応援したい自治体に寄付をすることで、豪華な返礼品が貰えるばかりか、税金の控除を受けることができる!
というふれこみのもと、2008年5月からスタートした「ふるさと納税」。
中には、「毎年欠かさずやってます!」と豪語するふるさと納税愛好家もいるようです。
ふるさと納税が開始してから十数年。
この記事では、ふるさと納税の仕組みなどを振り返りつつも、おススメの返礼品などを一挙に公開していきます。
ふるさと納税をやったことがある人も無い人も、ぜひ一度目を通していただけると嬉しいです!
ふるさと納税導入の経緯
ふるさと納税の仕組みを説明する前に、そもそもなぜふるさと納税という仕組みがスタートしたかについて触れてみましょう。
まずふるさと納税は、安価で豪華賞品が買えるただの特売所…という訳ではないのです。
ふるさと納税には、人口の極端な都市部一極集中を回避するという狙いがあります。
日本では、1970年代頃から東京への人口の一極集中が問題視されるようになり、2008年には約1300万人(日本の人口の約11%)もの人間が東京に集中するという異常事態にまで発展しました。
このままでは、人口が流出した地方の過疎化が進み、やがて消滅してしまう…という自治体もあるかもしれません。
そんな中産まれたのが、ふるさと納税という仕組み。
この仕組みを利用することで、地方自治体への納税額を物理的に増やすことができるのです。
もしかしたら、返礼品が目的でふるさと納税を行っているという人も多いかと思います。
もちろん、それはそれで全く問題ありません(私も返礼品が欲しくてやってるタチなので…(笑))。
しかし、ほんの少しでもいいので「この自治体を応援しているんだ」という気持ちを持ってもらえると、より一層ふるさと納税を堪能することができるでしょう。
ふるさと納税の仕組み
では早速、ふるさと納税の仕組みについておさらいしていきましょう。
とっても簡単に説明をすると、ふるさと納税とは「たった2000円で豪華返礼品を受け取ることができる仕組み」です。
そして、その気になる豪華返礼品とは…これが本当に豪華なのです。「どうせしょぼい物しか来ないんでしょ?」などという、行政機関あるあるの発想は捨ててもらって大丈夫です。
返礼品を金額換算すると…地方にもよりますがだいたい数千円から高いところだと数万円まで。
たった2000円で数万円相当の品物を受け取ることが出来たら、そりゃあもうやるしかないって感じですよね。
ということで、ここからはやや真面目に仕組みについて解説していきます。
概要
ふるさと納税とは、国税庁が許可する地方自治体に対して個人や法人が寄付を行うことで、所得税や住民税の控除を受けられる制度です。
具体的には、自分が納税している自治体以外の地域(ふるさと)に対して寄付を行い、その自治体が用途を決定した返礼品がもらえる仕組みです。
ふるさと納税を行うには、まずふるさと納税サイトにアクセスし寄付したい自治体を選択します。
その際に、寄付金額と対象年度(1年間)を指定し、返礼品の希望も選択できます。
返礼品には、地元の特産品や土産品、食品や酒類、農産物や水産物など多種多様な品物が用意されています。
自治体は、寄付金額のうち返礼品の費用を除いた残りを自治体の自由裁量で使途を決定できます。
寄付金の用途は、地域振興事業や福祉事業、教育事業、環境保護事業、農林水産業の振興など多岐にわたります。
一方、寄付を行った個人や法人は、寄付金額のうち、所得税や住民税の控除を受けることができます。
なお、ふるさと納税には、寄付に伴う消費税については、寄付金額に含まれており、返礼品の価格に含まれているため、寄付者が別途支払う必要はありません。
続いて、ふるさと納税の手順について確認していきましょう。
ふるさと納税の手順
①ふるさと納税のプラットフォームを決める
ふるさと納税は、寄附金を納めたい自治体のウェブサイトもしくはふるさと納税ポータルサイトから申込み可能です。
自治体からすれば、返礼品などの特典を広く一般に知ってもらわなければなかなか多くの寄附を得られません。
そのため、情報拡散力のある各種「ふるさと納税ポータルサイト」に仲介をしてもらい広く宣伝を行うことで、認知度のアップを図っています。
そして各種「ふるさと納税ポータルサイト」を通すと手続きが簡略化されてスムーズに寄付できるように工夫されているので、利用者にもメリットが産まれます。
ここでは、代表的なふるさと納税サイトについて一部を紹介します。
サイト名 | 登録自治体数 | 返礼品数 | 特徴 | URL |
ふるさとチョイス | 約1,600 | 約60,000 | ・返礼品の種類が豊富で、特に食品に力を入れている。 ・返礼品の配送状況がオンラインで確認できる。 ・支払い方法によって、ポイント還元率が異なる。 | https://www.furusato-tax.jp/ |
楽天ふるさと納税 | 約1,600 | 約30,000 | ・返礼品の種類が豊富で、特に地元の名産品に力を入れている。 ・ポイント還元率が高く、返礼品の購入に楽天スーパーポイントを使用できる。 | https://furusato.rakuten.co.jp/ |
よろずやマルシェ | 約2,000 | 約30,000 | ・返礼品の種類が豊富で、特に地元の特産品や手作り品に力を入れている。 ・返礼品には、生産者のコメントが添えられている。 | https://furu.yorozuya-marche.jp/ |
イオンふるさと納税 | 約1,000 | 約12,000 | ・返礼品が、イオンモールやマックスバリュなどの店舗で受け取れる。 ・オンラインでの申し込みと、店舗での申し込みが可能。 | https://www.aeonfurusato.jp/ |
②寄附したい自治体と返礼品を決める
