農業の人手不足に加え、高齢化が何年も前からメディアでも取り上げられてきましたがいまだに回復の前兆はありません。
農林水産省では、新規就農者を増やすために色々な政策を打ち出し新規参入者を募っています。
農業系の大学や専門学校などに行っていない人にとっては農業は身近で見ることも経験することもあまりありません。
そのため、農林水産省の政策では研修制度や認定者に対しての補助金や融資制度など農業に就農する前段階の準備期間としての制度が色々とあります。
元々農業系の大学や専門学校に通っていた人達は実際そのまま農業に就農しているのでしょうか。
また、新卒就農者に求めていることは何なのか。
これから就農を目指していく学生や農業に興味があり関わりたいと思っている人にどんな関わり方があるのかについて紹介していきます。
新卒での就農を目指している人にとってはこれから何をするべきなのか。
若者の就農者に何を求めているのか。
どんな関わり方ができるのか。
やるべきことがはっきりすれば行動にも移しやすくなります。
ぜひ最後まで一読してみて下さい。
農業は農家だけではない
世間一般的な感覚としては農業=農家ではないでしょうか。
決してこの認識は間違ってはいません。
農業とは土地を利用して植物・動物を育てて生産物を得る仕事と言われています。
しかし、農業といっても農家だけを示してるわけではありません。
どういうこと?って思うかもしれませんが、
農業といっても1次産業、2次産業、3次産業と色々な産業に分けることもできます。
つまり、農業=農家だけではなくそれに付随する仕事も農業の一つだと言えます。
それではどんな仕事までが付随する仕事なのか
1次産業、2次産業、3次産業についても説明しておきます。
1次産業とは農林漁業のことをいいます。
一般的に農業と認識されている仕事はこの1次産業になります。
農作物の栽培、収穫や家畜の飼育から林木の育成から伐採、漁業としての捕獲、養殖などの仕事です。
2次産業では食品加工などが該当します。
1次産業で生産、収穫した物を食品として市場に出すために加工をする必要があります。
その仕事が該当するのが2次産業です。
3次産業は流通・販売になります。
2次産業で加工した物を私達消費者が手にするためにはこの流通によって市場に出回り、販売されることでやっと私達消費者の手元に届くようになります。
今ではインターネットなどでによる通販やスーパー、直売所など普段私達が利用することがある購入する場所がこの3次産業になります。
ここで農業では6次産業という言葉があります。
6次産業とは農林漁業本来の1次産業だけでなく、2次産業(工業・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込むことから、「1次産業の1」×「2次産業の2」×「3次産業の3」のかけ算の6を意味しています。
つまり、農林漁業者(1次産業)が、農産物などの生産物の元々持っている価値をさらに高め、それにより、農林漁業者の所得(収入)を向上していくためには生産物の価値を上げるため、農林漁業者が、農畜産物・水産物の生産だけでなく、食品加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)にも取り組み、それによって農林水産業を活性化させ、農山漁村の経済を豊かにしていこうとするものです。
参考.引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1202/a04.html
農業系学校の就農先
農業系の学校に進学後に就職する選択肢はどれくらいあるのでしょうか。
農業=農家ではないことをお伝えしましたが、それでは選択肢には何が
あるのかもう少し具体的に見ていきましょう。
まず農業の学校に進学数する人は基本的に二つしかいません。
「実家が農家」か「非農家」です。
そのため、卒業後の選択肢として実家の家業を継ぐか農業法人や農業研究機関などに就農するのが一般的な形になります。
自営農業・農協・農業団体・農業法人について説明していきます。
自営農業はそのままですが、自分で農業を経営していくことです。
自営農業を行うパターンでは実家の農業を継ぐことがほとんどのため、家族からノウハウを学び一緒に仕事をすることがほとんどです。
また、小規模経営がほとんどのため収穫時期などの人手が必要な時期には働き手を雇用する形をとり労働力を補っている農家が多いです。
農協・農業団体
JAや農政局なども就職先としては非常に高い傾向にあります。
農業大学では卒業する25%程度が農業団体への就職を選んでいます。
農業の技術指導を行ったり、農業に必要な資材をできるだけ安く共同で購入、畜産物の共同販売、共同利用施設の設置などを仕事にしているJAなどは学校で学んできたことを生かしたいと就職を希望している学生が非常に高いです。
農業法人
就職先で最も多いのはやはり農業法人への就職です。
特に大規模の経営を行っている農業法人が人気になります。
また、大規模経営を行っている企業では定期的に新卒の採用を行っていることや自営で経営を行っているよりも安定性が高いため新卒として就農する人にとっては一番安心感があるためといえます。
