日本の農家が常に頭を抱える問題、TPPとは?

日本の農業の問題は今に始まったことではありません。
長年言われている問題から、近年深刻化してきた問題まで様々です。

しかし、日本の農家は自然環境問題や食料問題など多くの問題に少しずつ適応してきました。
一方、昔から変わらずに抱えている問題も多くあり、解決が難しくなっています。

本記事では、日本が抱えている問題、解決策を中心に「現役農家」「これから就農する方」「農業への転職を考えている方」はぜひ参考にし日本が抱える問題にどう対処するか考えてみてください。

日本の農家が抱えている問題とは?

日本の農業が昔から抱えている問題は多くありますが、その中でも深刻化が進んでいる問題を紹介します。

①高齢化による人材不足

農業の人材不足、高齢化問題は昔から常に指摘され続け政府も様々な政策を打ちましたが未だに改善の糸口が見えない問題になっています。

なぜ人材不足が起こるのか?

それは農業だけでは生計を立てられない「低収入」、日本の「高齢化」に歯止めがかからないのが1番の問題です。
また専業農家の方は「低収入」の比率が多く、兼業農家の方も増えています。

また人材不足のもう1つの原因は農業の機械化、薬品や生産技術の工場により人手がいらなくなった事です。
日本の国土は世界の国土と比較すると小さく農地の面積も小さくなってます。
よほどの大規模農家であれば機械だけでまかなう事は難しいですが、小規模農家などは機械
で補う事はできます。
また農地があるのは基本的に広大な土地があり水周りなどが整備されている所がほとんどです。都市部には広大な土地はがあったとしても、ビルや商業施設が立ち並び、農地がほとんどありません。
しかし近年は若い世代を中心に都市部への移住が多く農家をする人が減っている為、若年層を中心に農業への関心が薄れているのが現状です。

②莫大な費用がかかる

個人経営での農業をするには最低限の機械を揃える必要があります。
農業で使用する機械はお世辞にも安いとは言えません。農業の種類にもよりますが数万円〜数百万円は必要になってきます。
機械を使わず手作業で行える農家さんもいますが、同じ作物を機械で収穫している競合農家には効率で劣ってしまいます。
栽培できる農作物も減る為、必然と収入の減少は避けられないのです。
その結果、農業に新規参入する方が減ります。

③後継者が育ちにくい

農業は基本的に自然との勝負です。
気候・気温が毎年同じではなく土の状態、農作物の育ち方も様々です。
その結果、「このようにすれば必ず成功する」といった方法はないのです。
その為、後継者への技術を継承するのはかなり難しくなります。

機械などの技術はある程度継承可能ですが、技術の継承が難しい為機械に頼らざるおえなくなり結果的に他の農家との差別化ができない状態により収入をあげる事が難しくなってきます。

以上3つは特に問題になっているポイントです。

日本の農家問題の対策について解説

日本の農家が抱えている問題について紹介しました。
ここではこの問題についてどう向き合っていくかを解説します。

就農環境や労働条件の改善

人手不足を解消するために行う条件として就農環境や労働条件の改善が挙げられます。
例えば就農環境であれば、農業を始める為の補助金や就農をよりしやすくなる為の窓口を作る事です。
現在は農林水産省でも新規就農者を応援する活動がされており、就農に関する情報が集まる「新規就農相談センター」や「農業をしたいけど、相談したい」と言う方に就農体験や利子がないお金の援助など様々な情報が載っています。

また、労働条件での改善策では、労働基準法の適用が効果的だと考えられています。
農家は一般的に労働基準法の適用外になっています。

なぜ適用外なのか?
農業は主に天候によって労働時間や労働環境が変化する仕事だからです。
なので休憩や休日などは一般的に自由として考えられています。

これは人手不足に影響していると考えられています。
もちろん適用外でメリットもありますが、現在は多くの農家が一般の企業と同じく労働基準法適用に向けて動いています。

補助金や支援制度の充実

農家を始めるには少なくとも一般の法人よりお金がかかる上に儲かるには時間がかかります。そこで補助金や支援制度の充実が効果的だと考えられています。
先程就農に関しての補助金を話しましたが、それ以外にも設備投資の補助金や自然災害によって被害を受けた農家への補助金の割り増しも考えられています。
また支援制度に関しては、人手不足を補う為人材派遣会社との連携や農業を学ぶ為の研修や学校の充実などの支援が必要になってきます。

後継者不足の解決策

後継者不足に関しては、農業自体の生産工場、技術の発展が進んでいるので解決はかなり難しい問題となっています。
例えば一般の企業であれば、後継者マッチングサイトなどネットを活用して後継者を探すこともできますが、農業は技術がとても大切になってくる仕事です。
対策としては早いうちから育成を始め、現場での経験など仕事を覚えさせることが唯一の対策と言えるでしょう。

TPPとは?

