農作物に大きな効果をもたらすナノバブルとは??効果・特徴・費用を解説

農業では常に品質をより良く安心安全な農作物を作ることに取り組んでいます。
その方法は様々ですが、近年注目されている方法の1つとして「ナノバブル」と言われる水を使用した農業です。
この「ナノバブル」は作物に良い影響を与えることが発見されています。
この記事では「ナノバブル」について詳しく解説していきます。

ナノバブルとは?

ナノバブルとは直径がナノメートル(10億分の1メートル)サイズの極微小気泡であり、肉眼では確認できません。また通常の気泡(ミリバブル)とは異なる性質を示すと言われています。


具体的な特徴として、通常の気泡「ミリバブル」は水中で発生し水面に上がれば破裂します。
そしてミリバブルより小さいと言われる「マイクロバブル」はゆっくり水面に上昇し大きさを変えながらやがては破裂します。

対してナノバブルは気泡のまま水中に持続することが特徴であり、マイナスイオンを気泡の周りにコーティングされていることが特徴となっています。

ナノバブルの効果について

ナノバブルは主に4つの特性があると言われており、

  • 洗浄効果
  • 水質浄化・改善
  • 臭気、悪臭の消臭効果
  • 菌、ウイルスの死滅効果

とされています。

この理由として、ナノバブルはマイナス電荷を帯びており水中に存在するプラス電荷を帯びた微細な異物に吸収する力を持っています。
この吸収する力を利用する事と吸着後、最終的にナノバブルが潰れた時に数千℃と数千気圧の圧力が局部的に発生し異物を分解することから、大きな4つの特性があると言われています。

ここまでナノバブルの基礎的な知識について紹介しました。

では農業で実際にナノバブルを使用した際の特徴について紹介します。

ナノバブルの導入コスト

ナノバブルは様々なシーンで使用されており、導入費用はシーンによって様々です。
例えばナノバブルを使用しているシーンで多いのは「シャワーヘッド」です。

ナノバブルを発生させるシャワーヘッドは相場1万円〜2万円となっています。
では実際に農業用のナノバブル導入費用について紹介します。

農業用ナノバブル発生装置の費用

農業用のナノバブル発生装置の価格は設置する規模やサイズにもよりますが、大型の装置であれば50万円〜100万円程度と言われています。
小型の装置であれば50万円以下で導入が可能になります。

あくまでも紹介した費用は参考価格になりますので、具体的な導入費用を知りたい場合は各メーカーに問い合わせるのが良いでしょう。

またメーカによっても導入コストに差が発生します。
できるだけ各メーカーの見積もりを取り、比較しながら検討するのが良いです。

農業用ナノバブルの製品を紹介

実際に農業用で使用するナノバブルの製品を紹介します。

株式会社AURA TECが開発した農業用マイクロナノバブル高濃度酸素水製造装置「オーラジェット」はポンプの給水口に取りつけるだけで劇的に作物の生育が好転する装置です。

主な特徴として、

・溶存酸素量の低い灌水の酸素量を飽和近くまで上げます
・電気を含む一切の動力を必要としないため、メンテナンスがほぼ不要です
・既存のポンプ設備にインラインで容易に設置可能であり、製品も全長70〜200mmと極めて小型で、従来必要であったタンク等も不要です
・価格は従来の自社同等製品の20分の1程度で設置できます
・装置は農業施設で使用されているポンプや灌水方法に合わせたオリジナル設計です

引用:https://e-engei.easy-myshop.jp/c-fpage?fp=mnb-001

オーラジェットを使用した作物に与える影響

オーラジェットは、ポンプに容易に取り付けが可能で水中の溶存酸素を補い健全な根の生育に優れた効果があります。
施設野菜では地下水を使用した潅水を頻繁に行います。
井戸水に含まれる酸素は欠乏しているので土壌が硬くなり根腐れなどの病害にかかり易くなります。
そういった問題をナノバブルを製造できるオーラジェットは解決することができます。

