知っていましたか?
日本には数多く、危険生物が存在しているのです。
油断して近づいたり触れたりすれば、それだけで致命傷になることだってあります。
生き物の動きが活発になる春や、
薄着で山や海などへ出向く人が多くなる季節が近くなってくると
各種メディアでも、危険生物についての情報が報道されるようになります。
そんな中でも、近年注目を浴びている危険生物の一種が「マダニ」。
ちなみに、マダニ自体は外来種ではありません。
元々日本全国に古くから定着している生き物なのです。
マダニによる被害が近年増加の傾向にあります。
対策をしっかり覚えておき、被害を防止しましょう。
目次
1.危険!マダニに気をつけろ!
2.マダニが引き起こす症状
2-1.①重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2-2.②ライム病
2-3.③ツツガムシ病
3.徹底防御!マダニ対策
3-1.そんな装備で大丈夫か?マダニ対策の装備
3-2.マダニの潜んでいる場所
3-3.帰宅後の注意!
4.万が一マダニに噛まれたら?
5.まとめ
1.危険!マダニに気をつけろ!
油断は禁物です。マダニは人間のいる隣にすぐいる生物なのです。
民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などに生息しています。
草花の葉の裏など、植物にくっついていることが多いです。
また、野生動物が出没するような環境に、多く生息しているという傾向があります。
これはマダニがシカやウサギ、イノシシなどの血を吸血するためです。
まるでドラキュラの様ですね。
近年はマダニの被害が増加している原因。
それは、野生動物が関係しています。
ハンターの高齢化で駆除される動物が減少したこと。
林業が衰退してしまったために、山の管理がされなくなったりしたこと。
これっらの理由があり、シカやイノシシ等の個体数が増加してしまったのです。
増加しすぎた野生動物は生息範囲を拡大。
田畑や民家の近くまで野生動物が出没するようになったのです。
野生動物の出没に伴ってマダニの生息範囲も拡大してしまいました。
人間の活動するエリアとマダニの生息エリア。
この二つのエリアに、重なる部分が大きくなってしまったのです。
さらに、植物にくっついているケースが多いため…。
被害に遭うのは、植物に触れる機会が多い農作業中が多いとされています。
農作業中には、足だけでなく手や首まで植物に触れることが多いですよね。
知らないうちにマダニに吸血されてしまう、というわけです。
一度咬みついたマダニは長時間に渡って吸血を続けます。
ときに10日以上にもわたって吸血するということもあるのです。
吸血前の何倍もの大きさに腫れ上がってしまうこともあるのです。
さらに、咬みついたマダニを無理に引き離してしまうと…。
なんと、マダニの一部が体内に残ってしまうのです。
恐ろしいですよね…。体内にこんな迷惑な生物が残るなんて恐怖そのものです。
決して自分で処理せず、医療機関で適切な処置をしてもらいましょう。
マダニに咬まれた後は、発熱等の症状に要注意。
もしも、体調に異変を感じたら、すぐ医療機関へ相談しましょう。
2.マダニが引き起こす症状
マダニに咬まれてしまうと感染症を引き起こしてしまう可能性があります。
特に恐ろしい症状が三つあります。
①重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
②ライム病
③ツツガムシ病
それぞれ解説しましょう。
2-1.①重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
マダニが媒介する感染症の中で、最も恐ろしい感染症の一種です。
咬まれてから6日~2週間程度の潜伏期間を経て発症していきます。
なんと、まだ新しいウイルス感染症であるため、治療薬がないのです。
それゆえに、「致死率が高い」という特徴があるのです。
もっとも、マダニに噛まれてもSFTSを発症するケースは少ないのです。
しかし、2013年には40人のSFTS患者が報告されています。
さらに、そのうち13人が亡くなっています。
発熱・下痢・嘔吐・全身の倦怠感が主な症状。
これらの症状は他の感染症と類似点が多いのです。
そのため、初期にはSFTSだと診断されないということも難点です。
2-2.②ライム病
マダニに咬まれた後に、数日から数週間の潜伏期間を経て発症します。
感染の初期段階では、マダニの咬み跡に紅斑が出てきます。
さらに、風邪やインフルエンザに似た症状が発生します。
〈ライム病の主な症状〉
・リンパ節の腫張
・筋肉痛
・関節痛
・頭痛
・発熱
・悪寒
・倦怠感
などが主な症状として挙げられます。
悪化すれば関節炎や筋肉炎、不整脈などの症状が出ます。
さらに感染から数ヶ月~数年後には…
・慢性萎縮性肢端皮膚炎
・慢性関節炎
・慢性脳脊髄炎
・角膜炎
このような重病を引き起こす可能性もあります。
何度も何度も襲ってくるというのは迷惑極まりないですよね。
2-3.③ツツガムシ病
ツツガムシとはダニの一種。
咬まれた場合、10日~2週間の潜伏期間を経て、
悪寒を伴う39℃以上の発熱が起こります。
・頭部や全身の倦怠感
・咬まれた場所を中心とする発疹
・リンパ節の腫れ
これらの症状もあります。
播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群を発症することもあります。
さらに、重症化すると死に至ることすらあります。
3.徹底防御!マダニ対策
様々な感染症を引き起こす恐怖の害虫マダニ。
