【畜産】家畜の感染「症状と対応について」

農業において稲作や家畜などの畜産農業などでも疫病があります。

この疫病は農業では被害が拡大しやすく、一度発生するときちんとした対応をしなくては次の時期にも再発する恐れがあります。

そのため毎年農家では非常に気をつけなくてはいけません。

農業では疫病の影響を受けると生産性が著しく悪くなります。

これは疫病が発生すると感染した物だけではなく、感染した恐れがあるものも処分しなくてはいけないためです。

そのため、一度英気病が発生した農場ではほとんどが処分しなくてはいけなくなります。

畜産農業では、疫病に感染した場合には家畜を大量に殺処分しなくてはいけません。

そのため、農業での稲作などに比べて畜産農業の方が被害は大きくなりやすいです。

今回の記事では、畜産農家での疫病対策について紹介していきます。

畜産農家にとって家畜の感染は非常に大きな問題になります。

この記事を通じて対策やどのような対応があるのか少しでも知っていただくきっかけになればと思います。

家畜の疫病

家畜の疫病について皆さんはどれくらい知っているでしょうか。

特に鳥インフルエンザはニュースなどのメディアでも取り上げられることがあるため、家畜の感染による殺処分について知っているのではないでしょうか。

他にも家畜の疫病として最近では豚熱、アフリカ豚熱が流行しています。

感染症としては口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザなどもあり、家畜の感染症としては特に被害が大きくなりやすい畜産農家に大きな被害をもたらしています。

聞いたことはあるけど実際にどんな症状なのかは知らないと思います。

そこで対策について紹介する前にそれぞれの病気についていくつか紹介していきたいと思います。

口蹄疫とは

口蹄疫とは正式名称としては口蹄疫ウイルスです。

感染する家畜としては牛、豚、めん羊、山羊、水牛、鹿、いのししです。

症状・特徴としては口や蹄に水疱形成、発熱、流涎(よだれを垂らす。)等の症状がありあます。

極めて感染力が強く、幼獣では高い致死率を示す。

成長した家畜の死亡率は低いものの、発病後の発育障害等により、産業動物としての価値が失われます。

発生状況としては中国等の近隣アジア諸国で継続的に発生しており、日本では2010年に宮崎県で10年ぶり

に発生したが、翌年2011年には清浄国に復帰しています。

高病原性鳥インフルエンザとは

高病原性鳥インフルエンザとはOIEが作成した診断基準によりA型インフルエンザのことをいいます。

対象としては、鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥 及び七面鳥です。

症状としては元気消失、食餌や飲水量の減少、産卵率の低下、顔の腫れ、トサカや脚の変色(紫色)、咳、鼻水、下痢。

急性例ではこれらの症状を認めず、急死する場合もあります。

※人獣共通感染症:海外では、家きん等との密接接触に起因する高病原性鳥インフルエン

 ザウイルスの人の感染及び死亡事例も報告されています。

発生状況として渡り鳥により国内に持ち込まれることが多く、冬期に発生しやすく

日本においては、平成26年、平成28年、平成29年、令和2、令和3年に発生しています。

 ※内閣府食品安全委員会によると、「我が国の現状においては、鶏肉や鶏卵を食べること により、鳥インフルエンザがヒトに感染する可能性はないと考える」としています。

豚熱とは

豚熱とは正式名称が豚熱ウイルス

対象として豚、いのししになります。

 ※人には感染しない 

発生地域として欧州、アジア、アフリカ、南米の一部の国々

日本では平成30年9月に26年ぶりに発生しました。

 飼養豚では18都県、野生イノシシでは34都府県で 発生(令和5年1月31日時点)。

(4)症状:急性、亜急性、慢性型等多様な病態を示す。白血球減少。

   ※ 有効なワクチンが存在しています。

アフリカ熱とは

豚、いのしし(ダニによっても媒介) 

※豚熱同様に人には感染しません

発症地域としてアフリカ、欧州の一部(ロシア及びその周辺国、東欧)のほか、

平成30年8月に中国で発生(アジアで初の発生)以降、アジア地域での発生が拡大。アジアの17か国・地域で発生(令和4年5月19日時点)。

 ※ 日本ではまだ発生していません。

症状:甚急性~不顕性まで幅広い病態を示す。

   ※ 豚熱に酷似するがより病原性は強い傾向。

   ※ ワクチン、治療法はない

参考、引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/attach/pdf/index-374.pdf

