【コメ農家の1年】お米ってどうやって育てるの?-前半-

日本人ならほぼ毎日食べるお米。

実際どうやって育てているか、知っていますか?

日本食においてとても重要なお米。

日本に興味のある外国人は日本人は当たり前に作り方を知っていると思って、聞いてくることもあります。

自分の国のごはんのことを説明できなかったら、恥ずかしいですよね。

この機会にぜひ知って、いつ誰に聞かれても答えられるようにしておきましょう!

日本で流通しているお米とその栽培方法

現在日本で買うことができるいわゆるジャポニカ米は「うるち米」というお米です。

他には、お菓子やお餅に使われる粘りが強い「もち米」、お酒を造る際に使う「酒米」があります。

うるち米は、主に米飯、普段食卓にでてくるような炊飯器などで炊いて食べるためのお米です。

現在の日本のコメ農家では、「水稲栽培」と呼ばれる田んぼを活用した栽培方法がほとんどで、その中でもある程度育った稲を田んぼに「移植」する「移植栽培」が主流です。

学校やテレビでよく見かける方法です。

あまり見かけませんが、「陸稲」と呼ばれる畑や陸田でお米を栽培する方法や、田んぼに直接種もみをまく「直播き栽培」と呼ばれる水稲の栽培方法もあります。

今回は水稲栽培で移植栽培をするコメ農家の1年についてご紹介します。

コメ農家はお米を栽培するだけでなく、稲を実際に植える田んぼの土づくりから始まります。

簡単にいうと土づくり、苗づくり、田植え、収穫の4作業が米栽培では行われます。

それぞれを詳しく説明していきます。

コメ農家の冬

まず先ほども紹介したようにコメ農家の1年は土づくりから始まります。

土づくりはお米を栽培するうえでとても重要な工程です。

この土づくりの出来によってその年のお米の味や食感が変わっていきます。

お米だけでなく野菜など土に植えて栽培するものすべてにおいて、土はとても重要です。

多くのコメ農家が土づくりをするのは、前の年のコメ作りが終わったあと、1月から3月にかけて行われます。

耕起(田起こし)

まず前年お米を収穫した後に残った稲わらなどの有機物を耕すことからコメ農家の土づくりは始まります。

稲わらが生えたまま大型機械などで、田んぼを耕します。

生えていた稲わらと有機肥料などと混ぜながら耕すことで、収穫したあとの土をいい土のまま今年も米を栽培することができます。

野菜栽培でもそうですが、おなじ場所でおなじ作物を育てると、使う栄養分は同じなのでその栄養分だけなくなっていってしまいます。

なので家庭菜園などの注意点では、畑の中でローテーションを組み毎年同じ場所で育てないようにしましょうとよくいわれます。

野菜作りにおけるローテーションについてこちらの記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

ただ広大な土地で栽培をするコメ農家はそうもいきません。

なので前年の稲わらを使うことで地力、土の質を落とさないようにする必要があります。

またこの際に30㎝以上深い所から耕すことで、貧しくなってきている表面の土と、まだ栄養のたっぷりある内側の土を入れ替えることができ、土を休ませながらお米の栽培をすることができます。