活動が盛んな春から秋にかけては特に要注意。
農作業などの、屋外活動後は刺されていないか確認しましょう。
マダニ対策の上で大切なこと。
それは、マダニを肌に触れさせないことです。
ここでは、マダニの被害対策を解説しましょう。
3-1.そんな装備で大丈夫か?マダニ対策の装備
草むらや藪など、マダニの生息する場所に入る場合には、
まず服装に注意しましょう。
長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用しましょう。
「肌の露出を少なくすること」が鉄則です。
裾からが入りこみにくいような服装を装備しましょう。
〈マダニ類から身を守るための衣服のポイント〉
・マダニ類が付着しにくい
・衣服へ付着したマダニ類が皮膚へ到達しにくい
この二つが衣服選びのポイントです。
衣服の生地は、毛羽立ってモコモコしているとマダニ類が付着しやすくなります。
目の細かいスベスベしたものがオススメです。
さらに、淡い色の生地であれば「付着したマダニ類が目立つ」というメリットもあります。
もちろん、マダニに気づいたらすぐに排除しましょう。
マダニ生息地では、長ズボンを着用しましょう。
さらに、ズボンの裾を靴下の中に入れ、足元の守りを固くしましょう。
さらに、シャツの裾もズボンの中に入れましょう。
つなぎの服や長靴を着用すれば、より防御力を高めることが出来ます。
マダニ類がズボンや靴に付着したとしても、
入口が塞がれていれば、簡単に皮膚へ到達できなくなります。
衣服に付着したマダニ類の多くは、衣服の下へ潜入して皮膚を目指します。
つまり、「マダニ類を衣服の下へ潜入させない!」ことが大切です。
靴も最適な物を選び防御を固めましょう。サンダルなどはNG。
長靴か、最低でもくるぶし程度まである靴を履くようにしましょう。
ちなみに、マダニ類の被害は、暖かい季節に多発します。
寒い季節には多くありません。
これは、寒い季節にマダニ類が少なくなるからではありません。
人々が厚着になることと山林へ行く機会が減ることが要因と思われます。
3-2.マダニの潜んでいる場所
マダニ類は、下草や地表などといった低い位置に多く潜んでいます。
そうして、吸血源となる動物がやってくるのを待ち構えているのです。
ちなみに、マダニ類は、ヒトの頭部へ食いついた状態で発見されることが多いです。
そのため、「木の上からマダニ類が落下して頭部に食らいついている」と
思う人も多いでしょう。…しかし、それは誤解です。
マダニ類は、付着した後、吸血に適した部位を求めて徘徊します。
徘徊し、好みの部位を見つけると食いついて吸血します。
つまり、マダニ類は最初に付着した部位から吸血するわけではないのです。
東日本に多いヤマトマダニの成虫は、地表付近に生息しています。
頭部へ好んで食いつく性質があるのです。
そのため、「木の上からマダニ類が落ちてくる」という誤解が生じている可能性があります。
マダニ類は乾燥に弱い生物です。
実は、乾燥しやすい樹上はマダニ類にとって苦手な環境です。
3-3.帰宅後の注意!
帰宅したら、上着などの作業着は屋内に持ち込まないようにしましょう
ガムテープなどで服に付いたダニを除去すること。これが大切です。
衣服等に付着したマダニ類が、野外から屋内へ持ち込まれてしまうケースがあるからです。
屋内には衣服は持ち込まず、衣服を脱いで着替えましょう。
さらに、脱いだ衣服を天日干しにするか乾燥機に入れてしまうことをオススメします。
マダニ類は乾燥に弱いのです。よく乾かすことにより確実に殺虫できます。
さらに、できるだけ早くシャワーを浴びるか入浴しましょう。
自分の身体にマダニ類が付着していないかを要チェック。
目視でのチェックも大切ですが、マダニ類は見にくい部位によく食いつきます。
なので、手で触ってはじめて気づくというケースもあります。
ちなみに、入浴しても、食いついたマダニ類が皮膚から離れるというわけではありません。
万が一、怪しい症状が出たらすぐに病院に問い合わせましょう。
3-4,マダニ忌避剤を活用しよう!
マダニ忌避剤として、ディート(DEET)という化合物がよく活用されます。
一定濃度以上のディートを使用することで、
マダニ類の探索行動に対する防御作用があるからです。
つまり、衣服や靴の上、
あるいは肌の露出部分にマダニ忌避剤をスプレーで吹きかけると効果的です。
ディートは、厚生労働省が推奨している虫よけ剤の成分。
これを含む虫除けスプレーは薬局などで市販されています。
ちなみに、ディートはよく効くのですが、汗などで流れやすいという欠点があります。
定期的に何度も吹きかけましょう。
さらに、国内で承認認可されたばかりのイカリジン。
これにも、マダニ類に対する忌避効果があるそうです。
4.万が一マダニに噛まれたら?
マダニに咬まれてしまったら自分で処理してはいけません。
皮膚科などへ行きましょう。
前述の通り、無理やりマダニを排除しようとすれば…。
マダニの一部が体内に残ってしまうからです。
ちなみに、ネットにはマダニに咬まれた場合の処置などが紹介されています。
しかし、感染症対策の観点からも、病院へ行くのが無難と言えます。
めんどくさがって、自己処理で済ましてしまうのは厳禁です。
後々で、重篤な結果を引き起こすおそれがあります。
5.まとめ
今回は「マダニの対策」でした。
油断して咬まれてしまうと恐ろしい感染症の元となります。
農作業時は万全の装備を整えましょう。
「大丈夫だ、問題ない。」状態で挑むことが大切です。
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