【鳥獣害対策】迷惑な畑の来客?特定外来生物に気をつけろ!

農家にとって厄介な存在の一つ。それが「鳥獣害」です。
鳥や獣による畑への被害…。被害総額も約155億円とも言われています。

せっかく汗水垂らして栽培した農作物が食い荒らされてしまえば、
当然、市場に流通させることができなくなります。

害を与えてくる鳥獣には様々な種類がいますが、
今回は「特定外来生物」を中心に解説していきます。


目次
1.厄介すぎる鳥獣?特定外来生物とは?

1-1.特定外来生物とは?
1-2.鳥獣の捕獲は法律に注意!
2.特定外来生物による被害とは?

2-1.アライグマ
2-2.ヌートリア
2-3.キョン
3.特定外来生物 それぞれの被害対策

3-1.アライグマ被害対策
3-2.ヌートリア被害対策
3-3.キョン被害対策
4.徹底対策!特定外来生物

4-1.鳥獣害予防!三つの心得
4-2.鳥獣害対策の王道「電気柵」
4-3.進化する鳥獣害防止策!
5.まとめ


1.厄介すぎる鳥獣?特定外来生物とは?

1-1.特定外来生物とは?
農林水産省によれば、令和4年度の農作物への害獣被害は、
被害金額、被害面積、被害量は以前と比較すれば、減少の傾向にあります。

しかし被害金額は約155億円という額にものぼっており、
決して油断はできない存在なのです。

さらに、「特定外来生物」による被害も深刻化をしていると聞きます。
「特定外来生物」は、海外起源の外来種のことです。

〈特定外来生物指定の条件〉
・生態系
・人の生命や身体
・農林水産業に被害を及ぼす生物
・農林水産業に被害を及ぼす恐れがある

これらから指定されるのです。また生きているものに限定。
その生物個体のみならず卵、種子、器官なども指定されます。


1-2.鳥獣の捕獲は法律に注意!
農地に鳥獣による被害が出たらすぐにでも捕獲をしたい…のですが、
日本には「鳥獣保護法」があり行政の許可なく捕獲することができないのです。

さらには、特定外来生物の場合は「外来生物法」も関わってくるのです。
「法律違反??じゃあ我慢しろっていうの?」と思われた方も多いでしょう。

もちろん、被害を我慢して見過ごす必要はありません。
まずは、被害防止の対策はしっかりと練り、仕掛けておきましょう。

その上で捕獲を必要と思えば、自治体の協力や専門業者に頼れば良いのです。
まずは、特定外来生物についてしっかりと知りましょう。



2.特定外来生物による被害とは?


さて、特定外来生物は数多くいます。
今回は、農作物に被害を与えてくる主な特定外来生物について解説していきましょう。


2-1.アライグマ
一見かわいく、人気の動物アライグマ。
実は特定外来生物として指定されています。近年被害が拡大しているのです。

アニメ「アライグマ ラスカル」の人気もきっかけでペットとしての人気が高まりました。
しかし、ペットとして購入したアライグマを捨てる・放逐するなどの行為もあり、
野生化してしまったのです。

基本は植物質の食事を摂るアライグマ。
しかし、雑食でありなんでも食べてしまいます。
被害を受けやすい農作物にはトウモロコシやメロン、スイカやイチゴなど。


2-2.ヌートリア
良質な毛皮をもつ動物で、軍用としてその毛皮を利用する目的で養殖がスタート。
戦争の終結により需要が減少、野外に捨てられた個体が野生化してしまったのです。
草食性の動物で、水生植物の茎や根茎などを食べます。

そのため、被害を受けやすい農作物として、水稲の苗がよく挙げられます。
田植え直後の葉の柔らかい苗がターゲットにされやすいため、
コメ農家にとっては特に厄介な害獣です。

またニンジンやサツマイモなども被害に遭いやすいのです。
野菜の場合には1年を通じて被害が発生するとも言われているのです。


2-3.キョン
キョンという動物。あまり聞きなれないですよね。
私は世代ではないのであまり知りませんが「がきデカ」という漫画で
「八丈島のきょん」というギャグが流行していたそうです…。
その元ネタ?がこのキョンという生物です。

見た目は小さな鹿、元々日本にはいない種類の動物なのです。
本来の生息地は中国や台湾で、日本では動物園などの施設で飼育されていました。

しかし、このキョンが施設から逃げ出して野生化。
さらに、農作物を食い荒らすことで深刻な被害が発生しているのです。

キョンの数は増加してしまい、2002年には約1000頭だった個体数が、2023年時点では、推定20,944頭程度と言われています。



3.特定外来生物 それぞれの被害対策


さて、それぞれの特定外来生物の被害対策について知っておきましょう。

3-1.アライグマ被害対策
アライグマ被害の防止において大切なこと。それは、農地周辺の環境への徹底管理です。
基本的には「餌付けをしない」ということです。

〈基本的なアライグマ被害予防〉
・廃棄作物や家庭ゴミは放置厳禁
・ペットの餌の食べ残しは放置厳禁
・お墓のお供え物は放置厳禁
・餌付けは絶対NG

アライグマは雑食性ゆえになんでも食べます。
アライグマの餌となってしまうものは「放置厳禁」です。
農地から排除してしまいましょう。

廃棄した作物を農地の脇に積みっぱなしにしていたり、
収穫していない作物をそのまま放置してしまうと…
アライグマにとって、まさに「ごちそうの山!」になってしまうのです。

アライグマのかわいさに負けて餌をあげるなどの行為も厳禁です。

アライグマの農地への侵入を防止することは難しいと言われています。
行動範囲が広く、木の上での生活も得意とするアライグマ。
さまざまな経路で農地に侵入をしてきます。

