収穫したジャガイモを種芋にしてはダメな理由

買ってきたジャガイモがいつの間にか芽が生えてきてしまったという経験はありませんか?

少なからずそういう人はいると思います。

実際に筆者も何度も経験したことがあります。

そんなとき、ふと思ったことはありませんか?

このジャガイモを植えたら、ジャガイモができるのではないか、と。

確かにジャガイモは育ちますが、実はNGな行動でもあるのです。

そこで今回は、食用として購入したジャガイモや、自宅で最後収穫したジャガイモを種芋にしてはダメな理由について焦点を当てていこうとおもいます。

最後までお付き合いください。

収穫したジャガイモを種芋にしてはダメな理由

基本的に自分で育てて収穫したジャガイモは、種芋として使うのは良くないと言われています。

なぜかというと収穫したジャガイモが病気の原因となるウイルスや細菌に感染していたり、害虫が付着していたりする可能性があり、種芋を介して次世代にもその病害虫を受け継いでしまう可能性があるからなのです。

それまでその畑で発生したことのない病害虫が、収穫したジャガイモを種芋として持ち込むことで、以後発生するようになることもあります。

特に病気に感染しているかどうかは外見では分かりません。

食用に売られているジャガイモに関しても、人体に影響のないものであれば病原菌に感染していることがあるため、種芋として使用するにはリスクを伴います。

ですので、基本的には自分で収穫したジャガイモや、食用に購入して芽が生えたジャガイモを種芋にするのは止めましょう。

種芋の選び方

ジャガイモには、驚くほどたくさんの品種があります。

春ジャガイモか秋ジャガイモかでも選ぶ品種が異なりますし、育てやすい品種とそうでない品種もあります。

世の中によく知られているのは、男爵薯、メークインあたりかと思います。

日本で栽培され食べられている品種のほとんどが、男爵薯と呼ばれる品種で、ゴツゴツとした見た目に丸い形が特徴的です。

男爵薯は、ジャガイモの中でも特に人気があります。

その人気の理由はなんといっても育てやすさです。

また、育てやすさのほかに、環境に対して適応性も高く、どこでも栽培ができます。

収量も多く、収穫後の貯蔵性も高く、生産者から消費者まで幅広く支持される品種です。

メークインは男爵薯と並んで2大品種と言われ、こちらも人気がある品種です。

見た目はやや細長の形をしていて、表面は凹凸が浅いので、皮がむきやすいです。

男爵薯はホクホクとした食感ですが、メークインはなめらかな舌触りが特徴です。

長時間煮込むような料理でも煮崩れしにくいため、煮物向きの品種ですので、料理によって使い分けることがあります。

また、ほんのりとした甘みがあり、低温で貯蔵すると甘みが増します。

収穫量は男爵薯より多いですが、イモの揃いにはバラつきがあります。

さて、前置きはここまでにしまして、本題に入りたいと思います。

種芋な選び方についてですが、やはり丈夫で育てやすく、病害虫に耐性があり、立派なおいしいイモが収穫できるものを選びたいですよね。

そんなワガママな品種があるのか不安になりますが、ジャガイモも長い年月をかけて改良されてきています。

その中でもお勧めなのが、キタアカリやトヨシロといった品種です。

これらは疫病への耐性があるため、病気にかかる不安が減ります。

また、古くから育てられてきている、男爵薯やメークインといった品種も、たいへん育てやすくおいしいのでお勧めです。

春ジャガイモと秋ジャガイモ

春にジャガイモを育てるのであれば、男爵やメークイン、キタアカリなど、ほとんどの品種が選べます。

しかし、秋にも育てて1年中収穫したものを食べたいという場合はきちんと品種を選ばなくてはいけません。

秋ジャガイモとして育てる場合は、休眠が浅いものでないと、芽も出ずに終わってしまうことがあるからです。

ですので、デジマやアンデスレッド、ニシユタカのような休眠が浅いものがお勧めです。

!ワンポイント!

ジャガイモの休眠期間とは?

ジャガイモの収穫後に新たな芽を出すまでに必要な期間のことです。

休眠期間が長いものを秋植えすると、芽が出るのに時間が掛かり、収穫期を迎える前に冬がきてしまいます。

種芋の大きさは?

