キャベツは私達の食生活に欠かせない野菜の一つですが、そのキャベツをおままごとのおもちゃサイズに小さくした可愛らしい芽キャベツは食べたことがありますでしょうか?
今回はそんな芽キャベツについて掘り下げていこうかと思いますので、最後までお付き合いください。
芽キャベツとキャベツの違い
芽キャベツは、ベルギー原産のアブラナ科の野菜で、キャベツの変種になります。
いわゆる親戚関係のような間柄に当たります。
しかし、キャベツは生のままでも食べられますが、芽キャベツには苦みがあるので生では食べられません。※生で食べても体に害はありません。
苦みが強いので、ほとんどの場合は加熱してから食べられます。
調理方法によっては苦みが残ってしまい、その苦みが苦手だと感じる人もいるようです。
また、芽キャベツは頂芽が結球するキャベツとは異なり、ひとつの株から伸びた、茎の葉の付け根に生える脇芽が結球したものです。
1株に50個ほどが鈴なりに実ります。
芽キャベツはその形から「子持ちかんらん」の別名でも呼ばれ、地域によっては子孫繁栄の象徴としてお祝いに使われることもあります。
日本には明治時代の初期に渡来し、現在の主産地は静岡県になります。
芽キャベツの旬は冬で11月~3月になります。
芽キャベツの栄養素
芽キャベツは、ミニサイズながら栄養がたっぷり詰まっています。
その理由は、植物の成長期にある芽が結球したものだからといわれています。
ビタミンCをはじめ、β-カロテン、カリウム、ビタミンB2が豊富です。
芽キャベツは、栄養を逃さずまるごと食べられます。
また、芽キャベツの芯は捨ててしまいがちですが、虫に食べられにくい芯に栄養を蓄えています。
丸ごと食べることが出来るので、栄養を無駄なく摂りましょう。
●ビタミンC
コラーゲンを生成するための栄養素であり、皮膚や細胞の健康維持に欠かせないビタミンCです。
人間の体内では合成できないため、毎日継続して摂取する必要があります。
芽キャベツのビタミンC含有量は、キャベツと比べると、なんと可食部100グラムあたり約4倍の160ミリグラムになります。
レモンと比べても1.5倍も含まれています。
●β-カロテン
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素です。
皮膚や粘膜を健全に保つ、免疫力を高める、視力を維持するなど、健康維持に欠かせません。
芽キャベツには100グラムあたり710ミリグラム、プチヴェールにはなんと2,490ミリグラムのβ-カロテンが含まれています。
β-カロテンは、油分と一緒に摂ると吸収率が高まるといわれています。
●カルシウム
カルシウムは、体の機能や調整に欠かせません。
強い骨や歯をつくり、年齢とともに気になる骨粗しょう症を予防する効果があるといわれています。
プチヴェールには牛乳の約4倍、100グラムあたり457ミリグラムのカルシウムが含まれています。
このように芽キャベツには栄養素がかなり詰め込まれていますので、ぜひ今後の食生活に取り入れてみてください。
ただ、次の項目に当てはまる人は注意が必要になります。
当てはまる方は確認を食べる前に、まずは確認をお願いします。
・抗凝固剤(抗血栓剤)を飲んでいる方
ワーファリンなどの抗凝固剤や抗血栓剤など、血液をサラサラにするお薬を飲んでいる方は、芽キャベツを食べてはNGになります。
芽キャベツには「ビタミンK」が含まれていて、ビタミンKには血液凝固作用があります。
抗凝固剤や抗血栓剤は、血液をサラサラにするお薬なので、ビタミンKは、このお薬の働きを阻害してしまいます。
・甲状腺に疾患を患っている方
芽キャベツは、甲状腺の治療をしている方は、食べ過ぎはNGになります。
芽キャベツなどのアブラナ科の野菜(キャベツ、ブロッコリーなど)には「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、このゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を妨いでしまいます。
とはいえ、これは「毎日1キロのキャベツを食べ続けた場合」になり、通常量を食べている分には問題はありません。
他の食べ物もそうですが、ご自身でしっかり確認をした上で、食べるようにしましょう。
ちなみに健康な方であれば、1日5個までなら芽キャベツを食べても大丈夫です。
食べやすいからと言って、食べ過ぎには注意をしましょう。
芽キャベツの食べ方
栄養素と1日の食べて良い個数がわかりましたので、次は食べ方ついてご説明します。
芽キャベツの下処理についてですが、「根元に切り込みを入れるだけ」です。
黒ずんで傷んでいたり、茶色くなっていたりする外葉があれば取り除き、根元の表面が汚れているようであれば少し削り、火が通りやすいよう十字に切り込みを入れておく、これだけで大丈夫です。
