新規就農を目指し「これから農業を始めよう」という方々にとって絶対に必要となるもの、それは農機具一式です。
農機具は、単に「土を耕す」「農作物を刈り取る」「水をまく」ための道具ではありますが、農作業では全シーズンを通しての肉体的な労働・力を使った作業が続きます。
「若い」「体力・腕力には自信がある」「機械に頼りたくな」「お金を節約したい・お金をかけたくない」などというように考える気持ちは、理解できます。
栽培する農業規模が狭い場合や、年齢が比較的若いうちまたは体力に余裕があるようでしたら、スコップやシャベル、クワなどでも不可能ではありません。
しかし、次第に体力が衰えたり、病気になった場合でも同じように作業しなければならなくなったときは話は別です。
そんなときのためにも、トラクターなどの機械を使った農機具は準備しておきたいものですね。
しかし、最初に導入する農機具は何が必要か、どんな基準で選べばいいか悩んでしまう人も多いでしょう。
新規農業に参入または「農機具の購入を検討している」という方の参考にもなるよう、農業をやるうえで必要となりそうな「クボタ」の農機具を、まとめてみました。
クボタとは?
農業をやったことがない・興味はないという方でも「クボタ」というメーカーを見たり聞いたりしたことはあると思います。
まずは「クボタ」とはどのようなブランドなのかをご説明いたします。
「クボタ」は農機具メーカーの一つですが、国内シェア率が全体の約4割を占めている日本国内最王手・人気のメーカーです。
また、「クボタ」は国内だけではなく、海外のマーケットにも注力しています。
そんな「クボタ」は農機具の中でもトラクターの需要が最も多く、海外・日本国内問わずに使用され続けいています。
「クボタ=トラクター」や「トラクター=クボタ」というイメージが定着し、評判や実績があるために購入をしている農家も多いようです。
海外旅行で東南アジアへ行くと日本製の車やバイクが走っていることから、海外では発展途上国での中古市場において大変人気があり、近年では国内での新車需要も高まりつつあります。
クボタの主力製品
■トラクター
記事の冒頭で記載した通り、クボタの国内シェア率は全体の約4割で海外でも日本を代表するメーカーとして高い人気があり、さらに農機具の中ではトラクターは圧倒的な需要で世界中で需要があります。
海外ではガソリンエンジンが主流ですが、クボタの小型・ディーゼルエンジンのパワーと高い耐久性のあるモデルが評価されたために世界規模でのビジネスができるようになりました。
■耕運機
1947年に「耕運機K1型」が発売され、その後農業の機械導入が進んだため、後続発売された耕運機もヒットしました。
クボタの耕運機はラインナップが豊富で、TAというシリーズが人気があります。
■コンバイン
クボタのコンバインも国内一位のシェア率を誇ります。
小型コンバインのエアロスタージョイカムJrのヒットがあり、シェア率を伸ばしました。
■田植え機
トラクターやコンバインに引き続き、田植え機までもクボタは国内シェア率No1です。
2016年に発売された、業界初GPS搭載、自動操縦が可能の「田植機EP8D-GS」が話題になりました。
■除雪機
雪が降らない地域では不要ですね。
SLAシリーズというスノースラロームがラインナップされていて、静音性を高めたエンジン静音カバーと静音ブロワが搭載されています。
■選別機
人参農業に特化した、にんじん選別機「キャロッタ」が発売されています。
人参の傷つきを軽減するため、大容量ホッパーと供給ホッパーにクッションが設置されています。
農業やるなら必須の道具・農機具
農作業の現場で必要とされる道具には以下が挙げられます。
クボタの製品ではなく、手作業用の農機具となりますが、参考までにいくつか載せておくことにしました。
- クワ(鍬)
- レーキ(熊手(くまで)、手把(しゅは))
- スコップ
- マルチ
- 防護ネット(不織布など)
- ハサミ
それぞれどのような道具なのかをご紹介していきます。
クワ(鍬)・レーキ等
「クワ(鍬)」や「レーキ(熊手(くまで)、手把(しゅは))」と呼ばれる畑を耕す際に必要不可欠な農機具。
