「家庭菜園に挑戦して手作り野菜を食卓で楽しみたい!」と考える方は多いのではないのでしょうか?実は、家庭菜園は日本人の約半数が経験しているほど人気の趣味です。
とはいえ、仕事に家事に子育てにと忙しい毎日を過ごしていると、重い腰が上がらず、家庭菜園に挑戦する気も無くなってしまいますよね。
筆者は、先月に家族から畑を譲り受け、家庭菜園を始めました。
ただ、野菜栽培に関しては知識があるだけでほぼ初心者。
そして、日々育児に家事に仕事に追われている身のため、時間的な余裕はあまりありません。加えて、性格は大雑把です。
そのため、ズボラワーママである筆者が実践している家庭菜園は
①基本的に週末のみ作業する
②手順や手間をできる限り減らす
③失敗しにくい野菜を選ぶ
といった方法です。
「初心者でも挑戦したい。」
「忙しくても家庭菜園を楽しみたい。」
という方でも無理せず畑が楽しめるのでおすすめですよ。
この記事では、家庭菜園の挑戦の最初の一歩として【土づくり】について紹介しています。
【土づくり】はその後の作物の生長に影響する重要な作業です。
初心者でも簡単にできるよう、実際にやってみた様子を画像付きで分かりやすく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
家庭菜園に重要な【土づくり】
作物を育てる最初の方法として、種まきや苗植えを想像する方も多いかと思います。
しかし、最初にやるべきなのはその土台である【土づくり】です。
土作りは、野菜が育つ環境作りであり、畑として機能するための土台になります。
雑草を抜いたり耕したりと、体力が必要な上に地味な作業なので正直気が乗らないこともあるはず。
「やらなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながら土づくりをせずに種を撒いても、作物がうまく根を伸ばせず栄養を吸収できないため、大きく育つことは難しいのです。
筆者も面倒ながらも土づくりをやってみましたが、土を掘る感触が楽しく、体を動かすことで良いストレス解消にもなり、とても楽しかったですよ。
まずは、家庭菜園において重要な【土づくり】に挑戦してみましょう。
土づくり前の環境チェックをしよう
土づくりの前に自分の畑の環境を確認しましょう。
元々畑として使っていた土地であれば問題ありませんが、新しく畑として使うときには、「畑に適した環境か」を確認します。
畑の環境を理解することで、作物を栽培するときの失敗を避けることができますよ。
日当たりと雑草の様子をチェック
日当たりと雑草の様子を確認しましょう。
チェックすべきなのは以下の3項目です。
1.日陰にならないか
畑の周りに建物や木がある場合は、日陰になるか確認しましょう。
一日中日が当たらない場所は作物の栽培を避けるか、栽培しやすい小松菜やほうれん草などの丈の低い葉物野菜のみに絞って栽培するなどして対応しましょう。
2.雑草が生えているか
雑草が生えているかも要チェックです。
雑草が生えないような場所は土の状態が良くなかったり、水が貯まりやすかったりと問題がある場所かもしれません。
3.ゴミが土に混ざっていないか
土の中にガラス片やコンクリート片、金属片などが混ざっている場合は避けた方がいいでしょう。
取り除けるレベルのゴミであれば、ていねいに取り除きます。
畑がある場所の地形をチェック
畑がある場所に以下のような特徴がないかチェックしてみましょう。
- 周囲よりも凹んでいないか
- 崖や斜面の下でないか
- 畑が斜面になっていないか
これらの土地は水が集まりやすく、湿度が必要以上に高くなる可能性が高いです。
水はけが悪いと、作物がうまく育たなかったり病気の原因になります。
畝を高くしたり、水を逃がす溝を掘ったりなどの対策をしましょう。
土づくりをしよう1:雑草や石を取り除く
畑の確認が終わったら、土づくりを始めましょう。
まずは、雑草や石を取り除きます。
雑草や石が残っていると、作物の生育の邪魔になるためです。
ただし、この後耕すため、小さい雑草や細かい石程度であればそのままでも構いません。
あまり神経質にならないことも大切ですよ!
