酪農農家とは?年収・仕事内容を徹底解説

私たちが普段食べている乳製品は酪農農家の方たちによって作られています。
自然に囲まれながら動物のお世話をして生活をしていくことに魅力を感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで気になるのが酪農農家の年収や仕事内容です。
本記事では、酪農農家について詳しく解説していきます。

ぜひ本記事を読んで酪農農家を目指してみてはいかがでしょうか?

酪農農家とは?

酪農農家とは、主に牛を飼育して牛乳やチーズなどの乳製品の原料になる生乳を生産する職業です。

また生産だけでなく、生乳を加工して乳製品などに加工する酪農農家さんもいます。

日本ではほとんどの酪農家の方が牛のみを飼育して牛の生乳だけを生産していますが、世界ではヤギなど他の動物を飼育して生乳を生産する酪農家もいます。

酪農農家の1日の仕事内容とは?

農家の仕事内容について詳しく解説していきます。

【1日のスケジュール】
6時〜9時:牛舎清掃、餌やり、搾乳
10時〜17時:畑仕事
18時〜21時:牛舎清掃、餌作り

大まかにはなりますが上記が1日の流れになっています。

この1日のスケジュールには、朝食、昼食、夕食も含まれていますが、約13時間〜15時間程は働いている事になります。

次に1つ1つ酪農家が行う仕事について紹介、解説していきます。

①牛舎清掃

牛の生活環境を左右する牛舎清掃。
酪農家さんが行う上で最も大変と言われている仕事であり、主に前の日に食べかけの餌や牛がした糞などの掃除を行います。
私たちが飲む牛乳や何気なく食べている乳製品などの美味しさや状態は牛舎清掃が鍵を握っています。

なぜ牛舎清掃が普段食べている食事に影響してくるのか?

牛の生活環境を整える事は牛の健康状態やストレスなどを整える事に繋がるからです。

地味な仕事ではありますが普段から徹底して行う事で牛から搾取される生乳やお肉などの品質を保っています。

②餌やり

みなさんは普段牛が食べている物をご存じでしょうか?

多くの方が「草」と答えます。正解ではありますが、与えているものは草だけではありません。搾乳をする為には「とうもろこし」や「大豆」などの穀類などを与えてより美味しい牛乳などを出す為の工夫を行なっています。

また産まれたての牛などには、母親から搾取した乳牛などを与えています。

③畑仕事

牛に与えている「草」や「穀類」は畑から育てた物を使用する場合もあります。

これは加工された食品より、1から育てた天然の物を与えた方が牛の健康にも良く、より美味しい乳牛などを搾取できる為です。

④搾乳

搾乳は酪農家さんにとって1番大切な収穫作業です。
搾乳はただ牛の乳を絞るだけではありません。

大きく分けると4つの搾乳作業を行います。

体力的にキツい仕事ですが、このような酪農家さんの努力によってより品質の良い牛乳などが届けられています。

酪農農家の経営の実態について

現在の酪農農家の経営状態はどのようになっているのでしょうか?
2022年、一般社団法人「中央酪農会議」の調査によると、日本酪農家の9割が経営難になっているのが現状です。

では、なぜこのような経営悪化が多いのか?

・円安
・ウクライナ情勢
・原油高
・コロナ渦

この4点が大きく影響していると考えられます。
次に4つの項目を1つ1つ解説していきます。

円安

円安によりなぜ経営難になっているのか?
大きな要因としては、海外から輸入する牛の餌代や燃料の高騰です。

円安は輸入物価を押し上げる為、餌には欠かせないとうもろこしなどはアメリカ産などであり仕入れ値は2020年より5割以上上昇しているとの事です。

ウクライナ情勢

なぜウクライナ情勢が酪農農家に影響を及ぼしているのか?
ウクライナは世界有数の穀物輸出国であり、ウクライナとロシアの戦争によりウクライナから輸入していた穀物の値段が高騰し続けているからです。

また値段高騰と共に懸念されているのが、供給が止まりつつあるからです。

まだまだ終わりが見えない戦争であり、酪農家の不安の声も多く上がっています。

原油高

原油高騰は、石油の需要と供給のギャップが原油の先物価格を大きく上昇する事で起きます。
原油高騰による影響は電気料金の値上げやガソリン価格の上昇、これらにより製品の価格に転嫁され消費者物価が上昇する。
酪農農家では、牛を飼育する為の設備投資や餌などが高くなっている為廃業する方も増えてきています。

コロナ禍

2020年頃から世界中に影響を与え続けている新型コロナウイルス。
なぜ酪農家に影響を及ぼしているのか?

