女性農業者が急増中!?農業女子プロジェクトの取り組みとは?

農業は力仕事であり女性の方はキツイという印象を持っている方も少なくないかと思います。
農業は女性にとってハードルの高い職業であり、男性が行う職業という固定概念を持っている女性もいるかと思います。
しかし近年では農業を従事する女性の方も増えてきており、「農業女子」と言われるほど注目を集めています。
この記事では女性の新規就農者を増やす取り組みなどを詳しく解説していきます。

なぜ農業を従事する女性が増えているのか?

まず初めに日本で農業を従事する女性が増えてきている割合・理由について解説します。
日本では農業水産省の調査によると「女性の認定農業者の割合」1999年は約2170人でしたが、2019年では約11500人になり、20年間で5倍ほど増加しております。

引用:https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r1/pdf/1-0c_tokusyu2-2.pdf">農林水産省

ここまで女性が増えた理由は様々だと思いますが、「農業に興味を持つ方が増えたこと」「男性の職業という概念がなくなりつつあること」が挙げられます。
また農林水産省では「なぜ農業従事者になろうと思ったのか?」というアンケートもとっており、
・家族で一緒に仕事ができるから
・農業はやり方次第で儲かることができる
などの意見が多くありました。

しかし女性の農業従事者の増加の背景には国が女性農業従事者を支援する「農業女子プロジェクト」という取り組みです。
ここからは「農業女子プロジェクト」について詳しく解説していきます。

農業女子プロジェクトとは?

農業女子プロジェクトとは農林水産省が支援する取り組みで女性農業者が日々の生活や仕事、自然とのかかわりの中で培った知恵を様々な企業に技術・ノウハウ・アイデアなどと結びつけ新たなサービスや商品、情報を創造し社会に広く発信し、農業で活躍する女性の姿を多くの皆様に知って頂くための取り組みです。
引用:農林水産省

農業女子プロジェクトをまとめると、
・全国の農業女子同士を繋げる
・農業女子の声を広く発信する
・企業とコラボすることで農業女子の希望を叶える
・農業女子が抱える問題点を解決する

これまで企業とのコラボによって農業女子の持つ様々な知恵を活かし、多くの商品やサービスが登場しています。
また「農業女子プロジェクト」の取り組みによって農業女子の社会的な存在感を高め、就農を目指す若い女性の増加を図るとともに、農業全体のイメージアップや活性化にも繋がっています。
また農業が抱える問題「人材不足」「担い手不足」「高齢化問題」など様々な問題も解決しています。

また農業を職業にするか悩んでいる女性に実際に農業を従事している女性の生の声を聞くことができ、不安などを取り除くことを目的としています。

農業女子プロジェクト参加資格

公表されている募集要項では募集対象者は「農業を職業とし自らの経営や地域との関わり方などに志をもつ女性で、本プロジェクトの趣旨に賛同する方」と設定されています。
年齢や農家としてのキャリアなどの制限はなく、上記の取り組みに賛同であれば誰でも参加することができます。

またプロジェクトには基本的に北海道、東北、関東などのグループに所属し活動に参加します。
また他にも同じアイデアや志をもつ仲間が集まった様々な有志のグループが作られ、積極的に活動しています。

農業女子プロジェクト活動内容

農業女子プロジェクトの主な活動内容について解説します。
女性農業者と企業の活動で様々な商品やサービスが登場していると先ほど解説しました。
では実際にどのようなモノがあるのか?
実際に2つの例を紹介します。

▼1つ目は建設業界の大手企業とのの開発で腕カバー機能を備えた「ロング手袋」の開発です。
農業では屋外で何時間もの仕事を行います。そうなると太陽の光を浴び続け日焼けを防ぐために黒い腕をカバーする女性は多いですが「ロング手袋」であれば紫外線から腕を守るだけでなく、「土汚れ」「虫刺され」も守ってくれます。また蒸れにくい素材で汗をかいてもすぐに吸収してくれる素材で作られており手袋をしたままスマホをいじることができるなど、現代のスマート農業にも適した作りになっています。

▼2つ目は軽量化した農機具の開発です。
現代では特にスマート農業の進行により、農機具を使用する頻度が増えてきています。
しかし農機具は女性にとって重い物や扱いづらいものなどがあります。
そうした悩みを解決するために「軽量化した草刈機」や「操作しやすい農機具」などの開発も進んでいます。

