政府備蓄米の存在理由を知ろう!

政府備蓄米とはどういったものか、ご存知でしょうか?

ニュースでも度々取り上げられているものですので、名前だけは知っているという方もいらっしゃると思います。

しかし、その実態を詳しく知らない方も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は政府備蓄米について、詳しく取り上げていきますので、最後までお付き合いください。

政府備蓄米とは?

政府備蓄米とは、凶作や不作時の流通安定のために日本国政府が食料備蓄として保存している米のことです。

備蓄米は、災害や大凶作が起きたときに消費者に安定して米を供給することを目的にしています。

そのため備蓄米のメリットは、備蓄米の目的そのものと言えるでしょう。

しかし近年、人口減少や食生活の変化により主食用米の需要量は減少傾向にあります。

農林水産省は消費減退の加速が避けられないと判断し、需要見通しを見直しました。

毎年の需要量の減少ペースは約8万トンと算出されています。

備蓄米のメリットが消費者のために活かされるときは来るのでしょうか。

今回はそこに焦点を当てていきたいと思います。

ちなみにこの政府備蓄米は、1995年(平成7年)に「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」が施行され制度が発足しました。

政府は毎年約20万tの米を買い入れ、保管期間(約5年)を過ぎた米は飼料用米などとして売却しています。

1.備蓄制度開始の経緯

平成5(1993)年産米が戦後例のない大不作(作況指数74)となったことに加え、平成3(1991)年の不作(作況指数95)以後、米の持越在庫の水準が低かったことなどによる米不足が生じ、いわゆる平成の米騒動が発生しました。

政府は平成5(1993)年から平成6(1994)年にかけて、アメリカ、オーストラリア、中国及びタイから合計259万トンに上るコメの緊急輸入を行う対応をとりました。

「平成5(1993)年産米の大不作」、「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意」などを契機に、主食である米穀の需給及び価格の安定を図るための新たなあり方について広範にわたる議論を行い、平成7(1995)年に「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」が施行され、備蓄制度が発足しました。

2.備蓄米の運営方法

備蓄米は、適正備蓄水準を100万トン程度として運用しています。

これは、10年に1度の不作(作況指数92)や、通常程度の不作(作況指数94)が2年連続した事態にも国産米をもって対処し得る水準となっています。

政府による買入や売渡が市場へ与える影響を避けるため、通常は主食用途に備蓄米の売却を行わない棚上備蓄を実施しています。

なお、適正備蓄水準100万トン程度を前提とし、毎年播種前に21万トン程度を買入れ、通常は5年持越米となった段階で、飼料用等として売却しています。

3.不作の際の備蓄米放出のプロセス

大凶作や連続する不作などにより、民間在庫が著しく低下するなどの米が不足する時における備蓄米の放出については、食料・農業・農村政策審議会食糧部会において、放出の必要性に関し、作柄、在庫量、市場の状況、消費動向、価格及び物価動向等について総合的な観点から議論を行い、これを踏まえて、農林水産大臣が備蓄米の放出等を決定します。

日本の備蓄米は不足しがち?

近年は米の価格が上昇傾向にあり、産地はより高く売れる主食用の生産を優先しています。

そのため、国は備蓄米の買い入れを思うようにできていないのが現状です。

国は毎年20万トンを5年に分けて買い入れて備蓄しています。

2018年産以前の過去4年は、2回の入札で予定量の9割強を確保できていました。

しかし2018年産は4回目の入札でも6割弱(11万7000トン)という結果になりました。

実際、コメ農家目線で考えてみれば「高く売れる」ことのほうが重要です。

主要米の需要が多い外食業者向け、せんべいや酒などに使用する加工向けに力を入れる農家がほとんどです。

1年前のデータにはなりますが、2018年1月末に行われた都道府県別の調査によると、29県が備蓄米の作付けを前年より減らす計画をしており、備蓄米を増やそうと考える地域は0という結果になりました。

