農業マーケティングで収入を大きく増やす?必要な知識とは?

農家を経営する上で必ず大切なのは消費者に対してどのように売っていくかの戦略がカギとなっています。
「農家経営を考えている」「新しい取り組みを考えている」農家さんにとって参考になる記事であり、自分にしかできない戦略を見つけるキッカケになるかもしれません。

本記事では、農業マーケティングの収入を大きく増やす方法や成功事例も紹介していますのでぜひご覧ください。

マーケティングの基礎知識

みなさんはマーケティングについて知っていますでしょうか?
普段からよく耳にする言葉ではありますが、マーケティングについて詳しく解説します。

マーケティングとは、「商品やサービスが売れる仕組みを作る事」です。

「セールス」という言葉と同じ意味と思う方も多くいますが、全く違います。

セールス
・商品を目標◯個作る
・その為に◯件商談する
・売る為に努力をする

マーケティング
・顧客やニーズを理解する
・商品を顧客に合わせ作る
売れる仕組みを作る

詳しく解説するとセールスというのは、作った商品に対して自分達から「買ってください」と売り込む事です。

逆にマーケティングとは自分が作った商品に対して消費者が自らの意志で買いたくなる状態を作る事を指します。
そのためには商品開発から販売戦略、広告宣伝、効果検証までの一連のプロセスを「計画・実行・管理」する必要があります。

例えばトマトを作って売るとします。マーケティングを駆使したとすると、

①まずは消費者がどんなトマトが好きなのか市場調査(甘い、苦い、大きい、小さいなど)
②どんなターゲットに売っていくのか(女性?男性?主婦?高齢者?)
③どこで販売するのか?を決める(市場・スーパー・ネットなど)
④広告を打つ(ありきたりではない特徴を踏まえ消費者の関心を引く)
⑤実際に売り出してみて成果を調査
⑥改善や修正を入れる

この6つの工程が一連のプロセスです。

農業マーケティングの戦略について

ここまでマーケティングについての基礎知識を解説し、簡単な例を紹介しました。
マーケティングについて多少はわかった頂けたかと思います。
では実際にどうしていくべきなのか?農業を行う上でどのような戦略を立てていくかを解説します。

①お客様の必要としているものを知ること

まず初めに考えるのはお客様が何を必要としているか考える事です。
農業ではお客様が何を買いたいか?を考えます。

「無農薬な体に害のない野菜を買いたい方」もいれば「安い値段で野菜を買いたい方」、「色や形がいい見た目を重視して買う方」、「地域限定の野菜を買いたい方」など様々な消費者を想像できます。

この時に考える事としては、全てのお客様を対象にした野菜を作るのでなく1つの事に特化した野菜を作る事を考えましょう。

仮に今紹介した4つの項目に対して全て10点満点中5点の野菜を出したとします。
すごくいい野菜と思うかもしれませんが、安い値段に特化した10点満点の野菜があれば「安い野菜を買いたい消費者」を獲得する事はできません。

全てを満点にすれば良い話ですが、それができれば全ての農家さんは苦労しません。

マーケティングにおいては「消費者の対象を絞り、その方を対象に野菜を作る事」が大切です。
また消費者の考えを知るための調査もここでは重要になってきます。

例えば、消費者100人にどんな野菜を買いたいか調査をしたとします。
「安く野菜を買いたい方」99人に対し、「高い野菜を買いたい方」1人しかいないとしてこの1人の為に野菜を作ると需要に対して供給が上回ってしまうと赤字です。

ある程度の需要がある消費者の声を聞くことも大切です。

②販売する場所を決める

必要としている商品を決めたら「どこで販売するか」を考えましょう。
販売する場所は様々で、スーパーや飲食店、道の駅・SNSなど様々な場所があります。
販売する場所を決めるポイントとして「対象の消費者が多く来る場所」を選ぶことが大切です。
例えば、スーパーには主婦や高齢者の方が多く見られます。
ここで20代をターゲットにした商品をスーパーに置いたとしてもあまり売上を見込む事はできないのです。
ここでも調査が必要になってきます。
実際にターゲットにした消費者がどこに多くいるのかを調査します。

また売る場所としてネットは最適な場所だと言えます。
最近では自分でネットショップを立ち上げる事もできます。

ショップ開設は無料であり、かかるのは送料のみとなるサイトもあります。

ただし、自分で梱包から発送まで行う必要があります。

③伝える手段について

お客様に対して商品を知ってもらうことが大切です。
地域限定の無農薬野菜を作り、売り出しても消費者が知らなければ、足を運んで買いにくる事はありません。
まずはこんな商品がありますというのを認識してもらう事が大切です。

