国産バナナが流行中!日本各地で栽培されるようになった背景と、その栽培方法とは?

日本人が最も消費している果物はバナナです。しかし、国産バナナの生産量は全体のわずか0.01%で、実際はその99.9%が輸入に頼っています。

今までは温暖な地域でわずかに生産されているのみで、日本のほとんどの地域ではバナナ栽培が難しいとされてきました。

そんな中、近年では日本全国でバナナを栽培する動きが進んでおります。

国産バナナのスムージーが流行したり、「皮まで食べられるバナナ」はインパクトがありメディアでも紹介されたりと、国産バナナにスポットが当たるようになってきています。

国産バナナは基本的に無農薬とのことですが、その栽培方法とはどんな内容なのでしょうか。

この記事では

  • 国産バナナが注目されるようになった背景
  • 国産バナナが全国各地で栽培されるようになった理由
  • 国産バナナの栽培方法

について紹介しております。

「農業をやってみたい」、「稼げる農家になりたい」、「国産バナナが気になる」という方はぜひ参考にしてみてください。

国産バナナが注目されるようになった背景

近年、国産バナナが注目されるようになりました。その背景として以下の理由が挙げられます。

  • 日本人のバナナの需要は非常に高い
  • バナナは99.9%輸入に頼っており、安定供給が難しくなるかもしれない

それぞれ詳しく紹介します。

日本人はバナナを年間30本食べるほどバナナ好き

日本人はバナナが大好きです。

バナナは日本人のほとんどが食べたことのある果物であり、私たちの生活になじみのある果物です。

総務省統計局家計調査によると、日本人が最も購入している果物はバナナであることがわかりました。りんごやみかんといった他の果物と比較しても、圧倒的にバナナの購入金額が高く、年間5232円分のバナナを購入しているという結果が出ています。

購入価格を重さに換算すると19.8kgもの量になり、年間1人30本ものバナナを食べていることになり、かなりの需要があることがわかります。

バナナは99.9%輸入に頼っている

バナナは常にスーパーや青果店に置かれており、一年を通して購入することができます。これらのバナナは、99.9%海外から購入した輸入品です。

輸入割合を示したグラフを見てみると、フィリピンが76.1%、エクアドルが12.3%、その他が11.6%となっています。

また、バナナの輸入量98万トンに対し、国産での出荷量は161トンです。つまり、日本人はたくさんバナナを食べるにも関わらず国内で生産されているバナナはわずか0.01%です。

輸入バナナにおける問題

他の果物と比較しても安価に購入できるバナナですが、輸入バナナを安く大量に仕入れる過程には様々な問題が指摘されています。

ポストハーベスト

ポストハーベストとは、果物や野菜などを海外へ輸出する際に、害虫やカビなどを防止するために使う農薬のことです。

 日本国内では現在は使用が禁止されていますが、海外から輸入する食品には、品質を保ち、見栄えのよい状態を維持するため使用が認められています。

輸入バナナも例外ではなく、バナナの多くは「燻蒸処理」がされています。

「燻蒸処理」とは、輸入検疫で虫が発見された場合に行われる殺虫処理のことです。

2006年のデータですが、フィリピンから専用船で輸入されるバナナの89%、コンテナで輸入されるバナナの47%が燻蒸処理されたという結果もあります。

輸入に頼っている以上バナナには常にポストハーベストへの不安が付きまといます。

農薬による健康被害や労働搾取問題

バナナの生産を効率化するために現地では農薬を空中散布しています。たくさんの菌や害虫を駆除するために殺菌・殺虫剤を使用したり、人工肥料の過剰な使用などで土壌は侵され、農家の人の健康も損なわれます。

ほかにも、非人道的な条件下での労働、少ない給料、最大15時間の過剰労働など、安価なバナナの生産現場では多くの問題が指摘されております。

バナナの病気によって輸出量が減少

バナナの主な輸入先であるフィリピンを中心に「新パナマ病」が広がっています。

「新パナマ病」とは 土壌伝染性の植物病原糸状菌「TR4」という菌が根から侵入することで感染する病気です。これによって、フィリピンのバナナ輸出量は2019年には6%減少しました。