もちろんオーラジェットのみならずナノバブルの発生装置は多種多様な装置があります。

近年で開発された株式会社ナックのモノトランフィルム装置は従来よりも大幅な小型化や省エネルギー化を実現した装置が登場しました。
技術開発が進み、製品によっては水だけでなく粘性のある液体や空気以外のガスも気泡に混ぜられるようになりました。
所有している農地や作物に合わせた装置を使用する事が大切です。

ナノバブルが作物に与える影響

栄養素の集積

農業では作物の生育促進に肥料や農薬などを使用します。
特に肥料は元肥や液肥といった肥料を使用しますがその中に含まれるマグネシウムやカリウムといった栄養素はプラスの電荷を帯びており、ナノバブルはマイナスの電荷を帯びているためそれらの栄養素を集積させる効果があります。

溶存酸素量を増やした土が硬い土壌にも浸透する

ナノバブルのメリットとして「水の表面張力を小さくする」といった点が挙げられます。
ナノバブルを含んだ水は浸透性が高く、硬い土にも染み込みやすくなり栄養の吸収の効率化も期待できます。
また水面に上昇する力が働きにくく、水中に長い時間留まることができます。
結果的に水中の溶存酸素量が高くなり、植物の根へ多くの酸素を供給できるため作物の生育に良い影響を与えます。
特に硬い土壌には効果的であり、高い浸透性を誇るナノバブルは健全な植物の生育に大きく貢献します。

栄養素の運搬

ナノバブルはマイナスの電荷を帯びておりそのため先程説明したようなプラスの電荷を帯びている栄養素を惹きつけることができます。
その結果、栄養の吸収を効率よくでき多くの栄養素を吸収できる植物は丈夫で元気な植物が育ちます。

気体の運搬

農業では人工的に水を送るポンプを使用して地下から組み上げる井戸水を使用していることが多く、含まれる酸素が少ないと言われています。
そのためナノバブルの中にある気体である「空気」や「酸素」を入れることにより植物細胞へ届けることが可能になります

昼間のハウス解放時における二酸化炭素の供給にも応用できる

装置によって空気以外の気体をナノバブル化し養液に混ぜて散布することも可能です。
光合成を促進するには施設内での二酸化炭素の散布が効果的ですが昼間の作業で人の出入りが多く施設を締め切る時間をなかなか作れない場所もあります。

CO2ナノバブル水による灌水なら、ガス散布が難しい状況においても普段と変わらない作業を行い効率的に作物へ二酸化炭素を供給することが可能です。

ナノバブルのこれからについて

ナノバブルの効果はまだ科学的にしっかりと解明できていない部分もありますが、農業ではナノバブルを使用した実験結果などを踏まえた農業の効率化に繋がるデータも集まってきています。

ではこれからナノバブルのこれからについて解説していきます。

ナノバブルのには様々な種類があり、効果も異なる

ナノバブルの生成方法はいくつもあり性質は異なります。ナノバブルには空気・酸素・水素・オゾンなど気体の種類は様々で活用方法も様々です。

まだまだ身近なモノとは言えませんが、バブルの大きさや気体の種類が異なったナノバブルを製造することができれば活用の幅もどんどん広がります。

活躍の幅も広がる

ナノバブルは活躍の幅も広くなってくると言われています。
農業だけでなく、洗濯機・お風呂・洗顔など用途は様々です。また現在は農業のみの使用が一般的ですが家庭菜園での実用も近い未来かもしれません。

ナノバブルは環境にも良いモノですので、ナノバブルの活躍の幅が広がることで環境問題などの改善に貢献します。

まとめ

今回は農業用ナノバブルの効果や特徴、導入費用について解説しました。
ナノバブルはとても便利なものであり私たちの生活の身近なモノになっていきます。
また導入にはそれなりのコストがかかりますが、近年の技術革新によって小型化や低コスト化が進んでいるのも身近なモノになってくる理由の1つと言えます。

「作物の生育の調子が悪い」「土壌の質が落ちてきている」など悩まれている方はナノバブルの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

また「みんなで農家さん」ではナノバブルだけでなく農業で使える情報が掲載されています。
随時更新されていますので、ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/

最後までご覧いただきありがとうございました!

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