リモートワークがスタンダードになりつつある昨今、農作物を作りながらIT業界の仕事でテレワーク、という考え方もできますね。
しかし、実際の農家での一日はあまり知らない方が大半だと思います。

筆者も、漠然とですがステレオタイプの用に

  • 早朝作業
  • 早朝作業後は暇そう
  • 畑を耕す
  • 肥料をあげる・散水する
  • 早い夕食
  • 寝るのが早い

こんなイメージを持っていました。

農業を仕事としている人は、業務時間が固定されている会社員のようにきっちりとした就業時間が決まっていません。
実際には農家の人はどのような一日のスケジュールを過ごしているのか調べてみましたので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

農家の一日のスケジュール

作業時間は日中帯が基本

農家全般における一日のスケジュールは基本的には屋外での作業になるので、太陽が出ている時間帯に合わせた労働時間になります。
そのため、早朝は早い時間の起床と作業の開始、日没の夕方頃には作業を終える、というのが日課となります。

そもそも農家というものは自営業であるため、参考程度、としてください。

労働時間ですが、おおよそ10~12時間は何かしらの作業をされているようです。

下記に見られるように、世間一般的に思われているような「暇な時間が多い」や「畑仕事しかしていない」、「頭脳労働はない」などといったことはないようですね。

それに、簡単に「農作業」といっても全身の筋肉を使うため、見た目では感じられないと思いますがかなりの重労働です。

また、家庭菜園をやっている方であれば、ハダニ等の害虫・うどん粉病や炭そ菌の確認などの農作物の状態チェックは神経を集中させる作業で、結構疲れるということご存じのはず。

一日の流れ
  • 午前
    起床・収穫、出荷準備など
  • 午後
    昼食後、管理作業、事務作業など
  • 夕方
    出荷、夕食

  • 入浴・就寝

会社員のように定時や「この時間までに」というしばりはあまりなく、自身でスケジュールを組み立てる必要があります。

いちご以外の農作物を栽培していたり、畜産・酪農や、全く違う他の業種との兼業であればさらにスケジュールは変動していきます。

また、大雨・台風や降雪などというように、天候次第では屋外での農作業が難しい場合などのときは柔軟にスケジュールを変更しなければなりません。

いちご農家の場合

いちご農家の場合の収穫時期の一日のスケジュールです。
朝摘みの場合は収穫は早朝から始まります。

一日のスケジュール

  • 4:30~5:00
    起床~朝食準備
    起床後は朝食の準備などの家事からです。
  • 5:00~6:30
    収穫開始
    朝積みのため、早朝から収穫を開始します。
  • 6:30~8:00
    朝食
    しっかり食べて、午前の作業に備えます。
  • 8:30~12:00
    出荷準備
    出荷準備は、おおよそ正午くらいまで続くそうです。
  • 12:00~13:00
    昼食
    午後の作業も長時間続くため、しっかり休憩を取ります。
  • 13:00~16:30
    圃場(ほじょう・農地のこと)でいちごの管理・作業、事務など。
    午後はいちごや畑の管理作業や、事務作業です。
    また、細かい休憩なども挟み、仕事をします。
  • 16:30~17:30
    出荷
    いちごの出荷です。
  • 17:30~22:00
    夕食・就寝
    夕食後は入浴や家事、ブログをやっている場合は更新したりします。

いちご農家の一年のスケジュール

いちご農家の場合の、収穫時期の一日のスケジュールはお分かりになったでしょうか。

一日がわかったところで、一年のスケジュールはどうなっているのでしょうか。

いちごは自分で育てた苗から育てたり、市販の苗から育てる方法があります。

大まかな年間スケジュールは以下のようになります。こちらも地域ごとに差がでてきます。

  • 秋:いちごの苗の入手・植え付け
  • 冬:いちごの苗の防寒対策、前年度に植えたいちごの収穫
  • 春:いちごの苗の受粉、収穫
  • 夏:いちごの苗作り、収穫

