里芋について詳しく知ろう!〜簡単皮の剥き方&レシピ2選〜

近年では農家さんの頑張りのおかげで1年中出回っている里芋ですが、旬が秋〜冬頃なのはご存知でしたでしょうか?

今回はそんな里芋の皮剥きの仕方から、様々な保存方法、おすすめの美味しいレシピまでご紹介していきますので、最後までお付き合いください。

里芋とは?

里芋という名前は、山で採れる「山芋(自然薯)」に対して、「村(里)で栽培されるから里芋」と呼ばれるようになったといわれています。

また縄文時代に、日本に伝来していたといわれる里芋ですが、稲作よりもその歴史は古く、米食以前の日本の主食だったと考えられています。

ちなみに里芋は、種子ではなく種芋で増えます。里芋自体は茎が肥大したもので、株を中心に大きな親芋があり、そこから分球したものが子芋です。

子芋からさらに分球したものを孫芋と呼びます。

実は、親芋と子芋と孫芋、どれを食用とするかによって、里芋の種類が分けられています。

また芋以外に葉を食べる品種もあります。

里芋の栄養素と効果

里芋には、食物繊維をはじめ、カリウムやビタミンB1が豊富に含まれており、以下のような効果が期待できます。

①免疫力を高める

免疫力とは、外部から入ってくる細菌やウィルスから身を守るための防衛能力のことをいいます。

免疫力が低下していると細菌やウィルスが体内に入り込みやすくなり、風邪をひきやすくなります。

里芋に含まれているガラクタンは、免疫力を高め、風邪などの予防に働きかけます。

②胃や腸の健康を保つ

里芋に含まれているムチンには胃や腸の粘膜を健康に保つ効果があります。

ムチンは胃酸から胃の粘膜を保護し修復する働きがあること、胃炎や胃潰瘍などの予防に効果的です。

さらに腎臓や肝臓、胃腸などの内臓を強くする働きもあります。

③動脈硬化を予防

里芋には動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。

動脈硬化とは血管が硬くなり弾力性が失われた状態のことを指します。

血管の中にコレステロールが溜まり、血液の流れが滞ることで病状が進行します。

動脈硬化が悪化すると脳出血や脳梗塞などの病気に発展する可能性があります。

④高血圧を予防

血圧にはナトリウムとカリウムが大きく関係しています。

ナトリウムを過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度を下げるための血液の量が多くなり高血圧になります。

里芋に含まれるカリウムには、一度血液中に吸収されたナトリウムが腎臓で吸収されることを防ぎ、尿中への排出を促すことで血圧を下げる作用があるため、高血圧の予防に効果的です。 

⑤むくみの予防・改善

里芋に含まれるカリウムには体内の余分な塩分を排出し、体内の塩分濃度を適正に保つ働きがあります。

ナトリウムの過剰な摂取、またはカリウムの不足などで、カリウムとナトリウムのバランスが調整できなくなると、細胞内のナトリウムの濃度を下げるために水分を取り入れます。

血管の細胞でこのようなことが起こると、血管壁が水分で膨れるため血圧が高くなり、顔では組織液やリンパ液が薄められ、むくみとなって現れます。

このため、カリウムを摂取することによりむくみの解消に繋がるといえます。

⑥疲労回復効果

里芋に含まれているビタミンB1には疲労を回復させる効果があります。

ビタミンB1は食事から摂った糖質をエネルギーに変えるために必要不可欠な栄養素です。

糖質をエネルギーに変える力が低下してしまうと、疲労物質である乳酸が溜まり、疲れやすくなります。 

⑦腸内環境を整える効果

里芋に含まれる食物繊維には腸内環境を整える働きがあります。

腸内に悪玉菌が増殖すると、消化されていない物の腐敗が進み、免疫力が低下します。

一方、善玉菌が増殖すると、腸内環境が整うことにより免疫力の向上や便通の改善、美肌効果など全身の健康維持に役立ちます。

皮の剥き方

里芋の皮を剝いているとき、痒くなったことはありませんか?

里芋の下処理をすると手がかゆくなるのは、里芋に含まれる「シュウ酸カルシウム」という成分によるものなのです。

針のように尖った形の結晶で、それが手に刺さることでかゆみを感じるのだそうです。

シュウ酸カルシウムは酸と熱に弱いという特徴があります。

そのため、里芋を触って手がかゆくなったときは、一度手を水で洗ったあと酢やレモン汁などを手になじませるとかゆみが治まります。

今回はそんな里芋の皮の剥き方をご紹介していきます。

調理方法や、保存方法にあったやり方で皮を剝いてみてください。

①アルミホイルでこする

生の里芋の皮むきは、実はアルミホイルを使うと簡単です。

アルミホイルを30㎝くらい切りとり、1.5㎝幅のじゃばら折りして、じゃばら折りにしたアルミホイルを、端からくしゃっと丸めたら、あとは里芋の皮をこすっていくだけです。

