近年では健康のための野菜の成分を含んだサプリや加工食品などが売られています。
私たちの生活においてなくてはならないモノになりつつあり、より健康に関して研究が進んでいる時代になってきました。
そんな中、「健康増進」や「ダイエット」「老化予防」などに効果的と言われている「機能性野菜」について解説していきます。
ぜひこの記事を読んで野菜不足を補い、普段食べている食品について今一度見直してみてください。
機能性野菜とは?
私たちが普段スーパーや八百屋さんなどで購入している野菜の多くは農家さんが育てた野菜です。そんな中に栄養を効率よく摂ることができる「機能性野菜」というモノがあります。
機能性野菜とは、品種改良によって通常の野菜よりも栄養価を高め、本来なら全く含まれない栄養成分を含んでいる野菜です。
2015年に「機能性表示食品」という制度が新設され、この機能性表示食品に当てはまる野菜を「機能性野菜」と呼んでいます。
なぜこのような機能性野菜というモノが誕生したのか?紹介します。
機能性野菜が誕生した理由とは?
機能性野菜が開発された理由としては、より効果的に栄養を摂取できるというのが最大の魅力と言えます。
普段私たちが食べている野菜にも栄養は豊富に含まれています。しかし日本人が1日に摂取する野菜の量は年々減少傾向にあります。
厚生労働省が2019年に発表した「国民健康・栄養調査」では日本人の野菜の摂取量は平均値で280.5gであり、男性288.3g、女性273.6gとなっています。
表を見てもらえるとわかるかと思いますが、平成21年が最も高く令和元年が最も低くなっています。
また厚生労働省では日本人が1日に摂取する野菜の量は350gを推奨していますのでかなり低い摂取量となっています。
この350gという数字は日本人が1日にこの量の野菜を摂取すれば栄養が足りているとされている量でもあります。
そんな中の機能性野菜は350gの野菜を摂取せずとも、350g分の野菜を食べた栄養を摂取できるモノとしています。
野菜の摂取量はあくまでも目安ですので個人差がありますが、こうした栄養不足というのは常に懸念されており補うための方法として開発されたのは「機能性野菜」と言えます。
機能性野菜とは実際にどんなモノがあるのか?
実際に機能性野菜はどんなモノがあるのか?ご紹介します。
ブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウトは「機能性野菜」として代表的なモノです。
「スプラウト」とは新芽のことでこの「ブロッコリースプラウト」には「スルフォラファン」という成分が多く含まれています。
「スルフォラファン」は私たちが普段食べているブロッコリーの中にごくわずかしか含まれてないといいますが、ブロッコリースプラウトには20倍の「スルフォラファン」が含まれてい、ます。
この「スルフォラファン」という成分にはどのよのうな効果があるのか?
スルフォラファンには抗酸化や解毒にかかわる酵素を生み出す働きがあるとされています。またうつ病や精神病に対する効果もあるのではないかと研究が進んでいます。
またAGEと呼ばれる老化物質を抑制する働きや心筋梗塞や脳梗塞にも有効とされています。
高リコピントマト
リコピンという言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この「リコピン」にはガンや老化の原因となる活性酵素の発生を抑える抗酸化作用を持っていると言われています。
一般的にリコピンは熟した真っ赤なトマトに多く含まれていますが、熟したトマトほど傷みやすく生食用としては出荷できない状態にあったと言われています。
そうした理由を改善するために研究を進めてきたのが「カゴメ」と言われる企業であり、トマト栽培技術を集め研究し、高リコピントマトの開発に成功しました。
高リコピントマトは通常のトマトに比べて約1.5倍のリコピンを含んでいると言われています。
京くれない人参
「京くれない人参」は金時にんじんと五寸にんじんの交配からできた人参で、きめ細かい肉質でニンジンの匂いが少なく甘味を多く含んでいるのが特徴です。
京くれない人参はカロテンとリコピンの両方をバランスよく含んでいるのが特徴で普通の人参と比較するとカロテノイド総量が多く機能性に優れた品種です。
カロテンはビタミンAになり、リコピンは先ほどのトマトのリコピンと同じ効果を含んでいます。
普通の人参より紅色が鮮やかで金時ニンジンほど赤みがないのが特徴です。
機能性野菜を食べるメリット
ここまで機能性野菜の基礎的なことについてお話ししてきましが、普通の野菜より多く栄養を効率的摂取できるということはわかっていただけたかと思います。
しかし「機能性野菜」のメリットはそれだけではありません。
ここからは「機能性野菜」を食べるメリットについてお話ししていきます。
野菜が苦手でも食べられる
「野菜があまり好きではない」「野菜は極力食べたくない」という方もいるかと思います。
その理由の多くが「苦味」という点があるかと思います。
「機能性野菜」というのはトマトやピーマン、人参など緑黄色野菜をメインに出しており、野菜特有の食べにくさというのも改良してあります。
例えば先ほど紹介した「京くれない人参」では苦味やにんじん臭が抑えられている機能性野菜の1つです。野菜嫌いというのは子供を中心に少なくありません。
しかし普通の野菜より栄養も摂取できてかつ「臭い」や「苦味」を少なくしているのは「機能性野菜」の魅力であると言えます。
加熱しても栄養価が落ちない
機能性野菜の利点としてビタミンなどの有用成分が長持ちするものや火を通しても栄養が損なわれにくいモノがあります。
本来の野菜というのは加熱することで栄養を損なうことがありますが機能性野菜では品種改良により栄養が落ちにくいように研究されています。
例えば、「ひかりレンコン」という機能性野菜では食物繊維の他にもビタミンCも多く含まれています。ビタミンCは水溶性であれば加熱すると壊れやすいとされていますが、でん粉質に守られているため加熱しても成分がほとんど減らないと言われています。
また機能性野菜は栄養が損なわれにくいため、干し野菜などにすることで保存食としても重宝することが可能になります。
まとめ
この記事では「機能性野菜」について種類やメリットなども合わせて解説しました。
機能性野菜は現代の栄養不足を補ってくれる革新的な野菜であり、これからも研究が進んで行けば更に品質の良い「機能性野菜」が誕生するかもしれません。
しかし一方で「機能性野菜」を食べたからといって人間が1日に必要な栄養素を全て含んでいるわけではありません。機能性野菜でなくともバランスよく組み合わせて摂取することが大切です。
国では350gの野菜を推奨していますが、いきなり目標をそこに合わせなくても徐々に食べる量を増やしてみてはいかがでしょうか?
また「みんなで農家さん」では機能性野菜以外にも農業に関する情報もたくさん掲載しています。また農業の記事も日々更新されていますのでブックマーク等お願い致します。
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最後まで閲覧いただきありがとうございました。
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