耕すタイミングは、稲刈りをしたあと、秋から冬にかけてまず稲わらを有機堆肥などと耕します。

このとき、腐熱促進剤といわれる発酵を促進するものを加えると、稲わらの分解にかかる時間を短縮することができ、これを秋耕といいます。

秋があるなら春も?と思われた方もいたのではないでしょうか。

はい、その通り。

春耕もあり、気温が上がり始めた春に生えてきた雑草と残った稲わらなど有機物を一緒に耕します。

畦塗り

土を耕した後は、田んぼに水を入れる前の準備をしていきます。

耕した田んぼにそのまま水を入れてしまうと外に水が漏れてしまうので、漏れないようにする工夫が必要になります。

そのために田んぼと道の境目に泥土を塗ります。

土と水をこねておき、少し固まり始めたら田んぼの境目にくわなどを使って、内側に塗っていきます。

ただ手作業では広大な田んぼ全てに塗るのは大変なので、一般的に専用の畦塗り機を使って塗っていきます。

もしくは畦畔シートを使うこともあります。

施肥

田植えをしたあと順調に育ってもらうために、一度水を入れる前に基肥を土に与えます。

基肥とは野菜作りでいう元肥と同じもので、米作りでは元肥のことを基肥といいます。

(肥料についてはこちら

基肥の内容は窒素、リン酸、カリの成分を中心にケイ素などをつかいます。

窒素は苗の生長を促すために、リン酸は茎の数を増やし実りをよくするために、カリは葉や茎を丈夫にするために必要な栄養素です。

これらの基肥の使う量は土地や品種などによって定められているので、その基準に従って土に与えます。

入水1

肥料を与えたあとの田んぼを整える前に一度水をいれて、機械が整えやすい状態にします。

水はどこから持ってくるかというと、その田んぼがある地域や農家によって、パイプラインがひいてあったり、農家用水路からつかったりさまざまです。

1回目の入水ではたくさんいれるわけではなく、田んぼ全体が軽く浸かるくらいの量を入れていきます。

代掻き

水をいれた田んぼをロータリーを使って、撹拌していきます。

代搔きをすることで、水の深さが整いまいた基肥が均一になり水はけのいい田んぼができあがります。

また土の表面が平らになるので、田植えがしやすくなります。

この作業を1~2回ほど繰り返します。

田植えをしたあとの田んぼの水の深さは毎日、稲に吸収されたり蒸発したり、土に染みこんでいったり、どんどん減っていきます。

ただその減り具合もよく注意して観察する必要があります。

良いとされている水の減り具合は一日15から20mm程度とされていて、水持ちが悪いつまり基準以上に減っていく場合、養分や肥料が流れて行ってしまったり、水はけが悪いつまり基準より減らない場合、稲の根が腐ってしまいます。

コメ農家の春

いよいよ苗づくりが始まります。

苗づくりもたくさんの工程を経て田植えをしていきます。

田植え前に予措(よそ)と呼ばれる4つの工程を行います。

種もみを選ぶ

予措で行う最初の工程はいい種もみを選ぶことです。

稲の種はもみ殻に包まれていて、この状態を種もみといいます。

ただこの種もみも、どの種もみでもいいお米ができるわけではなく、いい種もみを選ぶ必要があります。

いい種もみの選び方は「塩水選」と呼ばれる方法で選んでいきます。

やり方は簡単。

うるち米なら比重1.13、もち米なら1.08の塩水をつくります。
(比重1.13の塩水の作り方は、水10リットルに塩およそ2.2キロを入れると作れます。)

その中に種もみを入れて、よくかき混ぜます。

すると軽い種もみは浮いてきます。

使うのは浮いてきた種もみではなく、沈んでいる種もみです。

沈んでいるということは、胚や胚乳が豊富にあり、発芽や初期育成がうまくいくことが期待されます。

塩水に入ったそのままだと塩分を含むので、きちんと水洗いをして、干してから使います。

消毒

予措の2つ目の工程は

種もみには病原菌がついている可能性があります。

病原菌がついたままにすると、ほかの苗にうつり田植えをした後に病気にかかる可能性があるので、消毒液に1~2日つけて取り除いていきます。

一度種もみを取り出し数時間陰干しをしたあと、水洗いはせず侵種をしていきます。

消毒液だけでなく、お湯を使った消毒方法もあります。

専用の機械を使って60℃のお湯に10分浸した後、冷水に5分間浸したらそのまま侵種をします。

侵種

予措の3つ目の工程は侵種です。

病原菌を取り除いた種もみを水に浸けて、十分な水、乾いた状態の種もみの25%以上を吸わせます。

侵種は発芽を早め、かつ同じタイミングで発芽させるために行います。

侵種する際の水も設定があります。

まず水温。

水温は10℃から15℃とされています。

次に浸ける日数。

日数は何日と決まっているわけではなく、水温x日数が100になるようにします。

大体10℃だと10日から12日、15℃だと6日から8日かかるといわれています。

催芽

予措の最後の工程は催芽です。

催芽とは芽出しのことで、発芽の状態をそろえるために行います。

まず侵種した種もみを30℃から32℃のぬるめのお湯に1日ほど浸けます。

そうすると、胚の部分から幼芽と幼根が少しだけ顔を出します。

この状態を「はと胸状態」といい、はと胸状態になると発芽がそろうようになります。

苗代

予措が終わったら苗を育てるための苗代を準備していきます。

今回は水苗代をご紹介します。

まず入水と排水のしやすい、苗を育てる箱、育苗箱を並べきることができる場所を選びます。

場所を確保したらまわりに溝を掘って、真ん中の部分に苗代を置きます。

苗代がきちんと平になっていないと、育苗箱と苗代が密着しなかったり

苗代がきちんと平になっていないと、育苗箱と苗代が密着しなかったり、水位が均一にならなかったりするので、必ず苗代は平にしてから次の作業に移りましょう。

播種

苗代の準備ができたら、苗を育てる準備をはじめます。

育苗箱に新聞紙を引き詰めて、その上に床土を厚さ2㎝にして平にします。

床土を詰めたら表面に水がたまるくらいの水に冠水します。

一定の量の種もみを量ったら、まんべんなく床土の上に広げます。

その後水をあげ5㎜ほどの土をかぶせます。

ここまでを播種といい、播種が終わった育苗箱を苗代の上に並べます。

苗代と育苗箱がしっかり密着するように上から押さえつけて、苗代用のトンネルをビニールなどでつくり、飛ばないように石や土などで固定します。

トンネルの固定ができたら、溝に水を苗代の床が濡れるほどの量いれます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は田んぼの土づくりから、苗の準備までをご紹介しました。

お米をつくるためにこんなにたくさんの工程を経る必要があるんですね…

後半では、苗を育てるところから、田植え、収穫までをご紹介します。

そちらもチェックするとお米がどうやって作られるかを知ることができます。

ぜひチェックしてくださいね。

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