現役農家の方は普段どのように当日の天気を知っていますでしょうか?
普通の質問かもしれませんが基本的にはテレビや携帯で「天気予報」を見るのが普通です。
しかし天気予報はあくまでも予報であり100%の的中率というわけではありません。
そこで天気予報にプラスして活用するのが「天気読み」です。
この記事では「天気読み」の基礎から事例まで詳しく解説します。
天気読みとは?
天気読みとは「雲」や「風」の動き、「動物の行動」や「植物の開花」などを自然の異常などを読み取って気象を予報するものを指します。
素人が天気を予測しなくてもテレビや携帯を見れば「気象予報」は見ることができます。また予報に関する技術も進化しており、今では自然災害(地震)なども予知できるようになっています。
ではこの天気読みをする必要があるのか?
天気読みは主に天気の変化が激しい地域で活用されることが多いのです。
テレビや携帯で見れる「気象予報」はかなりの高確率で当たりますが、山あいなどでは平地ほどの確率で天気を当てるのは難しいのです。
農業は天候に左右される仕事である為、常に天候を知っておく必要があります。
そうした場合「気象予報」だけでなく自分で天気を読む力というのもつけておくべきことなのです。
どのように天気を読むのか?
では実際にどうやって天気を読むのか?
方法は様々です。「雲」「風の強さ」「動植物の動き」などで読むことが可能ですが1番多く「天気読み」に使われている「空」と「雲」を読むことで天気を予測する方法について解説します。
1番確実で簡単な方法なので記事を読んで実践してみてください。
乱層雲による天気
乱層雲は他の雲に比べて厚さや色にむらが少なく暗灰色をした雲です。
雨や雪を降らせる雲であり乱層雲の下側にちぎれたような雲が出ると雨が降り始めることが多いと言われています。またこの雲が西側から流れてくる場合はこれから天気は下り坂と予想できます。
層積雲による天気
層積雲は白色・灰色が特徴で大きな塊の雲です。
ロール状や斑状などと形は様々で空のうち多くの面積を占めることが多い雲であり、曇りの日に見られる雲です。
雨が降る確率はあまり高くないですが日差しが出るまでに時間がかかる場合もあります。
高積雲による天気
秋の空でよく見られる高積雲は別名「うろこ雲」と言われています。
小さなかたまり状の雲が集まっており、羊の群れのように見えることで「ひつじ雲」とも言われています。
高積雲が発生することで雨が降ることはほとんどありません。ただし層が厚くなっている場合は注意が必要です。
積乱雲による天気
夏の夕立前に発生しやすい積乱雲は別名「入道雲」とも言われます。
地上と空の気温差によって急激に大きくなる雲で激しい豪雨や雷など急な天候悪化をもたらしますので注意が必要です。
真上にきそうな場合は雨が降る確率は高いでしょう。
雲と空での天気読みについて紹介しました。
雲であれば肉眼でも確認しやすく、種類もわかりやすいので1番天気が読みやすい方法です。
また雲や空を見る以外にも「天気読み」できますので、ぜひ調べてみてください。
天気読みによる栽培管理方法の事例
今回紹介する事例は「ほんやま有機茶園」の方の天気読みを駆使した栽培管理方法です。
茶畑を静岡県静岡市葵区西又で営んでおり、茶畑が山間部に位置することから静岡市の天気と比較して冬場の天気が4度ほど低く年間降水量が500ミリ多いことが特徴です。
そんな土地で自然に合わせた農業をするため、自ら天気を読み茶畑を管理しています。
特殊な気象の下で農業を行う理由
西又は静岡市にありますが、静岡市中心部の天気予報は当てはまりません。山あいで風と風がぶつかり雲がよく発生するので午後3時〜5時には雨が降り気温が下がる土地です。
そういった事から作物がゆっくり成長します。
作物が徒長せず栄養成分を茎や葉にどんどん蓄えて良い作物ができるのです。
ではどのように天気読みを行うのか?
「ほんやま有機茶園」の方は「天気は風と雲と水の関わり合いで決まる」ことを学び、今では雲の流れや湿気、風の重さなどから高気圧、低気圧の位置まで予測できるとのことです。
そしてこの天気読みをどうやって農業に活かすのか?
「ほんやま有機茶園」では自力で畑を開墾し、有機栽培を始めています。
良い茶葉を作るためには茶の木の生態を知る必要があります。その上で「適切な土壌管理」「堆肥設計」「毎年異なる気象に対応」していく必要があります。
天気読みを活かし「降水量・気象・土壌の含水率・湿度・気温・地温」といった情報と茶の木の状態を記録しつつづけることで質の良い「茶葉」ができるとのことです。
また「天気読み」による長年の気象記録によりその年に合わせた栽培管理ができるようになったということです。
そして過去の記録をひも解くことで今すべき作業が明確になり、間違いや無駄な作業も減るとのことです。
また良い茶葉を栽培する為の試行錯誤のレベルも上がります。
これが「天気を読んで農業に生かす」とのことです。
出典:マイナビ農業
天気読みができる上での農業のメリット
最後に天気読みができる上で農業にどのようなメリットが生じるのか紹介します。
農作業中での急な天候の変化に対応できる
農業では外での作業が基本になりますが外にいては農業の仕事をしながら天気予報を常にテレビや携帯で見続けるのは難しいと言えます。
しかし天候の変化は急なことで起こりやすく、急な雨や突風に対処する必要があります。
天気読みをすることで常にそういった急な変化に対応しやすくなります。
天候の変化を知ることで作業の効率をあげることができる
天気読みをしていくことでその土地の天候の特性がわかってきます。
そうした場合に「農作業の時間を変更する」「作物の管理の仕方」などに役立てることができます。先ほどの事例でも紹介しましたが農業において天候というのはとても大事なことです。
天候が作業に良くも悪くも影響を及ぼしますので、無駄な作業を減らし作業の効率化を図ることができます、
作物において重要な雨(水)のコントロールができる
天気読みができることでの最大のメリットは雨(水)のコントロールができるようになることです。
作物において最も重要になるのが水と養分です。
作物に効率よく養分を吸収させるために水を与える量を間違ってはいけません。
例えば1日に与える水の量が決まっており、その量の水を与えた後に雨が降ってしまえば水の与え過ぎで根腐れなどを起こしてしまう可能性もあります。
こうした水のコントロールができるようになることは「天気読み」をするメリットだと言えます。
まとめ
この記事では「天気読み」について解説しました。
天気読みをすることで農業において様々なメリットがあることをわかって頂けたかと思います。
近年では技術の進歩により天気をより高確率で当てることができるようになった為、「天気読み」を駆使することができる人は減少しています。
しかし「天気読み」のみならず自分で何かを予測できるということがとても大切なことです。
天気を読むことで少しでも農業で役立てることができれば幸いです。
また「みんなで農家さん」というサイトでは「天気読み」だけでなく農業に役立つ情報を多数掲載しています。日々農業に関する情報を掲載していますのでぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/
最後まで閲覧いただきありがとうございました!
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