【日本の台所】日本が食品で頼り切っている輸入国トップ10

日本は食料自給率が低く、世界の中でも常に上位に位置する貿易大国であります。
なぜ、世界の中でも常に上位にいる程、輸入をしなければならないか知っていますでしょうか?

貿易は決して悪いことではありませんが、頼りすぎるのはあまり良くなく結果的に食料自給率の低下につながっています。

本記事では「日本が輸入に頼る理由」や「食品で頼っている国TOP10」、また「なぜその食品は輸入に頼らざるおえないのか」を紹介・解説したいと思います。

日本は世界有数の貿易大国

冒頭でも少し触れましたが、日本は常に上位に位置する貿易大国と言われています。

2021年に「厚生労働省」が発表した日本の貿易総額(輸出額・輸入額)は約168兆円。
この金額は日本の国家予算を大きく上回ると言われています。
その内、日本の輸入額は84.7兆円と言われています。

また日本が輸入している主要品目は、
・原油
・医薬品
・衣類
・食品
など様々です。

その中でも日本は特に食品への輸入の比重が大きいと言われています。
なぜ食品は特に輸入に頼っているのでしょうか?

その理由は日本の食生活の変化にあると言われています。

戦前は国内で生産されている米・野菜などを使った食事が中心でしたが、戦後は食生活が洋風に変化したと言われています。

特に国内生産が少なく、外国から輸入している小麦やパンなど、また肉類や油脂類の消費が増加しました。

また日本は「食料自給率」が先進国の中でも特に低いと言われています。
「食料自給率」とは国内で消費されている食べ物が、国内生産によってどのくらいまかなえるかを示す数値です。
この食料自給率が低いと、輸入している国から貿易が止まった時にいつもの食生活を維持する事ができなくなります。

日本が食品で頼っている国TOP10

ここからは、農林水産省が発表している2020年の食品輸入国TOP10を紹介します。

順位国名金額(千円)
1アメリカ1,557,937,212
2中華人民共和国1,190,668,280
3カナダ519,498,781
4タイ519,334,805
5オーストラリア454,574,693
6ベトナム342,937,279
7ブラジル339,872,629
8インドネシア333,248,573
9イタリア311,630,698
10大韓国民278,046,497

1位のアメリカは食品の輸入割合が(17.5%)2位の中国は(13.4%)3位のカナダは(5.8%)、タイは(5.8%)、オーストラリアは(5.1%)となっています。

次にどんな食品を輸入しているのか紹介していきます。

順位国名品名
1アメリカとうもろこし、牛肉、豚肉、大豆
2中華人民共和国冷凍野菜、鶏肉調製品、生鮮野菜
3カナダ豚肉、菜種、小麦、製材
4タイ鶏肉調整品、鶏肉、ペットフード、天然ゴム
5オーストラリア牛肉、砂糖、木材チップ、チーズ
6ベトナム大豆、トウモロコシ、小麦
7ブラジル小麦、麦芽、オリーブ油
8インドネシアトウモロコシ、サトウキビ、大豆
9イタリア豚肉、チーズ、小麦、オリーブ油
10大韓民国生鮮野菜、穀類、肉類
参照:農林水産省

以上が日本が輸入している国TOP10、国別輸入食品になります。
なぜ日本は輸入大国なのでしょうか?

輸入に頼らなければならない理由を解説します。

日本が輸入に頼る理由とは?

日本がなぜここまで食品の輸入に頼らざる終えないのか?

「世界有数の貿易大国」という章で紹介しましたが、日本が輸入に頼る理由の大きな要因として「食料自給率の低さ」が挙げられます。

日本は過去食糧不足の経験も踏まえ、最低限の国内で農作物を生産・維持するように努めてきました。
しかし、貿易の自由化、国内での人口減少の変化、また自然災害、異常気象により農家の減少や人手不足が続いています。

国内では食品(農作物)の最低限の生産が難しくなっています。

その結果、貿易に頼るしかなく世界有数の輸入大国になり「食料自給率」の低下に歯止めがかからないのです。

また、国別の食料自給率をみると2020年の日本の食料自給率は37%に対して、アメリカは約130%、フランスは約125%、イタリアは60%と日本はかなり低い水準での自給率となっています。

食料自給率が低いのはダメなことなのか?