農業を始めるには、自分自身で畑や農地などの土を耕す「土作り」から始めなければなりません。
クワ(鍬)のその主な用途は土を掘り起こすためであり、先端の金具の違いにより、様々な用途に対応したり、土壌の質によって各地域に合わせた特徴があります。
レーキ(熊手(くまで)、手把(しゅは))は、柄の先に爪を多数取り付けた形状をしているもので、枯れ葉を集めたり干し草をかき寄せたり、土を柔らかくしたり平らにならしたりなど、いろいろな用途に使われます。
畑を平らに均す時や、農地の土表面に転がっている小石や小枝などの障害物を除くのに使われます。
支柱・マルチ
支柱はつる性の野菜・倒れやすい野菜を栽培する場合に必要な道具で、スチールに樹脂コーティングがなされた「野菜用支柱」などがあります。
マルチは土の保温や乾燥を防いだり、雑草を生えにくくまた、雨などでの肥料の流出防止や作物の病気の伝染を防ぐなどの効果があります。
黒色のマルチは雑草が生えにくいといわれるので、雑草予防として設置する場合は黒色を選ぶと良いでしょう。
効率が良くなる!農業機械
本格的に農業事業を始めるのであれば、人間の体力や力は限界があるため、一日の作業量は機械には絶対に勝てません。
機械はメンテナンスの必要性がありますが、人間のような休憩はほぼ不要です。収穫量や作業時間の短縮に直結するので、導入しないということはまず考えられません。
トラクター
牽引するための車で、農業用トラクターは各種作業用の農業機械、またはトレーラーを引くために使われます。
トラクターに耕運機を取り付けて畑を耕している風景はテレビなどでもよく見ます。
耕運機
田や畑の土を掘り返したり反転させたりして耕すことを目的とした農業機械です。
エンジンを載せたフレームに耕耘のためのロータリーを連結し、人が後からついて歩くものとなっています。
田植機
自分の足を使い、歩きながら苗を植える歩行タイプと、シートに座って運転しながら田植えをする乗用タイプがあります。
植え付け爪によって苗を挟み持ち、土に挿し込むタイプのものが日本では一般的で、植え付け爪を持つ田植機は、マット苗を植えるものとポット苗を植えるものに大別されます。
また、上記以外にも苗を植え付ると同時に、肥料を投入したホッパーから苗の脇の土中に肥料を置く「側条施肥」という機構が付いた田植機もあります。
コンバイン
田んぼや畑の上を走りながら、稲、大豆、麦、トウモロコシなどの穀物を収穫・脱穀作業などを行います。
コンバインの構造は、バリカンやディスク状の刃の刈取り部、刈り取った収穫物の搬送部、穂や茎から実を取り出す脱穀部、脱穀した穀粒を一時貯留するグレインタンク、排わら処理部などからできています。
日本では水田という湿地を走行するために装軌式(通称キャタピラー)の走行装置をもち、穂の部分だけを脱穀部に入れる独自の脱穀部をもつ自動脱穀コンバインが主流のようです。
軽トラック
畑へ向かう際の足、畑で収穫した物を作業場まで運ぶための軽トラック。肥料やスコップなどの道具も持っていけます。
畑の中に直接トラックで乗り入れる場合は、4WDを検討してみるのがいいでしょう。
新品農業機械 メリット・デメリット
新品で揃える場合のメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
まずはメリットからです。
➀メーカーとの関係性の構築
メーカー保証があるため、故障した際には修理依頼ができます。
➁年間コストの削減
トラクターはであれば寿命が長く、使用期間が「馬力×100時間前後」以内であれば故障しにくいといえます。
そのため、長期的な目線であれば、年間にかかるコストを抑えれるといえるでしょう。
➂下取りしてもらえる
買い替えする場合は、購入したメーカーが下取りをしてくれたり、同一メーカーへの買い替えであれば下取り価格が上がることも。
➃オプションを選択できる
農機具に限らず、車両などはオプションを付けることが可能です。
そのため、ご自身が必要と判断したものであれば購入時にオプションを付けたりカスタマイズする自由度が高いです。
次はデメリットです。
