社会人が新規就農を目指すには?働きながら農業を学べる学校を紹介

働きながら新規就農を目指す場合、どのようにして学ぶべきなのか悩む人も多いはずです。

就農するためには農業に関する知識や技術だけではなく、経験や人脈、経営に関する知識も必要となります。これらの農家に必要なスキルを身に付けたい場合、まず思いつくのが学校に通うという方法です。

最近では学校の学び方も多様に変化しています。大学や専門大学のように2年から4年間毎日通学するという方法だけではなく、社会人向けに用意されたカリキュラムや、社会人向けのスクールなども多く存在します。

この記事では、仕事をしながら新規就農を目指す方に向けて学校を紹介します。学校を選ぶ際のポイントについても紹介しているため、農業に興味があり、自分に合った学校を探したいという方はぜひ参考にしてください。

学校で農業を学ぶメリットとは

新規就農を希望する人が学校で学ぶメリットは、農業や経営の知識や技術を身に付けられる点です。

理解できない疑問点はその場で講師に相談することですぐに解消できるため、効率的に学ぶことも可能です。

また、学校生活を送る中で就農を目指す仲間を作り、人脈を広げることができる点は学校の大きなメリットといえます。

農業についての知識や経験が浅く就農に一歩踏み出せない方は、学校で農業への理解を深め、就農したいという自分の気持ちを固めたり、就農に対して深く向き合う時間を得ることができます。

また、学校に通うにはある程度の費用が必要になります。デメリットのように感じますが、お金を払うことで「受講料を無駄にしたくない」と最後まで学ぼうとする状況を作ることができるため、独学ではモチベーションを維持できないという人にもおすすめです。

就農に向けて学校を選ぶポイントとは

学校を選ぶ際には学びたい目的や理由を明確にする必要があります。

「なんとなく」で決めてしまうと、学習内容が自分の目的と大きくずれ、お金や時間を浪費してしまったり、途中で挫折してしまうこともあるからです。

よって、「農家になりたい」「新規就農をしたい」という目的で学ぶのであれば【就農に向けた計画】を立てることが大切です。

どの地域で、どの分野で、いつまでに就農したいのか、可能な限り具体的に決めることがポイントです。

たとえば、北海道と沖縄では気候が大きく異なるように、その地域に合った作物や栽培方法が存在します。

また、畑作、果樹や稲作などの農業の分野によっても学ぶべき内容は異なります。たとえば、稲作栽培では米などの穀物を栽培するための苗づくりの知識が必要となりますが、果樹栽培では木の手入れをする剪定の知識が必要となり、稲作栽培の知識は果樹栽培では活かすことができません。

さらに、就農までの時期を具体的に決めることで学んだままにすることを防ぐことができます。何年後に就農するのか、そのために何年間学校に通うのかなどを決めることで、就農に向けて適切な動きをとることができます。

「未経験で具体的には決められない」という方には農業の基礎を学べる初心者向けの研修を実施している学校もあります。まずは初心者向けのコースを受講し、自分のやりたいことを明確にしてから専門的なコースへと移行することもできます。

また、学費は自分の資産から無理のない範囲内に抑えるようにしましょう。就農にもお金が必要となるため、職業訓練給付金などの制度を活用しながら費用を抑える工夫をしましょう。

社会人向けの学校は、数ヶ月から1年以上もの間貴重な休みの時間を使って通う方がほとんどです。通い始めてから後悔しないように、まずは『就農のための計画』を決め、自分に合った学校を選びましょう。

実践的に農業を学べる【農業大学校】

農業大学校は農業について実践的に学ぶことができる専門学校(専修学校専門課程)です。主に就農などの農業への就職を目指す方や、経営発展のためにスキルアップを目指す農業者の方を対象としています。

農業大学校のカリキュラムの特徴は実践的な教育が中心であることです。そのため、教科書をつかった座学や研究よりも、実習時間を多くとっています。

農業大学校では授業時間の半分を実習にあてており、現場で活かせる実践的な教育に力を入れていることが分かります。

さらに、1学科が数十人程度と少人数のため、実際に自ら参加しながら経験を積むことが可能です。全国42道府県に設置されており、現在住んでいる地域からでも通いやすいことが大きな特徴です。

農業大学校は基本的に2年制ですが、社会人向けのコースや研修も存在します。

土曜日に実施しているコースもあり、平日働いている方でも参加しやすい内容となっております。社会人向けの研修は4月開始のものが多いため時期は限定されますが、費用は比較的安い講座が多いです。