備蓄米の備蓄状況推移

備蓄米の備蓄状況について、古いデータにはなりますが、平成28年6月末と平成29年6月末の備蓄状況を示したデータをご紹介します。

平成28年と平成29年の時点では、在庫量は共に91万トンをキープしています。

しかし平成29年6月末の備蓄米の中で、

平成26年産 25万トン

平成27年産 25万トン

平成28年産 22.5万トン

と平成28年産が減少している様子がわかります。

先述でも紹介した2018年産においては、最終的な落札量が12万3000トンとなり、5年ぶりに低水準となりました。備蓄米が不足しがちであることがわかります。

備蓄米確保の改善策としての都道府県別優先枠

そこで政府は備蓄米を確保するために「都道府県別優先枠」を設定しました。

取引を活性化させるために設置した「優先枠」では、一般枠よりも比較的高い価格で買い入れることになります。

とはいえ、1回目の入札は落札量1万7628トン。落札率8.4%となった初回の入札は、低調だった18年産の初回の入札と同率となりました。

日本農業新聞の報道では、“産地には様子見が目立った”と書かれています。

落札数量の積み上げを狙う新たな入札改善

備蓄米を求める国は、落札量向上のために入札方法を改善しています。

今まではJA等の入札者が個々の農家を訪問し、どれだけ備蓄米を出すかを聞き出し、同意を得てから入札していました。

主食用米の需給バランスを安定させるため、備蓄米の推進を重視した農林水産省は、入札方法を改善。今後(第5回の入札から)、JAなど入札者は個々の農家の同意を得ることなく、自らの判断で備蓄米の入札量を決めることができるようになりました。

政府備蓄米の保存方法と保存場所

政府備蓄米は、夏でも倉庫の温度を15℃以下、湿度は60%~65%を目安に一定の条件に保って保管されています。

これにより、お米の呼吸がおさえられ、お米に含まれている脂肪などの成分の変化が進みにくくなるので、とれたての美味しさを保つことができます。

また、害虫やかびの繁殖も防げます。

では、その倉庫はどこにあるのか。

実はJAなどが政府寄託倉庫として保管しているのです。

知らなかっただけで、私たちの身近に保管されていたのです。

子ども食堂と政府備蓄米

政府備蓄米100万トンのうち、毎年20万トンを買い付けると言われていますが、5年で古くなったお米は飼料用米などとして売却していると冒頭で紹介しましたが、実は他にも使用されている場所があります。

それは、学校給食や子ども食堂、フードバンクなど食材提供団体で、無償で配布されています。

しかし、これを利用するには、きちんと申請して、その申請通りに使われたかどうかを報告しなければなりません。

また、5年前の米は普通の保存では腐ってしまったり、虫が湧いてしまって食べることができません。

きちんと一定の条件を保って保存しているからこそ、5年経ったあとも食べることができるのです。

そのことをきちんと理解した上で子ども食堂やフードバンクなど食材提供団体で配布されているということを念頭に置いておきましょう。

こちらが学校給食用等政府備蓄米の交付についてのホームページとなります。

↓詳しくはこちらをご覧ください↓

農林水産省

資料や申請書など、すべてを見ることができます。

〜過去の交付実績〜

令和3年度の交付実績は、学校等給食向けが96件(約11トン)、子ども食堂等向けが249件(約19トン)、子ども宅食向けが305件(約78トン)でした。

  令和4年度の交付実績は、学校等給食向けが101件(約12トン)、子ども食堂等向けが245件(約19トン)」、子ども宅食向けが421件(約149トン)でした。

こうして見てみると、交付実績が伸びていることが一目瞭然でわかりますね。

子ども食堂とは?

こども食堂とは、貧困家庭や孤食の子どもに対して、地域住民のボランティアや自治体が主体となり、子どもが一人で利用できる、無料、または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する場のことです。

なお、孤食とは週の半分以上1日の全ての食事を一人で食べている状態のことを指します。

名称は「こども食堂」ではありますが、近年は親や地域の人々など、誰でも利用できる食堂が増えています。

地域交流や子どもの見守りの場など、地域に開かれたコミュニティの場としての役割も担っていると言っていいかもしれません。

そんな、子どものための場所でもあるので、ぜひとも政府備蓄米を活用していってほしいですよね。

手間ではあるかもしれませんが、不正利用されないためにはどうしても必要なものとなります。

申請を面倒臭がらず、きちんと申請をして活用するようにしましょう。

まとめ

政府備蓄米は、災害や大凶作に見舞われたとき、消費者に安定して米を供給できるだけでなく、米の市場価格を調整する役割も担っています。

ここまで読んでいただいて、その存在がとても大切なものだとわかっていただけたかと思います。

私たち日本人にとって、米は食生活に欠かせないものです。

きちんと存在理由を知った上で、この取り組みに関心を持ち、応援していきましょう。

そして「みんなで農家さん」では、農業が好きな方、農家を志す人、農業従事者の方へ役立つ、最新情報やコラム、体験談などをこれからもお届けいたします。

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