怪我をするかもしれないので軍手などの手袋は装着しましょう。
スコップがあれば、一回畑全体を掘り返してから抜いたほうが楽だしその後に耕しやすいです。
筆者の畑は数か月間放置されていた畑だったため、見渡す限り雑草だらけ。
上の画像のように、土が全く見えない状態でした。
2時間ほどかけてひたすら除草し、なんとかきれいになりました。
土づくりをしよう2:肥料を撒いて耕す
畑の雑草や石、ゴミなどを取り除いたら、肥料を撒いて耕しましょう。
肥料とは
肥料とは、作物を育てるための栄養分です。
動物の糞や油粕、落ち葉などの自然界のものからできた【有機肥料】と化学的に作られる【化学肥料】があります。
【土づくり】の面においては【有機肥料】がおすすめです。
有機肥料はゆっくりと良い土を作ってくれる特徴があります。
即効性はありませんが、長期的に作物を育てるサポートをしてくれるのです。
有機肥料は土の中の微生物の餌になり、微生物の種類が増えて作物が育ちやすい土になります。
さらに、ふかふかの土になる働きもあるため、土の通気性や保水性などが高まる効果もあるのです。
初心者には【ペレット堆肥】がおすすめ
有機肥料にもいろいろな種類がありますが、初心者におすすめなのは【ペレット堆肥】です。
【ペレット堆肥】は数種類の堆肥をブレンドしてペレット状に加工したもので、農林水産省も普及を勧めています。
- バランスよくブレンドされている
- 軽くて取り扱いが楽
- 均一に撒きやすい
- 臭いが少ない
- 乾燥しているので保存が効く
- 追肥にも使える
などの特徴があり、初心者でも取り扱いやすい上にコストパフォーマンスが良いのでおすすめです。
さらに、通常の堆肥は撒いてから2~3週間落ち着かせなければなりませんが、ペレット堆肥は少しずつ土の中に溶けていくので落ち着きやすく、撒いてから10日程度で種まきや苗植えなどの作業が可能です。
気が付いたら種まきの時期が過ぎてしまったということは良くあるので、土づくりにかかる期間が短いのは魅力だといえます。
ただし、通常の肥料よりも割高であることが多く、取り扱っていないお店もあるため、難しい場合は通常の有機肥料でも問題ありませんよ!
アマゾンでも販売していますし、私はカインズホームで購入しました。
濃縮堆肥ペレット 15kg | 農業資材・薬品 | ホームセンター通販【カインズ】 (cainz.com)
Amazon | 自然応用科学 おいしい野菜の肥料 2kg | 肥料・土壌改良剤
肥料を撒く
土に肥料を撒きます。
今回使った【ペレット堆肥】の散布量は10aあたり100~200kgです。
規模が大きすぎて分かりにくいですが10aは1000㎡なので、1㎡あたり0.1~0.2kg撒きました。
自分の畑の大きさに合わせて計算してみてくださいね。
袋ごとばーっと撒きました。
ペレット堆肥は軽いので、私のような女性でも撒きやすかったです。
堆肥と一緒に耕す
畑に堆肥を播き、混ぜこむようにクワで畑全体を耕します。
後ろに下がりながら、深さ30センチから40センチほど掘り起こし、よく耕して地を柔らかくし、大きな土の塊を小さく砕きます。
クワの重みで十分耕せるので、腕に力を入れすぎず土を堀っていきましょう。
耕している際に、植物の根っこや石が出てきたら取り除きます!