➀初期費用がかかる
当然ですが、新品であれば初期費用が高くつきます。
➁納車まで期間が必要な場合がある
オプションを付ける場合など、手元に届くまで日数がかかる可能性があります。
「今日これから農業を始めるから必要!」という場合以外は気になりません。
新品であれば、金銭面以外は特にデメリットとはいえないでしょう。
中古農業機械 メリット・デメリット
中古で揃える場合のメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
まずはメリットからです。
➀新品の半分以下の価格で購入できる。
クボタ NB19(19馬力) というトラクターを比較対象として、新品と中古品で下記価格差があります。
新品:約¥2,167,000(税込)
中古:¥715,000(税込)
中古三台を買えば新品一台分と同額位になりますね。
➁買い替え時の費用削減
新規就農時は中古で運用し、利益が出て資金に余裕ができてからでも新品を購入もしくはもう少し性能が良い中古農機具を購入できます。
クボタ NB19を新品で買う場合に比べ、もう一台を中古で購入してもおつりが来ますね。
➂他の設備投資に回せる。
上記で挙げた理由と同様、別な設備に回すこともできます。
次はデメリットです。
➀寿命
新品のメリットでお伝えしたように、トラクターの寿命は「馬力×100時間前後」が目安というのが一般的です。
例えば19馬力のトラクターであれば、1900時間を超過すると故障などが発生してくる時期となり、買い替えの判断ポイントです。
ただし、日本のトラクターはこの目安時間を超えても海外へ輸出し、現役として使用されているため、まだ使用はできる状態ではありそうです。
➁メーカー保証がない
メーカー保証が付いていないため、故障した際には実費での修理もしくは買い替えとなります。
クボタで揃えてみる
クボタのWebサイトに掲載されているものからピックアップしてみました。(※2023年2月20日現在)
トラクター
トラクターの選び方は、車選びと同じで色々なタイプがあるため、「これがいい」とは一概には言えません。
最近のトラクターではエアコン完備が当たり前で、さらに音楽を聴く事が出来ます。
あえて例を挙げるとしたら、古いタイプのトラクターではエアコンが無い場合があるため、予算に少しでも余裕があるならエアコンが付いているトラクターを選ぶのがよいでしょう。
田植機
田植機を選ぶ条件は、自分の足を使って歩きながら苗を植える歩行タイプか、シートに座って田植えをする乗用タイプにするかでまずは決め、その次に対象農地の広さで絞り込みます。
田植機は2条植えから、4、5、6、7、8、10条植えまであり、シンプルに規模が3反歩未満だったら、2条、4条植え(クボタのみが出している3条植えも含む)にして、
3反歩以上なら、基本的に4条植えより多い条数の田植機が選択肢として入るでしょう。
他には植え付けの速さや、肥料を同時に撒くか否かというオプションもあります。このオプションは後付けができないため、購入前に注文し、あらかじめ装備された田植機を受け取ることになっています。
コンバイン
耕運機はガソリンタイプ、軽油タイプ、電気タイプ、ガスボンベを燃料にして動くタイプがあり、家の庭程度を耕すならガスボンベタイプ、
女性には電気タイプやガスボンベタイプの軽量タイプ、ある程度広い畑や効率よく土を耕したい場合であれば本体が重いが馬力のあるガソリンタイプや軽油タイプがいいでしょう。
まとめ
新規就農で農業を始めるのであれば、失敗するリスクも考慮したうえで中古で農業機械を揃えたうえで始めるのが無難かと思いますし、実際に農業をやってみて採算がとれるようであれば下取りに出して新品を購入したり、別な資材を購入することもできるでしょう。
クボタの製品は中古市場でも海外で人気があるということから、故障頻度もそうそう高くないようです。
農業を新しく始めるのであれば、まずは「続けられるかどうか」で判断してみてもよいのではないでしょうか。
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