農業では、持続性のある産業を目指す中で農林水産省である取り組みがされています。
その取り組みが放牧です。
放牧が何に繋がっているのかいまいちイメージを持てない人の方が多いと思います。
そこでこの記事では、農林水産省が掲載している「放牧の部屋」について紹介していきたいと思います。
農林水産省が紹介している「放牧の部屋」このサイトでは、家畜の放牧におけるメリットなどを紹介しています。
そのため、放牧が持続性のある産業を目指すのにどんな繋がりがあるのかをイメージできない人にとってはイメージを持てるようになります。
農業は私たちの生活にとって欠かせない産業の一つと農林水産省でも定義されています。
欠かせない産業の農業での持続性を持たせる取り組みは非常に大切な取り組みです。
この記事を通じて少しでも農林水産省が取り組んでいる「放牧の部屋」での内容を理解していただければと思います。
ぜひ最後まで一読ください。
「放牧の部屋」
そもそも「放牧の部屋」とはどんなことを目的として農林水産省では紹介しているのでしょうか。
まず「放牧」がメリットが高いため農林水産省では推奨しています。
「放牧の部屋」に記載されている内容として
農林水産省は、低コスト省力化や耕作放棄地の再生利用などを推進するために、肉用牛放牧や放牧酪農の取り組みを推進しています。
放牧は、鳥獣害対策にも効果的であるとされています。
参考、引用元:「放牧の部屋」農林水産省https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/shiryo/houboku/houboku.html
農林水産省ではこのように放牧によるメリットと効果が期待できるため放牧を推奨しています。
そのため、放牧に取り組みたい方向けに、酪農経営や繁殖経営における放牧の手引き書やマニュアルも提供されています。
これには、放牧地整備に必要な項目や費用、転換事例の経営安定までに要する期間などが記載されています。
農林水産省は放牧に関する技術・予算・データなどを網羅的にまとめて公表しており、放牧の実施期間などの詳細な情報も提供されています。
掲載されているデータから放牧は、農林地資源の保全や収益性の向上など、さまざまな面で効果が期待されている取組であり、農業の持続的な発展に貢献しています。
結論として「放牧の部屋」は農業で畜産業での重要性が高い産業の一つであることからも「放牧」を推奨するため色々と紹介している形になります。
放牧のメリット
そもそも「放牧」を行うことでのメリットがわかりにくいと思いますので、
放牧を行うことでのメリットについて紹介していきます。
1、省力的かつ低コストな生産体系を実現することができる
2、家畜が運動することで健康を維持できる
3、耕作放棄地などで放牧を行うことで、未利用な土地の活用や景観保全につながる
基本的なメリットとして農林水産省が紹介しているのは上記の3つになります。
それではそれぞれについて具体的にみていきましょう。
1、省力的かつ低コストな生産体系を実現することができる
飼料は家畜を飼育するためには欠かせない物になりますが、自然にある餌を家畜が食べることでこの飼料のコストを削減することにも繋がります。
現在物価の上昇からもわかるように飼料の費用は過去にないほど上昇しています。
畜産農家ではこの飼料の高騰から「廃業」に追い込まれている畜産農家があるほどです。
つまり、飼料のコストは皆さんが想像しているよりも費用がかかります。
そのため、放牧によって飼料を減少することができるのはコストを下げるために非常に有効な手段の一つでもあるのです。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのは天然の餌に十分な栄養がないこともあります。
飼料を食べていても栄養が不十分では家畜の質が落ちる可能性もあるので注意が必要です。
また、下記の資料をみてください。
この資料は放牧導入による農作業の変化についてですが、ほとんどの時間が減少していることがわかります。
飼料の生産につていも減少していることからコスト面だけではなく労働時間の短縮にも繋がっていることがわかります。
2、家畜が運動することで健康を維持できる
放牧によるメリットは畜産農家にだけメリットがあるだけではありません。
家畜にも有益なメリットがあります。
まず、放牧は家畜に自然な飼育環境を提供することができます。
天然の餌や広いスペースでの運動が可能であり、家畜の健康や幸福度を高めることができます。
家畜はストレスによって家畜の品質が変化しやすいです。
そのため、放牧による飼育は家畜が自由に行動をすることができるため行動の制限が少ないためストレスを少なくすることができます。
人間でも言えることですが行動に制限がある場合には不自由さからストレスを感じやすくなります。
家畜も生き物ですから行動の制限がない放牧は自由度が高いためかなりストレスを減少させるためにはかなり有効な手段の一つです。
次に、家畜が放牧地で適度な運動を行うことで、健康状態が改善される可能性があります。
