お茶ってどうやってできる?【茶園の1年】

普段飲んでいるお茶。

お茶の葉っぱは年に4回も摘まれているって知ってましたか?

野菜などは私たち消費者のもとへ来るまでの流れはなんとなく想像できますが、お茶の葉っぱはどう栽培されて加工されているのか、あまり想像できないですよね。

今回は茶葉農家さんの1年間を中心に、お茶の葉っぱがどうやって私たちのところまでくるのかをご紹介します。

茶葉を育てる環境

まず茶葉を育てるのに適した環境はどういった環境なのかを説明します。

お茶は比較的暖かい場所を好むとされていますが、過去に流通したお茶の栽培地で最も北だったのは新潟県といわれています。

ですが、農家の副業として秋田県や岩手県などでも栽培されていますが、自分たちで楽しむようとして栽培されているので流通することはありません。

具体的な気温としては、年間を通して14℃から16℃、夏も40℃をこえず冬も‐5℃を下回らない環境がよいとされています。

お茶の栽培では、気温だけでなく降水量も重要なポイントです。

お茶の栽培をするうえで必要な1年間の降水量は1500mm程度といわれていて、その降った雨を蓄えておける透水性、保水性、通気性のある土壌も必要です。

また、台風や雹(ひょう)などが常習的に降らない土地であることも、茶葉の栽培環境において必須条件です。

茶葉の木の根は細く広い範囲に伸びていくため、失敗したからといってやり直せないので、その土地の気候や土壌選びは念入りにしてから開始する必要があります。

日本にある茶葉の栽培地は販売用、自宅用関係なく、北は秋田県から、南は沖縄県まであり、広い範囲で栽培されています。

茶葉の収穫時期

冒頭でも触れたように茶葉は栽培する地域や品種によって、回数や時期などは変わってきますが1年で4回ほど摘まれます。

その年の一番最初育てられ、そして最初に摘まれた茶葉で作られたお茶を一番茶、新茶といいます。

そのあとの茶葉はそれぞれ二番茶、三番茶と呼ばれます。

チャノキとは

チャノキとは、漢字では「お茶の木」と書きます。

その文字通り、お茶の木です。

加工次第で色んな種類のお茶ができます。

ツバキの仲間で、最近では観賞用として鉢植えで育てる人もいるほど、手軽にも楽しめる植物です。

また製造過程次第でお茶の種類が変わります。

発酵させずに蒸したチャノキは、緑茶、日本茶になり、半発酵させるとウーロン茶、完全に発酵させると発酵茶とも呼ばれる紅茶になります。

産地としては中国の四川原産のシネンシス種と、インドのアッサム地方原産のアッサミカ種があります。

日本で流通しているチャノキは主に中国原産のシネンシス種です。

先ほどチャノキは観賞用として最近人気になってきているといいましたが、観賞用として盆栽のように飾ることもできますし、収穫してすぐお茶にすれば煎茶として飲むこともできます。

摘採(てきさい)とは

摘採とは茶葉を摘む作業のことをいいます。

チャノキの枝は冬以外の時期に、多くの葉が芽吹きます。

摘採のタイミングは、四開葉期と呼ばれる新しい芽が4枚ほどでたときが最適とされています。

五開葉期以降など5枚以上葉が芽吹くと、葉が硬くなったり繊維質が増加したり、またお茶の主成分といわれているカフェインやカテキン、アミノ酸が少なくなっていきます。

なので葉の数が多ければいいというわけではなく、新しいほどおいしいお茶ができるということです。

摘採の方法としては、手摘み、はさみ摘み、機械摘みの3種類があります。

手摘み

手摘みは海外の紅茶農園や機械が入っていけない高地では主流の摘採方法です。

効率は機械と比べると落ちてしまいますが、ベテランになると1日50kgほど摘採できる人もいるそうです。

また手摘みでは、1芯3葉摘みと呼ばれる三開葉期に摘まれる方法が主流です。

具体的には葉を手のひらで包むようにし、葉だけをとります。

手摘みでは機械が入れない高地ではよい摘採方法ですが、慣れていないと時間がかかるので、ベテランと初心者の摘む量に大きな差が出てしまいます。

はさみ摘み

手摘みでは葉だけを摘みましたが、はさみ摘みでは4枚の葉と一緒に茎を切ります。

使うはさみは普通のはさみではなく、片方の刃に袋がついていて葉っぱを切るとその袋の中に入っていく茶狩りばさみという、便利なはさみを使うそうです。

はさみ摘みでは、手摘みのようにベテランと初心者の差がでにくく、収穫量が一定します。

機械摘み

機械摘みは文字通り機械を使って摘採を行います。

機械と聞くと人が乗れるような大きな機械を想像しがちですが、茶園での機械は携帯することもできる小さい機会から、2人がかりで持てる中規模の機械、そして自走型の機械や人が乗れるほど大きな乗用型機械などがあります。