たとえば宮城県農業大学校では初心者、中級者向けの農業チャレンジクラス、上級者向けの農業マスタークラスの研修が実施されています。

初級コースは4月から11月の土曜日に月1回から2回の講座を実施し、全10回で費用は5000円です。内容は午前に野菜づくりの基礎的な講義を、午後に農業実習を行っています。

上級者向けの農業マスタークラスは平日の研修ではありますが、就農希望者向けの実践的な学習内容です。全30回で費用は15000円です。

野菜を中心に知識や技能が習得できるだけではなく、販売や農業機械操作まで農業経営全般について学習できる研修も行っています。

研修内容は学校によって内容や金額が異なります。気になる方は近くの大学校ではどのような研修が行われているのか農業大学校のホームページから確認してみてください。

専門的な分野の勉強をするなら【農業大学】

農業大学や大学の農学部では、農業の基本から専門的な内容まで幅広く学ぶことができます。大学では就農のための学習というよりも基本的には研究が中心となります。

たとえば農業的な観点から環境問題や食糧問題に向き合って研究をしたり、AI技術を使った農作物の研究などをしています。

そのため、大学の学習内容は農業の現場に直接活かせる内容ではない点には注意が必要です。

最先端の農業技術に興味があり自分の知識の幅を広げたいという方には農業大学がおすすめです。

農業大学や大学の農学部では、学校によっては社会人向けのコースも存在します。

たとえば、信州大学の社会人向けプログラムとして行っている「地域共生マネージメントプログラム」は農学分野の専門技術者の育成を目的としており、最短1年間で修士の学位が取得できます。土日や夜間にも開講し、e-ラーニングによる遠隔授業も実施しています。

受講料は82万円ですが、職業訓練給付金を使うことで25万円に抑えることが可能です。

無理なく通える【社会人向けスクール】

社会人向けの農業スクールとして、週末だけに開講する学校もあります。

オンラインで学べるものから、座学だけでなく農場で実践的に学べるスクールもあり、働いている人に合わせてスケジュールが組まれている点が特徴です。

オンライン学習であれば通勤時間や自宅にいながら学習できるため、社会人でも体力的にも無理をすることなく学ぶことができます。

主に有機農業をメインに教えているスクールが多いため、有機農業について学びたいという方は検討してみるのもいいでしょう。

代表的な農業スクールとして、「アグリイノベーション大学校(AIC)」があります。

マイファームが運営する週末開講の農業スクールで、有機農業を軸に、就農に必要な基礎知識から農業経営に関する学習が可能です。また、「農」を軸にした社会・地域の課題解決を考えるカリキュラム構成が特徴です。

受講期間は17ヶ月の週1日で講義は2時間。スタンダードコースの費用は約76万円ですが、教育訓練給付制度(一般教育訓練)の利用で約61万円になります。

また、千葉県の「農業実践教室」は、本格的な有機栽培を学べる教室です。講義は2週間に1度の開催で無理なく通うことができます。

完全オンラインの「コンパクト農ライフ塾」もあります。

小さくても機能する、小さくても質が高い、「コンパクト」をキーワードとした次世代型農家の営み方について、超最速で学ぶことのできるオンラインスクールです。

効率的に新規就農を目指すならシェア農場という方法も

シェア農場は、複数人でひとつの農場を管理するというものです。

シェア農場の中には就農までサポートしてくれる農園もあります。そのため、実際に自分の畑で作物を栽培する経験を積みながら同時進行でアドバイザーから必要な知識を得ることができます。

さらに、その後の就農まで支援してくれるため、効率的に就農までステップアップすることが可能です。入園の際に費用はかかりますが農機具や肥料、種や苗などの必要なものが完備されており、予定外の出費がないので安心です。

みんなで農家さん」もシェア農場のひとつです。主に国産バナナのシェア農園を管理・運営しています。代表的な商品に皮まで食べられる「神バナナ」があり、バナナスムージー専門店である「banana no kamisama」ではこの神バナナが使われています。

みんなで農家さん」は新規就農者数の向上を目的に活動しているため、新規就農のサポートがしっかりしています。研修農場で実際に栽培経験を積むだけではなく、その後の新規就農まで支援する体制が整っています。

学校のようにカリキュラムも存在し、就農に必要な知識や情報を得ることができます。独自技術の「アグレボ農法」を習得できるだけではなく、数年間経験を積むことで資格の取得も可能です。

農園へ行けない日はスタッフが代わりに管理してくれるため、働きながらでも無理なく通うことが可能です。必要な農機具や苗などももちろん用意されています。

新規就農にむけて実際に農園を管理しながら経験を積みたい、なるべく最短距離で効率的に就農したい、具体的にどこで就農するのか決まっていないという方は、ぜひ詳細を確認してみてください。

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