【交付金】畜産経営の負担を緩和「牛マルキン・豚マルキン」制度【交付金】畜産経営の負担を緩和

畜産農家は現在非常に厳しい状況が続いてます。

何が厳しいのか。

それは経営を続けることです。

実は現在畜産農家では海外の情勢に影響を受けて飼料の値段が高騰したり、牛の値段が大暴落したりと経営に非常にダメージを受けています。

このままでは、畜産農家は経営が継続することが困難になり廃業する農家が多くなることが予想されます。

そこで救済措置として提案したいのが、肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)、肉豚経営安定交付金(豚マルキン)です。

ニュースなどの各メディアでも、農業が大変であることが取り上げられることが増えてきましたが、あまり実感として感じることは普段生活をしている中では感じられないかと思います。

それは、普段生活している中で私たちの生活で畜産物が不足していると感じることが少ないからです。

不足していることは感じにくいと思いますが、値上がりについては段階的に上がってきているために物資が高騰してきているなと感じている人は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、3つの内容について紹介していきたいと思います。

1、海外の情勢による影響について

2、畜産農家の経営が厳しい状況

3、何か対策することができないかの情報

普段生活している中では値上がりについてや理由について考えることはあまりないと思いますが、理由を知ることは非常に大切です。

そして、この理由が現在経営が難しくなっている畜産農家などにも直結している理由や経営が大変な畜産農家の人に少しでも役にたつ情報を提供できればと思います。

ぜひ最後まで一読してみてください。

値上がりはなぜ起きているのか

日本の物資の多くは海外からの輸入による部分が非常に多くなっています。

そのため、海外の情勢によって為替が変動すると円安になり輸入するための価格が高騰します。

また、需要と供給の問題もあります。

最近では誰もが知っているウクライナとロシアの戦争ですが、日本からしたら他国のことであまり関係ないと思っている人も多いと思います。

しかし、このウクライナとロシアの戦争によって世界の情勢が大きく変わり、日本でも大きなダメージが出ています。

その結果として、冒頭でも紹介した畜産農家経営に大きな影響が出ています。

わかりやすく解説していくために3つに分けて説明していきます。

1、日本の食料自給率の問題

日本は先進国の中でも食料自給率が低い国です。

昔は75%とほどあった食料自給率も現在では35%程度しかありません。

そのため農林水産省としても食料自給率を向上させることが急務だとして2030年に食料自給率を45%まで向上させることを目標としています。

現在、食料品を初め色々な物資の値上がりがされています。

これは国内の生産だけでは需要に対して供給が足りなくなるために海外からの輸入によって補填しているためです。

この輸入による影響として、為替が円安になっているために輸入する物資が非常に高騰しています。

円安も過去にみないほど上がってしまっているために必然的に値段をあげなければ輸入することができなくなってしまうためです。

2、戦争によって輸出されなくなった物

次に戦争によって輸出がされなくなった物についてです。

ウクライナとロシアが戦争を始めたことによってそれぞれの国から輸出が制限されたものがあります。

それはとうもろこしや穀物などです。

ウクライナはとるもろこしや、穀物の輸出量が世界でも5位と大きなウェイトを占めていました。

しかし、戦争が始まったことによって世界的に輸出をしていたものが輸出されなくなったために輸入を行っていた他国のそれぞれの国は別の国から輸入を行う必要性が出てきました。

この他国から輸入を行う必要性がでてきたというのが非常に重要なポイントになります。

世界的に輸出を行っていた物を別の国が全てを補うには占めていたウェイトがあまりに大きく需要と供給のバランスが崩れる事態になりました。

この需要と供給のバランスが崩れたことによって価格が高騰することになり今までの値段では取引ができなくなりました。

3、畜産農家に欠かせない物

畜産農家が家畜を育てるために欠かせない必要な物はなんでしょうか。

それは飼料です。

飼料の多くは海外からの輸入によって日本の畜産農家の多くは使用しています。

飼料に必要な物としては、とうもろこしや穀物などです。

つまり、ウクライナとロシアの戦争によって需要と供給のバランスが崩れたことによって値段が高騰しているものがまさに日本の畜産農家には欠かせない物だったのです。

そこに為替の影響も受けて円安となり、これまで仕入れていたものが倍以上にコストがかかるようになり畜産農家の経営に重く負担がかかるようになりました。

畜産農家がダメージを受けている内容とは

畜産農家がダメージを受けている内容としてここまで紹介してきた飼料の高騰以外にも牛の値段の暴落や生乳の価格が値上げできないことが挙げられます。

まず、牛の値段の暴落についてですがこれは新型コロナの影響が関係しています。

新型コロナの影響によって学校の給食などが中止になったことで生乳の需要が減少することになりました。

生乳は日々牛から搾取するので需要が減少したからと行って生乳の量を減少することはできません。

しかし、生乳の量があまりにも増えてしまい日持ちがしないために発酵食品に加工などを行っていましたがこちらも在庫が増加しすぎたために生産の減少を行わなければいけなくなりました。