栽培する区域によって変動しますので、今回は静岡県の場合のスケジュールとします。

一年のスケジュール

-11月-

苗作り(親株作り)と1番果収穫

後述しますが、業務用としての一番果の収穫時期と並行し、来シーズン用に苗の親株を作ります。

子苗(ランナー)を挿し、1~2週間程で根が張ってきます。

前年度に植え付けた苗は、中旬頃には二番果のいちごのつぼみが出始め、開花します。

遅い普通作も収穫が始まり、大粒ないちごの収穫となります。

-12月-

収穫

遅い作の最盛期で、早い作では中旬から下旬には2番目のいちご収穫もはじまります。

クリスマス前にはケーキ用のいちごの需要が高まります。12月になると熟した美味しいいちごになります。

下旬頃から、いちご狩りの入園が開始されます。

-1月-

親株の定植、収穫

11月に行った苗が成長し、その苗をハウスに定植(植え付け)します。

防寒対策として、いちご株に藁などを使って保温します。暖房を使うこともあるようです。

二番果の収穫がピークとなります。

日射量の少なさとともにハウス内の気温も低いため、摘花をし、いちごの量を減らすことで株の負担を和らげます。

-2月-

収穫繁忙期

日射量も増え、いちごの収穫量が増えます。

着色が進み、収穫、パック積めなど、農家は繁忙期を迎えます。

-3月-

収穫繁忙期

二月に続き、いちごの繁忙期です。

-4月-

収穫

気温が上昇し、いちごの酸味が強くなってきます。

-5月-

収穫

4月に続き、気温がどんどん上昇していきます。

この時期もまだ、収穫時期となります。

-6月-

子苗の切り離し

7月までに子苗を小さな鉢に移します。

うどん粉病や炭そ病に感染・発病しやすくなるため、株を傷つけないように注意します。

-7月-

子苗の切り離し

6月に引き続き、子苗を小さな鉢に移します。

また、今シーズン分の収穫が終了となります。
収穫後の株を片付けなどの作業があります。

-8月上旬-

苗作り

大きな冷蔵施設に苗を運び、毎日出し入れして花芽をつけさせます。
冷蔵庫から出し入れすることで、自然環境より約一ヶ月程早く花芽をつけます。

この工程によって10月から収穫することができ、2番果房も、3番果といちごが多く収穫できるようになります。

-8月下旬~9月-

定植

下旬までベットと呼ばれるものに植えていきます。

一部のハウスでは夜間はエアコンで冷房をつけ、クリスマス期に向けた連続収穫の準備をします。

中旬には早い作でつぼみができたのち開花し、ミツバチによって受粉作業をしてもらいます。

-10月-

初収穫

開花後、約20日で収穫が始まります。

酸味が強く小さないちごですが、ケーキ用などに使用され、一年で最も値段が高い時期です。

いちご農家の利益・収入はどのくらい?

では続いていちご農家の利益や収入についてまとめてみました。

結論から入りますが、農林水産省によるといちご農家の売上は600~900万円程で、平均年収(所得)は460万程となるようです。
これらは家族二名、雇用二名で約30a程のいちご園の場合で、兼業農家や個人・新規就農者も含まれています。

いちご農家は「施設野菜」という区分になり、これはビニールハウスなどの施設を使って栽培するものが該当します。

他の区分の農業・農家と比べた平均粗収益は以下となります。

  • 施設野菜 :約1590万円
  • 畑作   :約1080万円
  • 露地栽培 :約 840万円
  • 花木(露地):約 740万円
  • 果樹作  :約 670万円
  • 水田作  :約 320万円

施設野菜のなかでも栽培品目によって所得が変わります。

  • ミニトマト:約200万円
  • いちご  :約190万円
  • なす   :約170万円

いちごは1Kgあたりの市場平均価格は1400円ほどで、他の農作物と比べても高いほうに入ります。

さらに、いちごは面積当たりの収穫量が多く、クリスマスシーズンや、シーズン外でも需要が高い農作物です。

売上を上げるには、単位面積当たりの収穫量をあげたり、
高級品種である静岡県の「きらび香」、栃木県の「スカイベリー」、福岡県の「あまおう」などを育てたりという戦略も考えられます。

また、いちごを育てる以外の方向からの攻め方もありでしょう。

いちご狩りやSNSなどで映える「いちごパフェ」やいちごに関連したスイーツやジュース、料理レシピの公開など多々あると思います。

さいごに

静岡県の場合の、いちご農家の一日・一年のスケジュールに加え、おおよその収入までまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。

農業は、土づくりや苗の準備や、日々の地道な草刈り、農作物のチェックなど取り組む大変さがとてもあります。

しかし、農業は丹精込めて育てた作物を収穫し、それを人間やペット、家畜など多岐に渡って役立てることのできる仕事です。

また、四季の変化や二度と同じ景色にはなることが無い、自然とともに生きることができる仕事でもあります。
毎日同じような時間に出勤、毎日同じオフィスに出勤する必要のある仕事とは全く違う世界ですね。

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