自分で何か事業を起こす時に必要になるものはなんでしょうか?
思いつくものはたくさんあるかと思います。
経営能力や知識、人脈、事業計画書、マーケティングなど本当に多くのことが必要になります。
しかし、これらの能力や知識があっても資金がなければどうすることもできません。
そこで多くの人は資金を調達するために銀行などから資金の調達を行う場合が多いと思います。
農業では新規農業に参入する人にとってリスクができるだけ少な来るように資金調達するための制度があります。
今回の記事では新規で農業で事業を行人に向けて資金調達のための制度について紹介していきます。
主に取り上げるのは日本政策金融とJA農業融資の二つから紹介していきたいと思います。
どちらも国の政策で資金を調達するための制度が適用されていますので、一般的に資金を調達するよりは比較的リスクが少なくなるようになっています。
しかし、もちろんこの制度を利用するためには色々な条件がありますのでぜひこの記事を通して条件に当てはまっているのか確認していただきたいと思います。
最後まで一読してみてください。
青年等就農資金
青年等就農資金では新たに農業経営を営もうする青年などに足して農業経営を開始するために必要な資金を長期、無利子で貸付を行う青年等就農資金により支援する制度です。
もちろんこの制度を利用するためには条件があります。
対象者として新たに農業経営を営もうする青年等であって、市町村から青年等就農計画の認定を受けたもの(認定新規就農者)。
青年とは原則18歳以上45歳未満
知識・技能を有する者(65歳未満)これらの者が役員の過半を占める法人
農業経営を開始してから一定期間(5年)以内の物を含み、認定農業者を除く
これらがまず借入するための最初の条件になります。
次に借入条件として下記の5つの条件があります。
1、資金の用途
◻︎農地・牧野の改良、造成に必要なための資金
◻︎農地・採草放牧地の賃借等に必要な資金
(農地等の取得は除く)
◻︎果樹の植栽、育成に必要な資金
◻︎オリーブ・茶・多年生草本・桑・花木の植栽、育成に必要な資金
◻︎家畜の購入、育成に必要な資金
次に掲げる費用の支出に必要な資金
◻︎農機具、運搬用機具等の賃借権の取得に必要な資金
◻︎創立費、開業費等に計上し得る費用に充てるのに必要な資金
◻︎農薬費、肥料費、飼料費等に充てるのに必要な資金
次に掲げる施設の改良、造成、取得に必要な資金
◻︎農舎、畜舎、農機具及び運搬用機具等
◻︎農産物の生産、流通、加工又は販売に必要な施設等
2、貸付利率:無利子
3、借入限度額:3700万円(特認限度額1億円)
4、返還期限(うち据え置き期間):17年以内(5年以内)
5、担保:実質無担保・無保証人
取扱金融機関は日本政策金融公庫になります。
参考、引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_kasituke/index2.html
資金の使用用途が色々と定められていますが、返還期間や担保が一般的に借り入れるよりも金額に対して条件が緩和されています。
日本政策金融公庫
青年等就農資金を利用するには日本政策金融公庫を利用しなくてはいけません。
まず間違ってはいけないのは青年等就農資も借りているつまり借金であることを忘れてはいけません。
制度を利用することで無利子で利用することや条件を満たしていれば借入がしやすいといった資金を調達するのには非常に有効ですが、結局のところ返済をする必要がありますので十分に借り入れるさいには注意する必要があります。
そこで借入するさいに疑問となることを紹介していきます。
参考、引用元:日本政策金融公庫https://www.jfc.go.jp/n/finance/syunou/syunoufaq.html
1、青年等就農資金を利用するうえで自己資金・貯蓄は必要なのか。
必要か必要でないかいえば利用するのには、必要はありません。
しかし、全く貯蓄がないというのは利用する、しないに関係なくあった方がいいのは間違いありません。
事業計画によって就農後の経営方針は定まっているかもしれませんが、必ずしもうまくいくとは限りません。
経営がうまく軌道にのり資金をやりくりするまでには時間がかかります。
借入金の返済や予想外の出費で資金繰りが厳しきなるなどの問題が起きる可能性は非常にあります。
このような事態に備えって数ヶ月分の経営資金または、生活資金をとっておくなど貯蓄はある方がいいといえます。
また、事業計画もカツかつにするのではなくゆとりのある事業計画にすることが大切です。
2、農地を取得するのに利用することは可能なのか。
新規就農で自身で経営することを考えた場合に必ず必要になって来るのが、土地の問題です。
そこで、青年等就農資金を「農地取得に利用することができるのか」気になるかたは多いのではないでしょうか。
結論からいうと利用することはできません。
青年等就農資金はあくまでも農業を経営するのに必要な物などにあてるための制度になります。
農地取得も必要なものではないかと疑問に思うかもしれませんが、実は農地取得にはまた別で「経営体育成強化資金」という別の制度に置いて利用することができます。