携帯型の機械は電池などで動く機械で、はさみ摘みの電動版といったものです。

可搬型といわれる機械は、2人でチャノキをはさみ、息を合わせて摘採を行っていきます。

自走型の大きい機械が入れない場所にある茶園に適しています。

次に自走型の機械は、木の横を自走し摘採を行います。

可搬型の機械は人員が2人は必要ですが、自走型の機械だと1人で支えるだけでいいので、人件費削減にもつながります。

乗用型の機械は、トラクターのような見た目で畝(うね)の上を走っていきます。

最後にレール型は主に平坦な土地で使われる機械で、畝の横にレールを敷き、畝の上を機械が通る仕組みになっています。

ただ導入に費用がかかり大変な作業が必要とされるため、乗用型のほうが好まれています。

可搬型は手摘みの60~90倍ほど多く摘採ができ、自走型などの大きな機械は可搬型の2倍、つまり手摘みの120~180倍多く収穫することができます。

茶園の1年間

では実際に茶葉を栽培する茶葉農家は茶園でどのような1年を過ごしているのでしょうか。

春、特に4月から6月は茶園が一番忙しい時期です。

というのも4月には一番茶が、6月には二番茶の摘採や製造があるためです。

よりよい一番茶を消費者に届けるために、春は害虫や病気の発生を防ぐために肥料をまきます。

3月には霜を防ぐために、坊霜ファンとよばれる機械を使って対策を行います。

一般的に収穫が始まるのは5月とされていて、多くの茶園では5月になると摘採が始まります。

夏は三番茶の摘採や製造がおこなわれます。

それと同時に肥料などを用いて、害虫、病気対策や、水不足にならないようにこまめに確認をします。

秋は、秋冬番茶とよばれるお茶の摘採や製造がおこなわれます。

9月になるとお花が咲き始めます。

チャノキのお花は3日ほど咲くと枯れます。

お花が枯れたら茶の種ができます。

茶の種ができはじめると、木は休眠の期間に入る準備がはじまります。

摘採や製造がない冬は何もしないわけではありません。

冬の間、霜が降りないように坊霜ファンを回したり、敷き草をしたりして休眠状態のチャノキを守ります。

休眠状態とはいえ、冬の間はチャノキは栄養を蓄え、お花を咲かせては落とし、咲かせては落としを何度も繰り返して、新芽を出す準備をします。

また休眠状態になったら、茶園では整枝が始まります。

整枝とは、次の年の摘採をするとき、摘採する面を一定にするためにいらない枝を切り落とします。

整枝をすることで、日当たりが均一になり、また風通しもよくなります。

整枝は冬の間だけではなく、茶園や地域によっては秋に行われる秋整枝や、春に行われる春整枝、それ以外にも整枝が足りない時に行われる再整枝があります。

お茶の製造工程

茶葉を摘採し、そのまま消費者のもとへ来るわけではもちろんなく、摘採した茶葉を加工してから出荷がされ私たち消費者のもとへと届きます。

茶葉は摘採された瞬間から酸化酵素の働きにより、発酵が始まります。

そのため、摘採したあとはすぐに蒸したり炒ったり熱処理をする必要があるため、それらの処理は茶園から近い場所で行われます。

お茶の製造はお茶の種類によっても変わってきます。

今回は日本茶の製造工程をご紹介します。

荒茶製造

荒茶とは、摘採をしたあと、蒸したり炒ったりなどの熱処理が行われ、葉の形を整え、できる限り水分をなくし、保存ができるように乾物状態になった茶葉のことをいいます。

摘採後すぐ行われる熱処理は、発酵をする酸化酵素の働きを止めるために行われます。

これらの工程のことを荒茶製造や荒茶加工と呼びます。

荒茶製造がおこなわれた後、最終的な加工をする工場に運ばれ、そののちに消費者のもとへと届きます。

この時に行われる蒸しの時間によって、呼ばれる名前や味、にごりが変わってきます。

一般的に蒸しの時間は30秒といわれています。

1分以上蒸した茶葉は、深蒸し茶と呼ばれ、90秒以上になると特蒸し茶、140秒以上になると極蒸し茶と呼ばれます。

長く蒸せば蒸すほど、茶葉が細かくなり、お茶がにごります。

ですが、味はまろやかになり、うまみや甘味がでて鮮やかな緑色になるそうです。

ただ蒸す時間が長くなると、香りも同時に飛んでしまうので、香りのいい煎茶とブレンドされることが多いです。

長く蒸す深蒸しのお茶があれば、蒸す時間が短い浅蒸しのお茶もあります。

蒸す時間は一般的な30秒より短い20秒で、浅蒸し茶とよばれ、味は渋めですっきりとしています。

蒸し時間が長い深蒸しのお茶は茶葉が細かくなりますが、浅蒸し茶は茶葉が壊れないので、針のようにそろっている見た目が美しく、高級煎茶として扱われることが多いです。

蒸したあとは、劣化を防ぐために冷却をし、水分を落とすために揉みを行い茶葉の形を整えていきます。

その後水分をどんどん落とすために、100度近い熱風をあてたり、圧力をかけたりし、最後の乾燥させたら茶市場へと出荷されていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

お茶は1年を通して大事に育てられ、収穫のない冬の間も大事に管理、手入れをされます。

収穫されたあともより新鮮な状態でおいしいお茶を流通させるために、茶園のそばで加工されたり、様々な工夫が施されています。

以外と繊細で加工も大変なお茶。

筆者はお茶を飲むたびに思い出して、よりおいしいお茶を求めるようになりそうです。

本記事がお茶への興味をもつきっかけとなれば幸いです。

報告する

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。