畜産関係者の行動の注意

疫病としての感染症をそれぞれ紹介していきました。

次に畜産関係者が気をつけなくてはい毛ない行動について紹介いたします。

日本ではまず、感染症が発生した国からの動物およびそれに由来する肉の輸入を原則禁止しています。

また、畜産関係者が発生国に訪問する際には家畜を飼育する農場への立ち入ることは極力避けることが必要です。

どうしての農場に立ち入り、家畜に接触した場合には病原体が体や物に付着している可能性があるため帰国時に動物検疫所のカウンターに立ち入り検査を受けるようにしてください。

輸入を禁止していたとしてもこうして人から家畜に感染する可能せがゼロではないため十分に畜産関係者は注意してください。

日本の家畜防疫体制

日本では家畜の防疫体制として下記のような3つのことを実施しています。

1、国は、都道府県、動物衛生研究部門等と連携し、国内の家畜防疫に関する企画、調整、指導等を実施するとともに、動物検疫所を設置し、国際機関とも連携して輸出入検疫を実施。

2、都道府県は、家畜防疫の第一線の機関として家畜保健衛生所を設置し、防疫対策を実施。国は、家畜保健衛生所の整備支援、職員の講習等を実施。

3、全国及び地方の各段階で家畜畜産物衛生指導協会等の自衛防疫団体が組織され、予防接種等生産者の自主的な取組を推進。

引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/attach/pdf/index-374.pdf

もう少し端的に説明すると、

・国は動物検疫所を設置して国際機関との連携によって輸出入検疫を実施。

・都道府県は家畜保健所を設置し防疫対策を実施。

・予防接種などの自主的な取組を生産者に推進。

国、都道府県、生産者と順に対策するためにその施設の設置と利用する体制を整えています。

家畜伝染予防法

家畜伝染予防法とは、文字の通り家畜の伝染性失病の発生の予防と蔓延防止により畜産の振興を図ることを目的とする法律です。

大きく分けて6つのことが定められています。

1、家畜の伝染性疾病の発生を予防するための届出、検査等

2、家畜の伝染性疾病のまん延を防止するための発生時の届出、殺処分、移動制限等

3、家畜の伝染性疾病の国内外への伝播を防止するための輸出入検疫

4、国・都道府県の連携、費用負担等

5、家畜の所有者が遵守すべき衛生管理方法に関する基準(飼養衛生管理基準)の制定

6、生産者の自主的措置

引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/eisei/e_koutei/kaisei_kadenhou/kaiseir2.html

大きく分けると発生予防とまん延防止対策のこの2つについて1〜6に分けられいる内容になります。

発生時に備えた準備として農場での飼育衛生管理が適正に行われるよに指導・助言、勧告、命令を行います。

また、患畜の早期の発見・通報によって症状が発生しているのを確認したらすぐに届出を出す必要があります。

まん延防止対策として、国は防疫方針の決定や人的支援を行います。都道府県も国の防疫方針に基づき措置の協力を行います。

例えば、発生農場周辺の通行の制限や遮断、畜産舎の清掃・消毒などです。

国の支援としては手当金などを交付しています。

水際検疫

国内で発生しているのは海外からの侵入している可能性が非常に高いです。

そのため、国際空港や海港での水際検疫による防止が非常に大切になります。

空港や海港では入国者の靴底や車両の消毒、旅客への注意喚起、検疫探知犬を活用した手荷物検査などの動物検疫措置を徹底しています。

家畜伝染病予防法の改正によって2020年7月1日より、出入国者に対する質問、携帯品の検査や違法畜産物の廃棄をすることが可能となりウイルス侵入防止措置を一層強化しています。

質問の内容としては下記のようなものがあります。

Q 1. 過去1週間以内に牛、豚、 鶏などの家畜に接触したり 、牧場、と畜場などの畜産 施設に立ち寄りましたか?

Q 2. 家畜やその糞尿、牧場等の 土に触れた衣類や靴などを 所持していますか? ハム 、ソーセージなどの肉製品 を所持していますか?

Q 3. 日本国内で、1週間以内に 家畜に触れる予定がありますか?

(必要に応じ、英語、中国語、韓国語等を記載した資料を使用)

こういった小さいことから疫病対策を行っていく必要があります。

まとめ

農業での疫病としてニュースやメディアなどで取り上げられることもあるため、聞いたことがある人も多いと思います。

しかし、実際にどんな症状なのか。人に感染するのかなどを知っている人は少ないと思います。

今回の記事ではそれぞれの症状から人に感染するかも病気ごとに記載しています。

今後ニュースなどで見聞きした際にも少しでもこういう症状かを覚えておいて頂ければと思います。

畜産関係者は実際に家畜が感染してしまった場合には迅速に感染届を提出したりと手続きが多くあります。

そのため、まずは感染させないために飼育衛生環境をしっかりと行うこと、万が一感染した場合の対応については手当金などもあるので流れを確認しておくべきです。

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