でも気軽に参加でき、メンバーには20代から90代まで、幅広い世代の人がいます。

活動内容

JA女性協はおもに食農教育や地産地消にかかわる活動、助けあい活動(高齢者福祉)、料理や手芸などの趣味、健康の維持向上のためのスポーツ、環境保全活動などに取り組んでいます。

また、とくに若い世代(おおむね45歳くらいまで)の組織として、「フレッシュミズ(フレミズ)」があります。食や農業に関心のある女性が集まり、農業技術の習得、農産物の加工、親子での農業体験、料理教室やスポーツ、手芸などのいきいきとした活動をそれぞれの地域で行っている団体です。

JA女性協は農業だけの活動をしていると思う方もいるかと思いますが、そうではありません。
もちろん、若い世代に対して食農教育などを行い食の安全や農業の大切さを伝え、農業に関心を持ってもらう取り組みも行っております。

しかし、高齢者福祉(助け合い)などミニデーサービスなどの施設ボランティア、高齢者向けの健康教室などを通じて、高齢者の生活を支える活動も行っています。

JA全国女性協議会の影響力

JA全国女性組織協議会は、農村地域における女性の役割と権利を推進する重要な組織です。

その影響力は、複数の側面にわたります。まず、農業分野における女性のリーダーシップを奨励し、スキル向上の機会を提供することによって、農村コミュニティ内で女性の地位向上を支援しています。さらに、女性の声を政策立案に反映させる活動を通じて、農業政策のジェンダー平等への配慮を促進しています。

協議会は地域社会との連携を通じて、女性農家や地域のニーズに対応するプログラムを展開し、農業の持続可能性と地域経済の発展に寄与しています。その情報発信やネットワーキング活動は、女性の社会参加を増進し、農村コミュニティ全体の力を高めています。

また、協議会の取り組みは、ジェンダー平等の推進や女性のエンパワーメントに関する教育的役割も果たしており、若い世代に対する意識の啓発と教育を行っています。その影響力は、農業部門だけでなく、地域社会の社会的・経済的な変革にも寄与していると言えるでしょう。

JA全国女性組織協議会が目指す平等な農業社会

JA全国女性組織協議会は、農業社会におけるジェンダー平等を推進する使命を掲げています。
農業は男性の職業という概念は長い間、根付いてきたものであり払拭するのには時間がかかります。
その目指す平等な農業社会は、女性農家の能力や貢献を最大限に活かし、男女が平等な条件で農業を行える環境を創り出すことです。これには、女性の農業リーダーシップの育成や、農業労働の分担の均等化、教育やスキル向上の機会の提供などが含まれます。

協議会は、女性の声を政策決定に反映させることによって、農業政策におけるジェンダーの視点を高める役割も果たしています。
さらに、男女のパートナーシップと協力を奨励し、家庭と農業の両面での負担や責任を公平に分担する社会的な変革を推進しています。

平等な農業社会は、女性が経済的・社会的に自立し、地域経済の活性化や農業の持続可能性に貢献することを意味します。協議会の取り組みは、女性のエンパワーメントを促し、ジェンダーに関する固定観念を打破すると同時に、多様な価値観を尊重する農業社会の実現を目指しています。

JA全国女性組織協議会の活動事例について

JA全国女性組織協議会の活動事例の一つとして、「農村女性のリーダーシップ育成プログラム」が挙げられます。
このプログラムは、農村地域の女性を対象に、リーダーシップや経営スキルの向上を支援するものです。

プログラムでは、女性農家が持つ潜在的なリーダーシップを引き出すためのトレーニングやワークショップが開催されます。
経営管理やコミュニケーションスキル、地域社会への貢献方法など、幅広いテーマが取り上げられます。
また、成功した女性農家や経営者からの講演やアドバイスも行われ、実践的な知識とモチベーションの向上が図られます。

このプログラムは、女性農家たちが地域社会や農業分野でのリーダーシップを発揮し、地域経済の発展や持続可能な農業の推進に貢献することを目指しています。さらに、参加者同士の交流や情報共有の場も提供され、ネットワーキングの機会を通じて、地域間の連携と共同の目標達成を支援しています。

このようなプログラムは、農村の女性たちに自信を持ち、リーダーシップの資質を開花させる一方で、農業界全体の活性化とジェンダー平等の促進に寄与する重要な活動事例と言えます。

JA全国女性組織協議会の目標

JA全国女性組織協議会では「JA女性 想いを1つに叶えよう」をスローガンに2022年〜2024年度の3か年計画を実践中です。

具体的には「つながろう」「まもろう」「かかわろう」の3つを具体的な目標として掲げ、それぞれにSDGsとの関係を確認しながら活動しています。

それぞれについて詳しく解説していきます。

つながろう

次世代のリーダーを育成し、全組織でフレミズ組織の設置と、世代間交流をすすめることで、組織の活性化とメンバー数の拡大をめざします。
消費者と生産者、JA役職員とJA女性組織、メンバー同士とのつながりを大切にし、Web等も活用しながら運動に取り組みます。組合員・地域住民等の理解者を増やし、積極的なJA事業や組織活動への参加を促します。
地域の多様な組織、協同組合と連携して「食」「農業」「地域」を次代につなぎ、守るための取り組みをすすめます。

まもろう

地産地消、国消国産※を推進し、食料自給率の向上に向けた運動の展開をすすめます。伝統食の継承、食農教育に取り組み、食を次代につなぎます。
家庭から食品ロスを見直し、「子ども食堂」や「フードドライブ※」に取り組み、地域を支えます。防災意識を高めることにより、万が一の際の備えを万全にします。食料生産の大部分を担う家族農業に対する理解を深めることにより、持続性のある農業形態を守ります。あらゆる世代の身体・心の健康を対象とした健康増進活動を展開します。

かかわろう

農業への関わりを深め、女性農業従事者の育成とともに、活躍できる場づくりに取り組みます。JA事業への積極的な参画をすすめ、JA運営への意思反映をすすめます。JA運営への女性参画目標である「正組合員30%以上、総代15%以上、理事等15%以上」をめざします。JA女性組織メンバー全員が正・准組合員となることをめざします。
「食」と「農」に関する理解醸成のため、消費者と生産者の関係づくりをすすめるとともに、学習活動と情報発信に取り組みます。

参照:一般財団法人家の光協会

まとめ

本記事では、JA全国女性組織協議会について解説しました。
農業は男性の職業と感じ、農業の仕事に関わりたいけど女性では厳しいという方もいるかと思います。

しかし、現在は女性も農業に積極的に参入できる職業となっています。
農業の知識をつけたい、農業に関わる仕事をしたいという方はJA女性協への加入も考えてみてはいかがでしょうか?

また「みんなで農家さん」では農業に関する情報をたくさん掲載しております。
農家に就農したい方から現役農家さんまで役に立つ情報がありますので、ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/

最後までご覧いただきありがとうございました。

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