バナナは99.9%輸入に頼っているため、今後も病気だけではなく、世界情勢や輸入先の国の経済・社会事情や輸送の障害などの影響を受けやすくなります。

その結果、最悪の場合は日本にバナナが届かなくなることもあり得ます。

国産バナナの栽培が全国に広がっている理由

国産バナナの需要が高まる中で国産バナナが一般的にならない理由の一つが気候にあります。

バナナは通常、温暖な地域のみしか栽培できないといわれており、国内でも沖縄と鹿児島のみで栽培されていました。

しかし、近年では北海道や東北など日本全国20以上の市町村で栽培されるようになっています。

なぜ気温が低い地域を含め、全国各地で国産バナナ栽培が可能になったのでしょうか。その理由は主に2つあります。

  1. 低温でも栽培可能な技術の活用
  2. 低コストな温度管理方法

実例とともにそれぞれ紹介します。

低温でも栽培可能な技術の活用

国産バナナが普及したきっかけとなったのは低温でも栽培可能な技術「凍結解凍覚醒法」が活用されるようになったからです。

「凍結解凍覚醒法」とは、田中節三先生が開発した技術であり、アグリバイオベンチャー「D&Tファーム」のウェブサイトには以下のように書かれています。

D&Tファームの作物は、「凍結解凍覚醒法」によって作地適合された次世代作物です。我々は、氷河期を乗り越え、世代を繋いだ植物のチカラに着目。フルーツの冷凍種子植物の種子や細胞に、独自の凍結工程・解凍工程で氷河期を体感させ、順応性を最大限に覚醒させる事に成功いたしました。植物の栽培可能地域を塗り替える夢の技術。それが、凍結解凍覚醒法です。

引用:農業法人 株式会社 D&Tファーム​

凍結解凍覚醒法を行うことで、「耐寒性」、「耐暑性」が高まる効果が期待できます。

この技術によって本来は温暖な地域のみでしか栽培できないバナナの栽培地域が広がっていき、近年では全国各地で栽培することが可能になりました。

低コストな温度管理方法

バナナ栽培には特に温度管理に莫大なコストがかかります。しかし、他の目的で発生する熱エネルギーを活用することによって「温度管理の低コスト化」をしているバナナ農場がいくつか存在します。

有名なのは、新潟県のシモダ産業の「越後バナーナ」です。

シモダ産業は産業廃棄物処理を主事業としていますが、その傍らでバナナ栽培にも力を入れています。

ここでは、廃棄物の焼却処理で発生する排熱を利用してバナナを栽培しています。排熱から温水をつくり、ビニールハウス内の配管に温水を流すことで温度管理をし、バナナを安定して栽培することに成功しました。

焼却施設から発生する熱エネルギーを有効活用する方法はサーマルリサイクルと呼ばれますが、仮にサーマルリサイクルを行わない場合、新潟の環境で冬季のハウス内を24℃以上に保つには600リットル以上の重油が必要となるため、かなりのコストカットに成功していることがわかります。

新潟の冬は雪が降ることも珍しくない環境ですが、そんな極寒の中でもハウス内は24度以上を保っているそうです。また、夏は窓の開け閉めで35度以上にならないよう管理しています。

また、北海道の「友夢牧場」もバイオガス発電の余熱を活用し、岐阜県の「奥飛騨ファーム」では温泉を活用して温度管理をしています。

このように、排熱を利用し温度管理に必要な光熱費を抑えることで、国産バナナの栽培を可能にしています。

国産バナナの栽培方法とは

実際にバナナはどのように栽培するのでしょうか。

日本人にはバナナ栽培をしている様子をみる機会はほぼなく、難易度が高いと思われがちですが、温度管理と水やりをしっかりと行うことで栽培することが可能です。

バナナは木ではなく「草」であり、種は無い

バナナは大きな木に実を付けているため、果樹の一種だと思われがちですが、実はバナナは果樹ではなく「草」に分類されます。

木に実った果物は、季節がくれば毎年収穫することができますが、常緑多年草であるバナナが実を実られるのは一度のみです。

しかし、地中に埋まっている茎は生きていて、吸芽が出てきます。バナナには種は無く、この吸芽を掘り起こし新芽が出ることで次のバナナを作ることができます。

国産バナナは無農薬での栽培が可能

通常、フィリピンなどの東南アジアの熱帯地域で栽培する際には害虫の被害を避けるために農薬を使わないと栽培できません。しかし、比較的涼しい日本ではこれらの害虫被害が少なく、無農薬で栽培することが可能です。

