あなたは「プラントベースフード」を知っていますか？
「名前は知っているけどどのようなものかはあまり知らない」という方も多いのではないでしょうか？しかし、プラントベースフードは現代では非常に注目されており、多くの健康効果があることから様々なシーンで利用されています。
今回はプラントベースフードとはどのようなものか、どのようなメリットがあるのか解説していきます。
プラントベースフードとは？
プラントベースフードとは、動物性の食品を含まず、植物性の食品のみから構成された食事のことです。近年、プラントベースフードを取り入れる人が増えています。それは、健康的で環境にも優しく、動物の命を守るためでもあります。
プラントベースフードの特徴
プラントベースフードの特徴は、植物性の食品が中心であることです。野菜、果物、穀物、豆類、ナッツ、種子など、多様な植物性の食品を摂取することが大切です。また、動物性の食品が含まれないため、脂肪やコレステロール、飽和脂肪酸などが少なく、糖質や食物繊維が多く含まれています。
プラントベースフードの種類
プラントベースフードには、ヴィーガン、ベジタリアン、フレキシタリアンなどの種類があります。ヴィーガンは、動物性の食品を一切摂取せず、ベジタリアンは、卵や乳製品を摂取することができます。フレキシタリアンは、時には肉や魚を摂取することもあるけれど、普段はプラントベースフードを中心に食事をしています。
プラントベースフードがもたらす健康効果
プラントベースフードは、多くの健康効果があります。まず、総合的な栄養バランスがよく、ビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質などが豊富に含まれています。これらは、生活習慣病の予防や改善に効果があります。
また、プラントベースフードを摂取することで、肥満や高血圧、糖尿病、心臓病、がんなどの病気のリスクが低くなるとされています。さらに、消化器系の健康にも良い影響があり、腸内環境を整えることで免疫力を高める効果も期待できます。
プラントベースフードのメリット
プラントベースフードを摂取することには、多くのメリットがあります。ここでは、その代表的な5つのメリットについて説明します。
心臓病、糖尿病、がんなどの慢性疾患のリスク低減効果
プラントベースフードを中心とした食生活は、心臓病、糖尿病、がんなどの慢性疾患のリスクを低減する効果があります。これは、プラントベースフードが含むビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノール、カロテノイドなどの栄養素によって、体内の酸化ストレスや炎症を抑え、健康維持につながるからです。
例えば、ビタミンCやE、カロテノイドは、体内で発生する活性酸素を除去し、動脈硬化や冠状動脈疾患、糖尿病のリスクを低下させることが知られています。また、食物繊維は、腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑制することで、コレステロール値を下げる効果があります。
消化器系の疾患、炎症性腸疾患などを防止・改善
プラントベースフードを摂取することで、消化器系の疾患や炎症性腸疾患を防止・改善する効果があります。野菜や果物に含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、便秘や下痢などの症状を緩和する効果があります。また、豆類に含まれるイソフラボンは、大腸がんや乳がんの発生リスクを低下させることが報告されています。
環境問題に取り組むことができる
プラントベースフードを食べることは、環境問題に取り組むことにもつながります。畜産業は、温室効果ガスの排出や水資源の浪費、森林破壊などの環境問題を引き起こしています。一方で、植物性食品は、これらの環境問題に対して負荷をかけることが少なく、地球環境に優しいとされています。
また、プラントベースフードは、動物性食品と比較して水の使用量が少なく、土地の利用効率が高いため、持続可能な食生活の実現につながるとも考えられています。
コレステロールの低減効果
プラントベースフードには、動物性食品に含まれる飽和脂肪酸が少ないため、コレステロールの低減効果があります。特に、植物油に含まれる不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールを下げることが知られています。
また、プラントベースフードには、コレステロールを排出するための食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整えることで、コレステロールの排出を促進することができます。
ビタミン、食物繊維などの栄養素を摂取できる
プラントベースフードには、ビタミン、ミネラル、食物繊維、カロテノイド、ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。例えば、ビタミンCは、免疫力を高め、抗酸化作用を持っています。ビタミンEは、動脈硬化の予防に効果があります。食物繊維は、腸内環境を整え、便秘や下痢の改善につながります。カロテノイドやポリフェノールは、炎症や酸化ストレスを抑え、健康維持に役立ちます。
プラントベースフードのデメリット
プラントベースフードは、健康や環境に対するメリットが多いことがわかりました。しかし、一方でデメリットもあります。以下では、プラントベースフードのデメリットについて見ていきましょう。
食事バランスが偏りやすい
プラントベースフードには、植物性たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれていますが、一方で不足しがちな栄養素もあります。例えば、動物性食品に多く含まれるビタミンB12やD、鉄、亜鉛などです。これらの栄養素が不足すると、貧血や骨粗しょう症などの健康問題が生じることがあります。
