「農業を始めたい!」そう考えている人の中に、合同会社で始めることを検討している人もいるのではないでしょうか。
合同会社は株式会社と比べて設立費用やランニングコストが安く、意思決定のスピードが速いというメリットがあります。
そのため、農業初心者や小規模な農業経営者にとって合同会社を設立して運営していくという手段はとても魅力的な選択肢の一つといえでしょう。
しかし、合同会社にはメリットだけでなくデメリットもあります。
例えば「株式会社に比べて社会的信用力が低い」、「資金調達が難しい」といった点が挙げられます。
合同会社で農業を始めるメリット・デメリットをわかりやすくまとめてみましたので、これから合同会社で農業を始めようと考えている人の参考になるかもしれません。
合同会社とは?
合同会社とは「出資者と経営者が同一である」会社形態のことをいいますす。
株式会社とは異なり、出資者には株式を発行されず出資額に応じた議決権や配当を受けることができます。
また、合同会社には取締役会や監査役会が設置されていないため意思決定がスピーディーに行われるという点も。
合同会社は2006年の会社法改正によって新設された会社形態で、株式会社に比べて設立費用やランニングコストが安い、意思決定のスピードが速いといったメリットがあるため近年注目を集めています。
合同会社のメリット
合同会社のメリットは、以下のとおりです。
設立費用やランニングコストが安い
意思決定のスピードが速い
柔軟な経営が可能
合同会社のデメリット
合同会社のデメリットは以下のとおりです。
社会的信用力が低い
資金調達が難しい
合同会社は設立費用やランニングコストが安い、意思決定のスピードが速いといったメリットがあります。
反面、社会的信用力が低い、資金調達が難しいといったデメリットもあるため、メリットとデメリットをよく比較検討した上で会社形態を決めることが大切といえますね。
合同会社の設立手続き
合同会社を設立するには以下の手続きが必要です。
定款の作成
定款の認証
登記申請
合同会社の設立手続きは株式会社の設立手続きに比べて簡素です。
しかし、定款の作成や登記申請は専門的な知識が必要となるため、司法書士や行政書士に依頼することをおすすめします。
合同会社で農業を始めるには?
合同会社で農業を始めるには以下の流れで手続きを行います。
事前準備
農業を始めるための準備を行います。
農業用地の確保や経営計画の策定などを行い、合同会社設立の準備を整えます。
定款の作成
合同会社の基本事項を定めた定款を作成します。
定款には、社名、本店所在地、事業目的、社員の氏名、出資額、役員の氏名などを記載します。
定款の認証
公証役場で定款を認証してもらいます。
定款の認証には、定款の原本と副本、収入印紙が必要です。
登記申請
法務局に登記申請を行います。
登記申請には、定款の謄本、登記申請書、登録免許税が必要です。
農業経営の開始
合同会社を設立したら、やっと農業経営を開始します。長かったですね。
ここからは農業用地の整備や農作物の栽培などを行い、収益を上げていきます。
合同会社で農業を始める際の注意点
合同会社は設立費用やランニングコストが安い、意思決定のスピードが速いといったメリットがあり、農業を始める際にも選択肢のひとつとして検討できます。
しかし、合同会社で農業を始める際には以下の点に注意が必要です。
社会的信用力の低さ
合同会社は株式会社に比べて社会的信用力が低いため、資金調達や取引において不利になる可能性があります。
株式会社は会社法によって設立手続きが厳格に定められています。
そのため、株式会社は社会的信用力が高く、資金調達や取引において有利に働くことがあります。
合同会社は設立手続きが株式会社に比べて緩やかであるため、社会的信用力が低いです。
合同会社で農業を始める場合、農業用地の取得や農機具の購入などの資金調達が必要となります。
しかし、社会的信用力が低いがゆえに融資や出資を受けることが難しい可能性があり、自らの資金で農業経営を行う必要があります。
また、農業用地の賃貸契約や農産物の販売契約などを行う際にも、社会的信用力が低いことがネックになる可能性があります。
資金調達の難しさ
合同会社は社会的信用力が低いため、資金調達が難しい可能性があります。
融資や出資を受けることが難しい場合は、自らの資金で農業経営を行う必要があります。
農業経営は初期投資や運転資金が必要な事業です。そ
のため、自らの資金で農業経営を行う場合は十分な資金計画を立てることが重要です。
経営のリスク
合同会社は出資者全員が有限責任であるため、経営が失敗した場合でも出資額以上の損失を負うことはありません。
しかし、農業経営は天候や病害虫などの影響を受けやすいリスクの高い事業です。
そのため、経営が失敗する可能性を十分に考慮した上で合同会社で農業を始めるかどうかを判断する必要があります。
具体的な注意点
合同会社で農業を始める際には、以下の点に注意しましょう。
資金計画を十分に立てておく
農業経営は、初期投資や運転資金が必要な事業です。
そのため、自らの資金で農業経営を行う場合は十分な資金計画を立てておく必要があります。
社会的信用力を高める努力をする
社会的信用力を高めるために以下の取り組みを行うとよいでしょう。
- 農業経営計画を明確にする
- 農業経営の透明性を高める
- 地域の農業団体や金融機関と連携する
リスク管理を徹底する
農業経営は、天候や病害虫などの影響を受けやすいリスクの高い事業です。
そのため、リスク管理を徹底することが重要です。
- 農業保険に加入する
- 複数の作物を栽培する
- 販売先を複数確保する
合同会社で農業を始める際の費用は?