芽キャベツは丸ごと使えるので、細かい下処理は不要です。
火が通りやすいよう根元に切り込みだけ入れておきましょう。
また、芽キャベツをすぐに食べきれない場合は冷凍保存がおすすめです。
生のまま冷凍すると風味が落ちやすいので、下ゆでしてから保存しましょう。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯に対して1%の重量の塩(湯1ℓに対して10gが目安)を入れ、芽キャベツを4〜6分ほどゆでます。
ザルにあげてそのまま冷ましたら、ペーパータオルで水気を拭き取りましょう。
このときに、芯部分までしっかり加熱せず冷凍してしまうと、色が悪くなりやすいので長めにゆでるのがおすすめです。
ゆでた芽キャベツを水に放つと水っぽくなるので、自然に冷ましましょう。
次に凍ったまま調理しやすいよう、芽キャベツは半分に切ります。
丸ごと使いたいときは切らなくても大丈夫ですが、凍ったまま調理がしやすいように切っておくと使用時に使いやすいです。
最後に冷凍用保存袋に重ならないように入れ、空気を抜くようにして袋の口を閉じて冷凍します。
これで約1ヵ月保存可能になりますので、食べきれない場合はこの方法を試してみてくどさい。
芽キャベツの育て方
次に芽キャベツの育て方についてですが、こちらは家庭菜園、プランターでも可能になります。
キャベツと同じ仲間ですが、キャベツより暑さに弱く、高温下ではうまく結球しないので、夏まきで秋~冬に収穫しましょう。
種から育てられますが、真夏の管理となるので、ビギナーやプランター栽培の場合は、苗から栽培するのがおすすめです。
収穫時には草丈が50~70cmにもなるので、プランターは根がしっかり育つように深さがある大型のものを選んで植えつけましょう。
芽キャベツは葉のつけ根にできるわき芽が丸く結球するキャベツです。
植えつけから2ヵ月くらいで、葉のつけ根に小さなわき芽ができ始めます。
生長に合わせて何回か葉をかき取ってわき芽にたっぷり日を当てて、球を大きく育てましょう。寒さに強いので、収穫中も葉かきと追肥を続ければ、翌年の春先にトウ立ちするまで長期間楽しむことができます。
連作障害があるので同じ畑で作る場合は栽培間隔を2~3年あけることをおすすめします。
①種まき
ポリポットに培養土を入れ、1つのポットにつき3~4粒のたねを等間隔にまき、薄く土をかぶせてたっぷり水やりをします。
②間引き
発芽がそろったら、よい苗を2本残して間引き、本葉3~4枚で生育のよい株を1本残してハサミで間引きします。
③植え付け
本葉が5~6枚になったら根鉢を崩さないように植えつけ、株元に土寄せをしてしっかり押さえ、たっぷりと水やりをします。
根付くまで苗が倒れないよう仮支柱を立ててあげると安心です。
④追肥・土寄せ
追肥は定植の3~4週間後、茎葉の生長が盛んになった頃に、1m2あたりNK化成(16-0-16)30g程度を施用します。
更に茎が伸びてわき芽がつき始めた頃と、収穫が始まった頃に、同量の追肥を施用します。
茎葉が大きく生長すると、その重さで株が倒れやすくなるので、追肥と同時に株元に土寄せしてください。
⑤ネット張り
キャベツと同じく、アオムシやアブラムシなどの害虫が発生したり、鳥に食べられたりする被害があるので、防虫ネットや寒冷紗などで覆いましょう。
⑥葉かき(摘葉)
葉のつけ根に小さなわき芽ができ始めたら、地際から10cm位までのもの(高温期のわき芽)は結球しないので、下葉と一緒に早めに摘み取ります。
下から順にわき芽の直径が1cmほどに結球したら、葉柄を少し残して切り取り、日当たりと風通しをよくしてあげます。
頂部の葉を10枚ほど残して全て切り落としましょう。
頭でっかちになって、バランスが悪く倒れそうなら支柱を立ててひもで固定してあげましょう。
⑦収穫
結球したわき芽が直径2~3cmで硬くしまったものから手でもぎ取るか、ハサミで根元から切り取ります。
収穫時期が遅れると芽が開いてしまうので適期を逃さないように注意しましょう。
まとめ
芽キャベツとキャベツの違い、大きさ以外にも知ることができましたでしょうか。
キャベツと同じ見た目だから、生のままでも食べることができるのでは?と思っていたひとも多かったと思いますが、キャベツと違っていて苦みがあるので生食には向かなかったり、食べ過ぎが注意な野菜でもあります。
しかしそれを補うほどの栄養素がぎっしりと詰まっているのも事実です。
野菜によって、食べ方や栄養素が変ってきますので、それぞれ調べてから摂取することで、上手に必要な栄養素を摂ることができます。
ですので気になったらまずは、調べてみると良いかもしれませんね。
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