これにより、獣医師への頻度や医薬品の使用量が減少することがあります。
畜舎の中であまり動かずにいると体の状態は飼料によるところだけに影響されてしまいます。
しかし、ある程度歩いたりすることにより体を動かすことで体の締まりは違ってきます。
これにより家畜の質は向上することがわかります。
3、耕作放棄地などで放牧を行うことで、未利用な土地の活用や景観保全につながる
ここまでは畜産農家によるメリットが大きくをしめていますが、しかし、農林水産省の中では耕作放棄地や未利用な土地の活用や景観保全に繋がる点もかなり重要視しています。
日本は耕作放棄地や未利用な土地が多くあります。
日本は耕作放棄地は全国の平均では、10.6%程度
未利用な土地として農地用が14.2%程度となっています。
日本の農地として活用できる土地の約25%が未使用状態のため非常に勿体無い状態となっています。
また、放置されているということは手入れがされていないため草や木が生い茂り景観としてもあまり綺麗な状態ではありません。
しかし、放牧により多少整備してあげた後に家畜を放牧すると土地の管理がされているのと家畜が餌として草などを食するため必要以上に手入れしなくてもかなりいい状態を保つことができます。
放牧を行うために
農林水産省では「放牧」について推進していますが、やはりデメリットについても把握しておくべきです。
そこで放牧を行うデメリットについてもメリットと同様に紹介していきたいと思います。
1、場所の確保
2、昨夜囲いの設置
3、監視と管理
大きなデメリットはこの3つになります。
それではみていきましょう。
1、場所の確保
広大な放牧地の確保には費用がかかります。
土地の購入、賃貸料、または放牧権の料金が発生します。
放牧はそれなりの広さがないと家畜を放牧することができません。
そのためこの費用が非常にコストがかかるポイントになります。
先ほど紹介したように
日本は耕作放棄地は全国の平均では、10.6%程度
未利用な土地として農地用が14.2%程度ありますが家畜を飼育するための条件などを考慮すると全てを最初から使用することができるわけではありません。
そこにいくまでの手段やインフラの整備などもしなくてはいけない場合もあるため耕作放棄地や未利用な土地を取得したからといって、周りの整備が全くされていない場合にはかなり厳しい状態のこともあります。
2、柵や囲いの設置
家畜を安全に管理するために、柵や囲いを設置する必要があります。
コストは、柵の種類や長さによって異なります。
「放牧だから放置しておけばいい」そんなわけにはいきません。
家畜がどこかに行ってしまわないように柵や囲いの設置が必要になります。
第三者に対してのリスクヘッジにも繋がります。
この柵や囲いの設置に対するコストは変動しやすいですがそれなりに丈夫な物でなければいけないため注意が必要です。
3、監視と管理
放牧中の家畜の監視や健康管理には追加の労力とコストが必要です。
従業員の給与や必要な装備品に費用がかかります。
放牧導入による農作業の変化の図1を見ると年間作業時間が全体的に見ても減少しているのとそれぞれの項目からも減少していることがわかりますが、この監視と管理を疎かにするわけにはいきません。
柵や囲いがあるといっても家畜の監視はしないといけません。
放牧中に家畜に何かが起きた場合に対処しなくてはいけなくなるため監視と管理は必要不可欠になります。
そのため、監視と管理要因として従業員が必要になります。
範囲が広くなればそれだけ人の手も必要になります。
ずっと監視するのにも限界があります。
家畜の数が多ければそれだけ手間が増えてしまうことにもなります。
そのため人件費の削減のために追跡用の装備を家畜につけたりしないといけないためそういった管理に対する費用もかかります。
まとめ
放牧は、農業において重要な役割を果たしています。
農林水産省が推進している放牧の取り組みは、低コスト省力化や耕作放棄地の再生利用など、多くのメリットを持っています。
放牧は、肉用牛の育成や放牧酪農など、畜産業の発展に貢献するだけでなく、鳥獣害対策にも効果的です。さらに、放牧は繁殖経営や集落営農法人の経営安定や農林地資源の保全にも寄与しています。
農林水産省の公式ウェブサイトには、放牧に取り組みたい方向けの手引き書やマニュアルが豊富に提供されており、具体的な情報が得られます。
また、放牧の部屋では、利用者からの意見や協力を歓迎していることから、地域の農業者や関心を持つ人々が積極的に参加しやすい環境が整えられています。
放牧は、持続可能な農業の実現に向けた重要な取組であり、農業産業の発展に大きく寄与しています。農林水産省の取り組みや提供する情報を活用し、地域の農業や畜産業の発展に向けて、さまざまな関係者が連携して取り組むことが重要です。
メリットとデメリットについても紹介してきました。
放牧について今後考えている人は検討してみてください。
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