▼3つ目は大手下着メーカとのコラボであり、作業中でも動きやすく汗を吸収してくれる蒸れにくいインナーです。
農作業中にどんな下着がいいのか?既成の下着で困っていることはないかなどをヒアリングしながら快適に作業を行えるように改良した下着です。
農作業中は「動きにくい」「擦れる」など女性に様々な悩みがあります。
そんな悩みを極力解決していけるような取り組みを行っています。

就農環境改善プロジェクト

また農業をする女性にとって問題となるのが労働環境問題です。
具体的には「トイレの問題」です。
女性にとって周りの目を気にせずに使えるトイレは欲しいという要望が多く、その悩みを解決するために「株式会社レンタルのニッケン」の「女子トイレ開発プロジェクト」です。
2014年に開発された農業女子的トイレは、女性がトイレに求める要素を丁寧に聞きそれらを実現したものとなっています。
具体的にはおかくずを利用したバイオトイレのシステムを採用し、においが少ない上おかくずの交換は1年に2〜3回程度と手入れも楽で使用後のおかくずは有機肥料として使われる「環境に負荷をかけない」作りになっています。

こうした労働環境の支援・取り組みはトイレだけでなく収納棚やドレッサーなどの設備も改善されています。
女性が安心して働く上でより良い取り組みを「農業女子プロジェクト」は目指しています。

女性が農業で働く強みについて

ここまで農業女子プロジェクトについて解説しました。
しかし女性には農業は厳しいという不安を拭えない方もいるかと思います。
そこでここからは女性の強みがどのように農業に活かせるのか?について解説します。

消費者目線での情報収集がしやすい

女性の強みとして情報収集能力の高さです。
これはスーパーなどで買い物をする女性の割合が多いことが理由として挙げられます。
例えば知り合いの主婦に最近の農産物の値段は「消費者にとって高いのか?安いのか?」という情報を得ることができます。
消費者の意見を聞き高いのであれば、肥料や農薬などの経費を抑えその分農産物を少し安くするなど改善をすることも可能になります。
またパッケージやデザインなども普段家事を行っている女性のアイデアは重宝されるものです。
消費者にとって購入しやすい商品を提供することは、消費者の意見を知らなければできないことです。

この情報収集能力は大きく農業に活かすことができます。

コミュニケーション能力の高さ

女性は男性に比べるとコミュニケーション能力が高い方が多く周りの人と結びつきやすいイメージがあります。
生産者同士の情報交換は農業では特に大事なことになってきます。
情報を交換することで全体的な農業の生産技術の向上にも繋がります。

また農業の知見の共有は現代の農業の課題とされており、女性の強みを生かすことで課題を解決することもできます。

細かい配慮

男性にも細かい配慮をする農家さんはたくさんいますが基本的に男性より女性の方がよりきめ細かい配慮をすると言われています。
例えば収穫の際に作物に傷がつかないような配慮、収穫した作物をどのようにしたら消費者の手にとってもらえるかの配慮などの配慮は農業にとても大切になってきます。
また個人経営でも従業員がいれば、悩み事や仕事での相談などはやはり女性の方が相談しやすいと言われています。
そうした点も女性の方がより配慮ができるという点があるからです。

まとめ

この記事では女性が農業に従事するための取り組みや支援など解説しました。
以前は「男性の職業」と言われていたかもしれませんが、農業は女性も活躍できる職業へと変わってきています。
また日本だけでなく世界でも「SDGs」の目標で5番目に掲げられている「ジェンダー平等」の実現でも農業分野に女性が進出しやすい目標が掲げられています。
また農業は機械で行える時代になってきており、女性で働きやすいように「スマート農業」の普及もしています。新規就農で悩んでいる女性の方はぜひ積極的に検討してみてはいかがでしょうか?

また「みんなで農家さん」では女性が新規就農する際にどんな作物を育てたらいいのかという情報なども見つかるかもしれません。農業に関する情報がたくさん掲載されていますので、ぜひご覧ください。
https://minnadenoukasan.life/

最後まで閲覧いただきありがとうございました。

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