【選別・梱包不要!】共選共販ってなんだろう?

農家になり、いよいよ作物を育て、販売をする。皆さんは作物の販売にはどんな方法があるか考えたことはありますか?農家さんによっては「多くの作物を栽培して、なるべく早く出荷したい」「より良い品質の作物を生産し高値で販売したい」などさまざまな思いがあるかと思います。この記事では、そんな農家さんの悩めるの販売方法の1つである「共選共販」「個選」について、メリット・デメリット・活用方法などについてまとめみました。

共選共販とは

「きょうせいきょうはん」と読みます。

農家が組織的に、農産物を規格に基づいて選別し、共同で販売すること。一般的には農協の選果場に農産物を持ち寄り、選果機などで選別し、農協名(組織名)で市場等へ出荷する。農産物、販売代金は農協(組織)でプールされ、出荷量に応じて分配されるシステムが多い。

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「共選」とは「共同選別」のことを指しています。各農家で収穫した果実を大小・色・甘味などを検査し、選別する施設のことをJA(農業協同組合)と言い、一般的にこのJAを通すと共選という扱いになります。JAで選別を行わせ、JAのブランドで作物の出荷を行うことが「共選」です。つまり、JAという一定の基準を通った作物は、共選という方法で販売することで容易に販売ができるということです。また、農産物・販売代金は農協等組織でまとめられており、出荷量に応じて、農家のみなさんへ分配されることが多いようです。

「共販」とは、「共同販売」のことを指しています。JAの販売事業は「共同販売(共販)」で作物の販売をしています。共販をすることによって、農畜産物の数量がまとまり、一定レベルの品質が均一にそろうことから、市場で良い条件での販売が可能になっています。

個撰とは

「個選」とは「個別選別」のことを指しています。「共撰」は、一定の基準をクリアした作物をJA等のブランドでまとめて出荷することでしたが、対して「個選」は、農家個人が作物を選別し直接市場担当の方と取引をして契約、売買する関係のことです。つまり個選で販売される作物はピンからキリまであると言えるでしょう。個選というと、一般的には共選のレベルまで達しなかった(形や色の具合は良くなくても、味には大差がない)作物等が、生産農家さんの責任において出荷されていることが多いです。実際には、生産者によってランク付けは様々なため、喜ばしくない状態の作物まで出荷されてしまうこともあるのも現状です。一方で、農家さんがこだわり抜いた良質な作物を1つのブランドとして立ち上げ、農家さんの独自の選別で販売されることもあります。

共選のメリット・デメリットについて

共選についてメリット・デメリットについて下記にそれぞれ3つずつ挙げてみました。

共選のメリット3つ

①作物選別の手間がかからない

農家さんが生産した作物を販売する際に、選別、梱包作業をやらなくてよいことがメリットの1つとして挙げられるでしょう。個選の場合、作物の選別だけでも多くの時間を要します。そのために、パートを雇う費用や、梱包資材の調達・出費をしなくて良いため、費用面では負担は小さく済むでしょう。また、農家さんにとっては生産した作物をJAに持ち込むだけで良いので、個人で持たなくてはならない配送費、配送労務が不要というのもメリットとして挙げられます。

②個人ブランドでなくJAブランドとして市場で評価してもらえる

農家をスタートしたばかりであっても、JAというブランドとして市場で評価をしてもらえます。つまり、ベテラン農家さんであっても、駆け出しの農家さんであってもJAへ出荷することによって、同じようにみてもらうことができます。さらにJAは全国ブランドなので、安心安全、誰もが買い求めるため安定した収入を得ることができるでしょう。

③販売先の確保が不要で作物を買い取ってくれる

個選の場合、農家さん自身が生産した作物の販売先を探さなくてはなりませんが、共選は、JAが基準としている条件内の作物は全て買取してくれます。そのため、直売所やインターネットなど、自身での販売先の確保は不要とるため、安心・安定を求めている方にとってJAを通した共選は最善の策と言えます。さらに、野菜や果物と向き合う時間を増やすことができるため、作物の質を高めていくことに集中したいと考えている農家さんにとってメリットとなるでしょう。

共選のデメリット3つ

①作物の単価が低く、規格外の作物の行き場に困る

JAは規格内の作物は全て買取してくれるというメリットはありますが、その一方で作物の単価が低いことはたびたび問題として挙げられています。また、JAの条件に合わなかった規格外な不揃いな作物が多く出た時は、その売れない作物の処分に困ってしまいます。