選んだふるさと納税ポータルサイトで寄附したい自治体、欲しい返礼品を探してください。
地域の誇るブランド牛や銘菓、季節に合わせた旬の農産物や水産物、旅行や店舗で便利に使える優待券など、バラエティー豊かな返礼品が揃っています。
さらに、サイトによって独自のふるさと納税サービスもあります。
③自治体に寄附を申込む
寄附を行う自治体が決まったら、自治体に寄附の申込みをしましょう。
サイトによりますが、基本的には各種ふるさと納税ポータルサイトなら面倒な自治体へのご連絡やお問合せ、郵送される書類などを待つことなく、直接「寄附申込みフォーム」から各自治体に申込みを行うことができます。
支払方法もサイトによって違いますが、クレジットカードやPAYPAYなど対応しているサイトもありますので、ご都合に合わせてご利用ください。
④お礼の返礼品を受け取る
自治体から、寄附のお礼としてお申込み時に指定した返礼品が届きます。
⑤寄附金受領証明書を受け取る
ふるさと納税を行った自治体から、その証明として寄附金の領収書「寄附金受領証明書」が届きます。
この書類は、確定申告を行うために必須の書類となりますので、手元に届きましたら忘れずに大事に保管してください。
*寄附金受領証明書は、自治体によって届くタイミングが異なります
・お礼の返礼品に同封されてくる。
・お礼の返礼品とは別に、寄附後1~2ヶ月後に発送される。
・確定申告が始まる2月中旬までに、1年分の寄附の総額を記載し、まとめて発送される。
⑥税金の控除を受ける
ふるさと納税では、住民税と所得税から一定の控除を受けることができます。
控除を受けるには、ワンストップ特例制度(ふるさと納税の確定申告が不要になる制度)の利用有無によって手続きが違います。
以下の条件を満たせる方は、ワンストップ特例制度を利用可能です。
・ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)である。
・一年間(1月〜12月)でふるさと納税の寄附先が5自治体以内である。
※5自治体までであれば、寄附は何度でも行うことが可能です
※自営業者や高所得者など、もともと確定申告を行う必要がある方はワンストップ特例制度を利用できません。
豪華返礼品の一部を紹介
それでは、現在注目されている返礼品についてその一部を紹介していきます。
自治体 | 特色・取り組み | 注目の返礼品 |
北海道名寄市美瑛町 | 旬の食材や特産品を豊富に取り揃えている | 名寄市、美瑛町のオホーツクの味覚セット、美瑛の花畑 |
青森県むつ市 | 地元食材を中心としたオリジナル商品の充実 | むつ市産のブランド品「むつぶし」 |
岩手県大船渡市 | 漁業が盛んな地域で、 新鮮な海産物の返礼品が豊富 | カキの養殖に適した清流を利用した 特別栽培カキ |
宮城県仙台市 | 地元食材を使用した加工品の種類が豊富 | 黒毛和牛・宮城牛のセット |
秋田県由利本荘市 | 山菜やきりたんぽ鍋など、 秋田県の郷土料理の返礼品が充実 | 由利本荘市産のお米「オキノタユタカ」 |
山形県鶴岡市 | 温泉や美味しい食材が豊富な地域で、 その特徴を生かした返礼品が多数 | 鶴岡市産のお米「コシヒカリ」 |
福島県南相馬市 | 震災復興の取り組みが進んでおり、 南相馬市復興支援のための返礼品も豊富 | 南相馬市産の米や野菜、魚介類など |
茨城県常陸太田市 | 豊かな自然が残る地域で、 地元の農産物や工芸品などの返礼品が豊富 | 常陸太田市産の特産品「ひたち豆」 |
栃木県那須烏山市 | 那須連山などの自然が豊かな地域で、 地元の農産物や特産品が豊富 | 那須烏山市産のお米「ゆうき米」 |
群馬県高崎市 | 農業が盛んな地域で、 地元の農産物や特産品が豊富 | 高崎市産の「高崎メロン」 |
今後の課題
ここまでふるさと納税の良い点を中心に紹介をしてきました。
ここでは、逆にふるさと納税はどのような課題を抱えているかについて触れてみましょう。
課題①寄附の方法が限定されている
ふるさと納税には、インターネットを利用してのオンライン申し込みが主流ですが、電話や郵送など、寄附方法に制限がある自治体もあります。
特に高齢者やインターネットに不慣れな人々には、寄附のハードルが高くとっかかりが良くありません。
自治体によっては、寄附方法を多様化する取り組みを進めている場合もありますが、より使いやすいシステムの整備が求められます。
②返礼品の種類に偏りがある
自治体によっては、返礼品の種類に偏りがあるという問題点があります。
例えば、特定の地域の名産品や食品に偏っている、高級志向の返礼品が多いなどの場合があります。
返礼品の種類を多様化するなどして、幅広い人々に対して魅力的な返礼品を提供する体制を作ることが求められます。
③非正規雇用者や自営業者の寄附額が少ない
ふるさと納税に対して、非正規雇用者や自営業者など、所得が低い人々からの寄附額は比較的少ない傾向があります。
寄附額が少ないと、自治体の財政支援や地域活性化に寄与することができなくなります。
今後は、寄附額によって返礼品の種類を分けるなど、所得が低い人々でも寄附しやすい仕組みづくりを進めていく必要があるでしょう。
まとめ
以上、ふるさと納税についての仕組みや流れ、メリット、事例などについて解説しました。
ふるさと納税は、実質「2000円」で豪華返礼品を受け取ることができるということが分かったと思います。
加えて、自分の納税先の自治体だけでなく全国の自治体に寄附をすることができ、節税効果や地域の活性化につながることができるのです。
まだよく理解できていない、まだ利用されていない方がいれば、積極的に利用をしてみてください。
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