要因としては、学級閉鎖などにより牛乳の供給が大きく減少した事が原因です。
学校の給食に出る牛乳やスーパーで売られている牛乳の需要が大きく減少し、大きな打撃を受けています。
2022年は徐々に売上を取り戻してはいるものの、今でも3年前に比べたら大きく減少しています。

酪農農家の年収について解説

酪農家を目指す方が最も気になる部分である、酪農家の年収について紹介していきます。

酪農家では学歴や資格などを問われないことも多いですが、農業系・畜産を学べる高校・大学・専門学校に通った人を積極的に採用する酪農家もいます。また、酪農をおこなうにあたって専門知識を必要とされることも多く、酪農の仕事をしていく上で資格・知識があれば給与面で優遇してもらえることもあります。

酪農家の平均年収は約200万円〜500万円と言われています。

しかし、これはあくまでも参考程度の平均年収であり様々な条件によって変化します。

・就職地域
・働いている年数
・経営形態

など様々です。

なぜこれらの条件で年収が変化するのか?解説していきます。

就農地域

酪農家は就職地域によって年収が変わってきます。
ただこれは個人経営だけの条件になってきますが、北海道と本州の売上利益は4倍以上あります。
なぜこんなにも差があるのか?

北海道が大きく利益をあげている理由は地の利がほとんどです。牛に与える餌(牧草や穀物)などが手に入りやすい為です。

働く年数

酪農家だけでなくどんな職業でもそうですが、入社したての酪農家の初任給は17万円〜20万円程と言われています。

もちろん働いてる年数が長ければ役職などもつく為、給料も上がり平均的に30万円〜40万円程と言われています。初任給が高いとは言えませんが長く続けて行く事で給料は基本的に上がります。

経営形態

酪農家は経営か法人に雇用されるかで大きく年収は変化します。
学校を卒業していきなり酪農家として個人で働くのはオススメしません。

初めは正社員として働いていき、実績や経験を積んでいき個人経営を行なって行くのが良いでしょう。

個人経営になると施設や場所などの確保。

乳牛を飼育する牛舎や遊牧の為の広い土地、また水や電気などのライフラインなども必要になってくる為、莫大な資産が必要になってきます。

個人経営としてやっていく為には、ただ働くだけでなくコストなどの面も注意しながら仕事をし続けなければなりません。
また従業員などを雇う場合は給料を支払う義務もある為、個人経営だけが良い事ばかりではありません。

経営者として酪農家を目指す場合は少なくても3年以上の経験が必要と言われています。

給与安定を狙うなら協同組合などの組織に勤める

酪農農家は年収が減少傾向にあるのも事実です。

そこでオススメするのが畜産や酪農の連合会などの組織で働く事です。

仕事内容は酪農家から受け入れた生乳を牛乳・チーズ・バターなどを作る工場を経営する部門、商品を販売するために交渉する営業部門、飼料卸などに関わる部門など様々です。

直接牛に触れ、搾乳をしたり世話をする仕事はありませんが組織によっては年齢が重なるにつれ、給与が上がり幹部になって運営に関わったり管理職になるとそれなりの給与が期待できます。部門によっても異なりますが、公務員と同程度の給与水準の組織もあります。

酪農農家として働くのは不安だけど農家に関わっていく仕事をしていきたい方や給与において安定を求める仕事をしたい方には選択肢の1つとしてオススメです。

まとめ

本記事では酪農農家の経営事情や収入を中心に紹介しました。

これから酪農家を目指す方、就職を視野に入れている方に参考にして頂ければと思います。

また酪農農家は現状景気が良いとはとても言えない状況ですが、私たちが普段飲んでいる牛乳やチーズなどの乳製品など日常に欠かせない食べ物を届けて頂けるのは酪農農家さんの努力によって成り立っているものです。

とても素晴らしい仕事なのでぜひチェックしてみてください。

またみんなで農家さんでは様々な農家の仕事について解説しています。
将来農家を目指している方から現役農家さんまで農業に関する情報を多数掲載しています。
https://minnadenoukasan.life/

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

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