農業の方法とは多種多様であり、「100%この方法がいい」というのはありません。
作物や環境によって農業の方法は変わってきますし、この方法なら最高の作物が作れるとわかっているのなら農家さんも苦労はしないでしょう。
そんな中、近年注目されているのが「アイメック農法」です。
このアイメック農法にはどんな効果があるのでしょうか?
この記事ではアイメック農法の方法やメリット・デメリットを解説してきます。
アイメック農法とは?
アイメック農法とは、自然環境との共存を目指した持続可能な農業システムの一つで、アフリカのサバンナ地帯で発展した農法です。
アイメック農法は、自然環境の中で自然の循環を活用し土壌の健康を慎重に確認しながら農作物を育てることを目的としています。
具体的には、畑の中に木本植物を植えることで土壌を保水し、窒素を補給することができます。
また畑の周りには生け垣を作ることで、風や水の流れを調整し生態系のバランスを正確にします。
さらにアイメック農法では、肥料として動物の排泄物を利用したり、有機物を堆肥にすることで化学肥料の使用を最小限に抑え、地球環境に負荷をかけない農業を目的とした農業の方法です。
アイメック農法は、自然と共存しながら農業を営むことができる持続可能な農業システムとして、世界的に注目されています。
アイメック農法で栽培できる作物を紹介
アイメック農法は、人工知能とロボット技術を用いて、農業の自動化と効率化を行う農業技術です。
では栽培できる作物はどんなものがあるのでしょうか?
ここではアイメック農法を用いた栽培できる作物を紹介します。
種類 | 作物 |
野菜 | トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、レタス、ほうれん草、キャベツ |
果物 | イチゴ、ブルーベリー、リンゴ、梨、桃、柿、グレープフルーツ、レモン |
穀物 | 米、小麦、大豆、トウモロコシ、オート麦 |
花卉 | バラ、チューリップ、ヒマワリ、アジサイ、サクラ、キク |
アイメック農法は比較的新しい技術で、当面ではまだ限定的な作物ありでの利用が一般的です。
今後、技術の進歩によって新しい作物の栽培ができる可能性は大きくあると言えます。
次にアイメック農法のメリット・デメリットについて紹介します。
アイメック農法のメリット・デメリットを紹介
アイメック農法はまだまだ研究されている農業の方法であり、完成されたものではありません。
ここからはアイメック農法のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
土壌改良に効果的
アイメック農法は微生物を土壌に添加することで、土壌の保護水性や通気性、保肥性を改善する効果があり水分の吸収力を高めることができます。
無農薬栽培が可能
アイメック農法は微生物を活用することで、害虫や病気の発生を抑えることができます。
これにより農薬を使用する必要がなくなり、無農薬栽培が可能となります。
また微生物を活用することは連鎖障害を防ぐことにも繋がります。
連鎖障害とは同じ作物を同じ場所で栽培し続けると起きる病気の1種です。
微生物は土壌の状態を良くする効果もありますので連鎖障害にも効果的だと言えます。
安全性が高く環境に優しい
アイメック農法は化学肥料や農薬を使用しないため、環境に負荷をかけることはありません。
また、土壌改良によって二酸化炭素の吸収量を増やすことができるため、地球温暖化対策にもなります。
SDGsなども取り組みにも貢献できる農業方法です。
また微生物を使用するため、作物に残留する化学物質が少なく、安全性が高いとされています。
デメリット
コストが高い
アイメック農法には、微生物の培養や添加にかかるコストがかかります。
例えば、10a当たり約3000万円〜4000万円が必要と言われています。
水耕栽培と比較すると安価ではありますが、とても安いと言えるような額ではないでしょう。
アイメック農法は個人農家が取り入れるにはかなりハードルが高く、法人向けと言えるでしょう。
収量が安定しない
アイメック農法は微生物の添加量や栽培条件によって、収量が安定しない可能性があります。
基本的に水耕栽培の「50%程度」、土耕栽培の「60%程度」と言われています。
もちろん品質と収量を高める方法を工夫することで収益を増加させるポイントになりますが、簡単ではないと言えます。
専門的な技術や知識が必要になる
アイメック農法は微生物を使用するため、専門的な知識が必要となります。
もちろん栽培方法は簡単なものから難しいものまでありますが、基本的にはどの方法も使用している人がいるので問題が起きても解決する手段があります。
しかしアイメック農法は従来の栽培方法に比べて、技術的なハードルが高くなる上にあまり浸透していない栽培方法ですので問題が起きた時には解決まで時間を要する場合があります。
それでは実際にアイメック農法の詳しい概要について説明していきます。
アイメック農法の概要
アイメック農法は多年草を中心とした農法です。
では方法について解説していきます。
アイメック農法は多年草を中心とした栽培方法であり多年草は地下に根を張っているため、土壌を固定し、土壌浸食を防ぐことができます。
また根から分泌される有機物によって、土壌の栄養分を組み合わせることができます。
そしてアイメック農法では、複数の種類の植物を同じ畑に混植することが一般的です。
また土壌を裸地にせず、草や葉っぱ、枯れ木や枯れ草などを敷き詰めることで土壌の保水力や保肥力を高めます。草や葉っぱは分解される過程で有機物を生成し、土壌の肥沃度を向上させます。
そして無農薬の栽培が一般的でもあります。
化学合成農薬や化学肥料を使用せず、無農薬で栽培を行います。 代わりに有機質の肥料や微生物肥料を使用することで土壌を肥沃にし、植物の成長を促します。
アイメック農法は基本的に自然界の生態系を尊重し、生態系を壊さないように栽培を行うことが特徴であり環境にやさしく、健康的な食品を生産することができます。
アイメック収益化には「ブランディング戦略」が必須
アイメック農法は初期費用にかなりの費用がかかります。
高品質の作物が作れたとしても売ることができなければ「アイメック農法」を取り入れても意味がありません。
そこで実際の例を紹介してブランディング戦略の方法を紹介します。
株式会社栗原弁天堂のトマト栽培
2019年にアイメック農法を取り入れトマト栽培を始めた会社です。
2019年の2月に定植を行うことができ、この年は5月から収穫ができるようになりトマトは健全で収穫は続けられそうだとの事でしたが、気温が上昇すると果実が柔らかくなり出荷が難しくなるとのことでした。
そこで思いついたのは「せっかく良質な高糖度のトマトを生産できるのですから、いかに付加価値を付けて販売するかが課題」ということでした。
そこで行ったのは高糖度の良さを認めてくれる卸業者などの販路の開拓はもちろんのこと、幅広い消費者に訴求できるような加工品の展開も検討しておりアイスクリームの開発を進めているとのことでした。
これはアイメック農法で作った高糖度のトマトだからできる戦略であり、収益化にはトマトの無駄をなくし付加価値をつけた商品の展開が重要だということです。
まとめ
ここまでアイメック農法に関する概要や方法、メリット・デメリットについて解説してきました。
アイメック農法を取り入れることで品質の向上を見込むことができ、利益率の向上なども見込むことができます。
しかしその反面、金銭的にも大きく費用がかかるなどデメリットがあり取り入れる際は十分な収益が見込めるなどの前提で検討するのがいいでしょう?
そしてアイメック農法にはブランディング戦略が必須ということも認識しておきましょう。
また「みんなで農家さん」ではアイメック農法だけでなく様々な農法を紹介しています。
これから農業を始める方、現役農家さんにも農業に関する情報がたくさん掲載されていますので、ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/
最後までご覧いただきありがとうございました!
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