では次に、購入するときに、おすすめの大きさはどのくらいなのかが気になってくるかと思います。

お店に並んでいる種芋を見てみると、同じ品種でも大きさに差があることがあります。

こういった場合、大きめのものを選ぶ方のか、小さめのもの選ぶべきか迷います。

春栽培の場合は、タネイモが大きくても、切って植え付けることができますが、秋栽培は腐敗の可能性があるため、タネイモを切ることはあまりしません。

ジャガイモの種芋は、大きい方が育ちも良いのですが、60g以上の重さになると、収量にはほとんど差がでないそうです。

かといって、小さければ小さいほど良いというわけでもありません。

最低ラインはだいたい40gが目安です。

 良い種芋の条件は、

・皮にハリがある

・持ってみると重みがある

・芽の出ている位置がばらけている

・休眠から覚めて芽が出ている

・芽の色が濃緑~黒っぽい紫

などです。

ウィルス病に感染していないのは大前提ですので、必ずお店で購入するようにしましょう。

種芋を購入したら〜栽培までの手順〜

①芽出し(浴光催芽)

種芋は少し早めに購入して、芽出しをしておくとスムーズに生長します。

雨がかからず、弱い光が当たり、15度前後の温度が保てる場所に、2〜3週間ほど並べて置いておきます。

強い光を当て続けると高温になる恐れがあり、また、暗い部屋だと白い芽が出て徒長してしまうため、置く場所には注意が必要です。

イモの表面がやや青くなり新芽が出てくれば、芽出しの完了です。

(芽の色は黒っぽいモノや緑色、紫色など品種によって異なります。)

②切って乾かす

種芋は、芽の数が均等になるように切断します(縦切りの方が発芽が揃いやすい)。

目安は1片40〜60g。40g以下の小さい芋は切らずにそのまま使います。

切り口がぬれていると腐りやすいため、風通しが良い場所に2〜3日置いて、切り口がコルク状になるまで乾燥させます。

また、植え付け直前に切り分け作業をする場合は、切り口に「草木灰」をまぶして植えます。

植え付け後の腐敗を防ぐ効果があります。

※秋栽培の場合は、腐敗の可能性があるため、切らずに使用できるものを購入できると◎です。

③植え付け

株間30cmで深さ10cmの穴を掘り、切断面を下(または逆さ植え)にして植え付けます。

植え付け後の水やりは不要です。

※春栽培の場合は、霜よけに不織布などでトンネル掛けをしておくと安心です。(遅霜の心配がなくなったら撤去します。)

④ジャガイモの逆さ植え

ジャガイモは通常、切口を下に向けて植え付けますが、逆さに植えることで病気に強いジャガイモが育ちます。

種芋の芽は表面に付いているため、切口を下にする普通の植え方だと芽が付いた方が上になり、芽は自然に上に伸びて成長します。

一方、逆さ植えにした場合、芽は一度下に伸びた後、上へ向かって伸びることになるため、弱い芽は成長を止めて強い芽だけが生き残ります。

このストレスによって、株全体の抵抗性が高まり、病害虫に強くなります。

※科学的解明はされていません。

また、通常植えに比べて、芽の数は少なくなりますが、生育旺盛で大きなイモが多くなります。

⑤発芽したらマルチに穴あけ(マルチ栽培の場合)

芽が出る箇所に穴を開けて、芽を外に出します。

マルチで覆われたままだと、芽が抑えつけられて成長に影響を及ぼすのに加え、太陽光で熱くなったビニール熱により芽がダメになってしまうので注意です。

⑥芽かき(間引き)

芽が伸びて草丈10cmくらいになった頃、1つの種芋から芽が多く出ていたら、生育のいい1〜2本を残して芽かきをします。

芽かきの際には、種芋ごと引き抜いてしまわないように、株元の土を押さえながら行いましょう。

⑦土寄せ・追肥

土寄せは2回に分けて行います。

※マルチ栽培の場合は、土寄せをする必要はありません。

草丈が15cmくらいに生育した頃、1回目の土寄せします(半培土)。

株元を中心に5cmほど土を盛ります。

土寄せと同時に、株元に追肥を施します。

1回目の土寄せから2〜3週間後に、2回目の土寄せをします(本培土)。

さらに5cmほど土を盛ります。

土寄せが不十分だと、イモが露出して緑化する原因となります。

また、土寄せは、地温・水分条件を調節して生育を促したりなど、重要な作業の1つです。

⑧収穫

地上部の茎葉が黄色くなり、枯れて倒れてきたら収穫の適期です。

雨が降っていたりすると、ジャガイモに泥が付いて保存中に腐りやすくなるため、天気がよく、土が乾いている日に掘り上げます。

春栽培では梅雨の前に収穫しておきましょう。

!ワンポイント!

花は早めに摘むこと

花が咲く頃に、土中のジャガイモが太りだします。

花に養分がとられないように、咲いている花を見つけたら摘んでおきましょう。

まとめ

なぜ食用のジャガイモを種芋にしてはいけないのか、理解を深めることができましたでしょうか?

もし病気に感染していた場合や害虫がいた場合、私達の体には影響はなくても、畑に大きなダメージを残してしまうとは、想像をしてはいなかったと思います。

もし食用のジャガイモに芽が生えてしまった場合でも、芽の部分をしっかりと取り除いて食料として使用し、栽培には種芋も使用して安心安全なジャガイモを育てましょう。

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