ポロポロと皮が剥けていきます。

満遍なくこすってから水で軽く洗い流すと、綺麗に皮を剥くことができます。

端のかたい部分や、変色している部分などは包丁で取り除けば、皮剥き完了です。

ピーラーを使うよりも簡単に剥けるので、おすすめです。

②茹でる

里芋にかぶるくらいの水を鍋に入れて火にかけます。

お湯が沸いたら洗った里芋を入れ、10分ほど茹でます。

竹串がスッと通るようになったら里芋をザルにとり、皮を剝いていきます。

とても熱くなっているので、少し冷まして剥くか、ふきんやキッチンペーパーなどで包みながら皮を剥くとやりやすいです。

③電子レンジで温める

里芋を洗って汚れを落としたら、皮にぐるっと1周切り込みを入れます。

耐熱容器に入れて、大さじ1ほどの水をふりかけます。

ふんわりとラップをかけたら、電子レンジで加熱します。

加熱時間は、大きめの里芋2つにつき600Wで3分ほどが目安です。

3分経ったら里芋の上下を返し、再びラップをふんわりとかけて600Wで3分加熱します。

竹串がスッと通ればできあがりです。

すぐに料理に使う場合は茹でたり、電子レンジを使うことをおすすめしますが、長期保存したい場合は、アルミホイルがおすすめです。

保存方法

次に保存方法について説明します。

他の野菜のように、里芋も常温保存、冷蔵保存、冷凍保存の3パターンの保存方法があります。

里芋は気温が低すぎると低温障害を起こしやすく、高すぎると傷んだり腐ったりします。

そのため、保存環境を適温に保つことが大切です。

適温の目安は10~25℃で、秋・冬であれば基本的に常温で保存できます。

暑い季節や適温を保てる場所が家の中にない場合は、温度や湿度が一定に保たれている冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

ただし、野菜室の温度設定は3~8℃と冷蔵室よりは高めですが、里芋の適温よりは低めです。

低温障害や乾燥を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパー、ビニール袋などで保護し、早めに食べ切るようにしましょう。

●常温保存

泥付きのままキッチンペーパーで包んで湿度を保ち、風通しが良い場所に置きましょう。

じゃがいもなどと同様に土がついていからといって洗わないようにしましょう。

※保存の目安:約1カ月

●冷蔵の場合

泥をきれいに洗い落としてから、1日乾かします。

その後、キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存してください。

※保存の目安:約1週間

●冷凍の場合

〜生の場合〜

皮をむいて軽く塩でもみ、水洗いします。

水気を拭き取り、冷凍用保存袋に入れて保存します。

冷凍保存の場合は、使いたい大きさに予め切っておくと、すぐに使うことができるのでおすすめです。

※保存の目安:約1カ月

〜茹でた場合〜

沸騰したお湯で里芋を茹でて、軽く火が通ったらザルにあげて流水にさらします。

皮を剥いて冷凍用保存袋にゆでた里芋を入れ、広げた状態にして冷凍庫で保存します。

※保存の目安:約1ヶ月

おすすめレシピ

里芋のレシピといえば、里芋の煮っころがしと豚汁がすぐに頭に思い浮かびます。

そこで今回は筆者も何度も作ったことのあるレシピをご紹介いたします。

ぜひ皆さんも作ってみてください。

※作り方は引用先をご覧ください。

里芋の煮っころがし

〜材料〜

・里芋 500g

・和風だし 小さじ1

・醤油 大さじ3

・砂糖 大さじ4

・みりん 大さじ3

簡単に作れるので、おかずが何かもう一つほしいというときにもおすすめです。

しっかりと煮詰めることで、味が染みてより美味しくなります。

冷めても味がしっかりとしているので、お弁当に入れても美味しいです。

豚汁

〜材料〜

・豚バラ薄切り肉 100g

・大根 80g

・にんじん 40g

・長ねぎ 1/3本

・里芋 2個(100g)

・ごぼう 1/4本(45g)

・こんにゃく 1/2枚(125g)

・サラダ油 大さじ1/2

・水 400cc

・和風顆粒だし 小さじ1/2

・みそ 大さじ2

人によっては里芋を入れたり入れなかったりするそうですが、個人的には入れる方がおすすめです。

また、豚汁が余ったら翌日に少しだけ材料を足してうどんや米を入れておじやにして食べても、美味しく頂くことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

どんな野菜でもそうですが、里芋にも人間に必要な栄養素がたっぷりと詰まっています。

また、保存も長くできるので、たくさん購入して保存するのもいいかもしれませんね。

皮を剥くときは、手が痒くなるので、自分に合った剥き方で剥くようにしましょう。

そして「みんなで農家さん」では、農業が好きな方、農家を志す人、農業従事者の方へ役立つ、最新情報やコラム、体験談などをこれからもお届けいたします。

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