日本の食料自給率が37%と紹介しました。
なので残り63%は全て海外からの輸入という事になります。

世界での輸入、食料の供給が安定しているなら問題はないと言えます。

しかし世界では気候変動や自然災害、最近では新型コロナウイルスやウクライナとロシアの戦争など様々な不安やリスクがあります。

食料の供給が常に安定し続けるとは限らないのです。

また世界の人口増加により食料が不足するという危険もあります。
世界人口は今77億人と言われており、2050年の30年後には97億人にまで到達すると予想されています。

必要な時に必要な分だけ自分で食料を確保する事が大切なのです。

食料自給率をあげるにはどうしたら良いのか?

日本では食料自給率をあげる為に様々な対策が行われています。
例えば、新品種の開発や導入、農地集約、水田を放牧地や野菜の生産に転用して農地の確保、ITや農機具などを活用した生産向上などです。

日本では2030年度に食料自給率を45%まであげる事を目標にしています。
また農作物の輸出にも力を入れています。

海外への販売ルートを拡大し、生産向上、食料供給力を高めると考えているからです。

輸入をするメリット・デメリットを解説

これまで日本の食品の輸入に着目して解説していきました。
しかし日本は海外から輸入している物は食品以外にも多々あります。

この章では食品以外の輸入品は紹介しませんが、日本が輸入する上でのメリット・デメリットを紹介します。

海外からの輸入のメリットとは?

今では国だけでなく、企業や個人での輸入をする方も増えています。
それは輸入する事で大きなメリットがあるからです。

輸入で得られる2つのポイントを紹介します。

①価格差で利益が出る
輸入する理由として大きく挙げられる要因は物価の違い「価格差」です。
例えば、同じ牛肉でも海外で買う方が安い場合があります。

もちろん品質など全てが同じとは言えませんが、輸入して日本で売っても国産の商品より安ければ利益が得られます。

例えば中国からの輸入であれば、円安の状況でも日本国内で仕入れるより原価を抑えることができます。
中国は1つの商品をたくさん作り、一気に輸出する事で物流費などを抑え商品の原価を抑えています。
輸入で大切なのは、「どこから輸入するか」、国内で販売した時「どこの商品がより利益が取れるか」を考えるのが大切です。

②日本にない商品の希少性
日本で生産されておらず海外でしか生産されていない物はたくさんあります。
日本で出回っていない商品は、物にもよりますが希少性があり需要が大きいと高値で売ることも可能です。

つまりライバルとの差別化を図ることができるのです。

ライバルが少なければ少ない程、独占できます。

次に輸入のデメリットについて紹介します。

海外からの輸入のデメリットとは?

ここまで輸入のメリットを紹介しました。
次に、輸出のデメリットについて紹介します。

①品質管理を行う必要がある
輸入をする際に全ての商品が良い状態でくるとは限らないという事です。
アメリカからとうもろこしを輸入するとうもろこしは1度に大量のとうもろこしを輸入します。
もちろん運ぶ間も品質に気を使っていますが、とうもろこしが全て良い状態でくる訳ではありません。
売れなければ廃棄せざるおえなくなり、結果廃棄分は赤字になります。

これは国内生産でも同じことが言えますが、輸入の方がリスクは高いという事です。

②雇用の喪失
日本では国内生産が少ないものやできない物を基本的に海外から輸入しています。
しかし、輸入に頼りすぎると労働者が減る事に繋がります。

例えば、全ての物を輸入で賄うとします。
そうした場合、農作物を作る方などは必要がなくなり失業という形になります。

そうなると日本の食料自給率は低下が激しくなります。
なので輸入に頼るというのはあくまでも国内で生産が難しいものなどに絞った方が良いというケースもあります。

輸入食品の課題について

最後に輸入食品の課題について解説します。

ここまで日本の食品輸入に関する情報をお伝えしました。

日本は食品の多くを輸入に頼っており、メリット・デメリットもあります。

全てを踏まえ今日本で注目されているのが「国消国産」という政策です。

「国消国産」というのは、国民が必要とする物はその国で生産するという事です。
もちろん日本の土地の特性や気候などもありますので全てを生産するというのは難しいです。
しかし輸入に頼り切っては食料自給率の向上も見えてきません。
できる限り国内の生産を増やしていく事が大きな課題となっています。

まとめ

日本が食品で輸入に頼っている国TOP10を紹介し、危険性など紹介しました。
もちろん、これからの外交関係の良好も考えると輸入をするのはとても大切だと思います。

しかし不足の事態に備え、自分たちの国は自分たちでどうにかする事を考えなければならないと思います。日本での食品輸入について本当にこれだけの量を輸入が必要なのか?本記事を読んで参考にしてみてください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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