ここまで日本の農家の問題、対策について解説しました。

ここではTPPについて解説します。そもそもTPPとは?TPPが農業の問題と関係があるのか?についても紹介します。

TPPとは「環太平洋パートナーシップ協定」の事を指し、参加国は「オーストラリア」「ブルネイ」「カナダ」「チリ」「日本」「マレーシア」「メキシコ」「ニュージーランド」「ペルー」「シンガポール」「アメリカ」「ベトナム」の12カ国がバランスのとれた協定を目指し進められた経済連携協定です。

この協定の主な目的は貿易の障害となる関税や投資の障害などをなくし、共通ルールを作る事を目的とした協定です。

参加するメリットとしては、日本の製品を売りやすくなる事です。
しかしデメリットも挙げられ関税が撤廃される為、安い商品や農産物の輸入が増え、国内の農林水産業の売上が減少し、厳しい状況になると言われています。

ここで被害を受けたのが農家だと言われています。
次に農家とTPPの関係について紹介します。

TPPが農家に与えた影響とは?

TPPによって日本の農業に大きな影響を与えるのか?

先程「TPPとは?」の章で関税撤廃について解説しました。

この関税撤廃は農家に大きな影響を与えています。
関税は日本が他国から農林水産物を輸入する際にも、関税をかける事ができなくなります。
もちろん安い農作物、付加価値の高い農作物が日本に入ってきます。米や小麦は税率が維持されるような特別な品目もありますが、ほとんどは関税がない為、日本の農作物と比べ値段が安くスーパーや商業施設に並べられます。

その結果、日本で育てた国産の農作物は売上が減少してしまいます。

農家さん達はこの協定を廃止する声が多く挙げられ農業の問題として大きく取り上げられています。

しかし農林水産省もこの声を受け様々な対策を行なっています。

例えばこのTPP協定は農家の収入を大きく減らす要因とされていましたが、「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づき、農業の所得や農村地域の関連所得の増大に取り組むとしています。
具体的には、、
・需要の拡大や輸出促進などによる生産額の増大や資材費等の縮減などによる生産コストの縮減
・加工・直売の取り組み、6次産業化の推進を行い所得を増大させること
・中山間地域においても収益性の高い農業を目指し、基盤整備を契機とし「中山間地域における優良事例集」を作成し公表。また横展開を計っていく。

こうした取り組みがTPPの影響により起こりました。

また農作物の国内対策としては、農作物の品質、鮮度、出回り時期の棲み分けにより輸入品と一定程度の差別化が測られています。
今後国内対策を着実に実行し、国際競争力の強化を図ります。とされています。

農林水産省はTPPの影響で収入に大きな影響はないという見解でしたが、農家は今も尚半足している方が多くいます。

今後の農家とTPPについて注目して行かないといけません。

今後の農家の目標とは?

今後は更に技術が発展し、スマート農家が増える事が予想されています。
当然、人材不足などは深刻化すると予想されており、10年後には農業従事者が半分になると予想されています。

こういった現状は受け止めて問題に対する改善を早めに始める事が大切です。

例えば農業の法人化も進むと予想されています。法人化が増えれば家族経営農家などは経営が難しくなってくるでしょう。しかし最新の技術や発展したネットワーク等を駆使すれば充分に戦っていく事は可能です。

また、農業従事者の問題も今の若者に農業に触れる機会を設けることや農業に興味を持ってもらう取り組みを行う必要があります。

日本の農業は持続可能な農業を目指す経営戦略を立てていき、世界と遜色ない農業を目指す事が目標だと言われています。

まとめ

本記事では日本の農家が抱える問題、解決策、TPPがもたらす農家への影響について解説しました。
現在日本だけでなく世界でも同じ問題を抱えている国がいます。

大切なのは現状でなくこれから深刻化していく問題に対してどう対処していくかが大切です。
「就農を考えている方」「現役農家の方」は、本記事を読んでこれからの仕事の取り組み方について参考にしてみてください。

また「みんなで農家さん」というサイトでは農業についてたくさんの情報があります。
農業の問題もたくさん掲載していますので、ぜひ閲覧して見てください。
https://minnadenoukasan.life/

最後までご覧いただきありがとうございました。

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