そこでオススメなのが「SNS」を使って知ってもらう事です。

SNSや広告を打つ手段としてお金がかかることなくすぐに知ってもらう事ができるツールです。

今やSNSというのは国内で8270万人の方が使用していると発表されています。
FacebookやTwitter、Instagramなどなんでも構いません。
とにかく「こんな商品がある」というのを知ってもらう事が大切になってきます。

④実際に全てを行い調査・修正

マーケティングにおいて1番大切な工程になります。
全てをおえてどのくらい売上をあげたのかを集計します。

自分の見込んだ通りであればマーケティングは成功と言えますが、見込みより少ない場合は再度調査を行い修正が必要になります。

例えばりんごを1ヶ月に100個売る事を目標にし、どんなりんごがどんな消費者が買いたいのかの工程で間違っていれば消費者の対象を変える必要があります。
そうなれば、打ち出した広告、場所も再度修正する必要があります。

かなり根気が必要になってくるのもマーケティングの大変なところです。

農業マーケティングの成功事例を紹介

ここまでマーケティングの戦略について解説しました。
では実際に成功した例を紹介します。

マーケティングの成功者もまずは情報収集から始めます。

紹介するのは「株式会社食文化」が行なったマーケティング成功事例です。
「株式会社食文化」さんは創業20周年になる会社であり、自社の運営するECサイトを通して商品を販売しています。

「株式会社食文化」さんが行なったマーケティングは「世界1の桃を作る」事です。
福島県にある古山果樹園と共に、暁星という品種に着目しました。
果樹園にある230本の桃の木から13本の暁星の木に絞り、特に甘い果実を付ける3本の木を限定し収穫、販売を行いました。
糖度、香り、大きさに優れた桃を大ヒットさせる事に成功しました。

「古山果樹農園」が着目したのは糖度でした。
基本的な桃の糖度は11度〜15度と言われている中、古山果樹農園の桃の糖度は糖度40度を超えると言われています。
また現在では1玉300万円という桃を作り上げています。

ではどのようなマーケティングで1玉300万円の桃を作り上げたのか?

以前は5キロで3000円〜5000円の値が付いていた桃ですが、東日本大震災により10円での買い取りになりました。
普段3000円〜5000円の桃が10円など赤字でしかありません。

廃業まで考えた時に見出したマーケティングは「インターネット」を使用した販売でした。

オークションに出品を行い、1キロ1円の出品を行いました。落札価格はわずか200円だったといいます。
200円でも大幅な赤字ですが、古山果樹農園は桃を消費者の方に知ってもらう事を目的にこの価格で売っていました。

このマーケティング方法は見事にハマり、Amazonでは5キロ1000円で売っていた桃がAmazonの青果売上部門第1位にまで登り詰めました。

もちろん桃を安く売るのではなく、まずはこういった桃がありますというのを消費者に知ってもらう知名度を獲得したからこそ1玉300万円の桃ができた事です。

先程の紹介したマーケティングに当てはめると、

①お客様の必要としている物→糖度40の桃
②販売する場所→ネット販売
③伝える手段→赤字覚悟でネット販売(売上部門1位を取ることで必然的に消費者の目に留まる)
④実際に売上の傾向をみて値段を高くしていく(1玉300万円)

という4つの戦略を行なっています。

とても難しく厳しい道のりではありますが、糖度に着目し他の桃との差別化を図ることや知名度を上げるための方法などとても参考になるかと思います。

農業マーケティングにおいて大切なこと

農業マーケティングで大切な事は情報収集を自分の目で確認することが大切です。

成功事例を確認したり、近くのスーパーや道の駅を見ることや他の農家さんとの繋がりを持つなど情報を得るための行動力が成功の鍵となっています。

また農業に対する自分の気持ちと向き合い「自分がどうしたいか」を明確に考える事が大切です。まずは「挑戦すること」でマーケティングを成功させる大きなキッカケとなります。

まとめ

今回は農業におけるマーケティングについて解説しました。
現役農家さんだけでなくこれから個人で農家を経営したいと考えてる方にとっても参考になる記事となっています。
農業マーケティングを駆使して農業自体が少しでも活性化のキッカケになれば幸いです。

また「みんなで農家さん」というサイトでは農業に関する情報がたくさん掲載されています。
農業マーケティングのヒントとなる情報も多数掲載されています。

ぜひ参考にしてみてください。
https://minnadenoukasan.life/

最後まで閲覧頂きありがとうございました。

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