つまり、とにかく侵入されやすそうな場所を潰しておくこと。
これが肝心です。

〈基本的なアライグマ被害対策〉
・侵入経路になりそうな壁の穴などを塞ぐ
・侵入経路になりそうな木の枝などは切断
・電気柵を設置
・エッグトラップを設置

鳥獣対策の基本でもある「電気柵で農地を囲い込む」というのも有効です。

またエッグトラップという卵型のトラップがアライグマに効果的と言われています。
前足が器用なアライグマの習性を利用したこのトラップ。
前足を突っ込むことで作動し、突っ込んだ前足を固定します。
これでアライグマの動きを封印します。

さらに、アライグマ以外の哺乳類が捕獲されにくいというのもポイント。
目的と違う動物を捕獲してしまうということが少なくなります。
ただし設置やわなを外す際には、専用の工具を必要とするため、その点は面倒です。

〈基本的なアライグマ被害予防〉
〈基本的なアライグマ被害対策〉
こちらをまず優先的に行うようにしましょう。

アライグマについてはこちらの記事もご覧ください。
(【鳥獣対策】かわいい天敵?アライグマに気をつけろ!リンク)


3-2.ヌートリア被害対策
ヌートリアは「水辺から離れたがらない」動物です。
そのためヌートリアが住処とする水辺と農地までの経路を移動しにくくすること。
これこそが被害防止に効果的な手段です。

堂々と姿を見せる生き物とは言い難いため、発見しやすくすることが効果的です。


〈ヌートリア被害対策〉
・ヌートリアの巣穴周辺の草を刈る
・ヌートリアの巣穴周辺の草を焼き払う
・農地のまわりの草を刈る
・農地のまわりの草を焼き払う


また侵入防止策として柵の設置も有効…なのですが、
ヌートリアは鋭い歯をもっています。

ネットだけの柵だと鋭い歯で噛みちぎられてしまう可能性が高いので、
歯で噛みちぎることができないプラスチック板なども使いましょう。

電気柵も併用すると良いでしょう。

ヌートリアに関してはこちらの記事もご覧ください。
(【鳥獣害対策】ヌーっと登場?ヌートリアから畑を守る三つの対策リンク)


3-3.キョン被害対策
キョン被害の多い千葉と伊豆大島。
キョンを防除するための対策が行われています。

千葉県においては農作物への被害が多発。

さらに、キョンに付着した山ビルが別の場所に運ばれてしまうという被害も。
山ビルが人の血を吸うという被害も出ています。

このためキョンの生息数が多い、
いすみ市、勝浦市、鴨川市、君津市、大多喜町、鋸南町、御宿町。
こちらっを集中防除区域として設定し、防除に注力しています。

集中的な罠や網等による捕獲に加え銃による捕獲も実施。
捕獲した個体は埋設・焼却処分を実施しています。

それ以外の地域についてもキョンの情報収集に努めています。
生息が確認され次第迅速な処理を行うことになっています。

伊豆大島では、2009年度から銃器による捕獲を本格的に行っています。
罠による捕獲も行っていますが、銃器での捕獲割合が高いです。
捕獲数は全体で毎年700-800頭にも上るのです。

さらに、防除強化するために「モデル実施区」を設定するという取り組みも。
これは、ある地域をモデル実施区域と定めて柵で囲い、
数年内に柵内のキョンの根絶を目指す…という計画です。

その後、柵の外のキョンを10年以内に根絶することを、
目標設定して活動しているのです。

キョンにも電気柵による対策は有効とされています。


4.徹底対策!特定外来生物

4-1.鳥獣害予防!三つの心得
特定外来生物に限定せずに、鳥獣害予防の基本は三つあります。

〈鳥獣害予防の基本〉
・野生動物の餌となるものを除去
・野生動物を農地に侵入させない
・野生動物を捕獲、駆除


この三つの予防策を、害獣被害に遭う前に徹底しましょう。
もし被害に遭ってしまった場合は、早急に捕獲、駆除を行いましょう。

特定外来生物の場合、捕獲するためには、
お住まいの市町村の「防除作業従事者」になる必要があります。

さらに、各自治体によって対応が異なります。
捕獲の必要性を感じたら、まずは役所に問い合わせましょう。


4-2.鳥獣害対策の王道「電気柵」
「電気柵」は、動物の学習効果をうまく利用した効果的な侵入防止策。
電気柵は基本的に、支柱を立て、その支柱に碍子をつけ、電柵線を張ります。
そして電気を発する電柵器本体の出力端子に出力線を、アース端子にアース線を接続します。

ちょうど、プロレスのリングを思い浮かべると良いでしょう。
リング内に畑があり、リングのロープで侵入を防いでいる…というイメージです。

電気ショックが弱いと意味がありません。
ですから、動物が嫌がる刺激を保てるよう、電圧はこまめにチェックしましょう。

電気柵につきましてはこちらの記事もご覧ください。
(【鳥獣害対策】ビリビリっと危険な罠!電気柵設置の注意点リンク)


4-3.進化する鳥獣害防止策!
最近でばIoT技術を活用した鳥獣害防止策も登場しています。

害獣防止策として開発された小型無人機ドローン。
空から動物の行動を撮影するだけでなく、その行動をデータとして収集。
そのデータから、行動予測を行ってくれます。

さらに、野生動物が農地に近づいた際には、動物が嫌がる超音波を発生します。
これにより、動物を傷つけることなく追い返すということが可能になります。


5.まとめ


今回は、「特定外来生物」についての解説でした。
捕獲には役所からの許可を得る必要があるなど、なかなか厄介ですよね。

大きな被害になる前に、「近寄らせない」「追い返す」ということを意識しましょう。

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