温度管理が重要であり、ハウスが必須

バナナ栽培の適温は20度から30度です。

20度以下は生育不良になり、10度から15度では生育がゆっくりになり、15度で葉が枯れ、マイナス2度で完全に枯れてしまいます。

また、35度を超える高温になることも生育不良になるため注意が必要になります。

さらに、日当たりが良い場所を選ぶことも重要です。

そのため、基本的に国産バナナの栽培はハウスで行います。また、冬場の温度管理のために暖房機も必要となります。

苗植え

バナナの苗は鉢に植えるか、地植えをします。腐葉土や小玉の赤玉土などで水はけの良い土を作り植えます。植えたらたっぷり水をあげ、日当たりの良い場所で栽培します。

地植えの場合は、幅と深さが30cmの穴を掘ってから苗を植えます。苗同士が近くなりすぎないよう注意します。

水やり

熱帯地方原産のバナナ栽培には水分が必要です。土の表面が乾いてきたら水やりが必要です。最も水やりが必要となる夏場には1000平米で15000Lもの水を使うそうです。

また、乾燥するとハダニがついてしまうことがあります。ハダニ対策として水をかけて、適度な湿気を与えておくことも大切です。

肥料・追肥

バナナ栽培には肥料が重要です。生育適温である20から30度の気温を年間維持できる環境であれば、年間を通して肥料を施します。また、葉っぱが黄色くなるときは、肥料不足のサインのため、観察も必要です。

収穫

バナナの収穫は1年に2回。開花してから70日から100日で収穫できます

やわらかくなりすぎると痛みやすく風味も落ちるため、多少青くても香りが漂ってきたら収穫して常温で追熟します。

バナナは一度に8房前後つき、1房に10から15本ほどの実がつくため、1株で120から150本収穫できます。

収穫はとても重労働であり、収穫の時のみ人員を増やす農園がほとんどです。

収穫後のバナナは枯れてしまうため、根元から切り倒し処分します。また、このバナナの茎をバナナペーパーにしたり、肥料にしたりと、再利用する動きもあります。

その他の作業

株分け:バナナは実を収穫するとその木は枯れてしまうので、根本より出た子株(吸芽)を株分けして増やします。株分けから2・3年後から収穫が期待できます。

雄花のカット:バナナの先端には雄花があります。バナナは単為結果といって受粉せずに実がつくため、実がならないところはカットします。

古皮はがし:幹についた枯れた古皮は、内側に虫が侵入したり、見栄えも悪くなるためはがします。

農家として国産バナナを栽培をすることは可能か

これから農業として国産バナナの栽培を始めることは十分に可能です。

バナナは基本的に強い植物であるといわれています。環境を整えて手入れをすれば枯らすことは少ないそうです。

しかし、地域によって適切な栽培方法は異なるため、知識や経験は必要になります。

また、ハウスの設置や温度管理による光熱費など、コスト面も工夫が必要になります。

いきなり1人ですべて始めるのではなく、バナナ農園でまず働いてみることも可能であり、シェア農場というものも存在します。不安がある方は、リスクを減らした方法で経験を積み、少しずつバナナ農家になる準備をすすめるということも良いでしょう。

まとめ

今注目されている「国産バナナ」について、全国で栽培されるようになった背景や、栽培方法について紹介しました。

日本人のバナナ需要は高く、新しい技術によって国内での栽培が可能になったことで今後も国産バナナの栽培が広がることが予想されます。

ハウスの設置や温度管理が必要なことからコストがかかりますが、すでにある熱源を活用することでコストを下げている実例もあり、工夫次第ではコストを下げることは可能です。

国産バナナ市場はまだまだ開拓可能な市場なため、農業に興味がある方は検討してみるのも良いでしょう。

また、「みんなで農家さん」ではバナナ栽培のシェア農場を運営しています。新技術を使ったバナナ栽培を行っており、新規就農者のサポートもしております。

まずはシェア農場でバナナ栽培を経験することが可能なため、国産バナナを始めるハードルが非常に低いのが魅力です。気になるという方はこちらから問い合わせてみてください。

参考:群馬県の国産バナナ農園をご案内!ハウス設備や栽培方法は?【オンラインツアー開催報告】 | 施設園芸.com (shisetsuengei.com)

わずか0.01パーセント未満!希少な国産バナナ栽培に挑む農家(2018年10月6日放送)|特集|U-doki|UMKテレビ宮崎

バナナ栽培 (grapefruit.co.jp)

農業法人 株式会社 D&Tファーム​

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