他にも、収入を得ながら技術やノウハウを身につられること、資金を貯めることもできるため独立を考えている人にとって最初に就職先として考える場所になります。
ちなみにですが何も農業の学校卒業だからと言って農業関係に就職できないわけではありません。
食品メーカーや、食品加工メーカー、小売店、建設、造園、公務員などにも就職することは可能です。
農業系の学校にも学科が存在します。
そのため、農家以外にもバイオテクノロジーやフラワーアレジメント、土木などの学科を先行している場合にはこういった農家以外も就農先として選択することがあります。
就農前にやっておくべきこと
卒業後の選択肢は農家以外にも色々とありますが、就農前や卒業前にやっておいた方がいいことがあります。
それはインターンです。
インターンでは実際に現場で一緒に仕事を体験させてもらうことが出来ます。
期間は様々ですが1週間から1ヶ月などその間は会社の社員として同じように仕事をします。
そのため、一日のスケジュールを実際に経験することやどんな作業を実際に行っているのかを知ることが出来ます。
こういったことを入社前に実際に経験することができるのは非常に貴重な経験になります。
様々な知識や話を聞くことはあると思いますが実際に体感してみるのではやはり違うものがあります。
新卒で入社したけど思っていたのと違うなどがないようにするためにもできるのであればインターンを利用しておくことが学生の間にやっておいた方がいいことです。
社会人になってからでは、こいった制度は基本的にありません。
入社するまでは求人の内容しかわからないことや面接の時に聞ける内容しかわからないなんてことがほとんです。
学生ならでの制度のインターンはうまく活用し損することはないといえます。
また、学校によってはインターンを単位としている学校もあります。
若者就農者に求めること
若者の就農者に求めていることはどんなことなんでしょうか。
企業側からしめも求める人材というのがあります。
もちろん国も農業の高齢化と若者の就農増加を目指しているため就農するのに求めていることがありす。
ここでは、どんな人材を求めているのかわかりやすく説明していきます。
1、辞めないこと
2、熱意があること
3、向上心があること
この3つは当たり前のことですがなぜこれが当たり前なのに求めていることのでしょうか。
1、辞めないこと
これまで学生の間は基本的に学校にお金を払い学んできたと思います。
しかし、会社では雇用者に対して賃金を支払い労働力を提供してもらうことになります。
この賃金を払うつまり雇用者としては賃金をもらうことが重要になります。
一般的な話に思えるかと思いますが、新卒でいきなり即戦力にはまずならないことは企業側も理解しています。
つまり、賃金を支払いながら新卒を教育して行かなければなりません。
例えばになりますが、半年間の研修があっったとします。基本給が20万だとすれば半年で120万を企業側としては支払いながら教育をしています。
この教育は、将来一人前として働いてもらうための企業側からすれば投資です。
そのためすぐに退職をされてしまうとこの費用が無駄になってしまいます。
そのためすぐに辞めない人を企業側からすれば求めることになります。
2、熱意があること
仕事に対して興味や熱意がない人はやはり長続きしません。
また、仕事によってはきついこともやはりあります。
やる気がなければこのきつい仕事もいやだという気持ちが先行しがちになるためどうしても効率が低下します。
この業界でこういうことをしたいなどのビジョンを明確に持っていることが仕事に対するモチベーションにもなるため熱意を持つことが非常に大切です。
3、向上心があること
言わずもですが向上心がないと言われた以外やらない人がほとんです。
しかし、命令待ちだけでは一向に成長しません。
企業としては自分で考えて仕事をこなしてくれる人の方が人材としては必要です。
そのため、向上心があることも大事なことです。
他にも求めることはたくさんあります。
企業によっては社風が違うため、まずは会社のHPで社風について調べてみるのも大切です。
農業が好きなことが一番ですが、今の時代の情勢などを敏感に感じとり、将来の目標が明確でビジョンを持つことが何よりも欲しいと思われる人材だといえます。
まとめ
農業系の学校でも農家以外にも就職する選択肢はあります。
農業=農家ではなく農業業界として見れば色々な選択肢をとることが出来ます。
これは農業系の学校の人だけではありません。
農業に興味がある人の関わり方としても選択肢が色々とあるということです。
自営農業・農協・農業団体・農業法人、食品メーカーや、食品加工メーカー、小売店、建設、造園、公務員など農家以外にもこれだけの選択肢があります。
農業業界に関わりたいと思っている人にとっては農家が全てではないためこういった選択も参考にしていただければと思います。
新卒での就職を目指している学生は、何よりも卒業までにインターンなどの制度を利用して実際に企業を経験してみる。
将来の目標とビジョンを明確にすることが必要な人材として就農がしやすくなります。
学生の間にしか出来ない経験を最大限に利用して必要とされる人材になっていただければと思います。
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