そのため、青年等就農資金では対象とされていません。
また、制度を利用したさいの借入金には融資対象が必ず決まっています。
例えばですが住宅取得などに費用をあてることはできません。
必ず融資対象を確認する必要があります。
3、青年等就農資金は農業経営してからいつまで利用することができるのか。
青年等就農資金を利用するには認定新規就農者となっている必要があります。
青年等就農計画の有効期間は認定を受けた日から起算して5年となります。
青年等就農計画の有効期間内で、青年等就農計画に必要な資金であれば、融資限度額の範囲内で利用することは可能です。
4、既に農業経営を開始している場合にも利用することができるのか。
ここまでは経営を開始する前までの話をしてきましたが、既に経営を開始している人でも青年等就農資金を利用することができるのか。
ここが気になる人もいると思います。
結論は利用することができます。
ただし、この場合でも条件があります。
条件としては下記のような物になります。
大前提として青年等就農計画の認定を受ける必要があります。
農業経営を開始して5年間を経過していない方(原則として18歳以上45歳未満。特例として45歳以上65歳未満)
次に、既に農業経営を開始している方の青年等就農計画の有効期間は、認定を受けた日から農業経営を開始した日から起算して5年を経過した日まで。
既に農業経営を開始している方であっても、青年等就農計画の認定を受けている方(=認定新規就農者)であれば、青年等就農計画の有効期間内において青年等就農資金をご利用することができます。
この条件内であれば、既に農業経営を開始していても利用することができます。
5、融資の相談から実行されるまで
青年等就農資金を利用するのにどこに相談すればいいのか実際に実行されるまでにどれくらい時間がかかるのかについても利用するにあたり知っておくべきです。
融資の相談するには、新規就農する事業地(青年等就農計画の認定を受けた市町村)を所管する日本公庫支店(農林水産事業)にご相談すれば融資について詳しく説明を受けることができます。
次にどれくらいの時間が必要なのか。
一般的には、公庫の融資審査に必要となる書類が整った時点から融資が実行されるまでに1か月半~2か月程度の時間がかかるとされています。
他にも事業計画の作成なども追加で発生するので必要な書類を全て揃えて整理する期間も必要になります。
そのため、青年等就農資金を受けるにしても時間がかかるため利用するさいにはできるだけ時間に余裕を持って申請の準備をする必要があります。
また、平均的な借入の金額は大体700〜800万程度が相場になります。
青年等就農資金としては、3700万円(特認限度額1億円)までは限度額として借り入れることはできます。
現実的に事業計画を策定するときに借入するさいには相場としては700〜800万程度になることが多い傾向になります。
日本政策金融公庫以外の選択肢
日本政策金融公庫以外でも融資を受けることができます。
そこで融資先と先として利用することができるのはJAバンクです。
JAバンクでは農業融資があります。
融資対象としても4つの選択肢から対象となるところから借りることができます。
1、認定農業者の方
2、認定新規就農者の方
3、認定農業者、認知新規就農者以外の方
4、どの融資対象にも該当しない人
上記の4つの項目から自身が対象となる項目から融資を受けることができます。
それぞれの対象の項目によって変わりますが、
農業近代化資金、農業経営改善促進資金(スーパーS資金)、アグリマイティー資金
JA農機ハウスローン、農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)、JA新規就農応援資金
経営体育成強化資金があります。
青年等就農資金を利用することができない場合で資金の調達がむずかし場合には、JAバンクから対象となる箇所を利用することをおすすめいたします。
借り入れる内容にもよりますが、青年等就農資金と全く同じ内容ではないので利用するさいには条件と融資対象などを事前にきちんと調べるようにしてください。
参考、引用元:JAバンクhttps://www.jabank.org/loan/nougyo/#anc01
まとめ
農業経営を新規でスタートしたい人にとっても一番大きな問題の資金調達するための手段を紹介してきました。
条件は色々とありますが、条件を満たしていれば間違いなく一般で借り入れるよりも低リスクで資金を調達することができます。
もちろんその代わりに条件が厳しいのと資金を利用できる対象も決まっています。
融資対象以外に利用することはできませんので、必ず融資対象となっている物について確認するのを忘れないでください。
最後に、日本政策金融公庫で融資を受けることができなくてもJAバンクから資金を調達することもできます。
条件が満たせなかった場合で資金調達を検討している人はJAバンクの農業者向けにそれぞれの対象となる人ごとに紹介がありますので、選択肢として検討してみてください。
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