合同会社で農業を始める場合以下の費用がかかります。
定款の作成費用
合同会社の基本事項を定めた定款を作成する必要があります。
定款の作成費用は、司法書士や行政書士に依頼する場合は、10万円程度が相場です。
定款の認証費用
公証役場で定款を認証してもらいます。
定款の認証費用は、1万円程度です。
登記費用
法務局に登記申請を行います。
登記費用は、登録免許税が2万円、登録免許税以外の費用が数万円程度です。
農業用地の取得費用
農業用地を取得する場合、土地代や仲介手数料などの費用がかかります。
土地代は立地や規模によって大きく異なります。
農機具の購入費用
農作業を行うための農機具を購入しなければなりません。
農機具の購入費用は農作物や規模によって大きく異なります。
その他費用
農業経営に必要な各種保険や許可・認可の取得費用なども必要です。
合同会社で農業を始める際の費用の目安
合同会社で農業を始める場合、以下の費用がかかります。
定款の作成費用:10万円程度
定款の認証費用:1万円程度
登記費用:2万円程度
農業用地の取得費用:数百万円~数千万円程度
農機具の購入費用:数百万円~数千万円程度
その他費用:数十万円程度
具体的な費用は農作物や規模によって大きく異なるうえ、土地の取得や農機具の購入はリースや融資を利用する方法もあります。
合同会社で農業を始める際の費用を抑える方法
合同会社で農業を始める際の費用を抑えるには以下の方法があります。
定款の作成を自分で行う
定款の作成を自分で行うことで司法書士や行政書士に依頼する費用を抑えることができます。
農業用地を借りる
農業用地を借りることで土地代を抑えることができます。
中古の農機具を購入する
中古の農機具を購入することで購入費用を抑えることができます。
農業保険に加入する
農業保険に加入することで自然災害や病害虫などのリスクを軽減することができます。
合同会社で農業を始める際のメリット・デメリット
合同会社は、設立費用やランニングコストが安い、意思決定のスピードが速いといったメリットがあり、農業を始める際にも選択肢のひとつとして検討できます。
合同会社で農業を始めるメリット
合同会社で農業を始めるメリットは、以下のとおりです。
設立費用やランニングコストが安い
合同会社は、株式会社に比べて設立費用やランニングコストが安く抑えられます。
株式会社の設立には公証役場での定款認証や登録免許税の納付などが必要となり、費用がかさみます。
一方、合同会社は定款認証や登録免許税の納付が不要であるため、費用を大幅に削減することができます。
意思決定のスピードが速い
合同会社には株式会社のように取締役会や監査役会が設置されていないため、意思決定がスピーディーに行われます。
株式会社では取締役会や監査役会の承認を得なければ、重要な意思決定を行うことができません。
そのため、意思決定に時間がかかってしまうことがある一方、合同会社では社員全員で意思決定を行うため、スピーディーに事業を進めることができます。
柔軟な経営が可能
合同会社は定款で自由に定めることができるため、柔軟な経営が可能となります。
例えば業務執行社員や業務執行役員を定めることで、経営の効率化を図ることができます。
また、合同会社は事業譲渡や株式譲渡が容易であるため、事業展開の幅を広げることができます。
合同会社で農業を始めるデメリット
合同会社で農業を始めるデメリットは、以下のとおりです。
社会的信用力が低い
株式会社は会社法によって設立手続きが厳格に定められています。
株式会社は社会的信用力が高く、資金調達や取引において有利に働くことがあります。
合同会社は設立手続きが株式会社に比べて緩やかであるため、社会的信用力が低いというデメリットがあります。
資金調達が難しい
合同会社は社会的信用力が低いため、資金調達が難しいというデメリットがあります。
株式会社では銀行や投資家から株式を発行することで資金調達を行うことができます。
合同会社では融資や出資を受けることが難しいため、資金調達に苦労することがあります。
経営のリスクが高い
農業経営は天候や病害虫などの影響を受けやすいリスクの高い事業です。
合同会社は出資者全員が有限責任であるため、経営が失敗した場合でも出資額以上の損失を負うことはありません。
しかし、経営が失敗する可能性を十分に考慮した上で、合同会社で農業を始めるかどうかを判断する必要があります。
まとめ
合同会社は、設立費用やランニングコストが安い、意思決定のスピードが速いといったメリットがある一方、社会的信用力が低い、資金調達が難しい、経営のリスクが高いといったデメリットがあります。
合同会社で農業を始める際には、これらのメリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に判断することが重要です。
合同会社は農業を始める際に検討する会社形態のひとつとして検討できる選択肢の一つだとと思います。
設立費用やランニングコストが安いため、初期投資や運転資金を抑えることができ、意思決定のスピードが速いたことも選択理由の一つ。
日本の企業ではリスクを過剰に恐れているという雰囲気があるため、海外企業の勢いに打ち負けてしまいますね。
ただし、社会的信用力が低いため資金調達が難しいことに加えて、経営のリスクが高いため十分なリスク管理を徹底することが重要です。
合同会社で農業を始める際には、これらの点に注意して、成功につなげていきたいですね。
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