耕し終わってこのようにふかふかな畑に近づきました。
土づくりをしよう③畝をつくる
耕してふかふかの土を作ったら、畝を作りましょう。
畝とは
畝とは、畑で作物を育てるために直線状に土を盛り上げた部分のことをいいます。
- 管理しやすく作業効率が上がる
- 水はけがよくなる
- 根が張りやすくなる
などのメリットがあり、そのままバラまくよりも失敗が少なく済みます。
ただ盛り上がっているだけに見える畝ですが、その効果は絶大で、畝づくりは必要不可欠な作業です。
畝の大きさや向きについて
畝の大きさは、一般的には幅60~80㎝、高さ10~15㎝です。
ただし、栽培する作物によって変わるので、自分が育てたい作物があればその種の裏に書いてあるおすすめの大きさにしてみてください。
たとえば、ダイコンなどの根菜類は下へと深く根を生やすため、20~40㎝ほどの深い畝がベスト。
また、畝の向きは、南から北に伸ばすように作ると日差しがまんべんなく当たるのでおすすめです。
畝のつくり方①:目印をつける
栽培する作物に合わせた大きさになるように目印を付けます。
杭や木の棒など目印になれば何でも大丈夫です。
畝と畝の間は通路として20~30㎝ほど空けておきましょう。
小さい畑だと目印は不要です。
畝のつくり方②:土を寄せる
クワで土を掘り、目印に向かって土を寄せます。
掘る深さはなるべく均一になるようにして、畝が曲がっていないか確認しながら行ないましょう。
畝のつくり方③:表面を平らにする
土を寄せて山なりになっている畝を、クワやレーキを使って表面を平らにします。
土を強く押さないようにやさしくならしていきましょう。
お疲れ様でした。これで、土づくりは完了です。
家庭菜園に最低限必要な道具を用意しよう
今回の土づくりでも道具を使いましたが、畑作業をするには最低限必要な道具があります。
しかし、最初にはりきって揃えすぎてしまうと、場所も必要になりますし、費用もかかります。
また、使いこなせなかったらもったいないですよね。
ここでは、家庭菜園を始める時にまず購入すべき最低限必要な道具を3つ紹介します。
まずは、最低限の道具のみ用意して、必要であれば買い足していくといいでしょう。
クワ
今回登場しました【クワ】です。
土を耕したり、畝を作る際に使います。
プランター栽培や畑の規模が小さい場合はスコップのみでも可能ですが、効率よく農作業をするにはクワは持っておくべき道具でしょう。
ジョウロ
作物の水やりをする際に使います。
土がえぐれないように均等に水をかけるにはジョウロが最適です。
100円均一で扱っている小さなものでも問題ありませんが、たっぷり水が入る5リットル以上のものだと作業が楽になります。
また、シャワー付きのホースでも代用可能です。
スコップ
スコップには大きいものと小さいものがありますが、小さいスコップ(移植ゴテ)の方が使用頻度が高いです。
苗を植え替えたり土をかけたり土を寄せたりといった細かな作業に使います。
大きな土の塊を細かくしたり、小さな面積であれば耕すことも可能です。
大きいスコップは、土を掘り起こすのに重宝します。
安価な鉄製のものよりはさびにくいステンレス製のものがおすすめです。
その他
軍手:農作業の際に装着すると手の負担が軽減します。
汚れ防止や怪我防止にもつながります。
滑り止め付きのものか、ゴム製の防水のものがおすすめです。
帽子:日よけに使います。
ここ最近は夏以外でも日差しが強く、被っていると体の負担が減ります。
日焼け防止や熱中症対策になるので、とりあえず持っている帽子を被っておきましょう。
長靴:畑の土はふかふかです。通常の靴だと中に泥が入ってしまったり、泥で汚れてしまったり、濡れてしまうこともあるため、長靴があると良いでしょう。
鋤(すき):土を耕したり、雑草や石を取り除いたり、ジャガイモなどの根菜類を掘るときにも重宝します。
クワと使用目的が近いですが、フォークのように先端が細い鋤の方が、軽い力で耕すことができます。
ただ、土を寄せたりかきだすような作業はできないので、その時によってクワと一緒に使うのがおすすめです。
まとめ
「ズボラママが畑に挑戦」の第一歩として土づくりの様子について紹介しました。
余分な雑草や石を取り除いて肥料を撒いて耕し、畝を作る!意外とシンプルで、やってみると楽しい土づくり。
作業も必要な道具もなるべく少なくすることで、気軽に家庭菜園を楽しみましょう。
「初心者でも忙しくても家庭菜園に挑戦してみたい」という方の参考になれば幸いです。
また、「みんなで農家さん」では、農業に関する情報だけではなく、初心者に向けた家庭菜園に関する記事も多く紹介しています。
今後も実際に野菜を栽培していく様子を紹介していくので、興味のある方は、ぜひこちらからチェックしてみてください。
参考:
小林五郎,橋本智明著「育てる・食べる・見る家庭菜園 やさしい土づくり入門」実業之日本社,2006年
加藤哲郎監修「いちばんよくわかる 超図解土と肥料入門」家の光協会,2016年
コメント