JAに対する出荷手数料を負担しなければいけない

手数料をJAに支払うことで、全国規模のブランドとして農協単位で出荷することができます。また共選にすることで、選別・梱包等の人件費等が不要・農家さんの代わりに実施をしてくれるため、一部手数料をJAに負担することになります。

②個人ブランドの確率はできない

JAというブランドで作物を出荷しているため、農家さんがどれほど手間暇かけて作物の栽培を行ったとしても相場に合わせて値段が決まってしまうためほかの生産者とあまり扱いが変わらないのはデメリットになってしまうでしょう。

個選のメリット・デメリット

個選についてもメリット・デメリットそれぞれ3つずつ挙げてみました。

個選のメリット3つ

①出荷調整がしやすい

共選の場合、JAでの選別は集荷時間などが決まっているため出荷調整をする必要があります。なぜなら様々な農家さんが、梱包作業のために共同の作業場を利用することになるため、無制限に持ち込まれると作業量がパンクしてしまうためです。天候等により収穫して出荷したいという思いがあったとしても、事前の予約枠があるのでそれができないわけです。

一方個選は、人手と畑の作物さえあれば農家さんのタイミングで収穫や出荷が出来るため、出荷調整がしやすく、稼ぎやすいというメリットがあります。                        

②儲けが大きい

作物を生産した農家さんが、自分の責任のもと販売先・販売価格を決めることができます。共選のように、手数料がかかるということや、出荷額が相場で決まるということもないので、大きな収入を得たいという農家さんにとってはメリットとなるでしょう。

③規格外の作物の販売、及び自分のブランドを確立できる

共選では、JAの基準を超えた作物しか出荷ができませんでしたが、規格外の作物(形や色の具合は良くなくても、味には大差がない)を各農家さんの責任のもと販売することが可能です。つまり、天候等によって作物の品質が下がったとしても、共選以外の出荷方法を知り、対応していくことで、処理に困ってしまうという場面を防ぐことができます。

また、農家さんが手間暇かけた作物の栽培を行なった結果、良質な作物を生産販売をする場合、他の生産者である農家さんとの差別化を図ることができます。JAは相場に合わせて値段が変わってしまうため、それが難しいです。こだわった作物を生産する農家さんにとっては、個選で出荷することは最大のメリットとなり得るでしょう。

個選のデメリット3つ

①手間がかかる

作物を販売するための選別・梱包による膨大な時間と労力を農家さん自身が負担することになります。それらをカットしようとするとパートを雇うなども必要となるので人件費というコストもデメリットとして挙げられます。

②出荷先を常に個人で探す必要があり、収入も不安定になりやすい

共選は、JAが相場に合わせて値段を決め農家さんに分配しているため、出荷額は低くなってしまうものの安定した収入を得ることができます。一方で個選では、農家さん自身が直売所やインターネットなどの販売先を探さなくてはなりません。自身での販売先の確保が必要となるため、買取手がいないと不安定になりやすいです。                             

③初期費用が大きい

共選は出荷したい作物を持っていくため、作物を保管する作業所は不要ですが、個選の場合は自前の作業場が必要となります。作業場一つ揃えるだけでも、建物から梱包資材や機械類など、資金がかかるため初期費用の負担が大きくなってしまいます。                          

共選・個選について活用方法を考えてみた

共選・個選についてそれぞれメリット・デメリットを挙げてみました。それぞれの違い等がなんとなく理解できたでしょうか?共選も個選もそれぞれの特徴があるため、農家さんはどちらかを選ぶのではなく、それぞれのポイントを押さえた上でどちらの販売方法も実施できると良いのではないでしょうか?例えばですが、駆け出しの農家さんであれば、メインの出荷方法を共選にすることで、選別・梱包の手間・販売先の確保が不要になります。共選であればこれらに費やす時間を、作物の質を高めることに注力することができるため、慣れてきたら個選にするなど切替ができます。また、作物の栽培をしているうちに、規格外の作物ができることもあるかと思います。その場合に個選にて、出荷という方法を選択しても良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?共選・個選の違い、メリット・デメリットについて様々挙げてみました。それぞれの特徴を知ることで、賢く稼いでいきましょう!

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