また、プラントベースフードには糖質が多く含まれることがあるため、糖尿病や肥満のリスクが高まることがあります。そのため、プラントベースフードを選択する場合には、食事バランスを考慮し、必要な栄養素を摂取できるように工夫する必要があります。
時間や手間がかかる恐れがある
プラントベースフードを選択する場合、食材を準備することや、調理することに時間や手間がかかることがあります。特に、全粒穀物や豆類、ナッツなどの食材は、調理に時間がかかる場合があります。また、素材の繊維質が多いために噛む回数が増えることから、咀嚼力に不安がある人は苦労するかもしれません。
必要な食品を選択するための学習が必要となる
プラントベースフードを取り入れるには、どの食品を選ぶかを理解する必要があります。たとえば、肉類、魚介類、卵、乳製品などの動物性食品は避ける必要があります。代わりに、豆類、ナッツ、種子、野菜、果物などの植物性食品を食べることが必要です。
しかし、植物性食品の中でも、どの食品がどの栄養素を豊富に含んでいるかを理解することが重要です。たとえば、タンパク質は肉類だけでなく、大豆製品や豆類、ナッツ類、種子類などの植物性食品からも摂取できます。カルシウムは、牛乳だけでなく、葉物野菜、豆類、ナッツ類などからも摂取できます。
プラントベースフードのメリットと同様に、食品の選択についても、情報を収集し、学ぶことが必要です。オンラインや書籍などで情報を集め、植物性食品の栄養素や調理法を学び、バランスの良い食事を摂取することが大切です。
また、個人差もあるため、自分に合った栄養素の摂取量やバランスは、栄養士や医師と相談することが望ましいでしょう。
プラントベースフードを取り入れるためのコツ
プラントベースフードを食生活に取り入れることで健康や環境への貢献が期待できますが、初めて取り入れる場合には何を食べたらよいのか、どう調理したらよいのか分からないという人も多いでしょう。そこで、プラントベースフードを食生活に取り入れるためのコツを紹介します。
プラントベースフードの食材の調達方法や保存方法
プラントベースフードには、野菜、果物、豆類、穀物など様々な食材が含まれます。これらの食材を調達する際には、スーパーマーケットや八百屋、インターネットでの購入など、様々な方法があります。
また、プラントベースフードの食材は保存方法にも気を配る必要があります。例えば、野菜は湿気を避け、冷暗所で保存することで鮮度を保つことができます。果物も同様に、冷蔵庫で保管することが望ましいです。豆類や穀物は、密閉容器に入れ、直射日光を避け、常温で保存することができます。
料理のバリエーションを増やすための工夫
プラントベースフードは、野菜や果物を中心に、豆類や穀物など多彩な食材が使われています。これらを使った料理のバリエーションを増やすことで、飽きずに食べ続けることができます。
例えば、野菜をスープやサラダに加えたり、揚げ物や炒め物に使ったりすることができます。豆類は、煮込みやスープに使ったり、パスタやサラダに加えたりすることができます。穀物は、ご飯やパン、スープなどに使うことができます。これらの食材を組み合わせ、オリジナルのレシピを作ることもできます。
代替肉製品や代替乳製品の選び方や使い方の注意点
プラントベースフードには、代替肉製品や代替乳製品を使用することで、肉類や乳製品の消費を減らすことができます。しかし、これらの代替品にも注意が必要です。
まず、代替肉製品には、大豆、豆腐、麩、野菜、マッシュルームなどのプラントベースの材料を使用したものがあります。これらの製品には、ビタミンB12や亜鉛、鉄分、カルシウムなど、肉類に含まれる栄養素が不足している場合があります。 そのため、代替肉製品を使用する場合は、必要な栄養素を他の食品から摂取するように注意が必要です。
代替乳製品には、大豆、アーモンド、オートミルク、ココナッツ、米などのプラントベースの材料を使用したものがあります。しかし、これらの製品には、牛乳に含まれるタンパク質やカルシウム、ビタミンB12が欠けている場合があります。そのため、代替乳製品を使用する場合は、栄養バランスに気を配るようにしましょう。
外食時のプラントベースフードの選び方
外食時にプラントベースフードを選ぶ際には、メニューの説明をよく読み、肉や乳製品が使われていないか確認することが重要です。また、サラダや野菜スープなど、プラントベースの料理があるか尋ねることも効果的です。
一方で、調理法にも注意が必要です。例えば、油で揚げたり、バターやチーズなどの高脂肪の調味料を使用したりする場合があります。これらの調理法は、健康に悪影響を及ぼすことがあるため、避けることが望ましいです。
また、外食時には量が多い料理が提供されることがあります。プラントベースフードであっても、カロリーオーバーにならないように、適量に注意しましょう。
まとめ
プラントベースフードは、健康や環境に良いとされる食事法です。プラントベースフードを取り入れることにより、心臓病、糖尿病、がんなどの慢性疾患のリスク低減や、消化器系の疾患、炎症性腸疾患の防止・改善、環境問題に取り組むことができます。また、ビタミンや食物繊維などの栄養素を摂取することができます。
ただし、プラントベースフードを取り入れる際には、食事バランスが偏りやすい、時間や手間がかかる恐れがある、必要な食品を選択するための学習が必要となるなどのデメリットもあります。
プラントベースフードを取り入れるためのコツとしては、食材の調達方法や保存方法を知る、料理のバリエーションを増やすために工夫する、代替肉製品や代替乳製品の選び方や使い方の注意点を把握する、外食時にもプラントベースフードを選ぶように心がけるなどがあります。
プラントベースフードを取り入れることで、健康や環境に良い影響を与えることができます。ただし、自分に合った食事法を見つけることが重要です。
コメント