また、生乳の価格も『一元集荷体制』という仕組みのため年に1回しか価格の調整ができません。また、この価格調整についても指定団体がメーカーと一括して交渉を行うため農家が交渉に入ることもできないため値上げが難しい仕組みになっています。

需要が減少した生乳を抑制するために国は牛の数を減少するしかないと助成金を出す形で牛の早期削減を政策として打ち出しました。

助成金の金額は早期に淘汰すれば1頭当たり15万円とされていますが、牛を飼育するための費用を考えたら15万程度では採算はとてもあいません。

結果として、生産した生乳が売れない牛を処理することもできないと農家はマイナス分を負担するしかない状況となっています。

次に牛の取引価格が大暴落していることについてです。

生乳のための子牛は平均して約14万円程度の値段がついていました。

しかし、その後飼料の高騰や生乳の抑制などにより各農家の経営が圧迫されたことにより数ヶ月後には5000円まで取引価格が暴落しました。

最低取引価格としては1000円と過去の取引価格から見てもありえないくらいの値段まで落ちています。

経営の安定を図るための法律

ここまで畜産農家の状況について紹介してきました。

ここからは少しでも経営の助けになるように交付金の紹介をしていきます。

畜産農家の経営を助けるために、肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)、肉豚経営安定交付金(豚マルキン)があります。

この交付金の制度の目的として畜産経営の安定に関する法律に基づき、標準的販売価格が標準的生産費を下回った場合に、肉用牛生産者又は肉豚生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための交付金を交付することにより、肉用牛肥育経営及び養豚経営の安定を図るとされています。

この制度の仕組みとして、

月毎に標準的販売価格(粗収益)と標準的生産費(生産コスト)を算出し、標準的販売価格が標準的生産費を下回った場合に、その差額の9割を交付金として交付します。

 また、交付金の額の1/4に相当する額は、肉用牛の生産者が積立金管理者又は機構に納付する負担金により積立てられた「積立金」から、「積立金から支払われる額」として支払われます。残りの3/4に相当する額(国費)は、「交付金として支払う額」として、機構が支払います。

要件としては、肉用牛を販売する目的で、肉用牛の肥育を業として行っている者。

ただし、資本金の額が3億円を超え、かつ、従業員の数が300人を超える会社、暴力団員等、畜産経営の安定に関する法律その他関係法令に違反し罰金以上の刑に処された者等は除きます。

参考、引用元:農林水産省「肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)、肉豚経営安定交付金(豚マルキン)」https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/l_zigyo/tikusankeieianteitaisaku/marukin/ushibutamarukin.html

要約すると牛と豚の販売価格が標準価格よりも下がってしまった場合に交付金にて補填しますということです。

1/4は積立金からになりますが、残りが国からの補填となるため販売価格が著しく落ち込んだとしても経営のダメージを減らせる制度です。

要件としても、規模が大きい会社ではなく中小クラスが対象となっているのは経営難に陥った時に立ち直しが難しいため要件として対象を制限しています。

現在の畜産農家の現状では、有効に利用することができる制度のため、該当する場合には利用してみてはどうでしょうか。

まとめ

畜産農家が経営が難しくなるほどのダメージの理由は3点です。

1.海外情勢による影響

2.輸入品の高騰

3.国内での値段の下落

日本の多くは輸入品によって需要に対して供給が追いついてる状況です。

そこで、今回のように海外の情勢が悪化した場合には様々な場所で値段の高騰が起き非常に苦しい状況になります。

今回取り上げている畜産農家は特に飼料の高騰による影響を強く受けています。

そこに、新型コロナによる生産量の削減など色々と重なり経営を圧迫する事態となりました。

必要な物は高騰し、生産した物は売れない、しかし生産を削減するにも家畜のために削減することもできない。

経営ができなくなるには十分な理由です。

そこで、少しでも費用の負担が減らせるように

肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)、肉豚経営安定交付金(豚マルキン)の制度で下落した分を交付してくれる制度があります。

交付要件などもありますがこのような制度を利用きて少しでも経営の負担が少なくなるように利用してみてはどうでしょうか。

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